渋茶さんのレビュー一覧

砂楼の花嫁 小説

遠野春日  円陣闇丸 

受けの不幸設定が盛りすぎで可哀想

中東の地シャティーラを舞台にした皇太子・イズディハールと異国の訳ありな大尉・秋成のロマンスもの。
ザヴィア外相の護衛の一人としてシャティーラに訪れた秋成は帰国前日に偶然爆破テロに巻き込まれ、ザヴィア軍部に置き去りにされただけでなく、シャティーラ側にも重要な容疑者として拘束されてしまう。

この話は、お互いの国の情勢といった背景はしっかりしていて骨太な印象だ。
ただ、そこから秋成を庇ってくれ…

1

弾丸キス 小説

いおかいつき  國沢智 

ま、堤は骨のある新人ってのは確かだ

リロードシリーズ、スピンオフ。
最初、表紙を見ただけではどっちが攻めか受けか予想がつかなかったが、既にデータベースのほうでネタばれになっている通り、表紙左がおっさん受け、右が年下攻めとなる。
…そうだった、いおかさんの小説って10歳から最高22歳と、結構年の差の広がった年上受けが多いのだった…。

他の登場人物は本条と吉見コンビと神宮がちょこっと顔出しする位。
欲を言えばここのところご無…

2

BlueMoon,Blue ~between the sheets~ コミック

橋本あおい 

う~ん、ほろ酔い気分が足りないんでないかい?

外資系ホテル社長・一瀬と魅惑のバーテンダー・高史の濃厚な甘さ漂うラブラブっぷりは現在進行中。
そんな高史の元に前の店のオーナーが訪ねてきてバイトとして甥っ子の面倒を依頼した事からいつもと勝手が違う方向に…。

といっても、一瀬のほうも仕事が立て込んでいて時間に余裕がないのだが、それがすれ違いの黄信号!!って訳でもないし、波乱が起きそうな雲行きって程のものともちょっと違う。
今回初登場の脇役…

2

乱れし花陰 ~僧侶散華~ 小説

バーバラ片桐  奈良千春 

この3Pカップル、調教色強し

いや~、買った後から気が付いたが、カバー帯を取ると真ん中のお坊さんの股下にいかがわしいブツが突っ込まれている…
何も表紙に出てきた時まで熱心だなぁ…、
なんて斜め向こうのぼやきが出る位、本編のエッチシーンは道具を使ってお尻と乳首を慣らす調教シーンがねっとりと書かれておりました…。

この小説のエロは年上攻め(三重野)、年下攻め兼受け(晃陽)、攻め・受けどちらも初体験のお坊さん(皐)の三人組…

2

暴君竜を飼いならせ 小説

犬飼のの  笠井あゆみ 

恐竜BL、良くも悪くも重量級

遂にBLの人外攻めもここまでのキワモノが現れたか、とも言える恐竜の血統が登場。
攻めとなる可畏は下っ端が逆らえば容赦なく暴力で報復を下したり、弱い草食恐竜を獲物扱いしたりと弱肉強食な力関係がものをいう社会に君臨している。
そんな世界の中、潤は瀕死状態から可畏に命を助けてられた時に目を付けられて、彼が支配する全寮制の高校へ無理矢理に転校させられてしまう。

しかし、潤はパッと見は線の細い美少…

4

ワンダーリング 小説

一穂ミチ  二宮悦巳 

この人の小説って解釈が難しい?

『ノーモアベット』に続いて読んだスピンオフ作品。
年の差のあるカップルによくある甘さはなく、ほのかに苦みの効いたビターな味わいに近い気がした。

前作では脇役のこの二人に何気に興味があったものの、いざ読んでみるといくら芦原が素直じゃないまま育った事情があるとはいえ、斜に構えて他人を見る感覚が気になって馴染めなかった。
一方の芦原に心を開いてもらえない藤堂のほうは、<大人の安定した包容…

5

ノーモアベット 小説

一穂ミチ  二宮悦巳 

全体的にフィルターが掛かった感触

実はこの話を読み終えた直後の評価は<中立~趣味じゃない>になるなと感じた。
家族同然で過ごしてきた一哉と逸のすれ違いを通して、父親の存在とギャンブル(ポーカー)に対して二人がどう受け止めて関係が変わっていくのか。
そんな気持ちの移り変わりの鍵となる父親の性格がピーターパン症候群みたいでてんで受け付けず、家族愛を汲み取るどころじゃなかった。

文章に関しての印象も、一哉と逸は根っ…

5

心臓に甘い牙 小説

バーバラ片桐  北上れん 

本来なら接点が見出せないはずの二人なのに…

ヤクザ×親の借金の為に身体を差し出す高校生という設定。

行方知れずの父親が残していった借金の取り立てを止めてもらいたいと単身で暴力団の事務所に乗り込んだ真俊だが、無情にもヤクザ総括の奥浦に借金を帳消しにする代わりにと陵辱されてしまう。
まだ世間知らずな10代とはいえ、そんな無鉄砲な行動だから酷い目に遭うんだぞ!!と思うが、あまりにも両親が不甲斐ないせいで妹を守る為にそうせざるを得なかった真…

5

甘い夜に呼ばれて 小説

神奈木智  不破慎理 

話に感情移入できずにもどかしい

映画配給会社の宣伝プロデューサーで目利きのある攻め・耀と、イタリア語通訳専門の美人受け・秋耶。

耀がヒットを狙って力を入れているイタリア映画の子役スターの来日PRの為に、秋耶を通訳に抜擢したのをきっかけにして話が進んでいく。
実はこの二人、初顔合わせではなく一夜限りの行きずりの関係から三年ぶりの再会だった。
その時の相手を忘れられなかった耀が懸命に秋耶を探し出して再会に漕ぎつけたという経…

1

非常識な愛情 小説

いおかいつき  佐々木久美子 

非常識な愛情、というよりも…

いおかさんの初期の小説で、なかなかスクープ記事が取れない新米記者、裕之の奮闘記。

見かねた先輩の如月にとある病院での医療ミスというネタを譲って貰ったのに、裕之は取材先の総合病院で初っぱなから正体モロバレとなるミスをしでかしてしまい、関係者に取材目当てと警戒されてしまう。

おまけに真相の鍵を握る医師・陣内が一目見て裕之を気に入ったようで、検査にかこつけたセクハラを仕掛けられてつきまとわれ…

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