Sakura0904さんのレビュー一覧

囀る鳥は羽ばたかない 6 コミック

ヨネダコウ 

矢代よ、腹を括れ

 ついに平田と決着をつけるところまで来ましたね。激昂する平田に対し、一切怯むことなく最後まで飄々とした態度を貫いた矢代。これだけでも器の差が知れるというものです。平田が三角に抱いていた感情は、人間として至極真っ当で、ありふれたもの。自分を惹きつけてやまないあの人の視界に入りたい、認めて欲しい。誰しもが持っている感情です。でも、がむしゃらに行動して認められる程度なら、三角の腹心はもっとごろごろ転がっ…

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囀る鳥は羽ばたかない 5 コミック

ヨネダコウ 

漢気溢れる竜崎、矢代は見る目があるなぁ

 ページを捲っても捲っても終わらない濡れ場、圧巻でした。1つひとつの表情、仕草、体勢がここまで丁寧に描かれている濡れ場は、なかなかお目にかかれないと思います。特に、矢代が否応なく高められる快感を堪える表情がすごくリアルでした。快感を我慢する時と苦痛を我慢する時の顔って紙一重なんだなというのがよく分かる。百目鬼と矢代の関係を追ってきて、本当に良かったなぁと心から思いました。

 そして、最後の矢…

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囀る鳥は羽ばたかない 4 小冊子付限定版 コミック

ヨネダコウ 

七原ほんと可愛いな

 百目鬼と矢代の関係はまだまだ先が見えませんが、抗争の流れを追っているだけでもかなり楽しめました。暴力と暴言と血に溢れた喧騒の世界の中で、矢代の常に平然としている様が冷風を吹かせ、読者をすんなり裏社会に繋いでくれている気がします。そして、やはりヤクザものはBL以外にもいろんな情が見え隠れするのがいいなぁと思いました。三角は矢代にしか興味がないのかと思っていたけれど、平田にも天羽にも情を持っている。…

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囀る鳥は羽ばたかない 3 コミック

ヨネダコウ 

頭が感じてしまう時の表情が切なくてエロい

 BLを抜きにしても、非常に骨太なストーリーが繰り広げられていて、どんどん読み進められますね。その上ヤクザ同士のCPとなってくると男臭さが強過ぎてくどくなってしまいがちですが、百目鬼×矢代に関しては、片方は勃たないしもう片方は静かに色気を醸し出すタイプなので、適度に爽やかさも感じるほどでバランスも良い。百目鬼の初めてのフェラ、そして、矢代が百目鬼に抱いた今までにない感情。2人の欲を突き詰めればきっ…

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囀る鳥は羽ばたかない 2 コミック

ヨネダコウ 

底知れない孤独

 矢代と百目鬼の喰えない関係性の魅力がぐっと深まってきました。矢代がまだ影山に未練があると思い込んでいる百目鬼。自分の指を詰めた直後に百目鬼を守れなかったことを影山に謝りに行く彼は、一途で健気で、この裏表の感情が激しく渦巻く世界の中で、どこまでも純真な男なんだなぁと思いました。矢代から影山への矢印が見えている百目鬼が、なぜ影山がそれに気付かないのかもどかしく思うモノローグは、非常に印象的でした。矢…

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囀る鳥は羽ばたかない 1 コミック

ヨネダコウ 

飄々とした4人の激情を期待

 大分前に2、3巻まで読んだんですが当時はハマれず、もう少し巻数が増えて新巻が出た頃に読み直そうと寝かせていました。まだ1巻しか読み直していないのですが、感覚って変わるものですね。数年前は淡々とページを捲っていたけれど、今はこの雰囲気に萌える余裕も出てきました。当時の私が子供過ぎたのか、萌えポイントが変わったのかは分かりませんが。

 まずは冒頭を飾る、内科医・影山とチンピラ・久我の話。現時点…

4

晴れときどき、わかば荘 まあまあ コミック

羽生山へび子 

艶やかな前半、温もり溢れる後半

◆202号室 鮎川要
 攻めの澤村の、強面だけどすごく落ち着いていて大人の余裕溢れる性格と、受けで教師の鮎川の、妄想中の時の気持ち悪さと色気の漂う哀愁を纏った時とのギャップが、たまらなく魅力的でした。そんな大人な2人が織り成す物語は、前巻で登場したどのカップルとも異なり、どこか静けさと妖艶さが混ざったような雰囲気を孕んでいます。「惚れた?」「惚れた」という短い会話に、心を持ってかれました。本気に…

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それから、君を考える コミック

小松 

切なさと暖かさと、バランスのとれた短編集

 絵のタッチがとても好みで、田舎や海の描写に合うなぁと感じました。タイトルと表紙の雰囲気から長編作品だと思い込んでいましたが、4組登場するオムニバスです。どれも余韻の残る作品でした。

◆それから、君を考える(表題作)
 これの後に収録されている『最後の命令』とも共通して、相手と離れたところで終わってしまう切ない作品です。このまま田舎にいると、自分の未来が透けて見えるというタカシ。田舎って都…

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グッモーニン グッナイ コミック

糸井のぞ 

許すことはない、2人を真剣に愛したから

 リネアが記憶を失って幼子のような性格だった中盤まではそこまでハマれなかったんですが、記憶を取り戻すと共に段々落ち着いた性格になっていってからは、ちょうどストーリーが要を迎えたこともあって、どんどん引き込まれていきました。アヤが忘れられない元恋人・サイラス。最初はリネアよりもサイラスのことが気になってしまって、過去の2人の話をもっと読みたいなぁなんて思っていたけれど、リネアとサイラスの会話のシーン…

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He is beautiful. 1 コミック

天禅桃子 

爽やかで気持ちいい読後感

 攻めの黒木がモデルなんですが、受けの香椎が経営するショップがほぼ全体を通しての舞台なので、芸能界特有のキラキラ感はそんなにありません。服飾を学んだ専門学校時代を経て再会した2人。黒木は終始穏やかな人柄ですし、香椎はとにかく仕事と服に情熱を燃やす男。そんな2人の笑顔に癒され、優しい陽射しの下、ずっと爽やかな風が吹いているような雰囲気を感じさせる作品でした。

 香椎は黒木に熱心に追いかけられ迫…

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