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表題作咎人のくちづけ

ハッサン 隣国セントダイナ第2王子で幽閉されている
ルイ 超人的な身体能力を持つ魔術師見習いで世話役

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

無実の罪で陥れられ、亡命した皇子のハッサンだったが、表向きは死んだことになり、隣の国・サントリムの塔に幽閉されており…。

作品情報

作品名
咎人のくちづけ
著者
夜光花 
イラスト
山岸ほくと 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
蒼穹の剣士と漆黒の騎士
発売日
ISBN
9784344829480
3.9

(25)

(7)

萌々

(12)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
97
評価数
25
平均
3.9 / 5
神率
28%

レビュー投稿数4

純真無垢ってやっぱ無敵

ファンタジー大好き。
あかつきの塔の魔術師 をなぜか読んで、めちゃ面白かったので、シリーズを読破。
シリーズ中ではこの話が一番好き。
エッチシーンはほぼないに等しい。
単なるファンタジーでいいんじゃないかと思うぐらい(笑)
いや、ちゃんとハピエンで、嬉しく思うところがあるので、単なるファンタジーには分類されないか。

何がいいって、受けのルイちゃん。
ほんとに純粋培養というか 無色透明というか 
人の感情がなかったのが、色々経験するうちに、
「ああ、こういうのはだめなんだ」「こうすればいいんだ」という
学習をして人間ぽくなってくところが愛しい!
可愛いんだよー。
それが最後の、お約束のように 離れなきゃ って
「なんだろう この水?」的に涙流して走ってるように
思えるところが、王道であってもやっぱ可愛い・・・
こういうのに弱いんです。。。馬鹿だなあ私。

そして同じくそれにやられた攻めさん。
ルイちゃん、走るの速いから(笑)もう最後攻めさん必死で可愛いです。
逃げてるのを怒られても理由がわかってないルイちゃんもまた可愛い。

シリーズ通して それなりの登場人物が出てきて
?誰だったっけ?てな感じになるときがあるので
そういうのが不得意な方はちょっとメモのご用意を かもです。
ま、そんなのぶっとばして読んでも十分面白かったですよ!

5

あーちゃん2016

rentaさんで購入しましたが、挿絵がないです。それが残念。ルイちゃんの変身姿を挿絵でみたかったです。

次第に人間らしい感情を手に入れる受け

作者初めての本格ファンタジーの3作目、1作目は今回の舞台となる国の騎士と鳥人との
ファンタジーで、2作目が今回の作品のスピンオフにあたる作品で
悪魔のような魔術師レニーとサントリムの第三王子ヒューイが主役、そしてその二人が
今回の作品にも出ているのですが、それはこの話がサントリム国での出会いから
始まるし、前作のその後的な流れでもあるためです。

出来ればこの1冊だけでなく、前作の「あかつきの塔の魔術師」から読むと世界観が
広がって、攻めであるハッサン王子が何故幽閉されているのかが一段と理解出来て
もっと楽しめると思います。

隣国で無実の罪を着せられ咎人にされたハッサン王子はサントリムの塔で幽閉されていて
そのお世話をする事になるのが、魔術師見習いのルイ。
一番の読みどころは、ルイが不思議な存在で秘密がありそうだと言う事と、
普通の人間みたいな欲望や感情の起伏が余りなくて、本当に草食的。
ある程度読み進めると半獣だと言う事が解るのですが、その正体が後半で明らかに。

ハッサンとルイはサントリムの塔で初めて出会うのですが、直ぐに恋仲になるような
展開では無く、人を信じないハッサンが次第にルイにだけは心を許し信頼し、
ルイはそんなハッサンから、人間として必要な知識や今まで感じる事が無かった
感情をハッサンと共にいる間に少しずつ手に入れる。

初めの二人の関係は幽閉された王子と寡黙な召使みたいなのですが、
次に感じるのが主従関係、そして先に王子の方が一足早く恋心を抱くみたいです。
全体的にはルイがやはり人間的な感じが薄いのでラブラブな恋愛的なノリは薄い。
作品自体は恋愛ものよりも、残虐な悪政を強いる兄王から民を国を取り戻す内容。
それに、ルイが本当は何者なのか、直ぐに解らないのもポイントですね。
もしも、番外編や続編があるのなら、甘々な二人を読む事が出来るのかなと
ハッピーエンド展開ではありますが、もっと愛し合う甘い二人を見たかったです。

7

三部作の終巻!

ファンタジー3部作の3作目、個人的にはこれが一番好きだった。

2冊目の「あかつきの塔の魔術師」の最後、え〜?で主役二人はまとまったとして
隣国セントダイナはどうなっちゃうの〜?と、思った人は多かったはず。
それに応えての第三弾です。


冤罪により島流しにあったハッサン王子がサントリムに亡命した後の話。
前作のヒューイ王子、レニーの主従も出てくる。

捲土重来を狙う頭は切れるが情緒に欠ける王子と、
置物と言われるほど、無口で何も望まず静かな少年の物語。
サントリムの王宮の塔に囚われているハッサン王子の従者になった少年ルイ、
王子は一目見た時から、彼に「そいつ……人間か?」というか、
この不思議な少年は何者なのか?

奸計に填められやっとの思いで国外に逃げ、雌伏の時の後に
仲間を得て王位を取り戻すというのは、ファンタジーの王道。
まさにそういう話だったが、前回の主役のレニーは相変わらずの腹黒く面白く、
その他、美しい容姿の鳥人アンドレ、女好きの洒落た騎士団長、
人好きがするが正体不明な護衛、など
魅力的な脇役も登場して、物語の展開自体に惹き付けられる。

王子が事を起こす時、その先駆けとしてセントダイナに潜入するルイ。
別れの前、彼に口づける王子。
「続きをしてもいいか?」と。

セントダイナの地で再び巡り合った二人。
ルイの正体は、途中からなんとなく予測がついたが
明かされ方は、なかなかドラマチック。
最後まで世慣れぬルイは、ピュアで可愛く萌える。

王子は、いつの間にか側に置いていたルイを強く愛するようになっていたのだろう。
そのいかにも王子らしい言い草や行動が、これまた萌える。

セントダイナには平和が、王子には甘い日々が……
という、大団円でシリーズ完結です。

3

二人の成長物語

『蒼穹の剣士と漆黒の騎士』『あかつきの塔の魔術師』そして本作で完結のファンタジー物。
ちなみにわたしは『あかつき〜』は未読です。
ただこちらの作品、『あかつき〜』では攻めとして登場しているらしい魔術師レニーらが出ています。
わたしは前作を読まなくても大丈夫でしたが、レニーのちょっと人の悪い雰囲気(言われるまで厚手の毛布もコートもくれないってどうよ)が気に入った方は読まれて方が良いかもしれませんね。

**********************
受けはハッサンの世話係となった、見習い魔術師のルイ。
師が亡くなったことでレニーを頼って街へ降りてきた、年齢よりも若年に見られる18歳の少年。

攻めは隣国の第二王子ハッサン。
他国の姫を殺害したという汚名を着せられ、現在はサントリム国の塔で隠匿しています。
**********************

お話の中心はレニーが魔術を施した森に佇む塔と、ハッサンの生国、そして戦場。
王子という名にふさわしい傲岸さのあるハッサンと、大人しく素直で健気なルイ。
ルイは無口で無駄ことは一切口にしない、それこそレニーが称したように空気のような存在です。
置かれた立場に不満を持つわけでもなく、とにかく淡々としています。

序盤にハッサンはルイを知能が低いと評しますが、それは彼が物事や己自身に執着しない表れであったのでしょうね。
ルイにはとある秘密がありましたが、師であるローレンには『人としての生き方をを身につけろ』とそくされていました。
このローレンは実際には登場していないのですが、ルイの記憶の中だけでも慈愛を感じこちらまでほろりとします。
そんなローレンの言葉が、当初はなぜ大事なのかわからずにいたルイ。
しかしハッサンと暮らし出し、彼のために生きるうちに徐々に思考することを始め、それと同様にハッサン自身も欲のないルイへと惹かれていきます。
王族という身によって、近づいてくる者は何かしらの欲を持ち、それは当たり前だと思っていたハッサン。
そんなハッサンですが、彼は立場上命令し慣れた人間ではありますが、不器用さがあって言葉足らずなだけですね。
意思表示する前に整えられる生き方をしてきたために、相手へどう伝えれば良いのかわからないという。

文体は、いつもの夜光さんとはまったく違うと思われた方が良いです。
視点がルイなのでひじょうに淡々と語られまたそれがファンタジーに合っていますし、作られた世界観を押し付けられることがありません。
序盤、塔の中の辺りは弱冠退屈に感じられましたが、政情が動き話が進むにつれ面白みが増します。
実は一作目を読んだ時にはあまり入り込めずにいたのですが、夜光さんご自身も三作目ということで書き慣れてこられたのか読みやすかったです。

イラストは山岸ほくとさん。
個人的にはちょっと苦手な作家さんです。
他作家さんのファンタジーシリーズと被りそうですが、葛西リカコさんとかで読んでみたかったですね。

3

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