【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
野原滋先生、最近初めて拝読してからハマりにハマり、
Kindle unlimitedにて読めるものを一冊ずつ読んでいます。
こちらタイムトリップ×時代もので、人外(妖、半妖)の出てくる世界の物語。
大切な人の命を救うためタイムスリップで千年の時を超え、
千年後の未来を変えようとするー
というお話です。
電子で拝読し、他の方々が口々におっしゃっている
”電子限定おまけSSで完結”の意味が分かりました。。
これは本当に、電子SSをもって区切りのつくお話だな、と。
葵(受)がシン(攻)の呪いを解く(or呪いがかからないようにする)ために
千年前の世界へとタイムスリップした後の、シンはー
というお話、涙が出るものでした。。
(でもとても美しく、切ない幸せで満たされます)
”普通”とは違った空色の瞳を持ち、顔立ちも違うことで
”疫病神”だと恐れられ、岩にくくりつけられて生贄として
殺されるところだった葵。
そんな葵を救い出してくれたのが、半妖のシン。
千年前、妖退治の際に呪い返しにより呪いをかけられ、
千年かけて体を呪いに侵食されており、今はもう目も見えず
体の半分以上が痣に覆われ、記憶も曖昧になっています。
”大切な誰か/何かをずっと待っている”ということだけは
記憶の片隅にあるシン。
山の中で二人、徐々に交流を深めていき、
やがてシンに対し特別な想いを抱くようになった葵。
彼は死を待つしかないシンの呪いを解く/呪いを避けるため、
希望の時間・場所へとタイムスリップできるという鏡のある山奥へ行き、
千年前に戻ってシンを救うことを決意しー
と続きます。
半妖となったシンと、千年前の真之氶。
シンからは真之氶のような溌剌とした表情や快活さは消えているけれど、
その根底にある優しさは変わらず、同じで。。
どちらの時代においても、
”異端”とされた葵の瞳を”美しい空の色だ”と褒めてくれたり、
泣く葵を心から心配し、慰めようとしてくれる。
人々から爪弾きにされてきた葵と、
”人外”の存在になりかけており異端であるシン。
孤独な二人が少しずつ心を通わせていく過程が切なくも美しく、
胸を締めつけられました。
葵が千年後にタイムスリップしてから、真之氶と二人旅する中で
互いに”想い人”がいることに気付いて嫉妬したりやきもきしたり・
一つの布団で添い寝して、甘く優しい時間を過ごしたり。
そんな二人のほのぼのした旅路にはほっこり、
そして「絶対にシンを救う!」と決めた葵の健気な頑張り、
修行に励む姿には胸が熱くなります。
そしてシンに呪い返しをした妖との対峙。
ここ、あれ?割とあっさり、うまくいったのか…?
と、思いきや。
まさかまさかの、変わらぬ千年後の姿!!
そしてもう一度、妖を倒しに過去へと向かい…
愛する人のため、一度ではなくもう一度。
行ったり来たり、必死に頑張る葵を手に汗握って応援しました。
この時のシンとの約束の言葉、「待っていて」との葵の言葉が、
電子SSのシン視点のお話の中に出てきていて、、
もう、涙、涙( ; ; )
今(千年後)のシンを救うため、千年前の真之氶を救う。
しかし真之氶を救うということはすなわち、
”千年後のシンの消滅”を意味していてー
そんな身を切られるような辛さを味わい、全てが終わって
真之氶と共に千年後の世界へと再び舞い戻った葵。
そこには既に自分とシンとの思い出の家もなく、
何もかもが変わってしまったー
と悲しみに暮れそうになる中、見つけた”シンと自分とが過ごした”ことの証となる
花。
そのシーンを読んだ時、脳裏にぱあっと鮮やかに
群生する花々と佇む葵、真之氶の姿が浮かびました。
特別な思い出の花が、二人の時間が確かに存在したことを
証明してくれている…
もう、ここで感無量、泣きました。。
千年の時を何度も駆けて、大事な人を救いに行く。
孤独を悲しく、寂しく受け入れていた二人の出会いは、
まさに”運命””必然”と言えるものだったんだなあ。。
SSまで読んでおおいに涙を流し、切なさと幸せを噛み締めた一作。
折に触れて、これから何度も読み返したいと思います。
千年の時を超えたラブストーリー。途中までめちゃくちゃ神!と思いながら読んでいて、最高に盛り上がった熱いところで失速、その後一番読みたかったエピソードに泣いてしまったら、これがなんと“電子限定おまけ”だった。なぜ。
葵は山神の生贄にされた不幸な身の上の子。死にたくないと乞う気持ちがさっぱり分からないほど酷い日々を送ってきてるのに、ギャン泣きして騒ぐ様子は新鮮だった。
シンは呪われた身体で千年も生き続ける半妖。目がよく見えず、物事をすぐ忘れてしまいながらも、何かをずっと待ち続けている。全てを思い出せる死の瞬間を楽しみにする姿が泣ける。
そして話はタイムスリップという展開へ。シンが呪われない未来のために頑張る葵。いざ妖と対決となり、命を犠牲にして救おうとする葵、からの二人で力を合わせて倒しにかかる瞬間!……なぜここで再度葵が時をかける?さらにチート武器を持ってぴったりのタイミングで再び現代から戻ってくる葵。
過去と現代の二人のシンで倒す必要があったってこと?にしても一回目のタイムスリップ前になんだかんだ理由をつけて仕込んでおいて欲しいところ。
一度冷めてしまった興奮は取り戻せず、妖退治成功の感動は半減し、両想いなのに別の人が好きと思い込む定番モジモジには、もういいよ、と思ってしまった。
結果としては過去のシンとカップルになり、めでたしめでたしなんだと思う。
一番読みたかったのは、千年後の切なく哀愁を漂わせる呪われたシンが救われるところ!個人的にこっちのシン推し(笑)最後にしっかり読めたけど、電子限定おまけに描かれていて、なぜこれが本編扱いじゃないんだ!と悔しかった。紙保存ができないなんて。
途中失速はありつつ、そこで終わらず、物語が丁寧にたたまれていって良かった。あたたかい気持ちで読み終われる作品。
シンの後日談が電子限定じゃなきゃ神ってくらい好き。
もうタイトル通りの読後感。
ハッピーエンドです、ハッピーエンドなんです、でも心を占める2割くらいの切なさ。
記憶が無くなっていく系にはもれなくついてくるこの感情。
ただ死を待つのみだったシンが少しずつ葵に心を寄せていく様、でも痣の侵食と共に、葵との記憶すら忘れていってしまう切なさ。
人間だった頃のシンの明るさが現在のシンと対象的で、ちょっとした嘘をつくところはヨキとリンクしていて。
本編最後、頭上での鳥の鳴き声にもしや…となり、巻末のお話(電子版)で繋がって涙が出ました。
シン、よかったね。
初めに退廃的な雰囲気があって、そこから一途な想いや熱さが広がっていくような流れがとても好きでした。
感情も記憶も忘れて岩に座って佇む半妖シンと、彼に優しい言葉をかけられて森に住み着いた葵。
シンの呪いを解く為過去に戻って人間の彼と旅をする葵。言葉を交わし、涙を拭われ、呪術を教わり、嫉妬させられたり同衾したりもする。
(酒を飲むと大体同衾するのだけど、寝相の悪い翌朝の葵とシンの会話が面白かわいい。「もうシンの布団には入れてもらえない?」「………酒を飲まなければいいのじゃないかな」)
未来のシンから教わったものを過去のシンに褒められたり、彼の未来を案じて切なくなったりこれぞタイムリープの醍醐味という感じでした…
呪い返しが阻止できた後、鏡でいたずらをする妖たちのお話はすぐに解決したけど面白かったです。
元々シンが妖に呪い返しを受けた時に葵が居た、というのは、未来の蒼が一度未来に帰ってくるまで過去の反映ということで合ってますか??葵を待ちながら細々と生活していた次元の半妖シンが切なすぎる…しかも葵が言っていたからヨキを作ったんだよね?辛…
でも彼の救済も書かれていて(電子特典だけど)少し気持ちが晴れました。
それでも顔を半分隠すお面というのがどうにもタキ◯ード仮面みたいに見えるので私には直視出来ない…
千年!
シンによると二人は出会う運命だったのですね。
辛い境遇だった孤児の葵。シンに救われて懐いて慕って。そんなシンは千年前に呪い返しにあいもうすぐ命が尽きようとしていて。
シンを助けようと千年前にタイムスリップする葵。
過去のシンは明るくて黒髪であたたかくて。
薬の行商と妖退治をしながら一緒に旅をする二人。
とうとう、ここでか!な場所と妖に遭遇し…。
もう葵が本当に良い子で。よく育ってくれた!
ネタバレですが、千年を行ったり来たりするんです。
千年後に葵が戻された理由も泣けて。
何もかも忘れていくシンが葵のことだけは忘れたくないと願ったんですね。
そしてシンに別れを告げてまた千年前に戻って過去のシンと一緒に、シンから持たされたシンの髪で退治できて。
また二人で千年後に行って。
なんかややこしいんですが、最初に出会うシンが待ってたのは過去に会った葵なんですね。
もう千年だよ!行ったり来たりすごいです。
過去のシンに守られて死ぬまで一緒に生きていくんですね。
あの時のシンはもういないけれど、シンのために植えた花が咲き乱れてて。確かにここに暮らした証があって。
最後はなんだか千年を自由に行ったり来たりするみたいで、それはそれで有りかな。
こういう何百年や千年とかひたすら相手を待つ話はキューンときます。