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5/30(合計:299件)
砂原糖子 夏乃あゆみ
fandesu
ネタバレ
途中まで読んで「あ、胸が苦しい」となりまして。 「どう決着するつもりなのかな?でも、どう決着しても、心が痛む結果になるんじゃない?」と思ってハラハラしながら読み進めていたんですが。 ……そう来たか。 確かに、砂原さんはこの手の仕掛けがとてもお上手でした。 お見事! ぐうの音も出なかったですよ。 ただですね、あまりにも美しい手際だったものですから、その『手際』の方にばかり目が…
真式マキ 壱也
お話として大層まとまっていると思いました。 あちらこちらに振りまいた伏線の回収が決まる感じやら、孤独な2人が徐々にそれぞれを知る中で近づいて行く様やら、破綻がなく収まり方が綺麗だなと思ったんです。 特に『可哀想な受け』のお話がお好きであればお好みに合うのではないかと思うのです。 私「ちるちるで真式マキさんの作品がもう少し評価が沢山付いて良いんじゃないか」と思っているんですね。 「そんな…
ナツ之えだまめ 金ひかる
シリーズ4冊目です。 1冊目の『蜜惑オメガは恋を知らない』はものすごく好きだったんです。オーソドックスなオメガバースが圧倒的に多かった2016年、理性的に生きようとする主人公はカッコよかったんですよ。 今作、ついにアルファ×アルファが来ましたよ。 恋は本能がもたらすものではなく、相手に惹かれる『何か』の所為だと思いたい私にとって、本来ならこのお話は立ち上がって拍手をするはずのものなんですけれ…
chi-co 陵クミコ
私、日下部さんが良く解らないんですよね。 彼、成功したIT関係の会社の代表取締役なのに、妻に捨てられているんですよ。 子どもの秋のことを大事に思っている様なんだけれど、会社でのハードワークは止めていないみたいだし。よくあるパターンでは『不器用で子どもの愛し方が解らない男』っていうのがおりますがね日下部さんってそんな感じもしないのよ。なんか『なんでもそつなくこなす』感が半端ないんですもの。 …
桜部さく 一夜人見
夏樹の性格の良さや一生懸命さは読んでいてすごくよく解るんですよ。 あと、無責任な(事情はよく解らないのですが夏樹はそう感じている)姉が放置して行った料理屋をつぶさないように必死で運営していったら、いつの間にかその料理屋での仕事が彼自身を支えるものになっていたとか、その辺はエピソードの積み重ねから解るようになっていてお上手だと思ったんです。 ちょっと消化不良なのは時任とのLOVEで。 ごめ…
杉原朱紀 六芦かえで
千年以上経っても乙女が萌えるお話のパターンじゃなかろうか? 可哀想な受けさま(若紫を受けと言うのはいかがなものかと思うけれどお許しください)が、孤独な魂を持つスパダリに拾われ、大切に育てられるお話。 あ、源氏物語だけじゃないです。 このお話の中には、少女(あるいは少女の心を持つ者)のはぁとを鷲掴みにするテンプレートが複数入れ込んであると思うんですね。継子いじめであるとか、過去に出会った『…
白露にしき れの子
受けの澄哉の属性に『健気』が付いているんですけれど。 うん、確かに健気ではあるんです。 でもこれ、恋に対する健気さではないんじゃないかな? 幼い頃の自動車事故で不自由になった足を、霊験あらたかな先代神主の祈祷で直してもらった経験から、彼は宮司としての仕事に対してはすごく献身的なんですよ。 でも零文に対しては健気かなぁ……盟約を交わすことを迫る零文に対してテスト期間を言い渡すなど、ずいぶんち…
小中大豆 二駒レイム
面白いんですよ。 「ここのところBL小説ではめっきりコメディが減った気がする……今こそ読みたい時代なのに」と思っている今日この頃、このお話では瑞春の『帝オタク』ぶりと『香斎待徒』のみなさんの変人ぶりにはかなり笑わせていただきまして、お話そのものには大変強く好感を抱いているんです。 絵に描いた様なスパダリと美人ではなく、ちょっとばかり毒舌だったり鉄面皮だったりする主人公らの造形も好みです。 …
墨谷佐和 桜之こまこ
「このまま付き合っていたらきっと相手をダメにしてしまう」と思って、高校卒業と共に他県の大学に進むことで別れてしまったカレ。それから一度も会っていないけれど、心の中ではずっと想っていました。カレが来ると聞いて「一目会うだけでも」と参加した同窓会で相変わらず優しく接してくれたけど、カレから「結婚する」と聞いて居ても立っても居られなくなって「自分は半年後に死んでしまう。それまでいいから一緒に居て欲しい」…
夏乃穂足 六芦かえで
前作『飼い犬に手を咬まれるな』から1年3か月。 『飼い犬~』での衝撃(特にあとがき)があったものですから、次作にあたるこの本がつつがなく刊行される様にと祈っておりました。 今月、もう1冊予定されておられるようですし、まずは「良かった」と思っています。 引き続き、夏乃さんのお話が読み続けられますように。 さて、お話の感想です。 やはり夏乃さんの『痛いエピソード」は半端なく、徹底的に痛い…