シナプスの柩(下)

シナプスの柩(下)
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神9
  • 萌×21
  • 萌2
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

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レビュー数
2
得点
56
評価数
14件
平均
4.1 / 5
神率
64.3%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
リンクスロマンス(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥855(税抜)  ¥923(税込)
ISBN
9784344808591

あらすじ

外科医の桐嶋水斗は、副医院長の長山に躰の関係を強いられていた。
一方で同僚の樋口へ想いを募らせていった水斗は、長山の呪縛から逃れられないことに絶望し、病院の窓から身を投げる。
運良く一命をとりとめたものの記憶を失い、幼児退行してしまった水斗。
そんな水斗を育てることを決意した樋口と北海道に移り住み、穏やかな日々を過ごしていたが、長山の影が忍び寄り…!?書き下ろし続編も収録し、衝撃のメディカル・ロマンス堂々完結。


表題作シナプスの柩(下)

NYから帰国した敏腕心臓外科医・樋口洋一郎
研究寄りの心臓外科医・桐島水斗

その他の収録作品

  • 幸福の領域

評価・レビューする

レビュー投稿数2

「魂の再生」の物語、完結。そして出発。

下巻では、水斗が過去と向き合い、自分を取り戻すまでの過程が主題的に描かれています。
二人だけの空間で心を通わせて水斗と樋口でしたが(華藤先生は二人だけの静謐な空間を描くのがとてもお上手だと思います!)、徐々に水斗をとりまく状況が動き始めます。水斗の師、長山にまつわる諸々の疑惑の捜査に警察が動き出し、彼の愛人であった水斗にも、長山の不法行為に加担していたのでは、という疑惑が向けられます。さらに、そうした状況の中で、水斗の記憶が少しずつ戻り始め、水斗は、自身の過去に怯えることになります。
水斗と長山、そして、樋口と長山の対決シーンが前半の軸になります。ありのままの水斗を愛した樋口と水斗をただ所有しようとした長山の対決。ここに来て、長山がなぜ水斗に執着したのかが明らかになったこと、そして何より水斗が長山を許してしまったことにより、絶対的な悪役がいなくなってしまった感がありました。長山にはとことん悪役に徹して欲しいという意見もあると思います(それはそれで面白かったと思いますがw)。ですが、長山が単なる悪役ではなく、一人の弱い人間であったこと、なぜ悪へと傾いてしまったのかというあたりに触れら続きれていたことで、単純な善悪二元論よりも人間の内面が掘り下げられていて読み応えがあり、引き込まれましたね。 
ところで、長山によると、水斗は弱い人間だということですが、その後の水斗を見ていると、それには半分同意しかねました。自殺を図る長山に道連れにされそうになった衝撃で水斗は記憶を取り戻します。それは比喩的に「湖の底に眠っていた自分がそこから湖面へと引き上げられる」という風に表現されるのですが、彼は、長山に対する憎しみだけは「湖の底」に置いてくるんですね。そのことに、私は水斗の魂の強さを感じました。
確かに、長山の知る水斗は、無気力で弱かったかもしれません。ですが、憎しみを捨て、許すという行為は、強さの表れなんじゃないかな、と。そして、水斗を強くしたのは、樋口の揺るぎない愛情だと思います。樋口も長山も水斗を愛したけれど、愛し方が全く違うんです。 

さて、本巻の後半を占める書き下ろし「幸福の領域」では、記憶が蘇った水斗がどのように過去を乗り越えて行くかが主題になっており、私の中では、これをもって『シナプスの柩』が完結します。長山への憎しみは乗り越えたものの、彼の愛人だったという事実と黙認という形で間接的であるにせよ長山の悪事に関わっていたという事実は決して消えることはない。水斗は、長山の愛人であった自分の存在は樋口の将来に影を差してしまう、自分は樋口から離れるべきではないか、と思い悩みます。ぐるぐる思い悩むあまり、記憶が戻ったのに、それを言い出せずに子供のふりをして、樋口に甘える水斗は可愛いかったけど、相変わらず後ろ向きだなあ。子供のままの状態でいれば、樋口からずっと愛情を注いでもらえる、このまま幸せな時間が続いていく…。水斗はそう考えて、記憶が戻ったことを告げるのをついつい先延ばしにしちゃいます。う~ん、不安になるのは分かるんですけど、樋口からすれば、記憶が戻ろうが戻るまいが水斗であることには変わらないし、彼にとっては「一人の水斗」だけが存在するわけで。樋口は、そのことを言葉にはしないけれど、水斗への愛情を誠実に献身的な行動で示しているわけですから、もっと信頼してあげて!と少しじれったく感じてしまいました。
水斗の演技を信じ込んで「サンタさんから預かっておいたから」とか言って、水斗にキタキツネのぬいぐるみをプレゼントする樋口には萌えました。樋口は、すっかり子育てが板について、最初に比べてキャラ変わりすぎです!
樋口は包容力があって無条件にいい男だと思います。水斗は、樋口の深い愛情に包まれ、幸せを掴めて、もちろんそんな水斗の幸せな姿を見ることができて嬉しいんですけど、ただ欲を言えば、この書き下ろしで、もう少し前向きになった水斗が見たかったかなあ。本人も樋口の愛情により「生まれ変わった」と言ってるわけですしね。今後、水斗が徐々に前向きに生きられるようになっていったらいいなあと思います。過去を乗り越えた時が、人生の再出発の地点ですしね。そういう意味で私は、この「幸福の領域」を、物語の完結であると同時に、出発点でもあると受け止めました。

1

残念

え、そんなふうに話が進むの、と驚いているうちに、いつもおもしろくなるのか読み進めていたら終わってしまった。残念。
ドラマチックというか、陳腐というか、大映ドラマや韓流ドラマみたいだった。

2

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