麻々原絵里依さんのレビュー一覧

君を抱いて昼夜に恋す 小説

久我有加  麻々原絵里依 

大阪言葉の艶に撃ち抜かれる。

関西の方がどう感じるか分かりませんが、ずっと関東住まいの私としてはものすごく色っぽく感じる言葉でした。
作者の後書きにもありましたが、物語が大正時代の大阪のため出来るだけ古い言葉を使用した、と。
おそらく実際に耳にしても色気を感じる台詞回しだと思うのですが、字面も大変艶っぽくて!
受けの八束が「弄て、弄て・・・・・・」と言うシーンがあるのですが、読みは「いろて」です。
なにこのインパクト!…

1

色悪作家と校正者の貞節 小説

菅野彰  麻々原絵里依 

笑い3割、あとは号泣

私、このシリーズがすごく好きかもしれません!
「好きかも」という、非常にあやふやな曖昧表現なのは「ひょっとして、あたしの読み方は間違っているかも」という不安があるからです。
私、このシリーズで笑えないんです。
むしろ、泣けてくる。
それも泣けてくるなんて穏やかなものではなく、号泣しそう。
最近涙もろくなっている(加齢のためですね)のは認めますが、それだけじゃないと思うんです。

以下…

4

色悪作家と校正者の弟の帰宅後「色悪作家と校正者の貞節」ご購入者特典・書き下ろしペーパー 特典

文字が、文字が、、

B5サイズの用紙を4分割してそこに2段組みでびっしり。
紙の大きさとしては4つ折りにして文庫本に挟み込むにはちょうどいいサイズなんだろうけど、さすがに年寄りには読むのが辛い文字サイズ。
そしてお話は、森鴎外の「高瀬舟」と「舞姫」の文学談義に絡めての、東堂の正祐の弟へのちょっとした嫉妬心やら、正祐の東堂への気持ちやらが詰め込まれた漢字ばかりのお上品な会話文で、これはこれで本編で登場したアバンギャ…

1

色悪作家と校正者の貞節 小説

菅野彰  麻々原絵里依 

この新人作家は勘弁してほしい

今回のこの本は、読むのに結構に苦労した。
主人公の塔野と東堂が、文学の難しい話したりしてる分には全然OKで、この二人の、というか、主に塔野の感情面での未熟さゆえのじれったさみたいなのも、そこがこの小説の核だと思うから、それをしっかりじっくり描いてあるのにもついて行けるのよ。
読むのが辛かった理由は、今回登場した当て馬キャラの方。
最初の方で、これが登場したシーンで思わず読むのやめようかと思っ…

2

茅島氏の優雅な生活 コミック

遠野春日  麻々原絵里依 

夢があります

上流階級に属する人間と庭師、身分違いの恋と聞いて、うっかり”チャタレイ夫人の恋人”を思い出しちゃう年代ですが、友人に勧められて平成最後の夏!初めて読みました。本作が長い間多くのBLファンに愛読されている理由がなんとなくわかったような気がします。
クラシカルで上品なムードが全体を貫いていて世界観が素敵です。綺麗なものしか読みたくないんです、という気分にぴったり。現実を忘れて、お紅茶を飲みながら、こ…

3

恋人は、一人のはずですが。 小説

楠田雅紀  麻々原絵里依 

『ネタばれ容認派』もネタバレなしの読了を強くお勧めします

電子書籍で読了。挿絵、あとがきあり。

読み始めて一番最初に思ったのは「先にレビューを読んじゃって失敗したあーーーーー!」ということ。
私は下手をすれば推理小説ラストも先に読んでしまう位の『ネタばれ全然平気というか、むしろ歓迎派』なのですが、このお話はやっぱり「仕掛けを知らずに読んだ方が断然面白かっただろうな」と思うのです。
楠田さんもそれを意識して書いているし、そこがとてもとてもいい感じ…

2

恋人は、一人のはずですが。 小説

楠田雅紀  麻々原絵里依 

生まれてきて、よかった。

難しい。
本当にその一言に尽きる作品だったな、と。
ネタバレなしで読むことを本当にオススメしたいです。

受けさんの東護は、偶然がきっかけでペンネームがマサトという
作家と知り合うことに。
次回作を書いてほしいことの交換条件に抱かれることを提示され
2人は度々交流を取りながらも距離を縮めていく。
そんな時、柳瀬優という大人気若手実力作家に担当を指名され会いに行くも
マサトと瓜二つ…

3

若様のヨメ 小説

久我有加  麻々原絵里依 

性格合わない人間だっているさ

割と好きな方に入る作家さんなのですが、こちらは単純に合いませんでした。
理由は登場人物の性格が合わなかった、これに尽きます。

攻めは異常にポジティブシンキングで、話が通じず意思疎通が出来ないレベルはちょっと勘弁。受けは人の気持ちだけじゃなく自分の気持ちにすら鈍感で、前に他のレビューでも書いたんですが鈍感な人はそもそも嫌いなのです。
攻めも受けも全部嫌な訳では無い。長所はもちろんあるし、尊…

1

新婚神社で抱きしめて 小説

安曇ひかる  麻々原絵里依 

ぷにぷにあにゃるん

安曇先生&麻々原先生の挿絵だったので購入。軽やかなコメディよりで可愛らしいお話なんだと思うのですが、受けさんが少し好みのタイプと違ったので少し萌が↓し、萌としました。本編260Pほど+後日談(エロエロふんどし話)20Pほど+先生のあとがき。個人的ポイントは、袴姿の攻めさんの挿絵です・・・素敵♡

お話は、週末二日間続けたバイト先から、一緒にバイトした女子と帰るシーンから始まります。幼馴染のみな…

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甘くとろける恋のディテール 小説

水上ルイ  麻々原絵里依 

水上さん作品ならではのお約束は健在

久々に水上さんの小説を読むと安定した読み易さ、甘々、勧善懲悪、ハッピーエンドにほっとする。
お仕事BLにしても華やかな職業をよく取り上げていて、現実はそう綺麗事では収まらないだろうが、物語だというのを弁えていてネガティブな部分を出さないから年甲斐もなく夢見がちな気分に浸る事ができる。

この話もそんなお約束に則っているが、受け・光太郎に執着するモラハラ、セクハラなデザイナーがイマドキすぎる下…

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