最新レビュー一覧

元カレが教育係だったんですが 小説

海野幸  麻々原絵里依 

両視点でとても読みやすい

社会人1年生、営業職として入社した直人はかつてつきあっていた正臣と新職場で再会する、しかも自分に仕事を教えてくれる新人教育担当だった、というお話。
タイトル通りですね。本書は、「元カレが教育係だったんですが」(表題作、雑誌掲載作)と、「インターンが曲者すぎるんですが」(書き下ろし)の2本立て。分量的にはだいたい半分半分です。
表題作が150~160ページくらい、2本目が180ページくらいなので…

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箱の中(文庫版) 小説

木原音瀬 

読んだ後は暫く抜け出せない

今作も感情をガンガン揺さぶられる作品でした。
冤罪で捕まってしまった堂野に同情してしまいます。おそらく私も堂野の立場なら冤罪を主張して投獄されていたと思います。やってもいないことをされたと、見たと2人の女性が凶弾する様は恐怖しかありません。堂野に恨みのある女性が復讐してきているのかと思いましたが、そうではなかった。
毎日痴漢されていたことが事実なら、乗車時の防犯カメラを1週間でも調べれば堂野の…

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魚住くんシリーズⅠ 夏の塩 小説

榎田ユウリ  岩本ナオ 

執着のなさは優先順位の違いなのかな

 ずっと気になっていたシリーズで、タイトルからぎりぎり今の時期に読みたいなと思い立ち、手に取りました。魚住真澄という人間の唯一無二の佇まいが、周りの人物も読者も魅了する作品で、静かで淡々と進む普遍的な日常生活のなかに少しずつ変化していく久留米と魚住それぞれの心情が丁寧に描かれていました。家庭環境や生い立ちが不運な受けは数多存在しますが、魚住のまったく頓着しない性格により悲愴感はだいぶ隅に追いやられ…

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人生七周目の予言者は王弟殿下の寵愛を回避したい 小説

村崎樹  小山田あみ 

ファンタジー好きなら読んで損なし!

超王道ファンタジー!
ネタバレなしで読んで欲しい

全体的に癖がないので、万人受けする作品だと思います。

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ラムネの小舟 1 小説

朝丘戻  犬居葉菜 

伝えあうことの大切さと一筋縄ではいかない、朝丘先生の書くオメガバース

朝丘先生の優しい、心の動きを丁寧に書かれるところが大好きです。
新刊を読むことが出来て幸せです。
ゆっくり2人が心を通わせていき、しっかりと将来のことから目を背けず生きていく様子を見守り本当にいい子たちだなと思っていたんです。やはり一筋縄ではいかない。この壁をどう乗り越えるのでしょうか。でも絶対に朱理は人生をかけて紺を愛し抜くはず。続きを読むのが楽しみです。
ふたりがお互いの好きなところ言い…

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恋する食卓 小説

樋口美沙緒  末広マチ 

2人の今後が平和でありますように

ある日遠縁の幼なじみユキが就活のために隼の家に居候することに。
オシャレな部屋に味噌汁の匂いが~と言いつつもユキのことが大好きなのがバレバレだなと読み進めていくとのほほんとした作品ではないことが徐々に判明していきます。(樋口先生の作品なので絶対何か起こるだろうとは思って読んでいましたが。)
でもこのプライドの高い隼がなりふり構わずユキに笑って欲しいという気持ちで突き進むのがとてもかっこよかった…

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社長、新人教育してください! 社長、会議に出てください! 3 小説

海野幸  ミドリノエバ 

「そういう貴方だから、この先もついていきたいし背中を支えたいんです、私は」

ここまで続いてくれる作品になってくれて大変嬉しいです。待っておりました、新刊。
会社のこれからを見据えて新人採用をしたけれど、新人くんがなかなかに曲者で……という展開。
お仕事BLとして本当に読み応えがあるのが本当によいなと改めて思いました。もちろん同棲を始めたことによりお互いが寄りかかれる描写があったのも大変良かったのですが。鳴沢はお節介でなくちゃ、ですね。
もっともっと続いて欲しい作品で…

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エンドロールは100年後 小説

月村奎  ミギノヤギ 

「自分で思っている以上に、エネルギッシュで、太陽みたいな人です」

脚本家の怜久がスランプ脱却のために田舎に引っ越してきて、出会ったのは便利屋の蔵之介。
やっぱり月村先生の日常BLが大好きだなと再確認しました。
優しくて明るくエネルギッシュな蔵之介に惹かれていく怜久。
でも蔵之介は過去の出来事からそうではないと思っていたり。両思いになってからのお互いの嫉妬もお互い誤解が解けるまでのやり取りも良かったし、怜久が前向きに仕事に取り組めるようになれていい方向に進ん…

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Platinum 小説

冬木真魚 

「一つあれば、十分。――本当に大切なものって、一つだけでいいんだよ。たくさん持ってたら、大変だろ?」

最初はお互い都合のいい関係でいただけなのに、少しずつ染み込むように感情が変化していく様子がとても好きです。
なぜか無意識に指輪を眺めてしまう葵。出世のための結婚を割り切っているはずなのに葵のことがよぎる直人。
大切なものは一つだけで、代わりなんていらないという葵の言葉は今までのことを思うと本当に感情を持っていかれます。
冬木先生の場面の見せ方と言いますか、決め手のシーンはそこに行き着くまでの…

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fragile 小説

冬木真魚 

「そうして、いつか命が尽きるとき、最後に口にするのは、——君の名前。」

持っている側が持っていない側に全て差し出そうとして置いていかれちゃうんですよね。
普通であったら交わらなそうたふたりが惹かれあって行く様子が幼さもあって危うくて。離れてもふたりともずっと忘れられなくて。
脆くて壊れやすかった恋心がしっかりと根を張った強い想いに成長していく様子から別れていた時間きっとふたりには必要な時間だったんだなと思えます。柿本さん目線の話が最後にあるのも良いんですね。

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