H3PO4
吉利谷の印象が最初の頃から随分変わったなぁというのを、改めて感じる巻でした。丹羽や火弦達の前では父兄のような存在感で、陽明や一見に相対すると隙がなく飄々としていて、ヤクザのトップとして誰にも喰えない感じが前面に出ていた印象でしたが。彼は財前相手だと、喜怒哀楽も普段の何倍にもなるんですね。吉利谷が唯一心を許し預けているのが財前。この関係性が尊いなぁと。
やはり2人が晴れて伴侶になるまで波乱…
前巻までより吉利谷と財前を包む空気がぐっと甘さを増していて、今後の展開にさらに期待を煽る巻でした。財前を前にすると、吉利谷の表情が本当に柔らかく解けたようになりますね。心から安心できる相手、甘えたい相手なんでしょう。そういえば子供の頃から、財前の眼に映る吉利谷の表情はずっと柔らかかったですね。吉利谷の職業柄、この2人にはまだ波乱が起きそうですが、今まで散々窮地を切り抜けてきた分そろそろお互いに落…
一番大人な2人に見える、吉利谷と財前の現在と過去。激怒した一見や陽明に対しても飄々と接することができるほど、ヤクザの頭としての器を十分に備えている彼ですが、プライベートでは添い寝してもらわないと熟睡できないタチだったり、少し不安定な部分も。
吉利谷と財前、そして一見も交えた幼馴染3人が今までどんな関係を築いてきたか。3人とも昔から大人びていたのかと想像していましたが、過去編の彼らはとても…
火弦の想いが報われる巻。感無量でした。陽明の犬として、文字通り体を張って彼の命を守った火弦。自分の身を顧みない行動は痛ましさというより、むしろ神聖さすら感じられました。普通ならここで、守られた側は「もっと自分の身を大事にしろ」と言うと思うんです。でも、陽明は言わない。火弦はあくまで犬だから。陽明が心から欲しているのは、自分に仕える代わりに愛情を注いでやれる犬なんですよね。
犬、だから価値…