Sakura0904さんのレビュー一覧

O.B. 2 コミック

中村明日美子 

皆少しずつ変わっていく

 眼鏡を外して前髪を流した、事後の佐条の色気がとんでもないなぁと思いました。高校時代も爽やかさの中にふと滲む色っぽさはあったのだけど、何度も交わりを重ねて、草壁も佐条も出会った当時より断然艶やかになった気がします。気怠げな表情の2人がたまらないですね。そして、明日帰るという草壁の何でもない一言に、唐突に寂しさを感じ涙を滲ませた佐条。慣れたはずの会話なのに、急に寂しさが襲ってきたり、不安に駆られたり…

0

O.B. 1 コミック

中村明日美子 

仄かに、確かに、甘い

 同級生シリーズに登場した各キャラ達の短編集。佐条と草壁については、主に佐条の京都の家での些細な日常が描かれていて、短い中にも萌えがたくさん詰まっていました。佐条が今までよりずっと甘えたになっているところがとても可愛かったです。自分から草壁に腕を回したり、躊躇なく「あーん」されたり、こたつに入りながら草壁にぴったりくっついていたり。お堅く見える佐条も、やっぱり好きになった人には甘えたいんだなぁと。…

1

空と原 コミック

中村明日美子 

掴んだ幸せをもう離さないで

 教師と生徒ものだと、生徒から先生にぐいぐい迫る作品が多いじゃないですか。だから、原が佐条に真剣に恋をしていたんだなぁというところに、まずぐっと来ました。生徒には絶対手を出さない、大人として最低限のけじめ。それを守ったために、佐条を横から奪われてしまった原。でも、理由はそれだけじゃない。やはりどこかに臆病な気持ちや油断などがあって、佐条に想いを伝えることを怠ったのも原因。彼が1年の時に気持ちだけで…

2

ギヴン 5 コミック

キヅナツキ 

それぞれ意味の違う涙に魅了された

 まだ最終巻ではありませんが、クライマックスと言っても過言ではないほど、満足感がたっぷり味わえる巻でした。何よりも、秋彦が雨月と決別し、春樹の手を取ったことに感動。雨月を愛していた、でも、音楽を楽しいとは思えなくなっていた秋彦。彼がもう一度音楽の楽しさを思い出せたのは、ギヴンというバンドと、春樹という存在のおかげだった。そこで彼は恋にも音楽に対する気持ちにも決着をつけて、雨月の元を去る決断をした。…

4

ギヴン 4 コミック

キヅナツキ 

春樹の涙がたまらない

 今回は秋彦と春樹に重点の置かれたストーリーでした。今でも両想いな秋彦と雨月。ただ、お互いが音楽の道を極めるには、相手の存在が重荷になってしまう。これは2人の中での非常に感覚的な話なんだと思いますが、感性で作曲し演奏する以上、やはり見て見ぬ振りはできない感覚なんでしょうね。一見両想いなら音楽面にも良い影響がありそうだけど、特に雨月にとっては、秋彦に無防備な自分を晒け出す生活の中では思うような演奏が…

1

ひだまりが聴こえる -リミット- 2 コミック

文乃ゆき 

激怒した航平が最高にかっこよかった

 またもすれ違ってしまう2人ですが、けっしてストーリーを長引かせるためのすれ違いではなく、難聴者と健聴者である2人が、新たにぶつかった課題に真剣に悩んで乗り越えるために必要なんだと感じられました。今回の課題は今までで一番重かったんじゃないでしょうか。太一が大学を辞めて就職したのは自分のためなのか?という航平の負い目。誰とでも壁を作らずすぐ打ち解けられる太一だけれど、耳に障害のある人達が大勢いる場所…

5
非BL作品

さんかく窓の外側は夜 7 コミック

ヤマシタトモコ 

ページを捲る手が止まらない

 6巻では皆が一致団結して物語が急激に明るい方向へ進んでいきそうな雰囲気を感じましたが、ここに来て、いつもの気味悪さが戻ってきましたね。私はそういう雰囲気が大好きで、もういっそ永遠にずるずると人間の狂気を描いて欲しいくらいなので、テンションが上がりました(笑)。

 序盤で呪いに関する新たな依頼があり、呪いを解く際に三角が「暴力的な善意」とやらで冷川を喰うシーンがあります。まさに博愛主義者のよ…

1

心を殺す方法(3) コミック

カシオ 

弟も兄も、きっともう元には戻らない

 春樹の瞳から光が失われ、どんよりと濁ったような虚無感をずっと纏うようになった3巻。英を心の拠り所にして必死に均衡を保っていたところから、彼の心がすっかり壊されたところまで来たわけですね。不謹慎かもしれないけれど、執着と狂気の世界観を楽しみたい読者としては、ここまで徹底して病んだキャラを描いてくださった先生に拍手を送りたいです。

 終盤に向けて、物語はさらに加速度的に進んでいきます。新たに生…

5

心を殺す方法(2) コミック

カシオ 

心を揺さぶられた2巻

 英と春樹の間に恋人関係が成立することにより、ぐっと禍々しさが増し、引き込まれた2巻でした。なんだかんだ英は、あくまで春樹の良き理解者、頼れる人というポジションに留まるんだろうなと想像していたので、まさか春樹を恋人として受け入れるとは思わず、驚きました。きっと、学生時代から後輩として尊敬や憧れを向けてくれていた春樹を、可愛いと思っていたのかな。そして、光に迫られるようになってから、より一層英と過ご…

3

ワンルームエンジェル コミック

はらだ 

自殺したら天国へ行けないなんて、誰が決めたの?

 『変愛』に収録されていた短編『止まり木』のリメイクと聞いていたので、同じキャラで長編に修正したのかな?と思っていましたが、設定は若干引き継ぎながらもほぼ新しい作品となっていました。幸紀と天使が2人きりの時の温かい感情がこちらにも伝わってきて、読んだ後はとてもほっこりするような、そんな作品でした。自己肯定感のない草臥れたおじさんと、苦しんだ末に開き直った天使。2人の姿を見て、人間の価値とはどこに存…

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