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初めて守博が弥助と関係を持った場面が、筆おろしをしてあげるお姉さん♂感があって素晴らしい。
弥助の外見は平凡な見た目であまり唆らないが、言動や仕草に加え京都弁なところで存分に色気を放っている。
落語シーンというか、専門的な場面が多くてちょいちょいすっ飛ばしてた。
守博に片思いされてた時は、冷たくしたり弥助からする以外は連絡するなと言っていたのに、いざ付き合って守博が人気になり会える日が減ると「ヒロ君のくせにムカつく」と言ったり、ファンの女に嫉妬したりとめちゃくちゃ可愛いです。
キャラ設定にはゲイってありますが、男だけではなくて女とも遊んでいて、ゲイ寄りのバイなのでゲイ受けではないです。
久我さんの落語家シリーズです。
今回も現代もの。
おまけに落語家同士ではなく落語家×幇間(太鼓持ち)なんです。
「シリーズも長くなると色々と出してくるなぁ……凄いなぁ」と思います。
今回は上方落語と江戸落語の違いについても何度も出て来るんですよ。上方落語はあまり馴染みがないものですから大変勉強になりました。初蝉(守博)は『江戸落語だったら大物になるパターン』の人なんですよねぇ。だから高座でウケないことを気に病むくだりが出てくる度に、私の頭の中には「?」が何度も浮かんでしまって。「上方で生まれ育った人じゃないと、この感覚は解らないかもしれない」と何度も思いましたよ。
で、LOVEの方なんですけれど。
弥助にはとても共感したんです。
クールにふるまっていながらも、実らぬ恋をいつまでも手放せないあたりなんかとても可愛い人だと思う。
初蝉の方が何故弥助に惚れたのかが良く解らなくて。
多分『一目ぼれ』っていうやつなんでしょうけれど。
初蝉が真面目一辺倒の誠実男なのもあって、そこの部分が不思議なまま最後まで行っちゃってしまい、ちょっとのり切れない感じがありました。
ただ、このシリーズはLOVE要素で「おおおおお」とならなくても面白く読めるものですから、また続けていただきたいと思っております。漫才シリーズもそうでしたけれど、芸人さんの世界は非常に興味深いのですもの。コンビを組む漫才よりも書きづらいかもしれませんが、是非!
すみません、蛇足です。
北沢きょうさんのイラストは美しいのですけれども。
ただですねぇ、濡れ場シーン背景に芍薬の花が乱れ飛んでおりまして。
ごめんなさい。吹いちゃったのね。
あくまでも趣味の問題ですが、これはちょっとあまりにも時代がかっているのではないでしょうか?
それとも、狙ってやったことでしょうか?
そこの部分がとても不可解でもやっとしております。
久我先生の芸人シリーズ、落語家さん編です。
今回は、地味でちょっと伸び悩んでいる若手落語家さんと、京都の花街の置屋に籍を置く関西でただ一人の幇間のお話。
色っぽい年上の受けと、ヘタレわんこな攻めが、体の関係先行であれこれするお話なのですが、、、。
時間軸では「酸いも甘いも恋のうち」の真遊と小藤がくっついたちょっと後、スマホも登場する、ほぼ現在、「酸いも~」の二人もちょっと登場しますが、そちらを読んでいなくても問題ありません。
当然今作の主人公も、その二人が付き合っていることなど全く知りません。
さて、今回のお話は、もともと主人公が地味で花もないし芸も今一つという所から始まるので、お話自体も地味でもっさりした雰囲気です。
この主人公が、元噺家の、関西最後の幇間という美しい年上の男を好きになって、徐々に成長していく、その過程を楽しむお話です。
そして、「におう桜のあだくらべ」の古い大阪弁とはまた違う、京都よりの関西弁が素敵です。
芸人シリーズの一つだけど、他が未読でも読める作品。
タイトルの「七日七夜」とは、祇園祭の無言詣の七日間のことだそう。花街の女性がこの期間、四条御旅所に欠かさず参拝するという風習で、お参りをしているその間、誰とも口を聞かなければ願いが叶うとか。
守博は年に一度しかないその無言詣で、叶うはずのない恋を叶えようとしていた弥助の邪魔をしてしまい、怒らせてしまう。
そこから弥助のセフレや片想いの相手のことを知り、一気に距離を詰めるのだけど、もともと他に好きな人がいても、体の欲求はそれはそれとして、他の男と処理していた弥助。
守博の自分に対する気持ちを知っただけで、自分は年下はタイプじゃないけど、とりあえずしてみよう、的なノリで跨がっちゃう。
初な年下ヘタレ攻めと、経験豊富な年上誘い(襲い)受けというのが、なんかありがちというか、よく見るパターンでいまひとつ萌え切れず…。
受けが、結構割りきった感じで遊んでた風だったので、ノンケの年上男性への片想いに苦しんでいた、という健気さや切なさみたいなのは、あまり伝わらなかったのが残念。まあ、相手が攻めの師匠なんで、あまりそこを強調されても萎えたかもしれないが。
この、さほど好みじゃないけどエッチしてみて、その後で愛が芽生える、というパターンって、体の相性がよかったから芽生えたのか?そうじゃなかったらこの二人はどうなってたのかな、とちょっとモヤッとしてしまうので、自分はあまり好きじゃないのかも。いや、大人なんだからそっちが大事ってのはわかるんだけども、なんか生々しいよな…。
後半の受け視点の話では、攻めにすっかり夢中になっている受けが見られてよかったし、落語に関する部分も面白く読めた。
ただ、個人的には久我先生のキャラは、包容力ある大人な年上攻めの方が好きだなー、とこれを読んで気づいてしまった。
年下ワンコ攻めが好きな方なら、満足できる一冊かと思われます。
久しぶりに久我先生の芸人シリーズ!めっちゃ良かった・・・京都花街を舞台に落語家と太鼓持ちのしっとり恋話で、「雑誌掲載分150pほど(攻め視点)+その1年後の受け視点のお話80pほど+あとがき」です。関西弁読むのが大丈夫な方でしたら是非!久我先生の芸人もので「頬にしたたる・・」が神なので、それと比較すると萌2になりました。
落語家として独り立ちして3年目の守博(もりひろ)。地味な語りで今一つパッとせず、上品な華のある師匠の名をけがしているんちゃうかと、めっちゃ後ろ向き。ある日師匠に連れられていった京都のお茶屋で太鼓持ちの弥助(やすけ)に出会います。印象に残っていたら後日師匠の楽屋でまた出会って、思い切って「お茶でも」と声をかけ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
涼風(攻めの師匠)、受けのボーイフレンド、置屋の女将等。
栗梅亭真遊、真寿一や、涼水(兄弟子)、山川小藤や瀬島芸能(名前だけ)等、落語仲間に加えて過去作登場人物・関係先がちょこちょこ登場して嬉しいです。
**じんわり良かったところ
攻めは実直まっすぐ不器用かつ、いつでも自信なさげなワンコでめっちゃ可愛い・・・ぺしょんとなった耳やしっぽがありありと目に浮かぶしょげ方をしてくれるので、いじめっ子気質も上がろうってもんです!
そんな攻めなので、年上余裕こいてる受けは時折攻めをいじめていて、それもまた面白い!もともと受けは別の年上男性に一途に惚れている(しかも叶う訳のない恋に耐えている)ので、チャラいという印象は全くないのが良い!
京都ならではのエピソードを絡めてはいますが、めっちゃ全面に出てくる華々しい事件などはなく、じわーーーーーーーっと染みてくる二人の恋心がむちゃくちゃ良かったです。また攻めの噺の成長する様子もとても良いです。久我先生のテイスト全開。関西弁読むのが苦手な方でしたら、朗読してあげたいぐらい好き(笑)。ほわっと気分上がる好きなお話でした!