隣人はチャイムを二度鳴らす

rinjin wa chime wo nido narasu

隣人はチャイムを二度鳴らす
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神3
  • 萌×29
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
7
得点
65
評価数
18件
平均
3.7 / 5
神率
16.7%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
二見書房
シリーズ
シャレード文庫(小説・二見書房)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784576141565

あらすじ

過去の恋からトラウマを持つ坂梨は、人との関わり合いを避けてきた。しかし、隣人である青柳と親しくなるにつれ、心が揺れて……。

表題作隣人はチャイムを二度鳴らす

青柳静夏,マンションの隣人,フリージャーナリスト
坂梨智之,中堅商社経理部のサラリーマン,27歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数7

何かいろいろしっくりこない

中原さんは裏社会で生きる男たち、を描くのがお上手な作家さんだと個人的に思っているのですが、この作品もなかなかに暗く、重いストーリーでした。

深く愛した恋人に酷い裏切り方をされ、以来死んだように生きてきた坂梨(受け)。そんな彼を見かけ、放っておくことができず気にかけ世話を焼くうちにどんどん坂梨に惹かれていった青柳(攻め)。このストーリーはとてもツボなのです。

青柳はすごく大人でカッコいい男でした。中原さんらしい、「オッサン」の魅力にあふれた男。自身も過酷な経験を持ち、それでも身を持ち崩すことなく自身を律して生きてきたけれど、それでも過去を忘れられずにいて。そんな時坂梨に出会い、徐々に自分を取り戻していく。
その過程はすごく良かったのだけれど、彼ってノンケさんなんだよね?なのに坂梨への恋心に全くためらいがないのがちょっと納得いかないっていうか。悪ぶってるけれど大人の男の魅力に溢れていてカッコよかった分、なんとなくしっくりこなかった。

受けの坂梨も。恋い焦がれた恋人の加瀬にあんな風に切り捨てられた彼の悲しみはすごく良く理解できる。が、青柳に惹かれていく過程があっさりし過ぎ続きっていうかよく分からない。

しかし一番納得いかないのは坂梨の元彼・加瀬と、妹の雪菜。
あれだけ求愛しておいて、あっさり他の女に心変わりするって…。たまたま坂梨の妹だった故により修羅場になったわけだけれど、それにしたってあまりのクズっぷりに何とも言えない気持ちになった。
そして雪菜も。兄の恋人と知ってショックだったのはわかるけれど、その後の彼女の行動にもなんだかなあ…、と思ってしまった。いっそのことこの二人は坂梨をぶっちぎって恋人になるなり結婚するなりした方が自然だったと思う。別れたけど、でも…、っていうのが何とも理解しがたく気持ち悪かった。

坂梨の過去の失恋と、元彼と妹の恋。
青柳の過去の事件。
それぞれが重すぎて、ちょっと消化できなかった。坂梨の妹が絡んでいなかったらまだよかったかも。

3

死んだように生きている受けはお好きですか?

たまたま隣人として暮らすようになった青柳と坂梨が、ゆっくり、ゆっくり近づいて、それぞれの囚われていた過去を乗り越えるお話。
あとがきに、何度も何度も没られたプロットとありましたが、確かに「中原一也の本」としては、過去を秘めワイルド系フェロモンオヤジを攻めに据えてようやくプロットが通ったっていうのは納得。
元々描きたくて、当初通り描ききったのは坂梨の方なら「中原一也の本」としてなかなかプロットが通らなかったのも納得。
BL小説を書いていくなら、一度はちゃんと書きたかったっていうのも納得。
「中原一也のワイルド系おっさん」だけを楽しみに読むなら、ちょっと坂梨サイドのストーリーはきつく感じる方もいるかも。

0

内容は面白かったんですが

本の内容としては面白かったです。
青柳(攻)が坂梨(受)に対して見せる、見かけとは違った細やかな気使い。
やっぱり、色々経験してきた大人ですよね。
過去の事件から自分自身もふっ切れてない故に坂梨の抱えている苦悩が気になり関わってしまいます。

過去に自分が罵倒した言葉や行動、醜かった過去の自分をどう消化したらいいのかわからない坂梨。
そんな坂梨を見て、青柳自身も過去に捕らわれ人生を無駄に過ごす事を止めなければと思い出します。

ゆっくりと坂梨の心に青柳は近づいていきます。
無理矢理聞き出そうとはしません。
でもいつも絶妙なタイミングで坂梨に手を差し伸べます。

二人で支え合う関係になっていく過程が、すごく丁寧に書かれて引き込まれていきました。

わかってるんですよ?坂梨の抱えている苦悩を考えたら、そのくらいダメージを受けるような出来事として書かれる内容だとして仕方ないのは(笑)

ただどうしても坂梨の元カレ加瀬が気に入らない‼︎
初めは加瀬はゲイだと思ってたんです。
だって、高校からの顔見知りで大学の同級生でノンケだった坂梨をいきなり好き好き言って押続きしまくって交際に持って行ったくせに
坂梨の妹が同じサークルに入って来たら加瀬は坂梨との関係をキチンと終わらせる事無く妹と付き合い、半年も二股⁉︎
兄妹だって事がわかっていながら、あーもう絶対無理!
妹とも、仲の良かった兄妹だったのに兄と身体の関係があった事もわかっていながら、いくら兄が許してもヨリ戻す?いつまでも想い続けていられる?考えられませんよね。

坂梨が許しても私的には許せません(笑)

3

社会派ヒューマンドラマBL

筆者があとがきで、
プロットに何度も没を喰らったエピソードを書かれていたが
それはそうかもしれない。
とても面白かった、が、
どちらかというとヒューマンドラマとして読んでしまった感じなので……。


大学時代の親友がやがて恋人になり、幸せに過ごしていた矢先の別れ、
その手痛い傷を5年経っても未だ引きずって、
日々死んだように生きる会社員・坂梨。

その隣の部屋に越して来た、年上の男・青柳。
いい加減に見える彼もまた、辛い過去を持っているのだが
だからこそ惹かれ放って置けなかったのか、
頑なな坂梨の心に何度もチャイムを鳴らし、
少しずつその扉が開いて行く中で、青柳自身も変わっていく。
じわじわと互いの心が近づき、癒し合っていく過程、
そして最後は、それぞれが自分の過去と和解し新たに生き直していくまで。


中原さんのオヤジとしては小綺麗め(比較の問題)な青柳も
自身の言動を悔やみ続けていた坂梨も、キャラクターは魅力がある。
話の展開も悪くないし、そんな二人のエロは心にしみる。
が、最後のクライマックスはいささかやりすぎだったのでは?

続き柳の凄惨な過去については、深く心を揺さぶられる。
それに対する怨念と執念はよくわかるが、
ポケットに入れていた使おうとした道具が、どうなのだろう?
地に足のついた感じの読みでのある物語が
ちょっと一般の感覚と離れてしまって、絵空事になってしまった感じ。
そこが☆マイナス一つ。

3

雪が溶けて春に

隣人ワイルド系おっさんっていうのがもうもう猛烈に大好きです。
この手の設定の本は本書で3冊めなのですが、もっと読みたいです・・・。
こちらの本もあらすじ読んで、ひたきさんの表紙を見てすぐ購入決定でした。
読んで、もうわたしにとっては神評価で。
最初あらすじで失恋の痛手を抱えたままって読んで、は?いつまで引きずってんの?と思い読み始めたら。
ただ未練があるのではなく、恋人(元彼)が自分の妹を好きになってしまって、そのことで、元彼と妹に対して醜悪な態度で接してしまったことをずっとずっと後悔しつつ、でも坂梨にとっては、ふたりを祝福してあげられる程に過去の話になってなくて。
その思いにがんじがらめになったまま死んだように生きてる、坂梨。
そんな坂梨の隣に引っ越してきた青柳。
隣人ワイルド系おっさんだー!!と喜んでいたら(わたしが)、この青柳にも辛い過去があって。
シリアスなお話でした。
青柳の過去の事については、リアルでもその手のニュースを見るといろいろ思う事があったりするので、なんか複雑な気持ちになりました。
そんなふたりが過去を見つめて乗り越えるというか、ようやく時間続きが動き出して、まさに春がふたりに訪れて。
あたたかい季節をふたりにはゆっくりと過ごしていってもらいたいと思いました。

3

「二度目」が生んだ幸福

某有名小説を連想させるタイトルに
ミステリなのかな?と思っていたら、意外にも
非常に切ないヒューマンドラマでした。

受けの坂梨は、過去の恋愛のトラウマで
脱け殻のように生きているサラリーマン。
人と関わろうとしない坂梨を変えていくのが
マンションの隣の部屋に越してきた
気さくなオヤジ・青柳(攻め)です。

恋人が自分の妹を好きになり、フラれた過去。
坂梨の苦しみは、恋人に裏切られたこと自体より
恋人に未練がましく付きまとい、
妹を「泥棒猫」と罵った、自分の醜さにあります。

そんな坂梨のネガな部分も含めて包み込み
生きることの楽しさを教えようとする青柳が
とても温かく男前です。

そんな青柳も、妻子を失った悲しい過去の持ち主。
復讐のため危険な領域に足を踏み入れようとする青柳を、今度は坂梨が救おうとする。

お互いの過去も含めて受け入れ、相手を愛し癒そうとする二人に、何度もキュンとさせられました。
物語前半ではあんなに暗くて悩んでばかりだった坂梨の成長も、愛の力かと思うと感慨深いです。


本書タイトルの元ネタ(?)には
「二度ベ続きルを鳴らす」=「他人」という意味や
「事件は二度起こる」という意味があるそうですが
本書でも二人の関係の変化に「チャイム」や
「二度目」が効果的に使われています。

坂梨が、青柳が鳴らすチャイムを
いつしか楽しみにするようになったこと。
青柳が、じゃがいもをおすそわけした後
今度は白菜をもって坂梨の部屋を訪ねたこと
(最後まで読むと、これは青柳にとって結構勇気のいる行動だったことが分かります)。

それぞれに辛い過去を持つ二人が、
一緒に生きることでこの人を幸せにしたいと
思えるほどの相手と出会えたことを思うと
ただただ胸が一杯になりました。


絡みは、シリアスな話だけに
エロさより感動が勝る感じですが、
青柳の大人の色気は堪りませんし、
青柳を「静夏さん」と名前で呼ぶ坂梨も可愛くて
ラブラブな年の差カップルの良さを楽しめました。

神寄りの萌×2です。

7

人を許す勇気

作家さんが何年もあたためてきたお話だけあって、伝わるものがありました。
本当に胸を締め付けられるような切なさがありますが、それを乗り越えられた主人公たちに心を込めて拍手したいです。
このふたりにはこれから先はずっと幸せでいてほしい。

智之は過去に囚われていた。元は親友だった恋人から別れを切り出されたが、原因は自分の妹だった。それが納得できない智之は仲の良かった妹にも恋人にも酷い言葉をなげかけ酷い仕打ちをした。そのことに苦しみながら、人とのかかわりを避けて生活をしていたのだった。そんな智之の隣に青柳という男が引っ越しをしてきた。
初対面からなれなれしい青柳が鬱陶しいと思うが、いつしか交流を持つようになる。

青柳もある事で家族を失って苦しんでいて、たまたま隣人となった‘死んだように生きている’智之に関心を寄せて、ふたりはお互いの存在に癒されて、新たな人生を踏み出すきっかけとなるのです。
青柳は智之がちゃんと生きているか確認したくて根気強く、なかなか応対してくれない智之の部屋のチャイムを必ず二度鳴らします。ここポイントですね。

もうふたりの過去の出来事が、それぞれに続きとても辛いことで読み手もかなり辛くなります。個人的にとても辛かったです。泣きました。
でもそこから再生するふたりに感動します。
そのために出会ったんだよね。ふたりが心を寄せ合うのはただの同情や慰めだけでないことがふたりが接近するのに時間の流れがあるのでとても自然ですっと心に響きました。

タイトルとオビからはちょっとえっちな雰囲気が漂いますが、かなり刹那的感動的な物語です。
えっちはふたりの気持の延長上だったり、どうしようもない出来事のあとの慰めだったり効果的に使われた感じでただのエロではありませんでした。
とても良かったです。

想像と違ったシリアスなお話でグッと評価UPです。

6

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