シナプスの柩(上)

synapse no hitsugi

シナプスの柩(上)
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神10
  • 萌×21
  • 萌1
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
60
評価数
15件
平均
4.2 / 5
神率
66.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
リンクスロマンス(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥855(税抜)  ¥923(税込)
ISBN
9784344808386

あらすじ

両親を亡くし、大学三回生の時に天涯孤独となった桐島水斗は、日本心臓外科界の権威である長山の援助を受けて医師となった。だが、援助の代償に長山の下で働くことと躰を求め続けられていた。長山から逃れたいとの思いが募る日々の中、NYから敏腕外科医の樋口が赴任してくる。彼の天才的な医療技術に心酔した水斗は、技術を教えてもらうことになり、いつしか樋口に惹かれていくが―。(カバーより転記)

表題作シナプスの柩(上)

NYから帰国した敏腕心臓外科医・樋口洋一郎
研究寄りの心臓外科医・桐島水斗

その他の収録作品

  • 水棲類の夢

評価・レビューする

レビュー投稿数5

期待大だっただけに・・・。

ここで評価が高かったので読み進めることにしました。
が、あまりに私の期待が大きすぎたのでしょうか、イマイチ乗り切れませんでした。

何度もレヴューを書きたいなと思っていても、この肩透かしを喰らった感じで気持ちが整理しきれずズルズルときていました。

良かったところは、受けの水斗が長山に抱かれている現場を攻めの樋口に見られてしまうところ。
そこで彼の放った一言がいいんですよね。
自虐的というか、破滅思考というか。
ここまで言えれば男前だと思います。
その後、窓から身を投げるのです。
悲壮、悲惨、切ないのオンパレードです。

あと、水斗が普段から長山と関係を持たなければいけない場面で、その行為から逃げるために長山の飲むお茶に薬を盛り、そうなる前に眠らせてしまうところも良かったです。
眠った後でやれやれとため息なんか吐いたりして。
受けがこういったずる賢さを持っているところなんかも好きです。

でも相当な高さから落ちたにもかかわらず、水斗は重大な後遺症を抱えるような怪我をしてないんですね。
記憶障害や、精神が子供に帰ってしまうことはありますが。
もっと大変続きだろうと思うのですが。
あと、子供帰りした水斗もあまり信憑性がないというか。
それは華藤さんの話の描き方がクールに感じたせいかもしれないのですが。

兎にも角にも、切ない話が読みたーい!と探して、期待に期待を重ね読んでしまったため、残念な結果になってしまいましたが、お話自体は良かったと思います。

3

ジェットコースターロマンス?

あれよあれよという間に話が進んでしまって、残念ながら乗り切れなかった。
設定や展開は好みだったのに。

2

なんも言えねぇ。。。

なんというか。。。

 水斗(受)の不器用というか切ない嘘が胸に刺さった感じ
 それを徐々に分かっていく樋口(攻)とても細かい所に
 気を配った作品で。。。

一番のポイントは。。。
 
 樋口(攻)に水斗(受)が長山教授との行為をみられて。。。
  自殺をはかろうとしたって所が切なくて(涙)

あと!!!
 キーワードとなる「あなたの指に解剖されたい」ってのが
       もうなんというか普通じゃない感じで!!!

もうまとめて言うと情景などからもとても吸い込まれそうな作品です。
 

1

展開にヒネリが欲しい…

心臓外科手術の様々についての細かい描写なども手抜かりなく、作者の本作に対する取り組みの真剣さが窺えました。

<作品の雰囲気>
お耽美、のひとこと。
全編通して、桐嶋の「あなたの指に解剖されたい」という台詞が出てきますが、この小説はフェティシズムとか、死のバイオリズムに対して美を見出す傾向があって、そのあたりはホネフェチで筋肉フェチな私的にはツボでした。この人の手で解剖されたいっていうのは究極の殺し文句ですよね。
桐嶋の意識のなかには身近なものとして常に「死」があって、この危うさが作品に色気を添えています。

<ストーリー展開> ※ネタバレ有り
前述のとおり、小説全体に立ち込める雰囲気は私の好みでした。
しかし展開は、BL的な「お約束」が多く、容易にオチが想像できてしまうのが残念。
たとえば、
・桐嶋(水斗)が長山の愛人で、かつ彼の息子の影武者役をさせられている
・桐嶋が子どもがえりしたとき、樋口の彼に対する異常な過保護ぶり(これはこの作品の萌えポイントの位置づけですがね)
……BL小説らしいとも言えますが、ちょっと安易過ぎる印象を受けました。
そして、肝心続きのラストですが、成人男性としての自我を取り戻した桐嶋と樋口がのやりとりが、ぎこちなくて、ラストらしい色気はなくなってしまっていました。
お互い、何かにつけ遠慮が先行してしまっていて、桐嶋の精神が幼かったころのほうが感情表現がストレートで「恋愛小説」らしかったですね。

<総評>
お耽美な雰囲気、舞台装置はとてもうつくしく、ロマンティック。
ストーリー展開は、単純で分かりやすく、BL的「お約束」の詰め合わせといった印象。
これらのお約束を、そうこなくちゃ!と思える方か、マンネリと思ってしまうか。これが本作の評価を分けるポイントなのではないかと思います。
前者ならば、本作は大変楽しく読めると思います。
後者ならば、本作に物足りなさを感じてしまうかもしれません。

私個人の意見としては、やはり読者の予想の上を行くストーリー展開であれば、非常に高評価できた作品になったのに、と思います。

1

幻想的で美しい

恩師、長山との8年にもわたる爛れた関係に疲れ果てた桐嶋水斗はそこから逃れるべくニューヨークの病院への就職を目指します。そんな中、水斗はニューヨークから赴任してきた敏腕医師、樋口洋一郎の助力を仰ぐことに。水斗は樋口と接するうちに彼に惹かれていき、関係をもつようになるのですが、結局ニューヨーク行きも、樋口との関係も長山によって壊され、絶望し自殺を図ります。自殺を図るまでの水斗のモノローグは涙なくして読めません。自らを汚れた存在として無に帰そうとする水斗はあまりにも痛々しいです。

一命を取り留めたものの、記憶を失い、幼児返りした水斗を樋口は一から育てようと決意し、二人で北海道へ移り住みます。北国の湖が水斗の心の様態を表すものとして象徴的に用いられ、幻想的で情感たっぷり。

こうした筆致は、華藤先生の作品の醍醐味ですね。とにかく言語センスや象徴表現が独特で美しい。

たとえば、水斗視点の樋口の指の描写。樋口の指は彼自身を象徴するかのように、その描写が頻繁に出てきます。水斗は樋口の指が汚れた自分を「清浄」にしてくれると信じ、自分の樋口への思いを、「死んだらこの指で解剖して下さい」と続きいう言葉で告白するのです。ちょっと倒錯した表現がエロティックでいいです!

が、本作での一番の萌のポイントは、幼児返りした水斗と子育てよろしく世話をする樋口のやり取りでございました。水斗がもう滅茶苦茶可愛いんですよ!子供だから、「なぜ?」を連発するわ、会う人を皆、動物に喩えるわ。そんな風に無邪気なのに、外見は艶っぽく、無自覚に色香を振りまく水斗に、クールで尊大(に見える)樋口先生が、完全に振り回されます。「俺を獣にしないでくれ」という樋口の心の声に萌え。

全てを忘れたように見える水斗ですが、夢の中で、記憶を失う前の自分とそれを自分だと認識することなく対話しているんです(水斗は過去の自分を「あの人」と呼びます)。今の水斗を通して、過去の水斗の気持ちを聞く樋口は、次第に水斗の夢の世界に囚われ、現実から乖離していき…。現実と夢が交錯するような不思議な世界観にこちらも引き込まれてしまいます。

脇はかなりキャラ立ってます。樋口の友人、海堂。樋口の良き理解者で、二人を見守る役。飄々とした性格で、彼がいると場が和みます。そして、もはや脇と言えるのか疑わしい悪役、長山教授。諸悪の根源です。彼がいないと話が始まらないし、進まない。キーパーソンです。これ以上ないほど二人の仲を引っかきまわしてくれます。水斗が長山に抱かれるシーンがしっかり描かれているので(しかも結構悲惨)、受が攻以外と関係するのは見たくない、という方は要注意です。

この上巻は、すご~く気になるところで終わるので、個人的には、上下巻揃えて読んだ方がいいかも、と思いました。

7

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