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表題作ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~

レオンハルト,15歳~,鍛治屋息子で騎士
マティアス,8歳ぐらい~,名家の嫡男で司祭候補

その他の収録作品

  • 花冠

あらすじ

尾上与一先生新シリーズ、奇跡の泉シリーズ始動――! 2冊同時発売。

おかえり、わたしの騎士

「この方を、わたしの騎士にしてください! 」
《聖ルドヴィカの泉の奇跡》を起こすハイメロート家。
その嫡男で司祭候補のマティアスは、鍛冶屋の息子のレーヴェに命を助けられ、
彼を自分の騎士にと願う。レーヴェもまた、純真無垢なマティアスを唯一の主と敬愛し、
将来司祭となる彼に仕えるために騎士を目指すことに。
しかしある日、瑞霊からマティアスを庇い、レーヴェが倒れてしまって…!?
泉を舞台に繰り広げられる二人の奇跡のクロニクル。シリーズ第二弾!

作品情報

作品名
ルドヴィカの騎士 ~奇跡の泉・銀~
著者
尾上与一 
イラスト
央川みはら 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773089752
4

(92)

(47)

萌々

(27)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
12
得点
364
評価数
92
平均
4 / 5
神率
51.1%

レビュー投稿数12

聖ルドヴィカの泉の奇跡の物語(銀)兄編

日本人の感性で描いた北欧の魔法物語。魔法と騎士の恋愛物語

奇跡の泉シリーズ第二弾とあるけど、
笑いが多いこちらの「銀」から先に読んだ方が、私は良いと思った。
「銀」は、《聖ルドヴィカの泉の奇跡》を起こすハイメロート家の長男編、
幼少期のヨシュカが登場、奇跡を起こす泉の説明も「金」より仔細。
金は戦闘場面が多く、重苦しい。

★電子版の「特別版」は、オマケの小冊子かな?
吟遊詩人が登場する、アヴァロンのヨシュカとイグナーツの話です。

*開戦後の展開は「金」と同じ。マティアスの騎士・レーヴェ視点で綴られます。
ヨシュカ討死の連絡を受け、ハイメロート家が悲しみに暮れる。
ヨシュカ戦死の連絡から二か月後、奇跡の泉で記憶を失ったヨシュカと会うマティアス。
「もう弟ではない、アヴァロンの東に居るもの」と名乗るヨシュカは、兄を振り切り去っていく。

*ヨシュカが去った後からは、「金」に無い部分。
マティアスは悪の根源~魔女の名前を突き止める。国二つを呪う魔女は「ヘクセンナハトの娘」。
マティアスとレーヴェが、大魔女「ヘクセンナハトの娘」を退治。臭い大蜥蜴になった大魔女。
二つの国の戦争は、魔女の画策ということで和平成立。
魔女の心臓を刺したレーヴェは、マティアスのミサで浄化を受けて英雄に。

マティアスとレーヴェの場合、精神的なつながりで終わるのかな?と思ったら、
最後にしっかり恋人になりました。合体。
ヨシュカと再会もできて、メデタシのハピエン。
長くて苦しみが一杯だった。読了後の達成感が大きい。感動した。

ファンタジーな雰囲気の挿絵も綺麗でよかった。欲を言うなら、やや難解で重い内容なので、挿絵を増やして軽さを出してほしかった。

0

◾️レオンハルト(従/騎士)×マティアス(主/司祭)
従×主の主従ものです。
シリーズでレオンハルトは好きな攻め、ヨシュカは好きな受けだった。レオンハルトぐらい堅い男がよくて、ヨシュカぐらい自分の美貌を分かって振る舞う主人がいい。

前作と同じ世界観です。前作の後に読むことをお勧めしますが、ヨシュカのくだりを読み流せるなら必ずしもなくても…いや、この作品だけでは戦争の悲惨さは伝わってこず、レオンハルトとマティアスがいかなる偉業を達成したのか実感湧かないからやっぱり後がいい気がします。

評価については、自分はそこまで好みじゃなかった…としか言えない。超現実的力で色んなことが解説する世界観に慣れていない、戦争下だが殺伐感があまりない、マティアスが好みじゃない…あたりの理由かな。一番好きなシーンはヨシュカとマティアスの別れでした。マティアスの繊細さと優しさがこのシーンにはぴったり。

序盤の"玉転がしの秘密"シーンで、あ〜これ後に出てくるなと察してしまったけど、こっちのたまはびっくり!まさかの亀頭球!!!これは狼匂わせがあったものの予想外でご褒美でした。

1

兄、強し

2019年3月に2冊同時に出たお話の1冊。ハイメロート家の兄弟のお兄ちゃんの方の話で、弟の話よりは幸せ感が強かったので神より萌2にしました。2段組本編210P弱+本編途中のエピの詳細版20Pほど+あとがき。一途なわんこ騎士と天然入った天使系美人(でもすごく強い)さんが気になる方におススメです。

田舎の村の鍛冶屋の次男として生まれたレーヴェ。ある日、村にやってきた教会の一行が盗賊に襲われたと聞き、家にあった剣を持ち出し飛び出します。見かけた時に天使と思ったマティアスを必死に守りぬいたところ、マティアスから「私の騎士になってください」と言われ・・・と続きます。

攻め受け以外の主な登場人物は
ハイメロート卿(受けの父)、イグナーツ、ヨシュカ(「アヴァロンの東」のカプ)、魔女。アヴァロンの東の方も「おわ」と思う記述がありましたが、こっちも魔女が大活躍で、コワイ・・

**好きだったところ

攻めは最初っから揺らぐことのない忠義者。若いのですがいぶし銀のようなしぶさを感じて良かったです。受けを思って一直線、まっすぐ精進して受けに仕える。素敵。

それに対してのマティアス。天使なんだけど天然、まっすぐ素直、どんなに汚しても汚れない印象です。神の寵愛を一手に引き受けたような能力持ちなのですが、寝起きが超絶悪いというところで、ちょっと人間寄りに戻してくれるのが、これまた嬉しい。大好きでした。一番好きだったのは「なぜ、わたしたちには子供が産まれないのだろう?」というセリフ。どんだけ天然記念物!!!と大爆笑した箇所です。

ストラス王、アゴルトの兄弟げんか=国の内紛に巻き込まれ、魔女の呪いまで呼び込んで、色んな人の人生が狂わされていく中で、そんな二人がゆっくりと思いをはぐくませていく、そんなお話でした。

魔女やら瑞霊やらおっかないものが色々出てきますが、最後は二人がカッコよく締めてくれますので、ご安心下さい!「アヴァロンの東」よりは幸せ感大きいと感じました。ダークよりファンタジーがお好きな方でしたら、おススメです。

0

疎い!疎すぎる!!

BL史上最上級の、疎いというか、ネンネというか、純粋培養マティアス様(笑)
お話はとってもシリアスで切ないのですが、あまりにもの性的なことを知らなさすぎるのと、お寝坊なのが、笑いを誘います。
レーヴェ、苦労するね。いや、それも彼にとっては幸せなんでしょうが。
まっすぐにマティアス様に忠誠と愛情を注ぐ、レーヴェが好きです!可愛いです!もちろん、マティアス様も可愛いのですが、文句のつけどころの無い男前な彼が、マティアス様に振り回される姿が物凄くツボ(笑)
そして、ヘクセンナハトの娘でない方の魔女氏が、いい味出してます。魔女氏も幸せになって欲しいです。
多分、アヴァロンの東より、こちらの方が読みやすいでしょう。痛いの苦手な人は、こちらから読んでみてください。大丈夫な人は奇跡の泉・金から是非。


0

好みの主従過ぎてもう

奇跡の泉シリーズ第二弾。
同時発売で先に金の方を読んだんですが、そっちはいまいち響かなかった。
表紙の感じからして銀であるこっちの方が絶対に自分好みだろうなぁとは思ってたんですが、直感は正しい!
好み過ぎて倒れそうな話になってました。

こちらは前作の受であるヨシュカのお兄ちゃん、マティアスのお話です。
世界観は前作で頭に入っているので、導入部分からすんなりと入ることができました。
長々と説明が続かないので、よりキャラクター中心に話が進んでいたという印象です。
また二段組でみっちりしているので、読後の充実感も半端ない。

今作はハイメロート家の奇跡持ち、才能たっぷりの司祭である受と、鍛冶屋の息子で騎士に憧れていた攻が運命的な出会いを果たして唯一無二の主従として国の中心に上り詰めていくという、なんとも清々しい逆玉物語です。
前作ではいまいち登場人物に感情移入ができず、どうして好きになったのかも理解に苦しんでいたのですが、今作はその辺まったく首をかしげる余地もなく、互いが互いでないとダメなんだという強い絆で結ばれていることがひしひしと感じられ胸熱……。

一見弱弱しく見える受も、ひとたび攻のためともなれば自分の命を懸けてでも守り抜こうとする姿勢がもう何とも言えず愛しい。
自然と周囲に人も動物も集まってくるような、光がそこに凝縮されあたたかなオーラを纏っているような存在です。
攻はそんな受にぴったりと寄り添い、最初の誓いを頑ななまでに守り通す潔さ。
まさに騎士そのものでした。
身分の違いを超えて結びつくふたりの強い絆は涙なしには読むことができず、作中何度も胸がきゅうきゅうと締め付けられながら二人の歩みを見つめていました。

度重なる困難にもくじけることなく、その時々で自分たちにできる最善を尽くす姿は勇ましくもあり、神々しくもあり、大きな厄災に立ち向かう二人が選んだ戦術が、まさかあの時の戯言を実現しちゃったのには思わず吹き出してしまいました。
そうくるか!
二人を取り巻く人間たちに悪意がないのも読んでいてストレスを感じずに済みました。
分断された国が和平を結び、風の通るさわやかな丘でふたりが末永く幸せであることを願ってやみません。
前作ではイラストが好みでなかったのですが、今作は一転してとても好みのものでした。
色使いもきれいで、とくに口絵に関しては神々しくさえある。
最後まで読んでもう一度カラー口絵を見てみると、散りばめられた色の洪水と優しい世界に幸福感で胸が苦しくなりました。

1

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