みざきさんのレビュー一覧

兎の森 (2) コミック

苑生 

薄皮を剥がすように、少しずつめくられていく

フィクションで、架空の日本に住む知らない高校生の男の子達のお話なのに、すごく生々しい。
2巻もあっという間に読んでしまった。
2人の関係、環という男の子の内側のほの暗い部分、そして環の内側に入りたい志井。
読ませ方が上手いです。コマ割り、視線、惹き込まれる展開に夢中になってしまう。
シリアスの中に、不自然にならない自然さでコミカルな部分も描いているのが重たくなりすぎず、するりと読みやすい。…

10

河川敷ロミジュリ抗争曲 コミック

トビワシオ 

やだなにこれかわいい

トビワシオ先生、めちゃめちゃ漫画が上手い。
初読み作家様だったのですが、読んでいてとにかく画面が楽しいというか、目が楽しいというか。
グググっと心が持っていかれるんですよ。
特に見開きページでの表現が印象的。
いや、本当に上手いなあ。これは好きですね。
コマ割りからキャラクターの表情、設定までどれもが魅力的ですごく面白かった。どのサブキャラクターも埋もれない個性がありますし、最後まで飽き…

7

機械兵士と愛あるブレックファースト 小説

風祭おまる  古藤嗣己 

ガラクタの中、君の手を取る

地球から4光年の位置にある地球型惑星。
プロマキシマと呼ばれるその星は、地球人と非常に似通った姿の先住星人が存在していて、地球人と同等の文明を持っていた。
50年ほど前。地球から移住を試みた地球人と、それを拒んだプロマキシマ側の間で星間戦争が勃発。侵略戦争ですね。
今作は、戦争に勝利した地球人が住まうようになった、終戦からひと月経ったプロマキシマ星が舞台。
異色な組み合わせかつ、戦争の香り…

2

恋の恥はかき捨て 小説

月村奎  左京亜也 

免疫力が上がる萌え

を大量摂取出来ました。
受けも攻めも好きな組み合わせで、読み進めると共に高まる萌えと可愛さの嵐が吹き荒れる。
ハーーー、これは萌え転がってしまった。大寒波も乗り切れる萌えでホカホカしています。
細部にしっかりと月村先生らしさもありつつ、意外な設定とお話のトーンにまた新しい扉がパカッと開いた感じ。切なさはやや控えめですが、肩の力を抜いて安心して読めますよ。私はすごく好きでした。
2人とも人を…

9

あかりと彼はなやましい コミック

鶴亀まよ 

欲しいものを欲しいと言えない子

寂しくても「寂しくない」と、大丈夫じゃなくても「大丈夫」と言ってしまう子。
桜井あかりというのは、甘えたいのに甘え方を知らない、自分よりも人のことばかりを考えてしまういじらしい子なんだと思います。
こんな子、幸せになるしかないじゃないか。

前作が、人が人に恋をするときめきと純粋さを描いた優しいものだとするのなら、今作は、幸せを求めてやまないのに、自分で自分の足に枷をかけてしまっている子が…

10

三兄弟、おにいちゃんの愛 コミック

コウキ。 

唯一無二の家族たち

まず、タイトルが好き。
「恋」が「愛」に変わっているのが素敵。

LOVEにまみれた三兄弟の続編。
長男のランを真ん中に挟んで、次男のミキと三男のスーが両側からゼロ距離でぎゅうぎゅうとくっつきあっていた、距離感が仕事を放棄している突き抜けた兄弟愛を持つ三兄弟。
前作でそれぞれに恋人が出来、今作はそれからのお話なのですが…
続編と聞いて、三兄弟のうちの2人は学生だけれど、この先はどう続け…

1

ウサ耳オメガは素直になれない 小説

海野幸  小椋ムク 

真っ直ぐで、静かに揺れるタチアオイのような

ここ数年間で一気に増えた、オメガバース作品。
オメガバースに限らず「〜バース」とつくものの最大の魅力といえば、3つの性別+2つの性別があるところなのかなと思いつつ…
個人的には、ある程度の大枠や決まりごとはあれど、書き(描き)手によって自由に解釈をして独自の設定が作れることだと思うのです。
書き手の味付け次第でどうにでも調理が出来るところが私はとても良いなと感じていて。
ただ、オメガバース…

10

ウィークエンドシトロン コミック

池泉 

くちどけ柔らかで、甘くとろける

決して複雑で高級なお菓子ではなくて、手作りの素朴な焼き菓子のような身近にあるもの。
そっとひとつ口にすれば、少しずつ口の中で甘さが優しくほろほろと溶けていく。
そんな印象を受ける素敵なお話でした。

こちらが池泉先生のデビューコミックスだそうです。
この柔らかな雰囲気、とても好み。
なんでしょうね。お話ももちろん素敵なのですけれど、1ページ1ページがきらきらとしていて読んでいてすごく惹…

3

バカな犬ほど愛おしい コミック

ゆいつ 

萌えた以外の語彙が欲しいくらい萌えた

めちゃくちゃに萌えてしまった。
想定外の面白さでした。
紙本だと少し分厚さを感じるのも嬉しい。意味もなく握りたくなる。

住所不定無職で、ギャンブルが趣味。すっかり攻めの元でのヒモ状態が板に付いたダメダメな受け・還がこんなに愛おしくなるだなんて思いませんでした。
いえね、外見がものすごく好みだというわけでもなく、特にヒモ受けが好きなわけでもなかったんですよ。
なのに、読んでいる内に妙に…

1

ハッピークソライフ 2 コミック

はらだ 

ハピクソは点滴やね!

「IQ3で読める!!!」なんて帯の煽り文を見たのは初めて。
手に取って思わず文字を2度見して爆笑。
いやもう、本を開く前から面白くて笑っちゃうな。

前作も衝撃…もとい笑撃作でしたが、コミカルかつ無邪気な下品さはそのままにパワーアップ。
この2人、言っていることもやっていることもかなりしょうもないのですけれど、葛谷と粕谷のカラッとしたやり取りに微笑ましさを感じている自分が居たり、全力で真…

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