魔女の末裔の英国人時計屋と内気な青年の恋物語

小説

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何も言えない僕と懐中時計と恋の魔法

nanimoienai boku to kaichudokei to koi no mahou

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表題作何も言えない僕と懐中時計と恋の魔法

ソール・アンヴィル,英国出身の『時計屋』主人
吉野千晴,大手予備校の製作部勤務

その他の収録作品

  • シェリー・トライフルのような日々
  • あとがき

あらすじ

大手予備校の制作部に勤める吉野千晴には、毎朝の楽しみがある。
商店街の外れに佇む時計屋──
その主人である碧の目をした外国人をひっそり眺めることだ。
千晴は以前、窮地を彼に助けられた時から恋におちていた。
見ているだけで幸せ。けれどもし、あの人の傍にいられたら……
そう思っていた千晴だが、ある日、
彼にはすでに決まった人がいると知りショックを受ける。
さらに、敵意も露わに「気持ち悪い」と言い放たれてしまい!?

作品情報

作品名
何も言えない僕と懐中時計と恋の魔法
著者
成瀬かの 
イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
ISBN
9784813012894
2.9

(26)

(2)

萌々

(6)

(8)

中立

(9)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
67
評価数
26
平均
2.9 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数4

受がよくわからない⁉︎

大手予備校の制作部に勤める千晴(受)は、気弱で
同僚に理不尽なやつあたりしてくる相手にもイマイチ言い返す事もできない青年。

以前、困った時に助けてくれた英国から来たソール(攻)に恋をし、たまたま一人暮らしの物件を探している途中でソールを見かけ
近くのマンションに住み、毎朝飽きずに見惚れては、
ときめいたり、気分が落ち込んだり。

千晴の父は、千晴が幼い頃に亡くなっており、子供二人を抱えて困窮していた母親に援助の手を差し伸べてくれたのが、大叔父の棟方。
この人が結構な変態さんで、
自分の変態嗜好を満たす為に、家族が世話になっているのだからと
変態行為を千晴に強要します。

千晴は、この行為をかなり負担に思っていますが、
大叔父さんも、あの手この手で、千晴を脅迫して強要してきます。

その変態行為について始めのうちははっきりとは書かれていません
BLでもありますし、もっとすごい事を妄想していたのですが
これぐらいなら、割り切ってやってあげたら(笑)
って思ってしまいました。

ソールは運命の相手を探しに日本に来ていて、千晴と出会い、始めの内は、自分に対していい感情を持っていないと思っていましたが、誤解が解けてからは、千晴が気になり、力になろうとしてくれます。

ソールの設定はメッチャ魅力的なのですが、いまひとつ活かされていないような…
千晴も、あんなに気弱だったのに急に言葉が粗野になったり、言動が本当に同一人物?って思う事が何度も…

結局はすべて丸く収まり、二人はラブラブになるのですが、
あまりにもあっさり解決しすぎて物足りなさが…

ソールの設定は好きな設定だったのですが、中途半端で、千晴のキャラも一貫性がなくあまり好きになれなかったので、萌にしましたが、中立寄りの萌で。

0

私はカラスが好き

ちょっと不思議なお話でした。いろいろ盛り込みすぎなのかな?
カラスが出てきます。
攻めさんが一緒にいる使い魔です。
カラスをモフ とはいうのは苦しいですが、動物系に弱い私。
攻めさんと使い魔の関係が好きでした。
二人でフルーツタルトの取り合いをするシーンがあるのですが
ほほえましい~
無事うまくいってから、朝 ベッドの上のカラス(オニキス)に
受けさんが「オニキスになりたかった」と言った後、
攻めさん→受けさんキス襲撃を感知して、
あわあわ逃げてくのも可愛い~

とはいえ、本当に不思議で、個人的には痛いところ(女装プレイ)も
少しあり、オニキス以外の評価に苦しむ本でした・・・
内容はともかく 本の表紙はすごい素敵でした。
舞台となる時計屋の雰囲気がとってもよく書き込まれていて
とてもうれしかったです!

0

ファンタジー×ハーレクイン×隠れ強気受け

予備校勤務の気弱な青年・千晴は
母子家庭を経済的に援助してくれている大叔父の要求で
度々女装を強いられている。
そんな千晴が想いを寄せるのは
ご近所で『時計屋』を営む美形の外国人・ソール。
ぶっきらぼうだが根は優しいソールを知れば知るほど好きになるが、彼には心に決めた人がいるらしく…。


千晴の日常と、ソール側の話が交互に綴られます。

オニキスと名付けられた鴉と会話する英国人・ソールには
不思議な力があり、伴侶を求め日本に来たらしい・・・

ジャンルとしては一応ファンタジー?
設定があまり書き込まれていないため
今一つワクワク感が薄いです。

時計屋の内装や、鴉オニキス、ソールの正体などの
描写・説明がサラッと数行で済まされていて
全く想像が掻き立てられない。
一つ一つの要素は面白そうなのに、
ファンタジーとしては致命的なほど
諸々の描写が薄い点が残念でした。


最もインパクトがあったのは、千晴の女装シーン。
美しいデザインのドレスや千晴の脚線美、
それを愛でる叔父の様子などは
いい感じに気持ち悪かったです。

おじさん、そんな性癖だったの?
そして千晴、ソールとのHでは案外強気なのね!
とキャラの意外な一面が明かされる終盤も
なかなか工夫されていました。

でも結局のところ、
叔父との問題はソールの力ですべて解決してしまうので
千晴がHシーンでちょっと豹変したところでただの内弁慶というか、大してギャップ萌えもないかな…。


ファンタジーが書きたいのか
ハーレクインロマンスが書きたいのか
隠れ強気淫乱受けが書きたいのか
ハッキリせず、どの要素も非常に中途半端に感じました。

ラブラブ後日談のタイトルが
『シェリー・トライフル』(イギリスのお菓子)だったり
出てくるアイテムや単語はお洒落感あって素敵なだけに
ハマれなかったのが残念です(´・ω・`)

9

結局、何の話だったんだろう…

成瀬かのさんの作品を読んだのは3作目です。自覚はないけどちょっと変わった人…が主人公になっているイメージがあり、そのズレている感じが物語とカチッとハマると面白い作家さんだと思うのですが、残念ながら本作はキャラクターと物語が最後まで噛み合わず「…結局、何の話だったんだろう…」と思ってしまいました。

攻のソールが魔法と縁のある不思議な一族の人間であること、受の千晴が大叔父に請われてSMの女王様を務めていること、千晴が「何も言えない」ほど内気な性格だけど実は美貌の人であること、千晴のスイッチが入ると素で女王様ちっくな性格に豹変すること、職場の先輩との意味ありげな展開と謎のストーカー女という存在。うーん…思い出した設定を挙げるだけでもとっちらかってます。こんな状況でソールと千晴の運命の恋を説明されても、さっぱり入り込めませんでした。

なんというか…すべてが行き当たりばったりな印象でしたネ。もっと素敵なお話に展開できた気がするんだけどな~。残念です。

2

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