chikakumaco
表題作が後半に収録されており、しかもそっちがスピンオフな感じ。最近この構成をよく見る様な気がします。単行本化するにあたり、タイトルのキャッチーさで決めるのか。作家さまの思い入れの強さで決まるのか。読み手側としては「アレレ?」と思うこともしばしば。
で、本作は断然 表題作「じゃ無い方」が中編で、ボリュームも多い。丁寧に描かれているのも「〜じゃない方」になっております。
◆「まよい星、ふたつ」…
うーん。最初に読んだ時は、ダメだったんですよねー。久々に読むと可愛いと言えなくもないかな。
のの彦(変な名前。)が おバカ過ぎて。あれよあれよと言う間にエロエロ社長 響にいいようにされてしまう。恋を知る前に躰を蹂躙されてしまう。のの彦がバイトで鍛えられてしまったという、健気な苦学生というだけあって、頑丈そうなマッチョなので、痛々しさは微塵も無いけども。
女装の管理人がいい人で、響の魔の手から守…
河童の川流れならぬ、川流され。
押しかけ美人河童に流されて、ほだされて、もう少しで尻子玉の交換(指輪の交換的な?)をされそうになってしまう竜人。
とにかく河童と言い張る 菊次郎がキラキラに可愛くて!
いやもぅ、グロテスクな河童姿だったらどうしようかと気を揉みましたが、無問題です。
満足なエッチの翌朝、精気を受けたおかげとか言って うっすら背中に甲羅が浮かび上がる程度。
髪の毛の下に皿も仕…
割と 佐崎いま先生の描く黒髪イケメンは、スパダリ攻めが多いのに。こちらはしどけなく着物を着崩した受け。とても珍しい。
そして攻めはと言えば。なんとケモ耳なのに、キリリとスーツを着こなした男前なおキツネ様。
1000年もの間、人の生き死にを見続けて、ただ新しい嫁取りの為に現れる。
いにしえの昔から決められた理。青目がそれを諾々と守り抜いて来た事に意味はあるのか。
八千代の叔父が報われる事の無…
A.A ミルン著、石井桃子訳の「クマのプーさん」を思い出してしまう。
私はいい大人になるまで、「とおりぬけキ」と書いてある看板の意味が分からなかった。
表題作「通り抜けできません」のタイトルを見るにつけ、それを思い出してしまう。
モチーフになっている シフォンケーキにも。ホールの中心に穴が開いている。
あの穴にビンを立てて、ケーキが冷めるのを待つ。部屋中に漂う甘い香り。
通り抜け出来ない…
動物体質、吸血体質、その他 希少種、神霊系などと、何でもござれなトンデモ設定な世界観ながら、
フツーに道に落ちてる酔っ払い(そしてイケメン)を拾うという BLならではの定番の掴み。
吸血体質の一穂は、華やかな吸血鬼一族のイメージとは違い、吸血が苦手。そもそも人付き合いも苦手。昼間はピシッと決めてるホテルマンとして仕事しているが、プライベートは寂しい。
寝る時にはワンコそのものになってしま…
ガチ兄弟。ガチなんですね‼︎ という、ドロドロした病み具合と、それでもふたりだけの世界でさえすれば、それは幸せ。と言える、なかなかのビターさ。悩み、もがきながらも、手を伸ばさずにいられない。堕ちて行くことに罪悪感さえ滲まない様な。いや、少しだけ、ほんの少しだけ兄 タカヒロは迷う素ぶりもあるものの。どうしようもなく、溶け合ってしまう。
身体を重ねて 時間の経過も解らないほどに、文字通り溶け合ってし…
ほんっとに短い物語を集めた短編集なんだけど、テーマは一貫して「恋に気付いた瞬間」を切り取っていて。それはとても甘くて何だか切なく胸をキュッとさせる。
どの物語も「それから」を知りたくてたまらない。
◆表題作「気づいたら恋」
表紙の2人。セフレ関係を続けていた、と思っている剛と三木。しかしある夜、三木は『自分ばっかり好きで、悔しい』と思う気持ちから、声をかけて来た男について行こうとする。偶…
トーヤが思うほど、リドの「上から目線」は気にならないんだけど?
時々拙いけども、日本語が流暢なリドの物言いは、それほど上からな気はしない。
そんなにオレ様では無いのだ、王子様なのに。
南国の島々のPRにわざわざ王家が出張って来るので、とっても小さな国に違いないけれど、SPは付いてはいるものの、セキュリティのあまいトーヤのアパートに預かる事になるというトンデモ‼︎
トーヤの部屋が「セマい」ト…
夏水先生のご友人、ラクダさんが百目鬼の事を「ボーっとして、デカいだけで、なんっっのとりえもないよね。」と、評したように。ひたすらに愚鈍で純情な恋を二ノ宮さんに想い続ける物語。
今時流行りのシェアハウスの群像劇の筈なんだが、個々の設定が明確では無いので、少しだけ、少しだけ、混乱する。ちょっと集中していないと何となく読みづらい気もして来るのだ。
ついでに言うと、単品では面白くも何とも無い「犬は毎秒…