組み敷かれ、壊されて、汚された…… 想いと身体。

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表題作ぺこと先生

城田光樹,大学の講師
川村ぺこ,工事現場で働く青年

その他の収録作品

  • ぺこと先生のその後…
  • あとがき

あらすじ

高校時代に好きだった、いつも正しく優しい先生。

ぺこからの告白も“男同士だから”ではなく、“先生と生徒だから”という理由で断られた。

たとえ、その先生が女子生徒を妊娠させていたとしても、ぺこの中で“先生”という存在は特別になっていた。

そして現在、仕事帰りのバーで“先生”と呼ばれる男性に出会い、再び“先生”への想いが再燃し…?

作品情報

作品名
ぺこと先生
著者
akabeko 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックスDX
発売日
ISBN
9784866533490
3.7

(68)

(19)

萌々

(20)

(23)

中立

(2)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
17
得点
246
評価数
68
平均
3.7 / 5
神率
27.9%

レビュー投稿数17

トラウマがあるからこそ

トラウマを抱えた者同士のお話でしたが、そこまでシリアスにならず読めました。

光樹が大学謹慎中だった理由が、どんな悪いことしたの?とビビりましたが、被害者でしたね。
それもBLでよくある性被害ではなく、精神的な社会的嫌がらせな今どきのやつ。

それで疑心暗鬼になり、ぺこに暴力まがいのことをしてしまう。

ぺこは嫌で辛かったけれども「先生」に囚われていたものを壊すことができた。

よく出来たストーリーだなと思います。

ずっと冴えない顔だった光樹が、ぺこのかわいい顔を見てデレるのが萌えでした。

光樹が悪い人ではないとわかり、気持ちが通じ合ってからのぺこのかわいいこと。

akabeko先生が描かれる受けの涙目はいつもかわいくて大好きです。

ひらがなの描き文字も雰囲気があっていいですね。

バーのマスターもいいキャラでした。
スピンオフできそうw

0

深いテーマ

ぺこ。良い子なのに…。
中学生の頃好きだった先生が忘れられず。生徒だからと断られたのに先生は女子生徒を妊娠させていたと聞いて…。

あれから何年ぺこは引きずったんでしょうか。
人付き合いも恋も出来なくて。

そんな時たまたま入ったバーで出会った先生と呼ばれる男の人。

先生というだけでぺこは嬉しくなって。
ただそれだけだったのに…。先生にレイプされちゃって。可哀想に。

先生がなぜ嵌めたと言ったのか、怒ったのか、それがわかるタイミングが真ん中あたり?
なのでそこまでは噛み合いません。
謝りたがる先生と謝られたくないぺこ。

恋人になれてもなぜか一歩ひいてるような先生。
まだ罪悪感引きずってるの?それとも懲戒処分になったから警戒してるの?
ぺこの純真さに自分が恥ずかしいみたいですが、なんでかよくわからないうちにハッピーエンドに。

人間の過ちが巡り巡って誰かを傷つけて、そんなボーイズたちのラブだそうで。たしかに!
女子生徒を妊娠させた中学の先生、動画を撮って広めた大学の生徒、ぺこをその仲間だと思ってレイプしたバーにいた先生。そもそもぺこと名付けた母親。
悪意かどうか、反省するか相手の気持ちを慮るかどうか。

なかなか深いテーマですね。

0

肯定と優しさを求めて

「先生」を忘れることが出来ずにまた『先生』に救いを求めてしまうぺこ。
さらっと読めてしまえるストーリー展開でしたが実は結構重たいお話なのかな、と。
特定の恋人を作らず一晩限りの相手を求めるような子があんな風に人の顔色を窺うだろうか。
控えめな性格ともまた違う、怯えるような探るような…
いろんな要因が重なっているのがわかるだけに、可哀想に思えてしかたなかったです。

そして光樹が懲戒処分になった理由も重たい…。回想で終わっていいのか?ってくらいでした。

でもちゃんとお互いの心のうちを話してわかりあえたなら、このふたりはすごく幸せになれそう。
ぺこの可愛い笑顔が最後には見れて良かったです。

0

ぺこがかわいい

少し憂いのある「先生」と、かわいいぺこのカップル。

ぺこは土方さんのようで、お仕事風景はほぼ出てきませんが、その場限りの相手と楽しむような擦れた生活をしています。
そうなったのも、高校の時に好きになった先生♂のことが忘れられないから。優しく振られた淡い思い出というわけではなく、その後女生徒を妊娠させたという噂を聞いてグレてしまったようです。
また、ぺこという冗談のような名前をつけられた、暗い生い立ちも。

そんなぺこがバーで出会ったのが、先生。初恋の相手ではなく、大学で教えているという、どこか憂いのある別の人物。

お互いに幻想と誤解ですれ違いますが、最終的には、もう一度最初からやり直そうと、本当の恋人としてスタートする、というお話でした。

すれているはずなのに、付き合ってみると純情で健気でかわいいぺこ。先生でなくても抱きしめたくなっちゃう、というキャラでした。

ぺこが相手のことを、「先生」ではなく、名前で呼ぶところから、二人は本当に向き合えたんだなと思います。
少し暗い背景を感じさせつつも、温かいハッピーエンドに向かうお話でした。

0

優しくなりたい

平穏なBLを目指したと書かれている通り、比較的穏やかなお話でした
が、やはりakabeko先生
グチュグチュと傷を抉ってくるような、チミチミ心が痛むお話でした
けど、最後には綺麗に瘡蓋になる感じ

親から適当に名前をつけられたペコ
けど、母親が好きなモノの名前なんですよね
適当だけど、適当にしか出来なかったのかな
ペコ自身は人を好きになれない
好きになりたいけど、なれなかった

ほんとに不器用なキャラクターばかりで、途中出てくる空気の読めない彼やマスターがとても人生を楽しんでいるように見えてその対比も面白かった

人は間違いをするものだから
それをどう許すのか
シンプルなテーマなのに、現在の生きづらさが絶妙に表現されてました

その中で、2人がくっついてからの日常がすごく穏やかですごく良かった

0

傷を負った二人が再び恋を。

紙本
修正…白短冊
カバー下…タイトル
カバー折り返し…コメント

0

勇気と正義感が認められる社会であって欲しい

ぺこの先生に対する甘さと苦さの入り交ざった感情に、私も学生時代の甘酸っぱい気持ちを思い出しました。学生時代って、色々としんどいです。先生は全然完璧には程遠い人も多く‥、まだ人間の闇や愚かさに疎い学生時代は、先生の言動にまともに傷付いてしまう。
社会に出ると楽になるよ、という意見もよく目にしますが‥私自身は学生時代と社会人と、それぞれに地獄があると思っています。

この作品は、キラキラネームに育児放棄、アウティング、復讐の連鎖…現代の社会問題も反映し考えさせられました。

「先生」にぺこちゃんが傷付けられる姿は見ていて苦しく、でも先生も悪質で無邪気なアウティングにより社会的に殺されていた。。
傷付いた二人が不器用ながらも恋し合い幸せな予感のするラストシーンにほっと救われました。

誰かを救いたいと勇気を出してカミングアウトした先生の勇気と正義感に感動しましたが、
あのような状況になった失意の先生に友人が残されていて良かった。
怒りを抱えながらも生き抜いてくれて良かった。
そしてそんな「先生」が救われる世界であってほしいと思いました。

3

akabeko先生作品の中では、最もマイルドな1冊。

キラキラネームの「ぺこくん」は、初恋の男性教師を忘れられず、過去の思い出に囚われ続けている。
大学教授の「光樹先生」は、LGBT授業でカミングアウトをした結果、ハッテン場にいる姿を目撃され 懲戒処分に。
現代のテーマとして取り上げられることも多い、「キラキラネーム」と「LGBT」この2つの話題を題材にしつつ BLとして描き出してしまうところに、akabeko先生の才能を感じずにはいられません。

ぺこくんの純真無垢で愛らしい笑顔には 癒やしを、光樹先生とぺこくんの日常が垣間見えるような場面では、愛し合う2人の優しさと温かさを垣間見ることが出来る物語です。

一方……
akabeko先生の重く暗く深いストーリーの数々に 既に触れてきている身からすると、少々物足りない感じは否めません。

2人の幸せな同棲生活は勿論、マスターとトモくんのお話も、是非読んでみたいです!!

2

僕の中の先生を壊してくれてありがとうございます

中学時代の先生との初恋をひきづっている若者ぺこくん(受け)とカミングアウトしたことでYouTuberネタされ傷いた大学講師(攻め)のお互いの禊になるお話でした。


受けのペコくんの名前がニックネームではなく、本名であるというとこにうまく現代の闇をのぞかせてみせるakabeko先生の手腕をみます。

中学のとき告白した先生が男同士だからではなく、先生と教師だからダメなんだと好きになってくれてありがとうと云ってくれた先生が心の支えになるってとこすごくわかる気がします。ひとは誰でも肯定されたいと思っている。マイノリティである自覚があれば尚更だと思います。その先生が実は女生徒を妊娠させていて、先に犯される女生徒とだったらいいのに妄想してソロプレイに励むペコくんがエロすぎる!!!!!この背徳感!!!!!akabeko先生のこういう設定ほんとに天才的です!!!

バーで出会った大学講師の先生は最初YouTuberの仲間かと勘違いして、レイプまがいにペコくんを抱いてしまいます。この時ペコくんのお尻にイケナイ萎んだ風船が描写されてます!!未だかつてこんなシーンみたことなくて、最中の描写みるより、この萎んだ風船だけで、手荒く扱われたことが伝わってきます。すごいな!!!!!

最悪な出逢い方から始まってもやはり恋の吸引力は止まらず。akabeko先生にしては明るい終わり方です。

ペコくんは中坊でとまっていた恋心を進めることができ、先生はまた人を信じることを始められる。

ペコくんがtkbを摘まれたと同時に好きっていうシーンが胸熱すぎて、思わずスクショしました!!!!
tkb好きなひとは絶対みてください!!

4

今までとは違う雰囲気

akabeko先生と言えばダークな作風でしたが今回は結構明るい作風でした。
いや、ストーリー自体は特に明るくは無いけど
これを明るい作品と感じてしまう程にはダークな作風の先生ですもんね(笑)

高校時代に好きだった先生に告白するもフラれたぺこ。
「男だから」ではなく「生徒だから」と言う理由でフラれたのに
後に先生が女生徒を孕ませたと聞き淡い初恋の記憶は変な形で心にこびりついたまま残る。

そんな中で、バーで出会った男性・城田が大学の先生をしていて
マスターから「先生」と呼ばれていることで彼が気になり始める。
一方で、大学でLGBTQの講義の際に悩んでいる生徒の力になれればと思い
ゲイをカミングアウトした城田は、生徒に動画のネタの為に嵌められ懲戒処分中。

過去の「先生」に囚われているペこと
ペコを自分を嵌める為に近づいて来たと勘違いし酷く抱いてしまった城田。
もどかしくて切なくて心惹かれちゃいました♡

ちょっと拗らせててめちゃくちゃエロいのに
反応は初心なペこが無茶苦茶可愛かったです♪

2

akabeko先生の持ち味が…

少年の境界、四人のにびいろ、花と蝶の関係性(現在電子のみ含む全て)、落果、読ませて頂いていますakabeko先生の大ファンです。

刊行ペースが早く、早く話を待ち望んでいるファンからすれば大変有り難いのですが、この新刊は残念でした。
判子表情のキャラで、先生の持ち味が消えていました。
それを良しとする編集者様にも疑問があります。

一読者としての個人的感想ですが、今回のお話は全く面白くありませんでした。
akabeko先生の本は、花と蝶~から他の既刊も一気に買って大好きだったので、非常に残念です。
しかし、この本から入った方には既刊を是非読んで頂きたいです名作揃いですから!

3

「川村ぺこ」がちゃんと満たされていきます

この作品は、ぜひ読み返していただきたいです。
最初は、正直なところぐっと迫る感じがなかったのですけど。
少し空けて読みましたら、うん、じわじわ沁みる作品なんだと感じました。

川村ぺこ。この字体だと全くのギャルモデルみたいです。
でも、いわゆる毒親に名付けられた青年なんですよね…
ぺこは、いつも八の字の困り眉。相手の事を窺うような困り眉。
ぺこ全部を肯定して、無条件で愛してくれる存在に飢えていると言いますか、さみしそうです。ゲイだけど、自信がもてるところがなく、身体だけの繋がりだけで過ごしていて。

唯一、純粋に好きになった中学校の先生の思い出に頼って生きているところも有るんですよね。でも反面、中学校の先生の起こした淫行に対して欲情していたのも事実。
ぺこも、そんな自分を許せないような感情を持て余しているんですよ。

ある時出会った「先生」に、ぺこは自然と惹き付けられていきます。「先生」には、セックスだけの付き合う自分自身を知られたくない。きれいな気持ちを汚したくない気持ちがあったりして複雑だなぁと感じました。

「先生」、光樹は、同じようにセクシャルマイノリティとしてオープンにした経過があり。但し、学生に辱しめられた事で傷ついています。

カバーイラストに有るような、手荒いレイプみたいなセックスをぺこにしてしまう「先生」。
ただ、ぺこがどこまでも自己肯定感を持てなくて。壊された純粋な気持ちさえも、自分が持っていた欲情と対峙して落ち込んでしまうんですよ。
どんなに純粋な気持ちも、自分がゲイで「川村ぺこ」で、誰とでも寝てきた自分だから仕方ないって思い込んで、退こうとしちゃう。

ぺこ、違うよ!自分を許せないような酷い人間じゃないよって思いました。
対する光樹も、ぺこに感じていた間違った考えに気づくんです。

ぺこと光樹が、互いの過去に向き合い語る事で、現在の互いに目を向けることが出来たのかなぁと思いました。


ちゃんと恋人になっていくぺこと光樹。光樹が優しく抱くことや、何気なく二人で過ごす日常。ぺこが、愛されて自己肯定できるようになりますし、何より「川村ぺこ」を名前ごと好きに為れる過程は優しいなあと感じました。

光樹も、ぺこを愛して行く事で自分が満たされ、愛される事で自分を取り戻していくんですね~

読み重ねる事で、じんわり沁みる作品です❗

えっちは、八の字眉ぺこが更に下がり眉になりますけど満たされた表情に変わっていく変化を見ていただきたいです❤️

3

気になって読んでしまいました。

タイトルが気になっていて、電子で試し読みしたら面白かったのでそのまま購入しました。なんだかんだでakabeko先生の作品は読んでしまいます。個人的にはほんとに失礼だけど絵柄があまり好きではないのですが…内容や目の付け所にひかれてしまいます。

あとがきを読んですっきりしたというか…人は間違い、過ちを犯すけれど、それを許すことができる、と。ぺこも先生(光樹)も失敗や過ちを相手に許されて、お互いに自分を受け入れて貰えて、良かったです。それから、バーのマスターと空気を読まない彼のお話も読みたくなりました。

萌という観点では、個人的な好みでぺこくんがうーん…なので、萌、評価にしました。すみません。

0

もっと苦味が欲しい

作家買いで、めちゃくちゃ楽しみにしてましたが、
平穏なBLを目指して人の過ちをテーマに描いた作品だそうで、
akabeko先生の苦みを求めて手にすると、肩透かしを喰らうかな。

帯に「組み敷かれ、壊され、汚された…想いと身体。」と…いつもの苦味を期待しますよね?!
もちろん苦味は健在ですが、他のBLと変わらないレベル。
期待値を上げすぎている私もよくないかもしれないですが、
決して面白くない訳でなくいつもより普通…
苦味を期待させる作家さんなので、アッサリ感に肩透かししてしまったというところが大きいです。

セクシャルマイノリティの悩みや葛藤、教師と生徒、嘘、謀…
過ちを犯す人、過ちを責める人、過ちに傷つけられた人…そんな人の過ちを赦して寄り添う内容。

初めからどぎつい苦味を期待させず、
少しソフトなakabeko作品と解った上で読んだら、もっと楽しめたと思います。

※紙本:修正は白い短冊です。

1

期待外れ

作者買いです。
akabeko先生の既刊は本当に大好きで全て読了しています。

その分今回の作品は、紙芝居かと思う様な単調な作画とネームで大変残念でした。
多くのコマが同じ表情で、感情移入できません…。

新刊を楽しみにしていた分とても寂しいです。
先生の持ち味を生かせる次刊を楽しみにしています。

4

若干物足りない印象…

楽しみにしていたakabeko先生の新刊です。
連載中、1話を読んだ時には「なんて面白い!」
と思ったものです。
…が、ちょっと尻すぼみだった印象が否めません。
1冊で完結なので、仕方ないのかもしれませんが…


ある出来事で傷付いた大学講師・光樹
✖️
『先生』に執心するキラキラネーム・ぺこ

高校時代に好きだった、誠実で正しい先生。
ぺこの告白にも〝男同士だから〟ではなく、
〝先生と生徒だから〟という断り方だった。
たとえ、先生が女子生徒を妊娠させていたとしても、
ぺこの中では、『先生』という存在が特別なものに
なっていた。
大人になったぺこは、バーで「先生」と呼ばれる男性・
光樹に出会い、「先生」への思いを再燃させていく。
しかし、光樹はぺこを自分を嵌めた出来事の関係者だと
勘違いし、手酷く抱いてしまう。
そこで崩れるぺこの先生像…
勘違いだったと分かった光樹は、ぺこに謝罪するが…


ぺこの中の『先生』を壊したのが光樹です。
『先生』=誠実で正しい と思っていた理想を壊され、
現実を知ったぺこ。
ずっと忘れられなかった先生を、ここで一回リセット
できた…私はそう思います。

光樹は大学で自分がセクマイだとカムアウトし、
それによって面白がられた生徒たちに嵌められ、
動画を晒された結果、休職に追い込まれました…

ただ、その犯人関係だとぺこのことを決めつけ、
そしてレイプまがいの事をしてぺこを傷付けたのは
許しがたいことです。
なぜ勝手に思い込んだのか…?
疑心暗鬼になっていたのか…?
そこら辺は、よく分かりませんでした。

酷い事をされても光樹を好きなぺこですが、
きっと、光樹の正直なところに惹かれたのだと思います。
あと、やっぱり『先生』だからなのかなぁ…

とにかく、ぺこは先生に肯定して欲しい子なのです。
先生像は崩れても、先生に対する憧れや、
『先生』=自分を認めてくれる存在 という気持ちは
抜けきれていないように感じました。

ぺこは素直で純真でとても可愛いです。
そんなぺこに惹かれていく光樹の気持ちは分かるし、
お互いに好かれたくて一生懸命なところはとても
素直でよかったです。

初めは、ペこが見ていたのは光樹ではなく『先生』
だったし、光樹はぺこを疑いの目で見ていました。
だけど、終盤になってようやくお互いを理解して好きにり、
ラストはラブラブH!!
描き下ろしまで甘甘で、幸せそうな2人を見ていて、
こちらまで顔が緩みました☺︎

後半、あっさり2人がくっついてしまったので、
初めのドキドキワクワク感は薄れてしまいました。
とても面白かったので、もう少し長い連載だったら
良かったのに…と、少し残念な気持ちもあります。

バーのマスターとぺこのワンナイのお相手・トモが
何やらいい感じだったので、もしかしてスピンオフ
とかあるのでしょうか?


7

切なさと、甘さと、萌えのバランスが素晴らしい

作家買い。

akabekoさんてシリアスな作品を描かれる作家さま、のイメージが強いですが、今作品はドシリアスに終始した作品ではなく、シリアスさと甘々が程よくミックスされた作品でした。こういう評し方が正しいかどうかわかりませんが、「万人受けする作品」だったと思います。






主人公は「ぺこ」。
タイトルにもついている「ぺこ」ですが、あだ名でもなんでもなく本名です。母親が好きなキャンディーのキャラクターの女の子からとったという、なんとも適当な名づけでつけられた名前。名づけ一つとってもわかるように、ネグレクト気味に育ったぺこは無条件に愛されるという経験が少ない。

そんなぺこは中学生の時にはゲイだと自覚し、そして彼の初恋は担任の「先生」。
優しく信頼できる大人で、ぺこはその想いを卒業するときに先生に告白するが振られてしまう。「男だから?」と問うぺこに、先生は「先生と生徒だから」と答える。

自分を否定されたわけではない。
そう思い続けてきたぺこだけれど、卒業してしばらくたったころ、先生が教え子の女生徒に手を出し妊娠させてしまったことを知る。

先生がぺこの想いに応えてくれなかったのは「先生と生徒」だからではなく「男だから」。
そう悟ったぺこは、自身のゲイであるという性癖に葛藤を抱き続け、そして人から愛された記憶のないぺこは自己否定感が強く人と恋愛関係を築くことができず一晩限りの相手を探す日々。

そんなある日、偶然入ったバーで一人の男に出会う。

大学で教鞭をとる「先生」だというその男。
「先生」に囚われたままのぺこは、「先生」であるという、ただそれだけで興味をもってしまうが、そんなぺこに「先生」はいつも優しい。少しずつその想いが恋愛感情に変わっていくが、ぺこがかつて遊んだ男に「ぺこはその日限りの相手を探す男」だと先生にばらされ、それをきっかけに、いつも温厚だった先生は豹変し、ぺこをレイプまがいに抱き―。

というお話。

ぺこが主人公で、ぺこ視点でストーリーが進むのでどうしてもぺこに感情移入しがち。
突然豹変しひどい抱き方でぺこをレイプする先生に戸惑うのですが、さすがakabekoさん、というべきか。ぺこの目を通して、先生の感情も怒涛の勢いで読者に流れ込んできます。

かつて中学の「先生」に対して抱いていた尊敬の念、恋慕の想い、切ない片想い。
それを、バーで出会った「先生」によって昇華させようとするぺこの不器用さと、ぺこの目を通して見えてくる先生の「過去」とがオーバーラップしていく。

「先生」でしかなかった攻めさんが、「光樹」という名前を持つ一人の男性としてぺこの中で変化していく。「先生」を卒業できたのは光樹さんのおかげだし、反対に人に陥れられた光樹がぺこの一途さと可愛さに癒されていく。まさに割れ鍋に綴じ蓋。

ともに切ない思いを抱えてきた二人が、お互い出会ったことで癒され、そしてそれが愛情に変わっていく過程に激萌えしました。

外道!ともいえる先生のぺこへの態度ですが、でも、それも彼の過去が見えてくるにつれてなんとも切なかった…。先生を陥れた人物に鉄槌が下ることはないのですが、でも、きちんと落としどころがあるので読後はすっきりします。この人物に対してだけではなく、ぺこの担任の先生や母親に対してakabekoさんがむける目が凄く優しい。

人間、間違いはおかす。
でも、間違えてもまた正しい道を歩きなおせばいい、と。akabeko先生の優しさっていうのかな。温かみのある考え方が素晴らしいと思いました。

今作品は登場人物はさほど多くありません。基本的に光樹×ぺこの2人に照準が当たった作品です。が、数少ない脇キャラもいい味出してました。

光樹の友人で、光樹とぺこが出会ったバーのマスターと、ぺこと遊んだことがあるゲイの若者。彼らがいなければ、このストーリーはまとまらなかったであろうキーパーソンです。この二人がいい雰囲気になってたので、ぜひともスピンオフを描いてほしいです。

Akabekoさんらしいドシリアスさはやや鳴りを潜めていますが、反対に「痛いのは苦手」という腐姐さまでも手に取りやすい作品でした。

痛さも、萌えも、愛情も、どれもが非常にいいバランスで描かれていました。

文句なく、神評価です。

あ、そうそう。
最終ページにある申し込みカードと、帯についている応募券だけでいただける描き下ろしコミックペーパーに応募できます。締め切りは2019年12月2日(消印有効)まで。

興味のある腐姐さま方、お忘れなきよう。

12

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