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表題作ウィークエンドシトロン

木下創一,ライター
冷泉仁,洋菓子店のパティシエ

同時収録作品ピーチメルバ

(仮)誠,歯科医院勤務
(仮)冷泉愛,洋菓子店の店員

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき
  • Episode.0(カバー下漫画)

あらすじ

" 恋を祝おう、とっておきのケーキで。"

誰しもが求める、特別なひと。
出逢えた瞬間から毎日は甘い香りに包まれる。

大好きなトイプードルを彷彿とするライター攻め
×
シャイで一見 寡黙なパティシエ受け


「ずっと会いたかった、しあわせの味。」

美男な双子が営む小さなケーキ屋さん。
取材へ訪れたライターの創一(そういち)はそこでパティシエの仁(じん)に出逢う。
内向的な仁へのインタビューは困難を極めるものの、創一はその視線にどこか愛情深いものを感じる。少しずつ見えてくる温厚な人柄、愛犬との思い出、巡りゆく季節、いつしか2人はお互いにとってかけがえのない存在へとなっていく。
きらめくようなスイーツの数々と繊細な恋心がキュンと胸に響く、池泉 デビューコミックス。

作品情報

作品名
ウィークエンドシトロン
著者
池泉 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
ISBN
9784865896350
4.1

(39)

(17)

萌々

(11)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
159
評価数
39
平均
4.1 / 5
神率
43.6%

レビュー投稿数9

素晴らしき初コミックス

めっちゃキュンキュンした♡
エロは殆どありませんが、だからこそ優しくてピュアな恋心を堪能できる作品になっていると思います。

〝人は塩があれば生きていけるけど 心を満たしてくれるのはいつだって砂糖〟

この言葉に完全同意!
疲れている時とか、甘いもの欲しくなりますよね。
そんなお菓子のように甘くて優しいラブストーリーで、とても癒されました。


パティシエ・仁にインタビューする事になったライターの創一。
しかし、愛犬を亡くした仁はコミュ障を拗らせており、会話が進まず困り果てます。
そんな時、双子の兄・愛から、創一の髪が飼っていたトイプーに似ているという話を聞いてーー…

トイプー似の創一(の髪w)が仁を癒していきます。
それをきっかけに、2人の距離は少しずつ縮まっていき……と、いう展開。

モデル並みのルックスを誇る仁が、とにかくピュアっピュア。
恋に臆病な仁と、ちょっと弱気な創一。
大人の青春という感じで、2人の恋はゆっくり進んでいきます。
他人との関わりが苦手だった仁が、創一だけに見せる可愛い表情やセリフに悶絶しました。

眠っている仁に創一が思わずキスしてしまうシーンなんて、まるでドラマのよう。
雪や桜が舞い散る、季節感あふれる描写も素敵なんです。

近付いたと思った2人がギクシャクとすれ違っていくところは切なくてヤキモキさせられましたが、告白に対する仁の言動が可愛すぎて萌え死にました。
そこからのエロパートも可愛かった♡

そして、美味しそうなお菓子や料理が並ぶ場面も本作の見所!

料理は、大切な人へ思いを込めて作る愛情表現──。

このセリフも素敵。
名言が多く、セリフから伝わってくるものが多かった気がします。
2人の個性のバランスが絶妙で、特別な距離感に終始心掴まれました。

「ウィークエンドシトロン」が並ぶ休日の食卓。
お菓子から相手を大切に思う気持ちが伝わってきて、タイトルを回収すると共に感動させられました。

番外編の〝愛と誠〟もすごく好き!
仁の兄・愛と同級生・誠によるサイドストーリー。
幼馴染感が色濃く出ていて、こちらも萌えまくりました。
誠、かっこ良くなったね^^

優しい人しか出てこない優しいストーリーに心がぽかぽかです。
次回作も楽しみにしています!

7

くちどけ柔らかで、甘くとろける

決して複雑で高級なお菓子ではなくて、手作りの素朴な焼き菓子のような身近にあるもの。
そっとひとつ口にすれば、少しずつ口の中で甘さが優しくほろほろと溶けていく。
そんな印象を受ける素敵なお話でした。

こちらが池泉先生のデビューコミックスだそうです。
この柔らかな雰囲気、とても好み。
なんでしょうね。お話ももちろん素敵なのですけれど、1ページ1ページがきらきらとしていて読んでいてすごく惹きつけられるんですよ。
コマ割りひとつでもセンスが光っていて。
多くのトーンを使わずに、シンプルでそれでいて視覚にふわりと入って来る。これは魅了されてしまう。

顔も声もそっくりな美しい双子が営む洋菓子店がある。
明るく天真爛漫な性格の兄・愛。
人付き合いが苦手でシャイなパティシエで、弟の仁。
彼らの洋菓子店に、亡くなった愛犬とそっくりの髪質を持つライター・創一が取材に現れたことをきっかけに交流を深めていく物語。
メインとなるのは仁と創一の不器用で手探りな恋のお話。
後半には、双子の小学校からの同級生・誠と愛の短編「ピーチメルバ」も同時収録されています。
こちらのお話もたまらなく愛おしい空気で大好き。
全員可愛いです。すごく好き。

きっかけは些細なことから。
その人に会えるだけでなんだか嬉しい。
その人の笑顔が見られるだけで幸せで心がほころぶ。
ふとした時にそう思えたのなら、もうそれは"特別な人"なのかもしれません。

誰の身近にもあるそんな素朴な気持ちが、流れるような柔らかなタッチであたたかく描かれた素敵な作品でした。
魅力的なお話とキャラクターを四季折々の植物と甘いお菓子が彩ります。
紅茶を片手にゆっくりとした時間を過ごしたい時に読みたい1冊です。

こちらの作品、装丁デザインもとっても素敵。作品の雰囲気とぴったりでした。
紙本の帯の柄と文字の色もすごく可愛いんですよ。
ぜひ装丁にも注目してみてください。

3

甘くて優しい幸せのレシピ

初めて読んだ池泉先生の作品です。
池泉先生のデビューコミックスになります。

こちらは、表題作の他に『ピーチメルバ』が同時収録されています。

シェフ パティシエ 木下 創一とライター 冷泉 仁のお話。

創一が雑誌の取材で訪れたのは、美人の双子が営んでいる小さなパティスリー。
そこには、優しい物語が詰まったお菓子やケーキが並んでいました。
ところが、パティシエ 仁へのインタビューはほとんど会話が出来ずに終わります。
仁の過剰な反応に悩む創一ですが、双子の兄 愛から亡くなった愛犬の「コムギ」に自分が似ていると聞かされて…。

池泉先生の柔らかく艶美な絵柄が、作品全体をふんわりと甘く包み込んでいます。
ストーリー構成もきちんと考えられており、キャラの魅せ方がお上手だと思いました。
また、純粋なラブストーリーの中にコミカルなテイストも加わっていて、ただ甘いだけではないのも良かったです。

幼い頃に両親が亡くなり、フランスの祖母に引き取られた双子の愛と仁。
祖母が焼いてくれるお菓子は両親のいない寂しさを満たしてくれました。
そして、仁は祖母の作るお菓子がきっかけでパティシエの道を目指すようになります。
“誰かを幸せにするケーキを作りたい”
仁の夢は大人になって実現するのですが、創一と出会ったことである事に気が付きます。
「それだけじゃ足りないんだ 自分自身が満たされていないと」

もともと他人とのコミュニケーションが苦手だった仁は、コムギを亡くしたことで殻に閉じこもるようになりました。
そんな仁の心をほぐし、もう一度人を好きになる喜びを教えてくれたのが創一です。
ピュアでひたむきな創一はまさにワンコそのもの!
将来は立派なワンコ攻めなることでしょう(笑)
いつの間にか、お互いが「特別」な存在になった2人。
でも、2人とも純粋で不器用なので途中からモダモダします。
うーん、そのモダモダがじれったいのにとても可愛い♡
本気で恋していることが伝わります。

このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラとしては、仁の双子の兄 愛と2人の幼馴染の誠が登場します。
とくに、愛はこの物語にとっても仁にとってもなくてはならない存在です。
社交的な愛と内向的な仁のバランスが絶妙でした。
ちなみに、愛と誠は同時収録『ピーチメルバ』のメインになっていますよ。

Hシーンは…ありません(笑)
仁のベッドで抜き合うだけですが、創一にフェ○をする仁がエロい…。
自分の口に射精された創一の精子を垂らしながら「……次は飲む」と無表情の仁が面白かったです。

描き下ろしは、本編のその後のお話。
今日は創一の部屋に仁が初めて泊り来る日。
キスをおねだりする仁に創一の理性は崩壊寸前?!

同時収録『ピーチメルバ』
歯科医院勤務 誠とパティスリーオーナー 愛のお話。
愛と仁が転校した小学校で、仁の同級生だった誠。
それから18年後…。

『ウィークエンドシトロン』のもう一つのラブストーリー。
甘酸っぱいピーチメルバは、まさに「初恋」の味ですね!
そして、その「初恋」を実らせる日が来ました。

食べる人を幸せにする仁の奏でるお菓子やケーキように、この作品も幸福な気持ちになれる1冊です。
甘さだけではなく苦さやしょっぱさも経験するから「自分だけのレシピ」が完成する。
きっと、仁のレシピは愛と幸せで出来ているのでしょうね。
この先も2人のペースでゆっくりと進んで欲しい。

やや粗削りなところはあるものの、デビューコミックスでこの完成度は素晴らしいですね。
これからも期待しています。
甘くて優しいお話がお好きな方やBL初心者の方にもおすすめの作品です。

4

渡せなかったウィークエンドシトロンを、今

お菓子、大好きです。
食べ物全般好きですが、特にお菓子は誕生の歴史などの文献を読み漁るほど好きです。
というわけで、ケーキの名前がタイトルになっている作品をスルーできるはずもなく。

ライターの創一が訪れたのは、今まで誰も取材に成功したことがないパティシエ・仁のいる洋菓子店。
過去の例に漏れず、仁の極度な人見知りのせいで1度目の取材を失敗した創一は…。

仁の双子の弟・愛のひとことで、起死回生のリベンジチャンスです。
ペットロスだった仁のこころを開かせる方法を思いついた創一は、取材に成功するも、離れがたい何かを感じて、店に通い詰めるようになるのですよ。
だけどお菓子を食べるシーンはちょっと物足りない。

いっぱい出てくるんですよ、お菓子。
ショーケースの中にたくさん並べられたケーキ、上に置いたケーキスタンドに山盛りのカヌレ、祖母と作ったクラフティ、常連となった創一が編集部に持って帰った焼き菓子に、お店で創一が食べたタルト、仁が創一に誘われて行った花見の思い出を詰め込んだマカロンに、仁がフランスで出会った日本人留学生への餞別に焼いたウィークエンドシトロン。
ついでにお菓子じゃないけどラタトゥーユまで出てくる。
しっかりしたデッサンと優しいタッチで描かれた食べ物は、どれも本当に美味しそう。
それだけに、並べてあるだけとか空になったお皿、口に運んだあとのスプーンや咥えられたフォークじゃなくて、頬張っているところを、フォークで口に運ぶまでの食べ物の断面を、もっと見たかった。
分かります?食べ物好きの方なら分かってくれるはず!

ストーリー的には、幼い頃から「喪失感」と折り合いがつかず、ひととうまく接することが出来なくなったパティシエの心に、するりと入り込んできたライターの存在が心地良くなって、心地良いだけじゃない何かを感じるようになって…というもの。
全体的に優しいタッチにぴったりの、優しくてあたたかい話でした。
わたしは長身受けはちょっと…な人間なので、攻め受けに「ぐぬぬ」となってしまったけれど、初恋のエピソードから創一が仁を抱きしめる方じゃないとだめという説得力がありました。

両親が亡くなってから祖母のいるフランスへ渡ったはずの双子が、日本の小学校に通うまでの経緯も、おそらく祖母はフランス人で、父親か母親もフランス人のハーフという設定も触れられていないので、「あれ?」と思う部分はあります。
もうひとつ言うなら、お菓子好きはパウンドケーキにアイシングという時点で「ウィークエンドシトロンだ!」というのは分かるけれど、あのケーキが「週末を一緒に過ごす大切な人と食べるケーキ」として作られたエピソードをどこかで出した方が親切だったかなと思いました。
タイトルにもなっているし、初恋の人に贈ろうとしたのも描かれているけれど、そのケーキが持つ意味が重要だと感じたので、「そこは読者の方が知ってる/調べるでしょ」的になってしまっていたのが、もったいなかった!

だけどデビューコミックスで、相当高いストーリーテリングと作画力。
今後に期待が高まる作家さんに出会えました。

3

麗しの双子

なんと優しい作品でしょう。この表紙にピンときた方は購入して間違いないです。表紙の雰囲気で最初から最後まで楽しめます。デビュー作だそうで、今後の作品も同じ優しさだといいなぁ。優しさを摂取したい時に迷いなくこの作家さん!って方が増えると癒しになる。
主役CPも穏やかな気待ちにさせてくれるし、双子のお兄ちゃんの愛と誠CPも違う雰囲気なのに同じ柔らかさ。お布団にくるまれるがごとき気持ちよさでした。
一泊用の沢山の荷物の中身は何なんだろう。仁くんの細かい設定はうまみが沢山ありそうなのに、作品内で出きった感がなくてもったいないな〜

0

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