碧雲
ついつい牧と浩太に集中して読みたいと思ってしまうのでこの評価にしましたが、今までよりもストーリーに満足できなかったという意味ではありません。牧がかつてあれだけ懐深く真摯に浩太の過去に向き合って、丸ごと受け入れて愛してくれたのだから、今度は牧の過去に対して、浩太も読者もとことん向き合うべきだと思っています。過去にあったことは誰にも変えられないし、自分を納得させるためにはやはり、放置するのではなく立…
4巻までのシリアスさを吹き飛ばすかのように、エロや笑いに突っ走っていて最高でした。牧の変態さと、段々素直に、そしていやらしくなっていく浩太の恥じらいっぷりや乱れっぷりを存分に楽しめる巻だと思います。酔ったふりで迫られて、ついつい自ら脚を開き求めてしまう浩太はエロ過ぎました。牧のモノを見せつけられただけで発情してしまうなんて、1巻からは考えられないほど開花しましたよね。牧の言うように顔と体のミスマ…
中盤までは能成とアラタがそれぞれけじめをつけ、ハルトがついに能成を抱くという展開でしたが、最後はやはり純佑と忍の話に持っていかれましたね。個人的にはここまでせっかくシリアスな展開に耐えてきたので、ハルトと能成がくっついてからの話がもう少し多ければ嬉しかったなぁと思いました。もちろん、P.B.B.シリーズのメインは純佑と忍であることに異論はありませんし、最後に忍の方から純佑に思い切り気持ちをぶつけ…
やっぱり純佑やハルト達に比べると、能成もアラタも幼いなぁと感じることが多いのだけど。でも、実際まだまだ未熟で多感な年頃に、純佑やハルトとは異なる経験をしてきていることを考えると、誰しも2人のような行動に出る可能性はあるのかなとも思います。2人とも姉や兄に対して情があるからこそ、どんどん考えが拗れていったわけですもんね。家族に対する情が深いのは、けっして悪いことじゃないし、当然のこと。ただ、自ら飛…
純佑の弟の能成がまた登場すると思っていませんでしたが、彼のことも結構気になっていたので、メインで登場してくれたのは嬉しかったです。この巻ではまだ全然BL展開にはならないけれど。かつて純佑を完全に敵対視していたハルトがかなり可愛げのあるキャラになっていて、純佑にそっくりの能成を引き取り面倒見もいい兄貴分になってあげているのには萌えました。悪になりきれない、溢れ出るいい人感。こんなお兄ちゃんだったら…
牧も浩太も何が正解なのかたくさん悩んでいて、本当に辛い時期だったけれど。でも、15歳に戻ってしまった浩太が過ごした日々は、きっといろいろなことを確かめられた有意義な日々でもあったと思います。事故が起きて良かったとは言わない。ただ、既に起きてしまったことを、どう2人の関係の糧に変えていくか、それを考えるのは大切なことだと思います。牧が好きなのは深津に初恋も初体験も捧げた浩太、でも記憶を失って気持ち…