彼をさがして

kare wo sagashite

彼をさがして
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神19
  • 萌×215
  • 萌10
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
9
得点
186
評価数
48件
平均
4 / 5
神率
39.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
シリーズ
プラチナ文庫(小説・プランタン出版)
発売日
価格
¥571(税抜)  ¥617(税込)
ISBN
9784829625033

あらすじ

……そうだ。幸せだったんだ、俺は。
エリートサラリーマンの勝倉に拝み倒され、恋人となった容姿も性格も地味な相馬。つきあい始めて一年、徹底的に甘やかされた相馬は、我が儘な女王様のようになっていた。そんな中、下僕扱いしていた勝倉が事故に遭い、記憶を失ってしまう。さらに優しくてヘタレだった勝倉は、相馬を見下し、傲慢で性格も最悪な男に豹変していた。だがそれが勝倉の本性だったと知り――!?

表題作彼をさがして

TVCM製作会社のエリートリーマン・勝倉翔太 29
容姿も性格も地味な中小企業の会社員・相馬貴幸24

その他の収録作品

  • 見知らぬ恋人
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数9

泣きたい時にオススメ

記憶喪失もの。

受け視点での前半、攻め視点での後半。
女王さま気質だった受けが攻めの記憶喪失を機に変わっていく様子が描かれています。
最初は受けの女王さま気質にイラっとしましたが、
徐々に変わっていく受けを見て、本来の受けの気質はとってもいい子で健気な子なんだーと読んでいてほわっとしました。
記憶を失って、受けのことかわからなくなって、何なんだよお前、みたいになりながらも、深層心理の中では受けのことを覚えていて、どう接していいかわからず葛藤する場面もよかったです。

途中で少しだけ乱暴な描写があります。
切なくハピエン、私は途中で涙が出てきました。
泣きたい時にはオススメな小説です。
お気に入りですよくカバンの中に入れて持ち歩いてたりもします。

1

記憶喪失ものなんだけど…

いわゆる記憶喪失ものとは少し焦点が違って面白かったです。
最初の話はまぁわりと定番の
付き合う前くらいからの記憶を喪失(攻め)→男の恋人なんてっ!?と受け入れられず→でもなんか好き
恋人記憶喪失→恋人と見てくれない冷たい仕打ちに傷付く(受け)→でも記憶はなくても彼は彼、好き
というパターンですが、そこに実は記憶を失った恋人は自分に対しては甘々だけどそれ以外はキツイ性格で、しかも付き合う前の彼は人を見下す傲慢人間。
さらに受けは攻めがどーしても言うので付き合った為、攻めに対しては女王様。
という設定が加わると、記憶喪失による女王地位転落、傲慢人間に振り回されてやっと彼への思いを自覚、下僕ながらも健気に尽くすという切なさと若干のコメディが出来上がります。ひどいことや辛いこともあったけど、結局は記憶が戻らないままハッピーエンド。

そして後半の話は記憶喪失から三ヶ月後、急に記憶が戻った攻めが、すっかり態度が変わり優しくなった受けにオロオロする話。
普通の記憶喪失ものは、だいたい最初の話のハッピーエンドで終わりだけど、記憶が戻ってからの攻め視点の不安に駆られる話は新しいかも。続き
最後の方のHのシーンで激しくしてごめんと謝る攻めに対して、記憶がない時の方がもっと激しかったという受けに対して、記憶喪失中の自分に嫉妬するエピソードが胸キュンでした♩

4

ただの記憶喪失ものじゃない


地味だけれど性格は女王様な主人公・相馬にひたすら尽くしていた攻め・勝倉が、記憶を失うことによって俺様な性格になってしまうお話。
相馬の前ではまるで下僕だった勝倉なので、二重人格のような豹変ぶりに戸惑う相馬の心情が細かく描かれています。

ただの記憶喪失ものではなく、記憶どころか性格までもがまるっきり変わってしまう攻めがとても斬新でした。
相馬は勝倉の手によって女王様に育てあげられたので、変わってしまった勝倉に戸惑いつつ、優しい勝倉を取り戻すために健気に尽くそうとしているところがもう…!

勝倉の愛情が感じられなくなってはじめて、自分の感情に気づいた時の描写や、勝倉がどれほど自分を愛してくれていたかを感じた描写に…どうしようもなく切なくなってしまいます。
また、記憶が戻ってからの勝倉視点のお話でも、相馬と同様にまるっきり性格が変わってしまった恋人に不安になる勝倉の切ない様子が描かれています。

冷たくなってしまった恋人に怯える相馬に、優しくなった恋人に不安になる勝倉…形は違えど、最後にはどんな恋人でも全てを受け入れようと覚悟を決めるところが素晴らしいと感じました。
続き

勝倉の二面性が極端すぎると感じるかもしれませんが、あとがきにも書かれているよう『人はいくつもの顔を持っている』ということがテーマなため、素敵な作品なので苦手に思わず読んでほしいと思います。
表紙から分かるよう、挿し絵もとっても素敵ですよ~!

3

単なる記憶喪失ものではない良作♪

もうもう、すっっっっっごく好みのお話でした!

あらすじを見て、記憶喪失で地味受けかー、結構好きかもwと軽い気持ちで購入したのですが、大正解!!!

前半が相馬(受け)視点で、後半が記憶がもどった勝倉(攻め)視点という二部構成です。なので、きちんと攻め側の気持ちも丁寧に描かれていて、かゆい所まで手が届く作品。
後編で、勝倉が相馬を好きすぎて嫌われないようオロオロする様子がしっかり伝わってくるので、前半で相馬を切ない目にあわせたこともしっかり溜飲が下がる仕様になっています。相馬の機嫌をとりたくて、顔色をうかがいまくるのもご愛嬌。
攻め視点のお話が好きな方にもオススメです。

しかも、勝倉の性格が、記憶のあるなしで違うので、年上下僕ワンコ攻めと俺様傲慢攻めの2パターンを楽しめて、お得感があります。
私はどちらのタイプも大好きなので、非常においしくいただきました。

勝手な偏見で…絶対、勝倉はAB型だと思う。私もそうなので、ちょっとこの二面性的な感覚ってわかるんです。でも、裏表ないっていうか、二面性なんか不誠実だわっていうまっすぐな読者さんは極端な話だなって思われるかも続きです。

あと、ムリヤリ乱暴にコトに及ぶシーンがある(記憶のない傲慢勝倉の仕業です)ので、そういう描写が苦手な方はご注意を。


以下、さわりだけのあらすじとちょっとネタバレです↓

整った顔立ちながら地味な印象な相馬。
もともとノンケだったが、イケメンエリートの勝倉に拝み倒されんばかりに求愛されて、付き合って一年、同棲して半年。
恋人としての勝倉は、嬉々として下僕のように尽くす献身ぶりで、それを当たり前のものだと思い、勝倉を女王様然と粗略にあつかう相馬。
だがある日、事故で勝倉が記憶を三年分失ってしまう。
相馬のことを忘れた勝倉は、傲慢で我儘で偉そうな態度を相馬にとる。
別人のようだと驚く相馬だったが、実はそちらが素の勝倉で、相馬の知っていた相馬の愛をつなぎ止めるために勝倉が必死で作っていた姿だった。
そのことを知り、記憶を失った勝倉と接しながら、自分が今までどんなに幸せだったか、勝倉を愛していたか思い知る相馬。
遅ればせながら、今度は相馬の方が勝倉に尽くし始めるが、そんな相馬に勝倉はつらくあたり・・・・・・。

最初、相馬があんまり女王様で口も悪いし、好きになれないかもなと思っていましたが、杞憂でした。サバサバした、いい子でしたね。
二人の将来を全く真剣に考えていなかった相馬が、相手の記憶喪失を期にいろいろ考え、変わっていく。
記憶をなくした勝倉は、平凡な相馬を見下して心ない言動をいろいろ取るのですが、その合間にも以前の勝倉がいかに相馬を愛していたかわかるエピソードが随所にはさまれて、それがより切ない。
記憶がない勝倉も必死にもがいて、彼なりにもう一度相馬に恋して、相馬もそれを受け入れていたので、後編であっさり記憶とともに性格ももどった時は、相馬と同様私も寂しさを覚えました。
その相馬の寂しさを記憶を取り戻した勝倉も感じ取って、焦りまくる⇒顔色をうかがいまくる⇒相馬をイラつかせる⇒焦りまくる・・・という負のスパイラルにおちいるのですが、まあその辺もコメディっぽくて楽しかったです。

単に攻めの記憶がなくなって、取り戻すまで受けが切ない思いをするが元に戻ってハッピーエンド♪という王道展開だけではないひねりがあって、最後まで楽しめます。
茶鬼さんが、そのひねりを「成長」と表現されていて、本当にその通りだと思いました。
相馬の成長と変化。カップルとしての成長。そう、そこがこの作品が一味違う所なのです。
おそらく、これから二人は新しい関係性を築きながら、ずっと一緒にいるんだろうな~と、幸せな気持ちで読み終わりました。
そんな二人も見てみたい!とも思いますし、想像してみるのも楽しいです。

ああ、ひさびさに興奮した!!いろいろ考えさせられるし、良い作品でした。絶対読み返すな、これ。
オススメです♪

6

攻めが好み過ぎました・・・!!

すごく面白かったです。攻め→→→受けが大好きなんですが、ドストライクでした。本を読んでる最中はテンションが上がり過ぎて、2~3度体温が上がった気がします(笑)

受けは、初めは女王様というかちょっと我儘なんですけど、攻めが好きすぎて持ち上げすぎてしまった結果そうなってしまったので、後半に分かる出会いの辺りを読むと、素直で優しいあの子が序盤の女王様になるとは・・・と(^▽^;) 受けの相馬が余計に可愛く思えました。

--(以下ネタバレが結構含みます)--
話は、受けの相馬に嬉々として(←ここポイントです:笑)下僕のように尽くして来た、攻めの勝倉が事故にあい、3年間の記憶と一緒に相馬のことを全て忘れてしまう。見たことのない別人のような偉そうで人を見下した態度に困惑する相馬。

そこで相馬は、勝倉に泣きつかれて、縋られて妥協して付き合ってやってたと思っていたはずなのに、昔の勝倉に対してどう思っていたか気づかされて・・・という感じなのですが、その描写のされ方が、とても読みやすくスルスルと入っていきました。

ところどころで、勝倉がどれだけ相馬のことが好きだったのか、隠し撮り続きコレクション(これ思いっきり笑いました)や貰ったプレゼントの袋を丁寧に大切にしまってあるところなど、ジワーっと胸が熱くなりました。

記憶の無い勝倉から「お前なんかと・・・」と言われながら、無理やり抱かれたりと酷い扱いを受けるのですが、勝倉のうっすらと靄が掛かった中を歩いているような、記憶がないことへの不安が垣間見える時があり、終盤の台詞には涙が出そうになりました。

相馬が今までの自分を省みて、対等になろうと今までしなかった家事をしたり頑張る姿は、応援したくなります。そして記憶が戻ってからの話が、他の方のレビューにもありましたが、コメディだったの!?と思える位、写真のことがバレた・・・と死んだように青ざめたり、必死に元の関係(女王様と下僕)に戻ろうとする姿に笑いつつ、好きだから何でもしたいと思っている以上に勝倉は、後ろめたさみたいなものがあって。それを知った時、ちょっと寂しく思えました。

最後はこれから2人はずっと一緒なんだろうなーと安心して見ていられるカップルでした。でも勝倉は時々、記憶の無かった自分に嫉妬したりするのかな。とか、想像すると楽しいです。

話のポイントはここは無いのですが(笑)、個人的に1人の勝倉(攻め)の中に尽くしたい、何でもいう事を聞いてあげたい。すっごい好き。ベタベタで優しい~部分と、強気で自分の思い通りにしようと言葉責めをしたり偉そうな部分があって、一粒で二度美味しい!!みたいな大変楽しく読めました。( ´ v ` )=3

最後に、記憶が無い彼との話をもう少し見たかった気がしますー。でもすごく素敵でした。
私も日頃甘えまくってる家族と友人に感謝しようと思いました(^////^)

7

斬新ですね~。

記憶喪失ものなんですが、結構斬新だな、と思いました。『記憶喪失』自体は、BLではひとつの王道・テンプレ設定ではあるんですが、これは切り口が新鮮でした。
それに、確かに記憶喪失を扱っていますし、それが重要なファクターなのは間違いないんですが、『記憶が戻るかどうか』がキーポイントではないんです。

記憶を失った恋人が、まるで別人のように!というだけならさほど珍しい設定だとは思わないんですが(いくつかパッと浮かびますし)、キャラクター造形と2人の関係性の変化が、とても興味深かったです。

地味な相馬(受)が、下僕として仕える勝倉(攻)に『育てられて』女王様にっていうあたりが意外でしたね。そうか、『女王様』って育ってなるものなんだ、と。
勝倉の変わりようがちょっと極端すぎる気はしましたが(どんなきっかけがあったにしろ、自分でここまで変われるものだろうかと思ってしまったんです)、まあそれは際立たせるためにデフォルメしていると思えば十分許容できました。

あえて言うなら、記憶を亡くした勝倉の気持ちの変化(いつ・どうして相馬に惹かれたのか)について、あとで説明っぽく触れるだけではなく続き、時系列で客観的な描写も欲しかったです。

実は、このまま記憶が戻らないのかと思っていたのですが、後編でいきなり戻ってましたね。でも、結果的にはこれでよかったです。

しかし勝倉視点の続編は、これってシリアスに見せかけて実はコメディだったのか!?と思ってしまったくらいおかしかったです。記憶を取り戻した勝倉がおろおろする姿が面白過ぎますよ。
でもコミカルな中にも、記憶喪失中の自分についての勝倉の不安や、相馬の可能性を奪ってしまった負い目から『下僕』に徹していた事情などが語られ、なんとも言えない切なさがありました。

厳密には私の好みとは違うんですが、それでも面白かったんです。いい作品でした。

1

面白かったー

すっごい極端な話なんだけど、じつは物凄くシンプルかつ重要な人生の教訓が詰まったお話だと思いました。
シンプルな教訓、つまり、自分に優しくしてくれる身近な人をきちんと大事にしろ、おろそかにしてはいけないよ、という。
恋人に限らず、家族でも友人でも仕事仲間でも、人間って自分に甘い相手に対してごう慢になってしまう部分が少なからずあるように思う。もちろんこのお話の受けみたいなのは極端すぎてさすがにめったにナイだろうけどさ。
面白く読みましたが、よくよく考えたら私もこういう一面があるよなァ…なんて思ったりして。

ベタベタに優しかった恋人の前で女王様のように振る舞ってた受けなんだけど、ある日その恋人が記憶喪失になり、180度違う性格に変わってしまう。変わったというより地が出ただけなんだけどね。
葛藤を繰り返すなかで成長していく受けが可愛かったです。
後半は記憶を取り戻した攻め視点。攻めの視点でのお話も、滑稽なんだけど妙に切なくて愛おしい。
雨降って地固まるってこのことだなと思いました。

これ、受けと攻めが逆のパターンのお話も読んでみたいかも。つまり、攻めがごう慢で受けが尽くしてて、ある日受けが続き記憶喪失になってしまうってパターン。そっちも面白そう。

2

地味受なのに女王様

帯『……そうだ。幸せだったんだ、俺は』

表紙には3人が書かれていますが、これはイメージで内容は勝倉[攻]と相馬[受]との2人の話。

地味受スキーとしては地味受!というフレーズだけで即買い。
でもこの地味受相馬は何と地味受には珍しく、勝倉に尽くされて当然という態度で我が儘も平気で言う女王様受なのですよー。
彼等は同居してるのですが、家事も料理も勝倉まかせという有様。
ともかくひたすらに勝倉は相馬に尽くしまくります、まあこれだけ尽くされれば多少女王様受になっちゃうのかなー、だが地味受なのに、この態度はどうしたものか!と思っていた矢先に勝倉が事故で相馬と出会う前の3年前までの記憶を失ってしまいます。
そして記憶を失った勝倉は、相馬が知っている彼とは真逆で偉そうで他人を見下す言動を平気で取ります。
もちろん料理や家事もやらず、仕方なく相馬が慣れない家事をやるのですな。
勝倉の友人から、元々会社での勝倉はこういう性格だったと聞かされて、むしろこれが本来の勝倉に近いと初めて知らない面を知らされ違和感とショックを受ける相馬。

勝倉は自分の部屋に隠し撮りした大量の相馬の写続き真や貰ったプレゼントを包装紙まで丁寧に保管していたのを見付け、そこでどうやら自分たちが恋人同士だったらしいと気付きます。
そして勝倉は完全に思い出さないまでも断片的に浮かぶ記憶に苛つき始めます。
相馬を強引に抱いてみたりしますが、記憶は戻らないまま。
相馬はそんな勝倉の態度に傷付くも、今までどれだけ己が愛されていたのかを再確認して自分の態度を顧みては反省します。
前半部分で勝倉の記憶は戻り、後半は記憶が戻ってからの勝倉視点の話に続くのですが、今までの様にひたすら尽くしたい勝倉と、家事分担をしたがる相馬の行動とがかみ合わなかったりと記憶が戻ったからといってすっきり元サヤには収まりません。

前半部分が雑誌掲載という事なので仕方ないんですが、一冊として読んだ場合は記憶喪失の期間をもう少し長くしてもいいかなあという気はしました。

最初はえ?と思ったけどいい男攻に尽くされまくる地味受というのも良いものだーと再読して思いましたです。

4

ちょっと胸が痛い

表紙には3人が・・・ひょっとして三角関係!?
しかしあらすじには、そんな事はみじんも書かれていなくて、これは一体?と思いきや。
そう、真ん中の主人公を挟んだ二人は同じ人。
記憶喪失という事故により、主人公と出会う前の全く知らない人格が・・・という一人の人間の二つの性格を表わした表紙だったのですね。
その性格の違いは、主人公の性格も含めて、実に要所要所で胸が痛くなる展開でした。
苦しい程の展開に、記憶が戻ってからさえも、その全く異なる性格のせいで苦しみを与え、でも、それによって二人が本当の恋人となる話となっており、実に読み応えもあり、集中できるお話でした。

ノンケの相馬を口説き落として恋人となり同居を始めた勝倉は、何でも相馬の言うことを聞いて、健気に奉仕し、相馬の機嫌をそこねないように、まるで下僕の様に仕える恋人。
相馬は、その勝倉にあぐらをかいて我儘放題の甘やかされた女王様。
しかし、事故により相馬と出会う前の3年前に戻ってしまった勝倉は、勿論相馬の事は覚えていないし、相馬の知っている下僕ではなく、俺様で実に傲慢で、それが会社での勝倉の本当の姿だったと知る。
早く続き、元の勝倉に戻って欲しいと気持ちの焦る相馬だが、二人とも精神的に追い詰められて・・・

ノンケの相馬が女王様然とした態度で勝倉を扱っていたことから、記憶の戻らない傲慢な勝倉に対して、いいように扱って利用しているだけの便利な存在だったら、とっとと別れていたと思うのです。
しかし、早く記憶が戻って元の勝倉に戻って欲しいと願う所に、相馬が単に都合のいい相手としてだけ勝倉と一緒にいたのではないと解りました。
嫌な目にあっても、それまで料理も掃除もしたこともなかったのに、自分でやり始める。
彼の素直でない無器用な愛に、その相馬の気持ちが苦しかったです。
初めて知った勝倉の本来の顔。
記憶を失った勝倉との生活は、彼自身を受け入れる相馬にとっての試練だったと思います。

そして、勝倉の記憶が戻った時、傲慢ではなく相馬に尽くす勝倉になったわですが、今度は勝倉にとって相馬が、今までの女王様の相馬でないことが彼を不安に陥れ悩ませる。
一体、記憶を失っていた間に何があったのか?

相馬の女王様態度はツンデレの究極、確かに愛情にあぐらを掻いていた態度かもしれないが、勝倉の本来の姿を知ったことで、いかに自分が傲慢で彼に対して答えていなかったか、恋人として成長してしまったのですよね。
勝倉は、相馬と出会う前の性格も、出会った後の性格も、どれも本当の勝倉の姿。
甘やかして彼が満足を得ることに自分の喜びと幸せを感じていたのは、それも独りよがりだったと、
この記憶喪失という時間を通して、二人とも自分勝手だったということに気づかされた期間だったと思うのです。
だから、今度は相馬は勝倉のように、相手の為に。
勝倉は、今までと変わらなくてもいいが、それでも一人で満足するのでなく互いで分かち合うように。
と、歩み寄りができるようになったお話だったのだと思います。

こうした記憶喪失モノによくある展開ではなくて、そこに成長という姿がひと工夫されていて、大人な話になっていたな、と思います。
最初、いけすかない相馬がラストにはそのツンデレがかわいく見えてきましたよ。

7

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