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幸せになろう と思うのも大事ですけど
幸せにしてもらおう と思うのも大事かもしれない。
人に寄り添うってそういうことかもしれない。
(あとがきより)
中村先生のあとがきはいつも作品の根本が集約されているのですが、今回もまさにそうだったので抜粋させて頂きました。
上記の言葉、まさにハラセンのような、自分より人の幸せを優先してしまう恋愛器用貧乏な人のためにある言葉です。
本作は同級生のスピンオフ作品です。前作未読の方には理解に苦しむと思われますので是非同級生、卒業生から読み始めることをオススメします。
そして、私を含め前作を読んだ人の誰もが待ち望んでいた待望のハラセンが主人公のお話です。買うに決まってるじゃないですか・・・読むに決まってるじゃないですか・・・。
本作は「いままで愛することに必死だった人が、人から愛されることを知るためには」という大きなテーマのもとに展開されたお話だと思います。
ハラセンという人は、本当に好きな、本命の人とだけは結ばれることが出来なかった経験を二度も味わったことのある大人です。
幸か不幸か、恋愛においてハラセンは「大人」であり、自分の気持ちよりも相手の立場や理性が先に立つ人なので、どうしても我が儘を通す「子供」には成りきれなかったし、特に成ろうとも思っていない。
そんなある日、彼の前に救世主が現われます。そんな救世主は、まさかの「子供」。
人を愛することに経験的に長けた「大人」が、まだ未熟な「子供」に愛されるというのは、本作、ハラセンにおいては必然の展開であり、とても納得のいく形でおさまったカップルです。
「大人」が、少しだけ「子供」に心を委ねてみよう、愛されてみようと心を解放する。「子供」は未熟ゆえの恐れを知らない大きな心で「大人」を包み込んで行く。これこそ恋愛における二人の関係の最良の形なのかも知れません。
そういったことを教えてくれる作品でした。
もうね、中村先生には目の前で土下座キメて額を地面に擦り付けながら号泣しつつ感謝の意を述べたい程度にはファンです(迷惑)
絶妙にギャグとシリアスを行き来しながら最終ゴールへと締めくくる、漫画としての完成度の高さも一級品。
沢山の人におすすめしたい作品です。
この世界は、ほんとうに読者を夢中にさせますねっ!!
OPERAにて全話既読ですが、やはり、こうやって一冊になると感慨深い。
10年に明日美子さんが体調を崩し休載(6号のツーブロックが最後)、そしていつかわからない復帰は思いのほか早くやってきて1年後に再開。
この休筆を経て、若干絵柄の変化が微小ながら例えば、ハラセンの顔が若くなったとかw
そんな変化もありながらも、1冊で続けてみるとそのお休みさえも気がつかせない構成で、これで心を掴まれて、毎号楽しみにしていたんだよな~♪と、改めて萌え死にさせていただきました!
佐条に失恋したハラセンが、その想いを断ちきれずに3年ぶりに訪れたバーで出会ったのが高校デビューを図ろうとしてたソラノ。
結局のところ、佐条への想いが強すぎて土壇場で逃げ出すハラセンは、学校でソラノと再会するのです。
このお話は、いつの間にか恋に臆病になっていたハラセンが、
一つの恋を断ち切ろうとしている随分年下の生徒であるソラノによって、救われ、
またソラノもハラセンによって救われ、
でもどちらかというと、前向きなのはソラノで、ハラセンは大人な分臆病で面倒見のいいオヤジになってしまっている。
そう、むしろハラセンが乙女で、ソラノが男前だったのです!!
ラストの人の幸せのおぜん立てばっかりして、自分の幸せが後回しになっているハラセンに、ソラノが代わりに怒るシーンが実に実に良いのですっ☆☆☆
もちろん、中間にある様々なエピソードにキュン萌えしまくりましたが。
たしかラストのテーマが「上、下」だったのですが、互いにキスを仕掛けて上下をとろうとゴロゴロする様が、将来の二人のポジションをあらわしてるようで、ニヤケてしまったのを思いだします。
で、どっちが攻め受け?というのは・・・www
絶対、ハラセンは受けだと思うんだけど・・・なぜなら、番外編の「ツーブロック」でゲイ友のコマっちゃんとハラセンの出会いの話があるのですが、この二人は友達になれど、どうして恋人にならなかったの?ってソラノが聴くんです。
真相は明かされなかったけどwwwwじゃないかな~♪って、このエピソードを読んだ時に思ったものでしたv
作中にハラセンが高校時代好きだった先生が臨時の教師としてハラセンのいる学校に赴任してきます。
そこで先生の顔を見て、話を聞いて千路に乱れるハラセンの心。
この先生が佐条ににているのですよ、きっと佐条が中年になったらこんな感じ?というw
本編のラブが薄い分、この先生カプの話でまた違う愛の話を挿入しているところが、いいですね♪
そして、前半ではハラセンの佐条への断ち切れない思いを知って画策するソラノということで、佐条と草壁も登場。
ここでハタと気が付いたのですが、佐条のフェロモン顔は草壁といる時に発動されている!?
恋する男の表情の違いというのを見せつけられてしまい、ハラセンに思わず同情してしまったよw
カバーはずした本体に、ソラノ卒業のやっと恋人(?)の一歩を踏み出す対等になる時のひとコマが描かれています。
ドキワクさせるじゃないですか!
現在OPERAでこの同級生キャラのオムニバスを掲載中なのですが、ハラセンの話はできうればこの二人が恋人になった話を強く希望してしまうのです。
出会った時が15歳と37歳。
ソラノが18歳だとハラセン40歳♪
音声化も気になります。
ハラセンの石川さん大好きでした。あの声でオロオロする様が展開されるかと思うとワクワクします。ソラノは誰なんだろう?
過去これほど支持を受けた脇キャラがいたかいな?というくらい、当て馬になりそこなったそのプチ哀れさに同情(とお笑い)票を集めた一人の男がおりました。笑
彼の名前は、ハラセンこと原学(はらまなぶ)。
じっくり温めようと思っていた恋を横からかっさらわれ、目下傷心中の教師37歳、もちろん独身。
「原先生をしあわせにしてあげてください」という読者からの声援を背に、見事主役の座を得ての登場です。
いよっハラセン!待ってました~!やんや、やんや。
生徒には絶対手を出さないと心に固く誓っているハラセンのお相手として(作者に)選ばれたのは、なんの皮肉かこれまた教え子ときた。しかも「明日美子さんそれハラセンいびりっすか」と聞きたくなっちゃう新入生、15歳っすよ15歳。
若さの塊15歳クンの名前は青砥空乃。そう「空」。
光と原も悪くないけれど、青空の下に緑の原っぱが靡く風景の心和むさまの相性の良さにはやはり適いません。
青空は春をしょってやってきたのだ。
そしてこのソラノくん、これまでハラセンが恋してきた相手とは明らかにタイプが違います。
眼鏡をかけてたのはフェイクだし、おぼこくもないし、元気だし、わりと行動力もあって、笑うときは全開。そして実はソラノも傷心中です。
ハラセンが佐条を好きだったと知ってからは(佐条と草壁も登場します!)、何かといらんおせっかいを焼いてちょこまかと動き回る。
これは、佐条の恋愛を見送るだけでこれっぽちも足掻こうとしないハラセンにもどかしさを感じてるからで、そして心のどこかで相手(佐条)はゲイなんだから…という羨ましさがあるのが仄見えます。
そんなわけで、彼らは何も恋し合ってるわけじゃなく、失恋という共通点が何となく二人を結び付けてるわけです。
傷を慰めあうでもなく、仲間意識を持つでもなく、互いの恋を看取ることで相手の心の柔らかいところを見、見えないところで少しずつ少しずつ気持ちを積み重ねていく過程が、たまらなくお上手です。
とにかく、作中ずーーーっと感じたのは、ハラセンが異様にかわいいってことです。そしてものすっごく愛しい。
ヒゲつきおっさんなのになんでこんなに愛しいのというくらい、人の幸せのお膳立てをしてしまうそのあまりの不器用さに身悶えてしまいました。
大人としてあるいは教師として一歩ひけるところがハラセンの良さであり、同時に自分をさらけ出せない弱さでもあり、幸せをつかみ損ねてる大きな要因でもあります。
恐らく、ハラセンがソラノに自分の本音や醜態を見せることができたのは、かつて好きだった人たちを目の前にしていて、それどころじゃなかったからだろうなと思うわけです。
優しさと、臆病さと、かっこつけと、プライドが混ざった、「生徒には絶対手を出さない」に集約されたハラセンの不器用さ。
そこに気づいて理解してくれる人が現れてほんとに良かったのう…と、いいちこで乾杯したくなりました。飲めんからエアーいいちこで。
そしてちょっと話は変わりますが、脇キャラに至るまで服のセンスをきっちり描き分けているところなんかに明日美子さんの完璧主義なところが伺えて、ひたすら感心してしまいました。
そして、皆様カバーはめくられました?心憎い演出が待ってますので、未読の方はぐっとがまんして絶対に絶対に読了後にめくりましょう。
特典のスケジュールクリアステッカーもめちゃんこかわいいです。わたし帯がフルカラーとか初めて見ましたよ。さっすがBL界一人気シリーズ(たぶん)だぜぃ。
裏カバーのじいちゃんパラダイスにも思いっきし心が和みました。なんか一人昇天しそうな先生がいるんですけど。笑
それら諸々含め、ハラセンの魅力と萌えがつまった、とってもとってもとっても素敵な1冊でした。
BL界の数多の先生攻めにハラセンの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわい。
何はともあれ、ハラセンよしあわせに……くっ(ハンカチ押さえ)
同級生のハラセンが主役の今作品。
凄く爽やかなお話で、良かったです。この季節に出すなんて狙ってるとしか思えない!
お話は同級生ペアが卒業した次の年、そしてハラセンのお相手は新入生くんです。
ハラセンは、佐条くんが卒業しちゃってちょっとうじうじしていて、区切る為にゲイバーにお相手を探しに行きます。
本当に好きだったんだなぁってちょっと可哀想にも感じちゃいました。
そこで会い、ナンパした男は実は新入生で…っていうお話です。
ハラセンとソラノ、二人の恋というよりも、他人との恋が絡み合った、失恋とか片思いだとか、そっちに重点がある切ないお話です。
酔ったハラセンがソラノに絡んで、ソラノがキュンとしちゃうシーンがあるのですが、本当に可愛い!37歳が本当に可愛い!
ハラセンって、別にビジュアルが格好いいわけでもないのに(変身したらかっこよかったですけど)、行動、考えがとても可愛らしい。ドキッとする表情、キュンとする守ってあげたくなるような考え!ソラノの気持ちが分かります。
カバー裏にワクワクする、『ハラセンとソラノの恋が本腰に入る』瞬間が描かれていたのですが…下世話な話、どっちが受け攻めなんだろう?とか思いました。
どっちでも良いけどね!けど私はハラセンが受けだと思うよ!いや、エッチとかしなくても全然良い!
前の同級生・卒業生ペアもちょっと出ています。
良かったです。
良かった~!
超良かった~!
原センセ、最初っから最後まで!相変わらず超がつくほどのお人好しでした。
コマッちゃんが「ハラちゃんには幸せになってほしい」と言うのもよくわかります。
ニューキャラ、ソラノはあっかるくて、優しくて、凄く頭も勘もいい子ですね。
そんなソラノが「原センセに幸せになって欲しい!」って心から思っちゃった所でラストになってました。
まだ始まっていない…という感じでやや食い足りないラスト。
そこがまたイイ!
佐条・草壁に続き、また純情CP誕生ですね。
今回は2CP…ということになるんでしょうか。
まだ終わってませんので萌×2に…と思ったんだけど、シールも戴いちゃったし~帯もカラーだし~カバー裏の書き下ろしもキュンだし~…でやっぱ神!!
OPERAで3CPのその後が連載開始されたので、そちらも楽しみです。
中村明日美子先生の作品は相変わらず台詞が少なく、間でキュン×2魅せてくれました。