さようなら、と君は手を振った

さようなら、と君は手を振った
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神21
  • 萌×214
  • 萌10
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

122

レビュー数
17
得点
194
評価数
53件
平均
3.8 / 5
神率
39.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
蒼竜社
シリーズ
Holly Novels(小説・蒼竜社)
発売日
価格
¥857(税抜)  ¥926(税込)
ISBN
9784883863525

あらすじ

従兄弟の氷見啓介が田舎から上京してきた。なし崩し面倒を見ることになった誠一は、アパート探しを手伝いながらも、実は気まずい思いだった。十年前の夏、啓介に心酔いした誠一は、「高校卒業したら迎えにくる」と約束したまま、戻らなかったのだ。相変わらずのダサいメガネ、髪型、服装にうんざりしつつも、誠一は再び欲望のままに啓介を抱くようになる。しかし啓介は優しく受け止とめるだけで…。

表題作さようなら、と君は手を振った

従兄弟・誠一
従兄弟・啓介

同時収録作品空を見上げて、両手広げて

柊,氷見啓介を好きな後輩
氷見貴之,氷見啓介の息子,中学生

その他の収録作品

  • 僕がどんなに君を好きか、君は知らない
  • 空を見上げて、両手広げて2

評価・レビューする

レビュー投稿数17

飽きたら……

私がタイトルをつけられるならこれにしたいですね。
「飽きたら、殺して」
盛大にネタバレタイトルになっちゃいますがそのくらい好きです。
この台詞のためだけにある物語じゃないかと思いました。
この本、駄目野郎しか出てこないです。
愛すべきバカとかダメンズとかかわいいもんじゃなく、ほんとに駄目。
神評価ですがそんなに好きな物語ではありません。
でも胸にくるものがある。
他の木原作品と比べて特にシリアスな事情や出来事があるわけじゃないですが、それが逆に登場人物の異常性を際立たせてます。
愛の狂気を描いたおはなしです。

スピンオフ『空を見上げて、両手を広げて』
いやあ……かわいそうですね!
表題作の狂った二人に育てられた貴之くん。そりゃまっすぐは育たないわな、と。
二人共根は狂っててもぱっと見はマトモな生活をしてるからか、貴之くんも一応マトモに成長してます。えらい。
根はだいぶこじれて絡まってますが。
柊はセフレと遊んで怪我するし、中学生に手を出すし、ぱっと見一番おかしな奴ですが、実は唯一マトモな奴だったんじゃないかと思います。
あの後は若い貴之くんが四十路の続き柊を振り回して困らせて泥沼展開が予想されますが、幸せになって欲しいです。
このふたりの続編が読みたいですね。

表題作の二人は……一生狂ったままでいるのが一番幸せそうです。
死期が近づいたら心中して二人で地獄にでも落ちたらいいんじゃないかなと思いました。

1

ひとでなし、恋するとみんな

こわい。
木原音瀬さんはどうしてこういう物語を書けるのだろう…?

「さようなら、と君は手を振った」
なぜこのラストで「攻めザマあ」と思えないのか…
酷く残酷な男誠一。最後に誠一を切り捨てる啓介だが、啓介の真意、それを理解する誠一の2人共が哀しくて、こんなろくでなしに恋をしている啓介が哀しくて、誠一が初めて知った絶望が哀しくて。

「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」
私はこの物語に震撼しました。
2人が別れて5年後、結婚して息子も生まれた啓介が妻から離婚を切り出される。それを知って啓介をさらう誠一。
誠一は打って変わって優しく誠実で、5年前と本当に同一人物?と思うくらい。誠一の啓介に対する熱く強い想い・執着・独占欲が延々と語られるが、対する啓介は、誠一の事は好きだけれどのめり込まないようにセーブしている。「さようなら、〜」の経緯があるから、啓介が可哀相で。
でも、この物語の怖さはこの後にきた。
別れた妻が息子を遺して事故死してしまう。息子は行き場がない。
この報らせを受けた啓介は、元妻の死を悲しいと思えず、あれほど愛していたはずの息子の存在を疎ましく思う続き
若い読者さんたちは、または小さな子のいる方は、どう思った?
信じられない、そんなのヒドい、ここは書かないで欲しかった…そんな感覚でしょうか。
私は。
私はある程度わかるんですよ。別に子供が鬱陶しい時があるとか恋愛の方が大事な気分があるとか、そういうことじゃない。そうじゃなくて…
『怖い。見えないものが怖い。目を閉じた。』
この文そのものです。文字を追っていて躰が震えました。

「空を見上げて、両手広げて」「〜2」
「僕がどんなに〜」が衝撃すぎて読み進めるのが心底怖かったのですが、読んでみたら息子の貴之の話でした。
貴之は、父親が自分よりも男の恋人一番だから可哀相な子供になったと思われそうだけど、そんなんじゃないと思う。
愛されていても、自分の欲しい愛とずれてるから家よりも柊の所に入り浸る。柊だってはじめは何も与えてもくれなかったけど中2(!)の貴之を酔って襲ってしまって、貴之は多分躰に引きずられた部分もあったのでしょう、柊にのめり込んでいく。でも柊も貴之の欲しい愛とずれていた。
父親と誠一はそれなりに平穏にやってきたように見える。そして今、息子も父のように行き場のない想いに囚われている。
ひとの、親も子もどの世代も、やりきれない感情を抱えて生きていること、木原音瀬ワールドの深さ、恐ろしさ、それらを静かに見せてくれるひとつの優しさ。そんなことを感じました。
「僕がどんなに〜」は正に「神」、一冊の小説としては「萌」評価とさせていただきます。

3

余韻ある続き

2000年発行のノベルズの新装版です。
描き下ろし短編が追加されているのでこちらがお得!と言いたいのですが、表紙・口絵・挿し絵のイラストが新しくなっているので、深井先生がお好きな方はどちらも買い!になるのではと思います。

描き下ろし「空を見上げて、両手広げて2」はノベルスにも収録されていた作品「空を見上げて、両手広げて」の続きで、氷見の息子・貴之が主人公です。

本編の主人公二人は仲良く暮らしている描写がありほっとさせるのですが、柊×貴之は微妙なところでして。

前作では、寂しいだけで恋愛じゃないというエンドだったのですが、今作では、柊は貴之の前から姿を消し、数年後に再会します。

この、再会しての二人のやり取りがなんともいえず…一筋縄で行かない展開が、さすが木原先生ですという感じでした。これから先の二人がどうなってしまうのか…案外攻め受けが反対になって落ち着くのかも?!などと想像をかきたてる余韻あるエンドとなっています。

自分勝手で酷い攻めが出てくるのが苦手な方(表題作)、二人の関係がはっきりしなくちゃ嫌(同時収録のスピンオフ作品)という方はご注意ください。続き4作品とも主人公が異なる面白い作品です。

1

読み終わって、うーむと唸ってしまう1冊でした

コミック版は私にとって特別って位好きな作品。
いつか原作も読んでみたいって思いつつ、なかなか読めずやっとこさ読む事が出来ました。
原作を読んで改めて思ったのは、私はロマンチストなのだなぁ〜と。
コミック版だけでは、内容はさておき美しい話だったんだなぁと。
私はコミック版のキレイな終わり方が好きで、
コミック版の結婚した後の啓介に会いに来る話も好きだったので、
今回原作を読んで、なんか現実を見た感じ。
うーん、やっぱそうなるかぁ…

1話目は、コミック版でレビューしたので2話目から書きます。
あらすじはすっ飛ばして…

そっかぁ〜離婚してしもうたか。
私、啓介大好きだったし、奥さんと子供と3人で家庭を築いて欲しかったので、
読み始めはもぅ残念で残念で。
でも起こってしまったものはしょうがないと読んでました。
誠一が迎えに来てくれたのも嬉しかったけど、
「はい、お次は」感がどうしても拭えなくて、
新生活もなんとなくで始まっていく事に、
啓介同様読んでるこっちもなんとなく状態。
でもまぁ、そりゃそうですよ。
あれだけの目に合ってたんですから。
それ続きでもって離婚直後ですから。
それを思うと啓介が頑なになるのも解るし、
幾ら誠一が優しくしてくれても啓介の孤独感が増していくのもわかって、
せつなくて悲しくて…
なので、正直柊が出てきた時、これでやっとこさ何かが起こって、
この心のモヤモヤ感を払拭してくれる、納得出来る気持ちを起こさせてくれるんじゃないかって期待してたんですけど、
そんなに都合良く展開するわけがない。
やっとこさちょっと少し出口が見え始めたかな、やっと誠一と啓介が話が出来るようになってきた所で、
啓介の息子問題が出てくるんですよね。
ここが読んでて一番怖くなりました。
自分にこんなに残酷な気持ちがあるんだなと読んでて恐ろしく思いました。
子供が邪魔だな、なんで出てくんだよと思う気持ちが自然にわいてる自分にショックでした。
最後、誠一が迎えに来てくれたのは嬉しかったんですよ、やっと、っと思ったけれど、
でもしかーし!
あれは駄目でしょう、大人として!!
いくら愛し合ってても、離れたくない気持ちが掴められるとしてもあれは駄目でしょう。
貴之が可哀想すぎます。
なんで誠一はあそこにいろと言ったのか。
今の私には理解出来ませんでした。

そして3〜4話目は、貴之のお話。
BLってどちらかが子持ちの時、その子供は理解力が高くて、なんだかあったかい家族☆みたいなのが多いイメージが多いんですけど、
ここの親子は真反対。
啓介は誠一が風邪ひいた時は仕事を休んだけど、貴之の時は休まなかったってエピソード、読んでて可哀想でしょうがありませんでした。
日々のほんのちょっとの事ではあるけれど、受ける側はほんのちょっとの事だからこそ、言えなくて、溜め込むしかなくて…。
2人の関係が良いものになっているのは嬉しいんですけど、
そこに息子の事を考えていられない父親がいるって事に、読んでて本当悲しくなります。
啓介の事、好きなんですけどね。
なので貴之が柊にのめり込んでいくのは、読んでて、大人としても複雑でした。
柊がいて良かったとも思いつつ、でもタバコを経験させるのは駄目でしょう。
ま、自分も経験ありますけどね(子供側です!)、
でも自分の存在価値を疑いながら生きるのがこの時期にあるなんて、可哀想すぎます。
なので4話目があって良かった。
あれがなくちゃ、救われません。
最後、ハッピーエンドになるのかどうなるか解りませんが、貴之にとって過去を清算する機会が出来た事が良かった。
相手が柊なのか誰なのかは解りませんが、共に生きたいと思う相手が出来て欲しい、
そうすれば啓介との関係もまた変わるのではないかと、希望が見えた最後。
本当最後ちらっと思わせて終わりなのが、やっぱり木原さんいいな…と思いました。

モヤモヤ感は最後迄消えませんでしたけど、
読んでて本当面白かったです。
木原さんの作品、読んでて痛いものが多いんですけど、上っ面だけじゃない感じ。
綺麗にまとめようと思えばまとめられそうなのに、あえて見たくない方を選んでいく感じ。
やっぱ木原さんの作品は好きだわ。
コミック版が好きだった方は是非の1冊でした。

2

あわなかった

攻がダメ男って他の話にもあるんだけど、この攻はダメ男すぎるでしょ。啓介を都合のいい相手としか思ってないでしょ。一人の女に見せびらかす為に女装した啓介とイチャイチャしたり、付き合ってる女とうまくいってないからって啓介に暴力ふるうし、本当に最悪な攻。啓介もどんな扱いをされても笑顔で接してるから、なんかそれもイライラしてきました。しかも終わりかたもイマイチでした。
木原先生の話は、だいたいこんな感じなのかな?
でも、ダメ男でもいいから攻が受のこと好きってところを書いてほしかったです。

0

積み重ねていく時間の中で。

改めてこの本を読んで、どうにも自分が木原さんの描くダメ男が好きなようだと気付いてしまいました。

どうしようもないほどに自分勝手な男・誠一。
昔、恋をした男・啓介が東京に出てきたのをいいことに、それまで放置していたくせに都合のいいように使って。
気持ちなんて昔のようにはなくて、ただ利用しているようでしかなくて。
それでも、何も言わないのをいいことのどんどんどんどん。
どこに気持ちがあるのかわからないまま加速していくような関係はいつか破綻するだろうとこちらには思えて。
それを急に突きつけて来るところが木原作品。
ぐるりと世界が反転するような立場の逆転。
どちらが置いて行かれたのか。
ようやく本当の気持ちに気付いた頃には2人の関係性はまた別のものになっていて。
そこに誠一の入り込む隙間はないようで。
それでもそこから諦めなかった誠一は、それまでしてきたことを思えば自業自得なんだろうけども一途さが見られてよかった。
どちらかといえば誠一の方が理解しやすく、啓介の方が理解しにくい。
見返りを求めない愛情は諦めているようにさえ見えて自己完結しているようでどこか痛くもあ続きって。
それでもお互いがお互いを必要とすることに最終的に求めあえてよかったのだとは思う。
世界が2人だけで閉じていたのならば。
そこまでの間にどれだけの紆余曲折があっても最終的に幸せを掴めたのなら「よかったね」と物語を終えることができるのだが…。
最後の子供に見せつけたシーンだけが後味を苦くしてしまう。
うっかりバレたとかではなく、がっつり見せつけたことが。
それがまた木原作品らしくもあるとは思うのですが。

ここでこの物語が閉じていたならば本当に後味の悪さだけが印象に残っていたかもしれない。
けれど、物語にはまだ続きがあって。

その後の子供・貴之の物語がある。
正直すぎる父親・啓介とその恋人・誠一を見ながら育った貴之には埋められないような孤独が宿っていて。
それを柊に甘やかしてもらうことで成長していくことになるのだが。
柊との関係は最初からちゃんとした「恋」ではなく、ただその言葉に縋っているだけの歪んだものであったのだけれど。
それに気付けたのは大人になってからのこと。
当時の貴之にはそれこそ柊だけが大切で。
自分を大切にしてくれる存在で。
啓介がもっと父親としてちゃんと接することができていればこんなことにはならなかったんだろうけども。
啓介は父親には向かない存在だったんだろうな。
柊もその曖昧な関係に浸って。
それでも、そこに何の感情もなかったわけではなく確かな感情があったのは事実。
ただ、それを大人だからと流そうとしていた部分もあったかもしれないけれど。
それでも長く続けてこれたのはやっぱりそれなりに思い入れがあったからなんだろうな。
当時の貴之には柊の存在は救いになっていたし、きっと柊にとっても穏やかな時間になっていたんだろうと思う。
2人の本当の物語はまだまだこれからで。
この先が本当の恋になるはずで。
そんな未来が感じられる幕引きでよかったです。

4

木原先生のダークさが

久々に木原先生の作品1冊丸ごと読みました。というより、BL小説を読み終えること自体久々です。

木原作品を好きになり始めた当初はまだまだ私自身の中にいろんな地雷があって、読みたくても避けていた作品がありました。「さようなら、と君は手を振った」もその中の1つ。ちるちるさんで木原さんの特集ページでこの作品の文章の1部を読んで「無理っ」って思ってからずっと避けてきました。でも、多くの作品に触れていく中で免疫もついてきて今回やっと手にすることができました。

木原作品では毎度のことのように出てくる嫌な奴。この嫌な奴・誠一が本当に嫌な奴なんです。周りの目ばかり生きているような男。昔付き合っていた従兄弟・啓介に無責任な約束を結んだ上に、再会後も啓介を弄ぶような行動ばかりとる。何度裏切られても、ひどく当たられても一途に誠一を想う啓介は本当に優しくすべてを享受してしまうんですよね。

しかしながら、表題作の続編「僕がどんなに君を好きか、君は知らない 」。啓介が誠一のもとを離れた後のお話です。
ここでのラストの啓介の描かれ方が木原さんらしいなと思いました。人間のブラックな部分きっと誰でもあ続きりますよね。どんなに心が広く優しい人間であっても…。人間のリアルさに少し身震いしました。終わり方もなんとも後味が悪いのですが、そこも木原さんらしい!2年前の私はきっと最後まっで読めなかったろうな…。

「空を見上げて、両手広げて 」は啓介の息子・貴之に視点を当てたお話です。誠一と啓介のもとで育てられた貴之。その環境の影響は大きく、少し歪んだ感情を持った子に育った貴之が、啓介の元同僚で啓介に尊敬の意を表している柊に恋をするお話です。
これがあったから、ちょっと救われた感がありました。表題作と「僕がどんなに君を好きか、君は知らない 」を読んでずーんと暗くなっていた心が少し晴らされたような気がします。

久々の木原作品はやはりパンチがありました。やっぱり木原作品好きだなと改めて感じることができた作品です♪

2

淡い狂気のスパイラル

見栄っ張りで浮気性の誠一に憎たらしさを感じる読者って多いんでしょうが、むしろ、相手にされるがまま、全てを受け入れてしまう啓介の方が嫌だった。

いやなんですよぅ、こういう菩薩のような「受け」。
誠一のような身勝手なヤツには「理想」そのものなんでしょうが。

ところがどっこい、チャラ男の誠一は何を思ったか、今までの悪の数々を正して、啓介一筋!5年も待ってしまうという徹底ぶり。
そしてめでたく非のうちどころのない神カップルとおなりあそばすわけですが、さすが木原先生、それでとっとと幕引きするわけもなく。

こういう菩薩のような人格の持ち主はタガ外れるとロクなもんじゃないんですが、案の定、いざ誠一と相思相愛になったところで自分の子供よりも恋人が最優先という「性愛」が炸裂してしまうんですね…わかるけど、わかりたくない「大人のいやらしさ」にまみれた受けになってしまうんですね。

サイッテーな美形男と、されるがままだった美形男が「結婚」したツケに、歪んだほくそ笑みを浮かべたワタクシ。あー、性格悪いですねワタクシ。

だが、木原先生はさらに意地悪だった。
ラストは実際に読んで続きみると、聞きしにまさる混沌とした未来の暗示に戸惑います。
名作といっていいのかどうか、しかし、読後感は背中がムズムズするような、ゾッとするような。
愛はやはり不安定なほうがいいのかもしれません。

12

都合の良い男

誠一の不真面目さはイラつく程にわかります。
鬱憤を晴らす為、寂しさを紛らわすため、啓介を抱く誠一。
何も聞かない、誠一を全て受け入れる啓介。完全に都合の良い男。
初恋なんて甘い名前でなく、啓介の誠一への想いは憧れに近かったのかもしれない。
手を伸ばしても掴めないそんな存在というか。

こんなやつ信じられなくなる啓介の気持ちも凄いわかる。
捨てられる恐怖を教えたのは誠一、5年待っても払拭出来る物ではないと思うけど。。
5年後の誠一の執着にも軽く呆れます・・少し自分勝手すぎやしないかと。
結局誠一は啓介が自分の事を根底では愛しているだろうと理解しているからこそ、こんな行動に出れるんだと思うんですよね。
なんかそれも個人的にこんな男納得いかない・・

啓介も結局は理性を失って、子供よりも誠一となってしまう。
子供に寂しく窮屈な思いをさせてまでの愛。
愛の極論と言えば聞こえはいいけれど、現実に居たら非難されまくるだろうな・・

木原ワールドとしては、痛みはありますが後味は尾を引かないレベルでした。
手本にならない恋を丁寧に描いてくれた感じですw

書き下ろ続きしの、啓介の息子貴之と柊の話。
親子だなぁと関心する程の一途さ(笑)柊は大人だからこそ手を引いたんだろうなぁ。社会人になった貴之は是非攻めに転向して頂きたいと思う、勝手なその後の話でしたw

3

好きなのはわかった、、、解かったけど

萌えがなかったわけではないのだが、いろいろ「ん?」「う~ん・・・」と思ってしまう部分が多かった。
特に受の行動が突飛すぎてついていけなかったってのもある。
好きになる過程、2人の関係をジックリ描いていく部分が少なかったせいもあるのかなとちょっぴり残念に思ってしまいました。
2人は従兄弟で、高校のとき好奇心から身体を重ねてしまった。
受は、抵抗もしなかった。それが思いのほか心地良く、女に振られてやっきになっていた攻は、優しくされてほだされて心地良くなっていった。
けれどやっぱそこを離れれば、女ともよりを戻し、一時の快楽など忘れてしまう。「迎えにいく」という約束も結局果たされないまま。
そこから10年。再び2人は再会するのだが・・?!
見栄えばっかり気にして、女でも男でも性的にこだわりはない。
10年前のわだかまりで、避けようとしていたものの、なんてことないと知ると、受の身体をもとめて攻は抱く。
もちろん女は女で尻をおいかけ~な優柔不断。けれど受はそれでも・・
そして後半の逆転劇というところなのでありますが・・・
優柔不断だった攻が、受がいなくなってしまったことで寂し続きくなり、本当の気持ちにきづく。しかし受は結婚をきめ・・・そしてまた再びいっしょに暮らし始めてからの~な展開なわけですが、これがどーにも。
後半、受が好きで好きでしかたなくて、優しくしたくて独占したくて。
そんな攻は確かにかわいい。“一方的に愛しつづける愛”はいいのだけれど、それがどうにも無機質に感じてしまった。言葉だけじゃ萌えない。
10年も待っていたくせに、不意に消えて結婚し、妻を愛していると素直にいえてしまう受もなんなんじゃろと。どうせなら葛藤の部分がもっと見たかった。攻も、前半が前半なだけに、一途に待ち続け、これでもかというほど愛しちゃうのはいいのだが、それまでの間の気持ちの変化や葛藤が描かれていないのでどーにも感情移入することが出来ませんでした。
最後に、子供にたいする愛情~。
これがやけに子供に冷たいというか、むごいというか。
暴力ふるうとか、虐待的なものではないにしろ、病的なまでにお互いを愛しすぎるあまり放置される子供の図が浮かんでしまった。
どこか壊れている・・・とも取れる雰囲気を感じてしまう。
ん~・・・木原さんのだからと期待していたのだけれど私にはまだ難しかったかな~な作品でした。

最後は、2人の息子である貴之と、柊の話。
2人の話のときに、猫っぽいな~と思っていた柊がオッサンになっていて、攻めているというのにちょっと不思議な気持ちになりました。
貴之にたたかれておびえるシーン。これは過去のトラウマ~含めでちょっと面白かった。普段は、スケコマシなオヤジなんだけど、そういうところはちょっとかわいいのかなと思う。
リバーシブルもありなカップルかなwww
どっちかっていうと、素を開放してかわいいオヤジと化した柊を・・はぁはぁ

こっちの息子カップルは続編とかあったら
是非読んでみたいかなと、思いました。

4

目論見通り?

深井さんのコミックスを読んで続きが気になり、小説版を手に取りました。
きれいにまとまったラストでしたが、ハッピーエンドの続編があると言われれば、そりゃあ読みたくなるものでしょう。

私には木原さんは痛すぎてずっと避けてきたのに、いつのまにか嗜好が変わっていたようで、全然オッケーでした。
性格に難ありな登場人物に感情移入できなかった以前が嘘のように、今は登場人物の気持ちにぐいぐい引き込まれます。
木原さんがこんなにうまい作家だったなんて気付かなかった。
人生損していました。

主人公のご都合よく相手の気持ちが流れないのがいいですね。
ひとりひとりにちゃんと感情がある。
立場が違えば見方も変わって、ひたすら優しくて一途に尽くす啓介の方が実は自分勝手な男なのでは・・・?

「空を見上げて、両手広げて 」の方がちょっと痛かったですね。
コミックス版であんなに可愛かった貴之くんが・・・。
「こどもの瞳」の城太郎に比べ、不憫です。
もう少し先まで書いて欲しかったです。

2

コミックスのついでに

コミックスを読んだので、過去にブログに書いておいた感想を転載します。

かたや「これからは好きにしていい」と言われると、好きな人のそばにいたいと思い、好きな人が望むことなら何でもさせてやりたいと、DVまがいのことまで許すくらいなのに、相手の気持ちを確かめようとせず、自己完結。

かたや極端なまでに外見外聞にこだわり、居心地のいい場所はキープしておくくせに外にばかり目が向く鼻持ちならない嫌な奴。

割れ鍋に綴じ蓋な2人が、赤い糸で結ばれているのは、必然だったんでしょうね。勝手にやって頂戴。

それにしても啓介はよっぽど誠一のことが好きなんですね。
誠一も啓介を好きなことに気付いてからは一途だし。
誠一が改心してからのいいひとぶりは、さすが木原節。
それよりも啓介の、息子すら省みないほれ込みっぷりに、やや引いてしまいそうなくらいです。

貴之、かわいそうな子。
よく横道にそれずに育ったもんだ。
柊くんも「氷見被害者」ですよね。
あとがきでハッピーにもアンハッピーにも展開できるような終わり方にしたとありましたが、是非、ハッピーエンドにしてやりたい。そうじゃない続きとかわいそ過ぎるよ2人が。

ergoの深井結己さんのコミックス化を読んで、mmmmm既読感があるんだけど、間違いなく読んだ自信がなかったんですが、やっぱり読んでたと思う。
2000年じゃ8年も前じゃん。記憶も薄れますよ。

それともう一つ!今の世にあわせて考える必要はないと思いますが、彼らが50代になった最後のあたりのお話は「未来」の設定ですかね?そうじゃないとつじつまが合わなくなる時代背景があるんですが…細かすぎます?

1

まだ半分

この本で終わってしまうと誠一の執着愛がまだ伝わりませんが、ノベルズの後半もコミックス化してくれると二人の愛のかたちがはっきり分ると思います。
それに期待したい。
コミックスの 『夏の果実』 の部分だけでは物足りません。

あくまでも優しく包み込む愛で受け止めていた啓介がすっぱりと誠一を切る場面は涙なくしては読めませんでした。


1

木原さんは番外編でも流し書きしません

木原さんのスゴイところは、番外編でもきちんとした「お話」にしてくるところだ。
しかもそれが、本編以上に気になる作品となってたりする。
最近レビューした『黄色いダイヤモンド』もそんな感じだったんですが、この作品もそうでした。
痴話喧嘩的続編やらひたすらエロエロしてる続編が多いBL番外編のなか、これは驚異的なことだと思います。そういうところも好きです。

表題作『さようなら、と君は手を振った』とその続編の『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』については、旧版ですでにレビューしてるので、新装版のこちらでは『空を見上げて、両手広げて』『空を見上げて、両手広げて2』の二作について書きます。
好きなんですよ、この続編。
表題作の受けの息子を主役にしたお話です。
彼は歪んだ子供だ。
表題作カップルが幸せになったのはいいけど、子供は置き去り。
ふたりとも互いへの愛にかまけてるせいで、子供を健全に育てることができなかったのだ。
愛を与えられなかったわけじゃないし、実の父親はめちゃくちゃ優しい人なんだけど、子育てするには最悪の環境で主人公を育てていた。
連夜聞こえてくる、父親のあえぎ声。
子供に「一番好続ききなのは誰?」と聞かれて、「おまえが一番だよ」と嘘でも言ってやれない父親。

こういう設定にしちゃうのも珍しいですよね。
たいがいのBLでは、「愛し合ってる二人なら、たとえ男同士でも大丈夫。子供は二人から溺愛され、すくすく育つ」みたいな落ちにする場合が多いのに、木原さんはそうしない。
歪んだ関係の二人は、イビツな子供を作り出してしまった。
寂しさから彼は、父親と同じ職場にいる年上の男にハマってゆきます。
そしてそれは、彼の心を長く縛りつける楔となるのだ。
まだまだ続きがあってもおかしくない、非常に木原さんらしいラストでした。

4

愛はシーソーなんだね

攻めの誠一はその名前に似ず、チャラチャラした男です。自分に憧れる啓介を遊び半分で抱いて、都合のいいように弄ぶ。
啓介は一言も文句を言わず、怒りもせず、抱かれるのを拒むこともせず、いわゆるひとつの「都合のいい女」状態。誠一が「コイツ俺に夢中だな」とタカをくくるのも当然です。
ところが!誠一が啓介の金で女と旅行に行っている間に、啓介は実家に黙って帰ってしまうのです。
「便利なセックスフレンドがいなくなっただけ」と強がっていた誠一ですが、だんだん寂しくなってきて・・・あの優しい手が恋しい、もちろん自分のことは今でも好きで堪らないはずだ・・・真剣に謝れば、絶対に許してくれるはずだ・・・
どこまでも身勝手で自分本位な考えで、迎えに行った誠一に、「見合いして結婚する」と静かに告げる啓介。
さすがの誠一も振られてやっと気付きます。啓介がただひたすらに自分のことが好きだったことを。それは自分が啓介をどう思おうが、一緒にいようがいなかろうが、変わらないものだということを。
そんな風に自分を愛してくれる人は、もう現れないかもしれない。
でも今度は、自分がそんな風に、啓介を愛そうと、誠一は思う続きのです。そして実行する。立場逆転です。
結婚してしまった啓介を見返りなしに愛し続ける誠一。離婚した啓介を手に入れてからは、急に優しくなって、自分との生活を何よりも大事にする誠一に、啓介は抗えず、でも、どうしても不安が頭から離れない。
いつか誠一は前のように自分に飽きるんじゃないか、他の女が良くなるんじゃないか。
ずっとこのままではいられないんじゃないか・・・・

思うだけの愛の方が楽なんですね。
思うだけ、と決めていれば期待もしないから不安もない。甘美な自分の中だけの愛の殿堂に幸せに安住していることができます。
もちろん誠一はもうそれでは満足できない。積極的に愛してほしい。嫉妬もせず、ただ許されているだけでは逆に不安になります。

でもね、M君に積極的に求める愛をいきなり要求してはいけません!そんなことすると、だんだん心に負担がかかります。

やっぱり、「愛に積極的で優しいのはS」というヤマシタトモコ先生の名言は正しいと、羊は思います。Mのが薄情で人に心を渡さないんだよなぁ。
ご主人さまには従順なくせに、対等な愛には怯えるのです。受け入れるだけじゃなくて、差し出さないといけないから。
結局啓介は、追いかけてきた誠一を拒みきれず、その後を共に生きるわけですが、誠一を信じてそうするわけではない。どこまでも怖い。不安定な二人の関係を自分も責任を持って引き受けることが。ズルイ男です。
前半はただ思うだけの愛で誠一を包んだ、甘くて優しい啓介が、後半は愛されることに向かいあえずに誠一を傷つけ、振り回す。
木原さん会心の、愛の逆転劇です。神棚入り。

9

幸せは永遠に続かない

従兄弟同士のお話。
啓介が田舎から上京してくるところから物語は始まります。
誠一は啓介とは同い年で従兄弟の関係。しかし十年前興味本位で二人は体の関係を持ってしまい、誠一が田舎を離れるとき啓介に「高校を卒業したら迎えにくるから」と言い残しそれっきりだった。
誠一は母親に言われ無理矢理啓介を迎えに行くのですが、啓介の格好がとてもダサく、なにより容姿を気にする誠一はうんざり。
しかしまた啓介に会って、誠一はまた啓介を抱いてしまう。

まず思ったのが誠一が最低な男だなということです。
自分は遊び歩いてるくせに金に困ると啓介の家に行き、気にくわないことがあると啓介を乱暴に抱き、啓介を抱いていても彼女から電話があるとそっちを優先し。
ほんと最っ低!だと思いましたね(笑)
なのに啓介は文句1つ言わずただ抱かれて、誠一に優しくて。

『さようなら、と君は手を振った』だけでは2人は本当にこのタイトル通りな関係のままですが、『僕がどんなに君を好きか、君は知らない』で2人は一緒になります。
誠一の変化にちょっとびっくりしました。啓介が本当に好きで好きで自分の側に置いておかないと落ち着続きかないという感じでした。
でも啓介はいつ自分が飽きられるか、いつ捨てられるかということばかり考えていて、なるべく誠一にのめり込まないようにしていました。…捨てられたときのショックを大きくしないため。
でも啓介が悲観的になるのもちょっとわかる気がします。昔の誠一があんなんでしたからね;
それでも「永遠に続く幸せなんてない」とか「いつ捨てられても心の準備はできている」と思う啓介がすごく切なかった。
最後は2人結ばれたはずなのにものすごく切なかったです。
さようなら~は誠一視点、僕がどんなに~は啓介視点だったと思います。

『空を見上げて、両手広げて』は啓介と同じ職場で啓介とよく話をしていたゲイの柊と…これは言っちゃうとネタバレになってしまいそうなんで控えます;
でも柊とあの子がくっつくなんてちょっとびっくり。

色々な愛のカタチがあることを思い知らされた作品でした。

4

痛いよっ

【カップリング】従兄弟同士

派手な身なりで格好ばかりの誠一と
素朴で物静かな啓介は従兄弟同士。
若気の至りで啓介を抱いてしまった夏・・・
「迎えに来る」と約束して別れたものの
夏が過ぎ自分の環境が、変わると啓介を忘れてしまった誠一。
時は過ぎ、お互い社会人になった二人は再会する。
若気の至りと、約束を破ってしまった後ろめたさを抱えて再会したのに
啓介は、誠一を責めることもなじることもせず、何事もなかったように振舞う。
そしてまたそんな啓介の居心地のよいぬくもりを誠一は貪るようになる・・・。

と、いうお話。

“痛み”や“苦しみ”の先につかむ“幸せ”そんな感じの話です。
この“幸せ”っていうのも曲者で、誰もがうらやむ“幸せ”っていうんじゃなく
当人同士しかわかりあえない“幸せ”って感じなんだよね。
最後ハッピーエンドになるの???と、思いつつ読んだ。
先が読めない、読んだ先にあるものが、不確かなエンディング。
愛のカタチを深く考えた。

4

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