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表題作金色の龍を抱け

経済ヤクザ 梁瀬
華僑で拳法の使い手 姿彗

あらすじ

この男の言いなりになるのは、すべて母の入院費を稼ぐため――。華僑(かきょう)の街の片隅で、秘密裏に開催される違法の賭け試合。賞金を得て暮らす姿慧 (ツゥフェイ)に目をつけたのは、若き青年実業家・梁瀬(やなせ)。裏社会に君臨し試合を取り仕切る梁瀬は、「金が欲しいなら言うとおりに戦え」と姿慧を女のように飾り立ててリングへ上がらせるが!? 闇を背負う男に身も心も支配され快楽へ導かれる――ハードラブ!!
出版社より

作品情報

作品名
金色の龍を抱け
著者
水原とほる 
イラスト
高階佑 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005442
3.7

(7)

(2)

萌々

(1)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
26
評価数
7
平均
3.7 / 5
神率
28.6%

レビュー投稿数3

「格闘技系」ワクワクしました♪

 登場人物の生い立ちや横浜中華街の近場の町名や名所など、現実に傍にあるので、興味津々で読み進めました。
主人公・洪 姿慧(ホン ツゥフェイ)をはじめ、簗(リャン)や鄭(ジェン)、陸(ロウ)老師・・どれも男らしいキャラで気持ち良いです。

 ストーリーです。
中華街の飲食店で働く姿慧(ツゥフェイ)は、入院中の母の治療費を稼ぐため、祖父から学んだ拳法を使い賭け格闘技に参戦していたが、その興行主の簗(リャン)に見染められ、客寄せとして試合に臨む事になった。
体格の勝る対戦相手に勝つも良し、か細く若い美人が血を滲ませ押し込まれ喘ぐ姿もまた良しと言われ、今までTシャツと黒いカンフーズボンで臨んでいた姿慧(ツゥフェイ)は、反発しながらも美麗な衣装を身に付け、母の入院費を稼ぐ為に勝ち進む。
ファンも増え盛り上がっていく中、日本人ヤクザの魔の手が姿慧に伸びてくる。
また、神戸の南京町から来た拳法使いの強敵登場で、焦る姿慧(ツゥフェイ)は?
 
 異種格闘技のストリート・ファイトなんですが、姿慧(ツゥフェイ)が1戦1戦毎に強くなっていくんですね。スポ根マンガにもなれちゃう位に、姿慧と対戦相手の駆け引きが生き生きと書かれていて。息使いや飛び散る汗やガヤな声援が身近に感じられるんです。
 何ですかね、天下一武道会やらストリートファイターやら一歩やらのマンガやゲームが、少林寺やジャッキー映画が、パァーって頭ん中に広がり捲るんです。
ネジ(ナルト)なんて「八卦拳とは・・」と説明役を買って出てくる位に、もう飽きる隙がない位です。

 ちゃんと恋愛もあります。
興行主×美麗ファイターとなるのですが、その姿慧(ツゥフェイ)はトラウマで他人に触られる事を嫌悪しています。
故に、美人で強くてウブで家族思いな「最強受け」さんになるのです。
 その姿慧(ツゥフェイ)の事を簗(リャン)は、最初は客寄せパンダとして→母を思う真面目で純粋な友人として→傍にいて欲しいパートナーとして・・と変化させていきます。
姿慧も、簗と彼の秘書の鄭(ジェン)との仲の良さに嫉妬したり、逢えない時間を寂しがったりして、他人との交流が苦手なはずの自分の変化に驚いたりします。

 格闘の方に大分ページを割いていますが、BLの方も、主人公カップルと秘書カップル(少しだけ。こっちもちゃんと知りたいぞ!)があってちゃんと萌えますのでご安心を!
それに、高階先生イラストの姿慧ですから、本当に美人なんですよ♪
こういうのもBLにあったんですね?!
とっても面白かったです!

3

今回は鬼畜はありません、格闘技です。

水原さん縁の地、横浜を舞台にした華僑の話ですが、7割方拳法とか格闘技の試合とかそんな割合で、いつもと違った毛色で、そこが楽しめました。
しかも今回はいつもの、健気な流され受けや鬼畜攻めも出番はなく、攻め様は少しヘタレ(優しいとも言う)で、受け様のトラウマなところが水原臭を漂わせるだけで、新鮮でだったかもしれません。

主人公の姿彗(ツゥフェイ)は子供の時に母親と大陸から渡ってきた華僑です。
友達もなく、病気の母親の入院費を稼ぐのに必死の毎日。
亡くなった祖父に教わった拳法の腕を生かして、不法開催されている格闘技の試合に出てはそのファイトマネーを母の為に使い、仕事仲間にいじめられながらも、ただ金のためだけに、何もかもあきらめて仕事をする、貧乏で辛い生活です。
ツゥフェイの試合を見て気に入った興行主の梁瀬に、メインの試合に出す代わりに言いなりになることを条件に出される。
母の為、少しでも金の欲しいツゥフェイはその条件を呑み、美しい格闘家に変身する。
梁瀬はワーカホリックらしく女性の影もなく、ツゥフェイを連れ回しても手を出すでもなく、淡々と試合をこなしていくシーンが続きます。
物語が動き出したのが、梁瀬の仕事の敵対する相手のヤクザが出てきたところです。
その宮城谷がツゥフェイを欲しがり手を出そうとするのを、なんとか逃れるが、ヤクザの手打ちですから、結局梁瀬の手を煩わせてしまうことになる。
そして、初めて梁瀬に抱かれることになるのですが、ツゥフェイには子供の頃性的虐待を受けたトラウマがあり、自分に嫌悪感を抱くのでした。
執拗な宮城谷の嫌がらせを恐れ、梁瀬の元にかくまわれることになったツフェイですが、同じ拳法の使い手の試合を見て、彼と戦うことを希望するツゥフェイ。
梁瀬の秘書鄭の師匠、老師にてほどきを受けていよいよその男と試合をすることに。
しかし、試合が終わって待っていたのは愛した母の死でした。
絶望して何もやる気がなくなるツゥフェイ。
梁瀬も何も話しかけてこないことに、自らこの街を出て行こうと決意したところ、再び宮城谷の手が・・・
「どうせ俺なんかおもちゃだろ」と叫ぶツゥフェイに正直な気持ちを吐露する梁瀬。

本当に本作品エロシーンが2回ほど、しかもページ少ないし、拳法好きな水原さんの趣味が全面に押し出されております。
そして何より、梁瀬がイイ人でね~!しかも不器用で少しヘタレ入ってましたよ。
ひょっとしてこんな攻め様って初登場?
何より気になったのが、梁瀬の秘書の鄭。結構美人さんなんですが、4課の刑事さんと10年来のパートナーとかって、最後にその方が登場いたしますのよ。
シリーズ狙ってますかね?
ということで、新鮮な側面の水原作品だったということでおまけの萌えです。

2

格闘技ドラマでした

水原とほるさんお得意の、横浜中華街を舞台にしたお話です。横浜中華街を舞台にしたお話、これで何作目かな? なんか好きです。フィクションであるのは理解しつつも、読むたびにそこが、「日本のなかの異国」みたいな感じで描くに足る街だったんだなという思いを新たにしてます。
水原とほるさん作品にしては、攻めが優しかったです。(あくまでも水原作品比での話ですがw)
ピンポイントで見せてくる攻めの優しさや嫉妬に、胸がきゅううんとなりました。
対する主役の受けは、強い!
心が強いとかじゃなくて、いや、心も強いんだけど、とにかく肉体的に強いのだ。中国拳法の達人なんです。
つーか、お話の大半が、拳法についてのウンチクで埋めつくされてるー!
水原さんのソッチの趣味が炸裂した作品だなァ…と思いながら読んでました。
おこがましい話ですが、なんだか微笑ましい気分になっちゃいました。大好きな作家さんだから、自分の趣味に走ってることや、その趣味への熱い思いを作品のなかで露出させてることとかが、妙に可愛く思えちゃうんですよね。
ただ、面白かったかと聞かれると、ごめんなさい、拳法に関するウンチクのアレコレは、いまいち面白くなかったですw 正確にいうと、最初は面白かったんだけど、あまりの長さにだんだん飽きてきたというか。
それでも大好きな作家さんだから、なんか熱いなァ、水原さん可愛いなァと…ほんとにごめんなさいw

全体的なストーリーラインは、ドラマティックで面白かったです。
容赦なく不幸な受けでした。ドン底の生活から這い上がろうと必死で、ハングリーで。ハラハラしながら受けを応援してました。
攻めが受けを過剰に助けたり守ったりしない部分も私好みでした。

ラスト、ちょっと泣きました。

0

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