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藤たまき
雀影
今となっては、ほぼほぼニアBLの、古典的名著ファンタジーの新装版です。 新装版といっても、この本の出版自体既に10年近く前ですが、 耽美とファンタジーが地続きで、まだBLって名前が付いていない頃の、 人間と、きれいな男の子の姿をした精霊たちの、妖しかったり危うかったりする淡い関係を描いた短編連作集。 主人公は、生まれた時の精霊の祝福の手違いで、出会う男の精霊を必ず魅了してしまうという設…
一穂ミチ yoco
「キス」の続編です。 というよりも、「キス」とこの「ラブ~キス2」が揃っての一つのお話です。 前作「キス」では、何とも曖昧なまま放り出されたように終わった二人のお話でしたが、この「ラブ」でも二人の物語は、やっぱり曖昧なまま、切れそうで切れない関係が続ている所から始まります。 お互いに好き合っているのは、第三者から見ればバレバレだし、明渡自身も「もう、好きで良くね」なのですが、苑が自分で自分の…
ゆき林檎
ネタバレ
とても繊細で素敵な作品でした。 ゆき林檎さん、コミックスの出版数は少ないですが、このクオリティの作品が読めるなら、待つ甲斐があるというもの。 戦後間もなくの昭和28年という時代設定が絶妙です。 山の中で隠れ住むには、これより前ならもっと簡単でしょう。 高度成長期の開発の波をギリギリに逃げ通すことができれば、テンと修一郎の約束の70年後を、再び打ち捨てられた山の中で、自然へと還る穏やかな別れ…
砂原糖子 小椋ムク
不器用な、高校生たちの初恋物語。 無愛想で強面の身長190㎝越えの剣道部員の舛木に、アイドル顔負けのイケメンで身長180㎝の帰宅部員の折川の二人は、中学時代からの親友としていつもそばにいたけれど、折川は舛木に恋愛感情を持っていて、でもそれを認めたくなくて隠しています。 折川の卑屈にこじれてしまった片思いに、それまで鈍感で何も気づいていないと思っていた舛木も、実は密かに折川に欲情していてという、…
鹿島こたる
「うつくしい体」のタイトルに恥じない、非常に美しい絵のコミックス。 ミチルがとんでもなく美しいのはもちろん、夕路も美しいし、なにより泰泉が美爺。 ストーリー的にはもうちょっと泰泉とミチルの間に何かあってもとも思ったけど、夕路がミチルを人間として意識して欲したのに対しての、泰泉は人間としてのミチルに何とも思ってないって所がお話のポイントなのだろうから、これでいいのだと思う。 それにしても泰…
キヅナツキ
春樹が秋彦をあきらめる4巻に続いて、この巻は、思考停止に陥っていた秋彦がようやく立ち直るお話。 真冬は、フェス予選に向けた新曲の歌詞作りに詰まって雨月を訪ねます。 どうしようもなく固まってしまっていた、雨月、秋彦、春樹の関係が、真冬の歌で解れだすライブシーンが圧巻です。 歌詞そのものや、歌のメロディーは、絵ではわからなくても、 ずっとこのままと思って、どんなに望んでも、きっと朝は来て、何か…
九重シャム
九重先生の獣人というかケモ系キャラが好きなので購入。 でも、今作は、愛玩動物型の人造生命体と人間が共存する社会のお話ってことで、動物キャラは重要な要素ではあるけれど、話そのものはガッツリとした「人間の感情」のお話でした。 強面の顔と内面のナイーブさにギャップのある精神科医が、会員制プリロカフェのオーナーとプリロの力を借りて、初めての恋愛に真摯に向き合うストーリー。 カフェのオーナーにも過去の…
三田六十
高校生ながらも、小さな弟妹の世話や家事に毎日まいにち頑張っているお兄ちゃん。 家族はもちろん、同級生からまでニーチャと呼ばれていた主人公が、今まで自分の世界にはいなかった大人の男の人に、自分のことを、自分の名前で呼んでくれた事をきっかけにして始まるお話。 子どもの心の中の世界は小さくて、軽率だったりもするし、それでも一生懸命で、 大人の安達からすると、希から自分に向けられた気持ちがどれ程のも…
はらだ
全くエロなしで、むしろニアBLともいえる作品だけど、愛を描いた物語として、とても、とても、よかった。 自分自身への罪の意識から、虚ろなクズ男として生きていた主人公が、押しかけ天使と暮らすうちに、自分で自分を受け入れていく。 自分を受け入れて、自分を赦す事は、単に自分が楽になるための逃げじゃない、そこから…、 それは、記憶を失っていた天使も同じで…。 描き下ろしでは、残された人生を一人で…
座裏屋蘭丸
もうこれは、どこを見ても眼福という他に言う事はないほど手の込んだ作品。 シャングリラに住まう男娼の小鳥たちの美しさや、試情夫たちの美丈夫っぷり、そして、部屋の調度品やグリーン、庭の植栽までもが、本当に隅々まで美しい。 お話はかなりゆったりしたテンポで進むので、この第1巻だけではフィーやアポロの背景がちょっと覗けるくらいなのだけど、この絵をしっかり楽しむには、この位ゆったりしたストーリー展開がむ…