Sakura0904![]()
なつめのセックスに対する感情が商業BLではあまりお目にかかれないけれど実は結構リアルで、こういう風に感じている人、男女に関わらずいるんじゃないかなぁと思いました。相手のことは心から好きだけど、性行為を伴わなくともその気持ちは変わらない。むしろ性行為は、相手に自分の内部を暴かれることへの恐怖、自分がどうなってしまうか分からない戸惑い、簡単に快楽を得られない焦燥感が勝ってしまい気軽に楽しむことができ…
本当に嵐の前の静けさ、束の間の休息、という雰囲気の2巻でした。1巻と比べてもかなり糖度が高く、2人のことを知らなければ何の変哲もない普通のカップルにしか見えないくらい。お互いに相手への好意も認め合っていて、それを口に出す素直さもあって、時折照れたりするところがとても可愛くて萌えました。
穏やかに日々過ぎていく普通の生活は、浩然がかつてどれだけ渇望しても手に入れられなかったもの。そんなもの…
◆たゆたう琥珀(表題作)
今っぽい、と感じた作品でした。デザイン会社に入社した的井の新人っぷりとか、とてもリアル。生意気さはないし、素直に謝れるし、緊張感も持っていて控えめだけど、目覚ましをかけ忘れて遅刻する学生気分の抜けなさ、詰めの甘さが今時っぽいなぁと。そして、面倒だからというよりは、今まで誰かを心から好きになったことがない故に、恋人をつくれないと思い込んでいるところも。そんな彼が初めて恋…
最初はメイン2人ともさほど魅力的に思えなくて傍観者的に眺めていただけだったのですが、段々田中の遊び人な外面の裏に潜む寂しさ、情の深さ、浅野の真面目なのにどこか抜けている可愛らしさが見えてきて、2人の掛け合いが面白く思えてくるんですよね。甘々でもシリアスでもない雰囲気の中、いい感じに草臥れた感のある大人の男を絡ませて萌えを生み出す西田先生の手腕にはいつも驚かされてばかりです。
浅野を心から…
いやぁ、面白かったです。巻数がついていることに気付かなくて1巻完結だと思っていたので、あっまだ続くんだ?と驚きましたが、素晴らしい世界観をしっかり長編で読めると知って嬉しく思いました。初めて読んだ作家さんでしたが、まずタッチや描き込みがとても好みです。物語の季節が夏なんですが、夏の田舎で感じられるであろう音が散りばめられているおかげで、よりその場の想像が膨らんで引き込まれました。
そして…
単に学園ものでファンタジー要素があると思っていなかったので、序盤では世界観を掴むのとそこに馴染むのに少し時間がかかりました。冒頭のシーンもメイン2人が既に出会っていて、主人公である薔が常盤にかなり反抗的な態度をとるところから始まるので、1巻で合ってる?と戸惑ったくらいです。が、読み進めるうちにこの世界の肝となっている怪しげな宗教については謎が多く疑問符が浮かんでばかりなものの、常盤と薔の関係性に…
鈴丸先生の作品の中で一番のお気に入りになったので、今まで以上に大絶賛されているのかと思いきや、思ったより低評価もあってそこそこ評価が割れているんですね。私は逆に今までの作品にはあまりハマれなかったので、本当に人の好みは千差万別だなぁと面白く感じています。低評価レビューの意見にも共感できる点はありました。が、私の場合はそれを上回る萌えを得られたので、萌2評価にしました。
ほとんど家族のよう…
AV男優と漫画家という組み合わせの時点でどれくらいエロいか大体想像がつくと思いますが、その想像以上の萌えを得られる作品でした。何より、AV男優である尊が案外一途なところと、漫画家であるメイが初心ゆえに性欲を拗らせていて、性行為に前向きなところがギャップがあって可愛いんです。
展開はぽんぽん進み速いですが、尊はAV男優ですし、メイも元々尊の大ファンで彼に抱かれる妄想をしていたので、不自然な…
◆百草の裏庭(表題作)
童話のような、絵本にして欲しいような、温かく穏やかで素敵なお話でした。青井先生のタッチには本当にこういう雰囲気がよく似合いますね。異形な見た目のギーゼルベルトですが、不穏な空気を漂わせることはまったくなく、彼の心の温かさにはただただ癒されます。どうしてそんな見た目なのかも分からないし、彼はずっとこの姿のままなんですね。けれど、本質を見てくれるマルセルは、そんなことが微塵…
戌井のひたむきな愛、誠実さだけで紡ぎ出される言葉が、トラウマから前に踏み出せない辰見の心をじわじわ解していく。けっして何か上手い言葉をかけられたわけではないんです。辰見を心から安心させられるような、読者が思わず感嘆してしまうような一言を発したわけでは。ただ、彼が今辰見にどんなに自分を信じて欲しいか、手を離されることがどんなに辛いか、どんなに真剣に辰見を愛しているか、それらをありのまま、何度も何度…
