上海金魚

Shanghai kingyo

上海金魚
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神16
  • 萌×29
  • 萌20
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
17
得点
176
評価数
45件
平均
3.9 / 5
神率
35.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
シリーズ
クロスノベルス(小説・笠倉出版社)
発売日
価格
¥857(税抜)  ¥926(税込)
ISBN
9784773002638

あらすじ

しっとりとした花のような色香を持つ水端佑季の恋は、初めて訪れた異国の地、上海で終りを告げた。
男の狡さに気付きながら、嘘を信じていた佑季は突然の別れに傷付き、旅先で出会った男、滝乃と体を重ねてしまう。
滝乃の包み込むような優しさに、つかの間の関係だとわかっていても、心惹かれることを止められない佑季だったが…。

表題作上海金魚

滝乃史宥,小さい商社の営業マン
水端佑季,地方都市の公務員

その他の収録作品

  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数17

儚げな美人受けです

しっとりした大人の恋愛です。『透過性恋愛装置』にちょこちょここの二人が出てきて、気になったので読んでみました。

受けの佑季はちょっと影がある感じの美人です。ふとした時にしっとりした色気が漂う感じです。
攻めの滝乃は爽やかで察しのいい、上手に気遣いが出来るタイプです。

この二人が上海で出会い一緒に旅する事で恋に落ちます。元々は佑季が不倫相手と来ていて、その相手と揉めた事で滝乃と観光する事になるんですね。

二人の旅がすごく丁寧に書かれていて、私は上海に行った事が無いですが、一緒に旅してる気分になれます。異国情緒たっぷりです。
そして帰国前日に二人は結ばれます。お互いに言葉で好きだと確かめたのではなく、ふとした相手の態度や目線、表情などで惹かれ合っていることを察していくんですね。このあたりが大人の恋愛の醍醐味で、読んでてドキドキします。Hもお互いにどうしようもなく求めあってという感じが出ていて、最初で最後と思ってるのが分かるので、とても切ないです。

結局は日本で二人は偶然出会い、少し時間を置いたことでお互いへの気持ちを一時の物ではない確たる物にしていて幸せになりま続きす。

このストーリーだけなら『神』なのですが、佑季があまり受け付けませんでした。
不倫をしていて相手の奥さんに悪いと思いながらも、二人が別れる事を望んでいたり、その割には不倫相手を心底愛してはなく寂しいから惰性で付き合ってるような感じがどうにも…。
と言っても、これは完全に個人的な好みの問題なので、ちょっと狡い所もあるけど儚げな美人受けがお好きな方なら全然問題なく読んでもらえると思います。

雨が続くこんな時期にぴったりなお話でした。

0

しっとりとした旅先での恋

1冊ぜんぶ表題作です。
滝乃(攻め)、水端(受け)の両方から語られるので、二人が惹かれていく過程が分かりやすいです。

水端は、伊藤(年上・35歳)と不倫旅行に上海にでかけますが、そこで妻にバレたのと伊藤の嘘が分かって別れることを決めます。一緒に帰国する事を拒んだ水端に、伊藤は滝乃に世話を頼んで…という話です。

伊藤が世話を頼む前にも滝乃とも面識はありますし、伊藤より滝乃の方が相性が良い描写もあって、失恋したヤケでも旅先の開放感でもなく、二人がなるべくして抱き合うことになった流れが素敵でした。

帯に「あなたにあえた幸福」とありましたが、本当にそのもので、じんわりと幸せな気持ちが胸に広がっていった作品でした。花本先生のイラストも内容と雰囲気がぴったりだと思います。

社会人のしっとりとした恋です。
ただ、受けが不倫をしていますので、苦手な方はご注意ください。

お勧めいただいて読んだのですが、素敵な作品でした!シリーズとのことなので、「透過性恋愛装置」「月一滴」も読んでみたいと思います。

あと余談ですが、水端の友人の登がハードな過去を持っているので、パー続きトナーの北島に落ち着くまでの過程を読んでみたいともちょっと思いました。

1

異国での恋

シリーズ続編に当たる「透過性恋愛装置」を先に読み、滝乃×佑季の作品があるとな!?と思って読みました。「透過性恋愛装置」ではすっかり落ち着いて同棲に踏み切ろうとしていた二人の出会い編は、しっとりと、エキゾチックで、優しく、ロマンティックなお話でした。

滝乃も佑季も穏やかな男性ですが、ビジネスマンとして必要な強引さや頑固さを備える滝乃に少しずつ心を委ねていく佑季の様子が、本当に花が綻ぶようで微笑ましかったです。

一度だけ行ったことのある上海の風景を思い出しながら読みました。異国ので恋…いいな~。

1

もっとはやく出会わせてあげたかった

シリーズ三作品の中で、一番好きだったかもしれません。
や、最初の方はまーーったく萌えないんですけどね(苦笑


受けは、優しいけれど自分を一番にはしてくれない伊藤と愛人関係を続ける佑季。

攻めは、伊藤と仕事上での知り合いである滝野。
伊藤から、佑季へ上海でのガイドを頼まれます。


前半は、上海でのふたりのゆーったりとした時間が流れます。
あまりにゆったりなので退屈に感じてしまいがちですが、端々で滝野の気遣いがあり、彼の誠実さが伺えます。

流れで体を重ねますが、佑季は連絡先を残さず帰国。
滝野は佑季との連絡手段がなく、佑季は一歩踏み出すことに躊躇し、すれ違ったまま数ヶ月。
しかし、偶然滝野が佑季を見つけた時に「きゃー!」と一気に怒涛のような萌えがわたしに降臨!
ぜひ、前半で投げずに読んで頂きたいです。

三作品の中ではかなり地味なお話ですが、滝野と佑季のカップルが一番好きなんです。
佑季は外見こそお人形のように静かに見えますが、キチンと自分というものを持っていますし、滝野は佑季の境遇(愛人)を知っていても真摯に向き合うことが出来る、大人でそれで続きいて熱い部分も持っている本当に良い男。
あー、また、読み返したくなりました!

7

優しいお話でした

順番としては、このお話が先でしょうか?
レビューは前後すると思いますが、透過性恋愛装置の方を先に読みました。
透過性恋愛装置の北嶋王子の面倒をなんだかんだとみてやっている良い人、滝乃くんと祐季ちゃんのお話。
不倫していたという祐季ちゃんの過去にびっくり。
でも、祐季ちゃんは、優しくて、まじめで、本当に良い子なんですよね。
登というなんでも相談できる友達がいて、滝乃くんにも再会できて本当に良かった。
優しい読後感でした。

0

まだ小説読みに慣れていなくて……

かわい有美子さん、初読みです。
というか、BL小説はまだ3人の方の本しか読んだことがない状態で、こちらを読みました。
(3名とは、英田サキさん、榎田尤利さん、月村奎さん)
最初は、それまで読んだ本と文章の感じが違っていて、
それが妙に気になって戸惑ってしまいました。
一文がすごく長くて、読点がひと文に5つ以上打ってある文が時々あったり、
ひとりの人の会話文で1ページがほとんど使われていたり、
今まで読んだのと違う、そんな些細な事が妙に気になってしまって……。
読み進めていくうちにだいぶ慣れてきたのですが、
それでも読点でひと呼吸おいて読む自分のリズムに、正直ちょっと合いにくかったです。
う~ん……こういうのは、慣れなのかしら?
もう少し小説慣れした頃に読み返したら、また違うのかもしれないなぁと思います。


話からはゆったりとした空気が感じられて、
上海という、いつもとは違う時間が流れる外国でのストーリーととても合っていて素敵でした。
そして、上海金魚と、受けの口元のほくろがとても印象的な、美しさが漂うお話でした。

本当は、攻めの言動にきゅんとなれ続きると、もっとこの本を楽しめたのだと思うのですが、
それは残念ながら……
サラリとした優しさが窺える話し方。
観光案内中は、気を遣いながらも自分も楽しみ、気取らないけれどスマート。
よく気が利く優しいノンケだったのが、
色っぽい青年相手には気持ちを抑えられず、少しだけ意地悪になって行為に溺れる。
こう書くと好みな感じがするのですが、
イマイチ男らしさに欠けるように感じてしまって、それがちょっと……
できれば、多少格好悪くても強引でも、再会は自分の手で掴み取ってほしかったなぁと。

でもふたりの関係は、この本1冊ではまだ始まったばかり。
大切なのは出会いや再会ではなくて、積み上げていくよい関係だと思うので、
今後の彼らをちょっと覗けるという「透過性恋愛装置」を、期待して読もうと思います。

追記:
「透過性恋愛装置」を読んで、攻め・滝乃の仕事への真摯な姿勢と機転の利く格好よさを知り、
こちらの本で持った彼への印象が変わってきました。
そして「恋は遠い日の花火ではなく」を読んで、ごめんなさい!!という気持ちでいっぱいです。
滝乃が佑季をとても大事にしているのがすごくよく分かりましたし、
偶然の再会の裏にはこの本には書かれていなかった事実があることも知りました。
この本をお薦めしてくれた友人が、
「滝乃に惚れるよ~」と言っていた意味がよく分かりました。
確かに滝乃はいい男だ……と前言撤回しちゃいますw

この本を手に取られたなら、
ぜひ「恋は遠い日の花火ではなく」までお読みになることをお薦めします。


5

穏やかで、でも強い恋

ごく普通の地方公務員の水端佑季は初めて訪れた上海で恋人と別れた。
一人上海に残ることを選んだ佑季は元恋人の計らいで、彼の取引先の社員、滝乃と共に観光地をまわることになる。
狡いところのあった元恋人とは違う包み込むような滝乃の優しさに惹かれ始める自分を止められない佑季だったが……

遠い異国で生まれた恋。
ゆっくりゆっくり話が進むのが良い意味でじりじりする。
上海の空気感まで書き込まれているようで素敵でした。

佑季がぼんやりしているようでいて芯が強いのが好印象。

元彼の伊藤と比べると滝乃のいい男っぷりが際だちます。
伊藤は同時に複数の人を愛せてしまったり、ごく自然に嘘をつく狡さを持った人。
ああ、いそうだなあこういう人と思うと同時に、こういう人に惚れると辛いだろうな。
別にいつも贅沢させてくれなくてもいい。甘い言葉ばっかり言うのも信じられない。
一緒にいて落ち着くとか安心するっていうのがやっぱり一番だよねと妙に納得してしまった一冊でした。

5

水槽の中に漂う金魚のような・・・

水槽の中に漂う金魚・・そんなイメージを思わせる作品でした。
CDであらかじめ「透過性恋愛装置」を聴いて、原作を読んでみたくなり、CDにも
なんだか不思議と存在感アリアリだった北嶋の友人のお話だと知り、「透過性恋愛装置」
を読む前に読んどいたほうがいいかな?って感じで購入。
・・・大正解でした!
滝乃と水端。この2人の恋愛の過程を知ってから「透過性恋愛装置」を読むと
ますます楽しめると思います。
なんかしっとりとした穏やかな雰囲気の恋に凄く癒されました(^^)


0

地味ですがしっとり

題名にもなっている「金魚」が出てくるシーン。橋の上で金魚を売っているところに出会う2人ですが、滝乃がいろいろと金魚に関してのうんちくをしゃべるわけです。でも、余計なことは言わない。
ここで売られている金魚は、観賞用に売られているのではなく、徳を積むという仏教的な観念で橋の上から放流するためのものだと言うこと。そして放流された金魚は、じきに他の魚や鳥たちの餌になってしまう…と言うことを。だって、佑季を追いつめたいわけではなかったから。

この辺、出来た人間だなぁ…と感心しちゃいました。知ってることをついついひけらかしちゃいますよね、人間って。それを堪えて、楽しいことだけをしていこうとするんですから。
でも、滝乃は伊藤と佑季の関係に気が付いていて「伊藤さんって狡いところのある人だよ」と諭すように言っちゃうんですけ。
佑季が伊藤のことで傷ついていることもわかっていたけれど、言わずにはいられなかったんでしょうね。佑季をエスコートするだけでなく、ちゃんと内面も見ていたからこそ言える言葉だったんだと思うし。これ以上佑季を傷つけたくないって思ったのかなぁ?

5月の連休に上海で出会った続き2人。そして再会したのは9月の半ば。滝乃が仕事で寄った登記所で働く佑季を偶然見かけたんです。
離ればなれになったあと、滝乃は金魚を飼い出すし、佑季は佑季でペットショップに立ち寄っては金魚を見ていく…という生活を送っていました。
佑季は連絡を取ったけれど『あれは気の迷いだった』とかって言われるのが怖くて、連絡を入れずにいたんです。
そりゃそうですよねぇ。いくら身体を繋いだからと言って、やっぱり旅行先での出来事。ただ流されただけだったという可能性がないワケじゃない。また、タイミングを外したら連絡もしにくくなるし。
でも、ちゃんと2人ともお互いのことをずっと想い続けていたわけです。
滝乃が飼っている金魚、2人に大事に育てられちゃうのかなぁ?

すごく地味な印象のお話ですが、舞台が上海だと言うことですごく異国情緒も感じられたし、佑季や滝乃の心情も語られていたし、心に染み入るお話だったと思います。
この先、2人が幸せに暮らしていくんだろうなぁ…と言うのを想像できるラストだったので(もちろん『透過性恋愛装置』で語られていますが)、オトナカップルやハッピーエンドのお好きな方には、ぜひ読んでいただきたいお話です。

2

清涼感あふれる茉莉花茶のようなお話

「上海金魚」の題名そのままに、柔らかなベールがかかったような雰囲気ただようお話でした。
一服のお茶のような、ほっとする感を与えてくれます。

一見頼りなげではかなげな祐季ですが、実は凛としたスジの通った清涼感ある青年なんですね。
愛人になっている伊藤に振り回されて、きちんとケジメをつけるあたりはしっかりしております。
滝乃も独特の雰囲気のある男性で、とても気配りのできる嫌味でない、よい男ですから、二人が上海を観光するシーンはとても素敵でした。
ゲイ仲間の登といる時は、結構本音がこぼれてこれが地なんだなと、田舎にいる時は目立たないようにわざと地味にしているんだということがわかります。
また祐季は、エッチに対してもきちんと積極的で、お人形でないところが気に入りました。
雰囲気だけでなく、ストーリーもしっかりしており、滝乃と祐季が結ばれるのもとても自然でしっくりきます。

全体を通しての話の色というかトーンがとても、とてもキレイでいつまでも眺めていたい景色のようなお話、神に限りなく近い萌えです☆

1

気持ちがおだやかになるBL

しっとりした大人同士の恋愛です。
淡々としたタッチで進む恋愛映画のようで、情景が浮かぶ本でした。
ハードで山あり谷ありな話に疲れた方には、こんな癒し系のしっとりした本がお勧めです。

商社の営業マン・滝乃(32)朗らか包容力攻め×地方公務員・水端佑季(28)真面目で芯の強い受け
上海に伊藤と旅行にきて、伊藤の欺瞞に気づいて別れを告げる。
伊藤が手配してくれたツアーの案内をしてくれる滝乃に好ましいものを感じて。

佑季は恋を失ったばかりなので、そうすぐすぐに関係をもつ訳ではありません。
むしろ、上海観光の方がメインと言ってもいいぐらいで。
滝乃の朗らかで明るい性格の良さがじっくりと浸透してから、そこでようやく関係を結ぶのですが、抑えた描写が実に色っぽいです。
口の周りにある黒子の色っぽさに、気付かされます。

同級生がホモで関連してリンチ事件が起きた時に、閉鎖的な地方の町なので大事件になったことがあり、同性に魅かれる性癖のある佑季は世間から外れないようにして生きている。
臆病でいながらそれでいて、誰か一人だけを愛しぬきたいという情熱を秘めている。
時たまに溢続きれ出るその熱が、色香になるのかもしれない。
地味だけど美人というタイプで、普段はメガネとダサスーツでそれを封印しています。

旅先の一夜で終わるはずが偶然の再会が待っていて、ご都合主義かもしれませんが、ハッピーエンド主義なので2人がもう一度会えてよかったです。
終わりというより、ここから始まると言った感じで、その後のエピソードが気になる感じです。
地味だけど、じわっといい話です。

エロ:★3 上海の時と再会の後といい、ずばりではなく、ちょっと抑えめな描写なのが色っぽいです。雰囲気エロスというか、匂うエロです。
総合:★4 もうちょっと2人のエピソードが見たいという意味での物足りなさがありました。

3

アダルト最高

中国上海を舞台にした、静かでアダルトなラブストーリーです。
大きなドラマなどないしっとりした物語んだけど、めちゃくちゃ面白かったです。
神に近い萌え評価です。

ここでも評価の高い『透過性恋愛装置』で脇役として登場する、滝乃と佑季が主役です。ただし『透過性~』とは作風がまったく違う。『透過性』がドラマチックなデコレーションケーキなら、こっちは飾りけのないシフォンケーキ、みたいな。

上海の街をあちこち歩く二人の心理描写は、ギリギリまで削ぎ落とされてます。
それがむしろ想像をあおり、最終日に唐突に結ばれたとき、胸をわしづかみにされるほどのトキメキを感じました。
抑制のきいた描写、抑制のきいたアダルトな二人。セックス描写は短めなんですが、それまでの抑制がほどよい焦らしとなっていて、ゾクゾク度も萌え度もハンパなかったです。
エレベーターのなかでのシーンが一番好き。
こういうアダルトな恋、大好きです。大好物です。

2

淡々とした恋愛

言ってみれば水彩画のような感じ。
BLには珍しく、派手な設定も賑やかしさも、若々しさもあるわけではない、淡々とした日常の中での、ただちょっと運命的なだけな出会いが色を添える。

この話を単独で読むよりもこの二人の本質はむしろその後の「透過性恋愛装置」で登場したときのキャラが語っているような気がする。
別カプであるために登場は少ないものの、そちらの方で見え隠れする二人の関係やセリフにむしろ惹かれる。
「透過性恋愛装置」を読んだ人は逆にその前に描かれたこの二人に興味を持つのではないだろうか。
でも本編のこちらの方がむしろ淡々とした感じなのが不思議だ。
むしろ「透過」の方に登場した二人をもっと読みたいというのが本音です。

1

大人の恋

「透過性恋愛装置」 とその番外編同人誌を読んで気になっていた「上海金魚」
今年重版で出たのを、たまたま店頭で見つけて購入。

ちゃんとした大人が、
ちゃんとした恋をして
ちゃんとした幸せな結末になる

滝乃も水端も、ちゃんとした大人なので、お話は、一見地味にも思えますが、この地味な真っ当さがとっても貴重で、読後感がよかったです。


お話の設定自体は、ちょっと考えると、かなり荒唐無稽な力業もありますが(上海での出会いとか、日本での再会とか)、普通、他のBL作品では、もっと無茶な事はいくらでもある。
逆に言うと、この二人があまりにもまっとうなので、力業が目についちゃったって感じでしょうか



この本編では、二人は再会したところでお終いです。
この後の、デート編、プロポーズ編は同人誌「恋は遠い日の花火ではなく-総集編-」
で、どうぞ

2

地味な作品ですが心に染みます

表紙とタイトルに惹かれて購入。

不実な男に振り回され、疲れた真面目な男が。
異国の地で優しい男に癒される。
誰かが死ぬ訳でもなく、ガッと燃え上がる恋でもなく。
淡々とした地味な話だと思いますが、これがとても胸キュンで。
心に染みました。

傷ついて臆病で小動物のような佑季が、
徐々に滝乃に心を開いて行く様子が可愛くて切なくて。
佑季を大らかな優しさでスッポリ包んでくれる滝乃の男振り!
滝乃は本当にいい男だなぁ~と、うっとり。

上海最後の夜。駆け引きめいた二人の会話にドキドキし、
エレベーターから部屋に行くまでのくだりは切なくて萌えました。
大人しい佑季がふと見せる、しっとりとした艶がたまりません。

そしてタイトル通り、金魚が重要アイテムでしたね。
『ねぇ、あれから金魚飼った?』と言う台詞がスゴく好きで、ときめきました。

0

特異な「キャラ」に頼らない良作

長らく入手困難だったものが最近ようやく重版されたので、私家版を読んではいたのだが、早速入手し読み直してみた。

商社マンの滝乃史宥と地方公務員の水端祐季、全く接点のないはずの二人が出会うのは、タイトルどおりの異国の地・上海である。
滝乃にとっては出張先、佑季にとっては滝乃の取引相手でもある恋人・伊藤(二人の間では恋人ということになっているが、妻子ある伊藤の佑季に対する扱いは愛人そのもの。対等ではない関係に佑季は不満を持っているが言い出せない)との旅行先である上海。
旅先での物語であるためか、主人公は二人とも至極堅実な社会人であるのだが、どことなく熱に浮かされたような、現実味のない雰囲気を帯びている。
両者の視点から物語が紡がれるので、読者には二人のおかれた状況や心情が正しく把握でき、その上で旅先での行きずりの関係が日本すなわち現実に戻った後にどうなるのか、充分やきもきできる仕掛けになっている。

ところで本作のように、特別な感じのあまりしない真っ当なもの同士の話というのは、案外少ないような気がする。
特異なキャラクターに頼ることなく描かれた良作であると思う。
花本安嗣続き氏のイラストも赤と金を基調とした装丁もなんとも上品で、作品のイメージを底上げしている。

4

淡い色彩を感じるお話。

タイトルみたいなふわふわ感が読後にありました。金魚のしっぽがふわふわひらひらするみたいな、ちょっとおとぎ話っぽくて、現実味が薄いような。
話のほとんどが上海での出来事だからそう感じるのかもしれないですけど、だからといってストーリーが適当という意味ではないですよ。
ある意味、その分生々しい所は生々しかったですから。

小さな商社で営業をする滝乃は、その仕入れも行うのでよく海外にも出張に出る。
今回もたまたま出向いた上海で、取引先の社長・伊藤と、そばに寄り添う美しい青年・佑季に出会う。
本来ならそのまま挨拶して分かれる程度の事だったのに、急に帰国をしなくてはいけなくなった伊藤に頼まれ、滝乃は佑季の上海観光案内をする事になった。

佑季という人物は、とても不思議な魅力がある人物で、一見おとなしく美しい、だけどふとした瞬間に何ともいえない色気を醸し出す人なんです。
ちなみに、女なら滝乃にとってストライクゾーンど真ん中なタイプです。
だけどその中身は、自分がゲイであるということに引け目を感じつつも、お互いをただ一人だけの相手として考えられるパートナーとの出会いを望んでいて、そ続きして自分の足でちゃんと歩きたいと願う、自立心も持った一人の男性です。
現在の恋人の伊藤は、そういう佑季の気質には気づかず、ただ美しくて色気があるということだけで表面的に好きな感じで、不倫であるこの関係も、佑季に 嘘をついて続けています。

結局その事にキレた佑季が、一人上海に残るんですけど、滝乃はそんな佑季を楽しませたいと思うんですね。
滝乃は元々、そういう余裕のある人間で、引く所も心得ています。
二人は朱家角に行き、そこで町売りの金魚を眺めて語るんですけど、その金魚の風情が、この観光、二人の関係、佑季の風情、滝乃の淡い恋心と相まって、なんともいい演出になってるなと思いました。

二人のお初は行為は標準的だと思うんですが、今まで見てきた滝乃と佑季を、いい意味で裏切るエロさがにじみ出てて、ドキドキしましたね。
どうにも自分は、ストイックな人が実はかなりエロい・・・みたいなシチュが好きらしいとはっきり自覚しました。
ラストは少し都合いいなと思ったんですが、いいんです。幸せになって欲しかったから、そうじゃないと逆にイラっと来たと思います。
いい話なんだけど、現在物凄く入手困難で、古本屋で見かけたらラッキーというレベルなのが残念です。

1

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