電子限定描き下ろし付き
イケメン俳優×コミュ障サラリーマンの、心に刺さるエモーショナルBL。
きゅんや萌えを感じられないけどぐんぐん読ませるのが「かつとし」もそうだったなと。
2作とも主人公に対して嫌〜な印象を持ちながら先が気になって読まされていました。
設定は本作の方が明るめなのでまだ読みやすかったです。
佐野が心の中やSNSで悪態をつきまくるのが、気が弱く劣等感のかたまりでひねくれていてプライドは高く、実家住まいで親に甘やかされて、周囲から微妙に距離をとられる…あるあるで自分を見せられているようでした。
そんな佐野のことをエスが最初から「寂しい人なんんだな」と見透かしていたのがおもしろかったです。エスもまた孤独だったんですね。
実際に会った時も、その後の佐野のSNSも全てエスは佐野の心境がバレていたのもおもしろい。
なのにエスは佐野を嫌うどころか惹かれていたのがわかるようなわからないような。
エスとしては佐野は共感できる相手だった。そんな佐野が自分と仲良くしたそうにするのがかわいかったんですね。
けの佐野がリアル過ぎてエグくてしんどい。
軽い気持ちで読んだら、何て衝撃作品なの。
積み本から選んだ楽しいレビューを書こうと思っていたのに、この本を読んだら全て思考を持っていかれてしまった。
BLって本当に間口が広い。
冴えない普通の男佐野と、向こうの人芸能人のエス。
佐野の心の声がリアルすぎて、仕事をしている自分を見ているようだ。あの、いたたまれない空気、高揚感、話せば話すほどドツボに嵌まる感覚。
いや、本当に勘弁してください。
エスさんのターンになっても、羞恥は増すばかり。
あれもこれも全てお見通し、写真もバレてたの!?恥ずかしい…。
逃げだしたい。
これは同族嫌悪ですね。
4年間もネット上とはいえ繋がっていた2人。
知ることは好きになる事と繋がっている。と気付いたことで情が愛情に変わっていったのでしょうか。
上野先生が途中で苦しくなったとインタビューで答えられていたので、納得です。
最後まで描き切った先生お疲れ様です、ありがとうございます。
色々葛藤は有りましたが、最後まで読み終えたのは作品の魅力だと思います。
最後のハッピーエンドで何だか私、励まされたよ。お願い、幸せになってね。
ちょっと当分立ち直れません。
上野ポテト先生の、誰とも被らない独自の個性。
それがこの作品でも発揮されています。
BL的に言うと、進みが遅いし絶妙に行き違ってる。
この絶妙なズレ加減。
この絶妙な気持ち悪さ。(disではなくて)
そこが「上野ポテト」っていう感じなのですよ。
BLマンガをサクっと読むと言うよりほんとに誰かの人間関係を盗み見てるような気になってくる。
さて、本作は。
平凡なリーマン「まくた」がSNSで繋がっていた人「エス」が実は人気イケメン俳優だった!というお話。
表面は平凡。心の中は不平だらけ。読んでて心に刺さります。自分もそうだなぁみたいな嫌悪感。
SNSでトントン拍子に会うことになったエスが何と有名俳優。
舞い上がる気持ち。
どう振舞っていいのかギクシャクする行動。
エス/なるさやの方も何を考えてるかよくわからないし、この手探り感のリアルさが居心地の悪さをチクチク刺激してくる!
そのなんともぎこちないギクシャク感のまま、まくたとエスは何となくキスしたり、何となく付き合う形になったり。
この不安定さ、この座りの悪さ。(disってない)
そこがこの作品の大きな個性になってると思う。
エス/なるさやが何故まくたを?というところにはっきりとした説得力は無いのだけれど、リアルってそんなものかな、とも思う。
ま、芸能人も普通に生きてるよってことで。
一般人×人気芸能人
この設定ですよ。
キャピキャピの萌萌萌ではないですか?
私の中では…ですが。
上野ポテト先生の独特な雰囲気の世界では、もちろんそんな私のちっぽけな常識が通用する訳がないのです。
そこが、先生の凄いところで大好きなところです。
2人が繋がった経緯ですが芸能人である成海の
「なるさや」
エゴサから繋がるのですが、たまたまと言えばたまたま…いや!いやいやいや。
深い!凄い!
少し荒れていたなるさやは、そのせいで捻くれた思考で上から目線のいかにも芸能人として、佐野と会い、食事をし、その場限り…のはずでしたが、その後佐野に惹かれていきます。
佐野に電話を拒否されて布団に丸まってしまった姿が、ご、ごめんなさい…とても可愛いかったです。
お互い少しずつ頑張って最後にやっと想いが通じ合いました。
もう大好き過ぎて、何度読んだ事か…。
2人の続きが読みたいなぁ。と思っています。
芸能人とコミュ障の物語。
コミュ障凡人のまくたがツイートしまくってるんですけど、内容がいたたまれない…(笑)でも、芸能人のエスさんとしては、そうやって吐き出せていることが羨ましかったんですかねー。猫かぶりでいい子そうだもんね、エスさん。恋人には名前の通りどエスと見た。でもかっこつけてそう。そしてまたスレ違いそう(笑)
別売りで続編読み切りあり。本編ラストシーンの続きです。
そしてこれだけは言っておくと、三谷はいい奴。間違いない。影の主人公は三谷と言っても過言ではない。二人の潤滑剤としてなんとか頑張ってくれ。健闘を祈る!!