木原音瀬さんのレビュー一覧

箱の中 小説

木原音瀬  草間さかえ 

ヘビーですが感動します( ; ; )

木原さんの本はすごく覚悟して読むのですけど、毎回、予想を超えたヘビーさに胸をえぐらます。本当に人の弱さ、狡さ、闇のところを容赦なく突きつけられた上で、それだからこそ、愛の美しさや尊さを見せつけられます。すっごい読み応えで、感動しました。
個人的には、「美しいこと」よりはこちらの作品の方が好きでした。「美しいこと」は恋愛にとことん向き合うような内容でしたが、こちらは人生?に向き合うような内容だった…

2

牛泥棒 小説

木原音瀬  依田沙江美 

お江戸情緒を残した明治

タイトルを見て「ん……?」と思いましたが、読み始めて納得。雰囲気は、お江戸情緒を残したライトな明治という感じでした。
主従モノで、かつ妖怪モノ。
その設定が見事にマッチしていて違和感がなく、あっという間に作品世界に引き込まれてしまいました。

この本には「牛泥棒」「古山茶」「笹魚」の三作が収録されていて、そのうちの「牛泥棒」は、主従モノならではの切なさが読みどころ。
一方の「古山茶」と「…

3

箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

愛って何ですか?

痴漢冤罪で実刑判決を受けた堂野は、刑務所での生活に心身共に参ってしまう。
追い詰められ泣きながら眠る夜、そっと自分の髪を撫でてくれた手に、堂野は何とか踏みとどまる。
堂野は慰めてくれた喜多川に礼を言うが、何故か喜多川はその後も堂野に「ありがとう」と言われることに固執するようになる。
どこか子供のように幼いところのある喜多川に無邪気に慕われるようになるのだが、そのうちに喜多川は堂野への好意を隠…

4

美しいこと 下 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

愛しいこと

文庫版を読んで満足していたのですが、その後の物語があると知り、今本収録『愛しいこと』が読みたくて、ノベルス版も手に取りました。
なので、『愛しいこと』に関してだけ呟きます。

ガー!!寛末~~~!!このヤロウ!!!(怒)
そう何度も叫びました。
『美しいこと』は松岡視点で書かれていたので、松岡の気持ちは痛いほど伝わっていたし、彼に感情移入していました。なので、『愛しいこと』の寛末視点が・…

4

美しいこと(文庫版) 小説

木原音瀬 

何度も読み返してるのに、ページを捲る手が止められない本

終末金曜日の夜だけ女装することで日常を忘れてストレスを発散していたサラリーマン・松岡。
その日はストレス発散に失敗し、カバンも財布も失くし女装姿のまま裸足で雨の降る街角にしゃがみこんでいた。
そんな松岡に傘を差しかけ、靴を貸し、金まで渡してタクシーに乗せてくれた同じ会社に勤める冴えない男・寛末。
松岡は自分の正体を明かせないまま女装姿で女として寛末と会ううちに、寛末から好きだと告げられる。

3

LOVE&CATCH 小説

木原音瀬  彩景でりこ 

笑いとリアリティーのある生々しさが絶妙

堀内のことを嫌いにもなれないけど、好きにもなれない渋谷(攻)と一応付き合ったはいいが、好かれていないのではと不安な日々を送る堀内(受)。
付き合うきっかけはありえないのに、二人のやりとりは人間らしい生々しい部分があるので惹きこまれます。そして受けは禿のおっさん(笑)コンプレックスを笑ってはいけないと思いつつも笑ってしまうし、いい年したおっさんの乙女のような恋心は非常に痛いです。
この二人が本当…

5
非BL作品

ラブセメタリー 小説

木原音瀬 

生き地獄

非常に感想を書き辛い。
落としどころがない。
子供しか愛せない=子供にしか欲情しない。
欲望を満たす時=犯罪を犯す時。
これは当事者は地獄だろうと、予測で語るにも重すぎる。
人の親として、かつては子供だった者としての真っ当な意見はあるけれど、そんなのは語っても仕方ない。
こういうマイノリティもある。
常識では絶対に認められないけど、こういう嗜好を持って生まれてきた人がいて、倫理観と欲…

9

NOW HERE 小説

木原音瀬  鈴木ツタ 

圧倒的センス

すごい。とにかくすごい。だって今まで生きてきて、50歳のおじさまにこういうときめき方をしたのははじめて。
はじめは遊びだった福山が、どんどん虜(?)になっていくように読んでいるこっちもどきどき……萌え萌え……福山の誕生日のリボンのあたりはとくに、ため息が出るくらい萌え。年下の恋人の言うことをいちいち真に受けたり、鳥の話をしてくれるおじさん……なんてかわいいおじさんなんだ……!
と、ひたすらワク…

3

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

あーこれは無理

今まで読んできた木原さん作品は、痛くても気持ち悪くてもなぜか最後まで徹夜までして読んでしまう作品ばかりだったのですが、この作品は申し訳ありませんが途中飛ばしました。。。読んでいられなかった。。。

ドッグフードにxxxをxxxしたものを食べさせるとか、よく思いつくよね!!木原さん大丈夫?!と、登場人物や話の内容がどうよりも、作者の心の健康が気になる作品でした。

と言いながら懲りずに木原作…

1

夜をわたる月の船 小説

木原音瀬  日高ショーコ 

生きて!!と思う

オヤジ受けは初めてだったけれど、はじめてがこの作品で、もうすっかりその魅力に引き込まれてしまった。オヤジ受けだからというか、オヤジであることと受の持つ事情が相まってというか。とにかく圧倒的存在感の受と、比較的普通な攻がどうなるのか、読み始めたら手が止められませんでした。
受になる柴岡は、見た感じは普通のおじさんで良い上司であったけど、その中身がとんでもなかった。不安定で嘘つきでいくら手を伸ばして…

4
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