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久しぶりに(今年5月の新刊以来)小中先生の御本が読みたいなあ…と思い、
こちら手に取りました。
今ならKindle unlimitedで読めます☺︎
電子で271ページとそこそこのボリュームある物語ですが、
一気読みでした。
もーーーーー...途中、二人の前世の繋がり、その切なさに泣けてしまって( ; ; )
3匹のちっちゃなモフモフ子狸・小狐・小ヤマネくんたちの存在が、
可愛さスパイスで切なさをいい具合に和らげてくれていました(*´˘`*)
モフモフは正義...!✧
夏河シオリ先生の美麗表紙も素敵なんですが、
口絵の幸せそうな二人+モフモフっ子3人(匹?)たちの絵も
最高に萌えます。
イラストが萌えを爆上げしてくれている一冊でした。
田舎の過疎村に引っ越してきた小説家、
27歳の梗介(きょうすけ・受け)。
それからなぜか不思議な夢を見るようになり、
その夢で着物姿の子どもにん繰り返し、
「山に入ってはならん!」と忠告されるように。
不思議と懐かしさ、切なさを感じ、忠告に反する形で
”呪われた山”と言われる山へと入った梗介。
そこで出会ったのは、3匹の可愛いモフモフたちと
”山神”である十六夜(いざよい・攻め)でー
と始まる、輪廻転生×モフモフ要素のあるファンタジーです。
もーーー...
他の方のレビューにもある通り、全てを知った後
振り返ってみると、どうしようもなく切なく、
たまらない気持ちになるシーンが多々あって。
例えば二人の山での出会いの時、
梗介の名を知った十六夜が「…よい名だ」と呟いたシーン。
どんな気持ちでそう呟いたのか、十六夜がどれほど安心したのか...と
想像しただけで、切なさに胸がきゅーっとします。
物語をより深く面白いものにしているのは、
梗介の転生が一度ではない、ということ。
また十六夜が山に閉じ込められ、
出ることが出来なくなっているその理由と経緯にも
「そうだったの...!」という驚きがあり、胸が締め付けられました。
書き下ろしなのかな、最後の「夢のおわり」の中のエピソードで
前世の梗介が自分の草鞋も直さず、裸足のまま
必死に大好きな十六夜のために編んだ草鞋を持ってきた場面。
その足を痛々しそうに見つめながら、「ありがとう」と
草履を受け取った十六夜の気持ちは、どんなものだったのか。
攻め視点の語りはありませんが、想像するだに悲しく切なくて、
ほろっと涙がこぼれました。
前々世でも、前世でも辛い別れを遂げた二人。
そんな二人の歴史があるからこそ、
転生後の現世での幸せを願わずにはいられない...!
十六夜様時代のケモ耳尻尾・そして黒髪長髪が
消えてしまったのはちょっと残念でしたが;
やっとやっと、同じ世界線で生き、共に時間を過ごすことが叶った
二人に、盛大な拍手を送りたくなりました。
個人的に萌え萌えだったのが、
梗介が十六夜たちに初めてクッキーを焼いて持って行くシーン。
星形、ツリー形…などいろんな形がある中で、
十六夜は(その意味を知った上で)ハート型を取って食べようとするんですね。
その時の3匹のモフモフたちの揶揄いが可愛くて!(*´艸`)
顔を真っ赤にしてプリプリする十六夜の姿、
想像してふふふっと笑ってしまった〜✨
シリアス&切なさ感じる二人の過去ですが、
その分、現世の二人の幸せそうな姿に”ドカン!”とした幸せ(?)を
感じる一冊。
大好きな小中先生の作品の中で、また一つ
お気に入りが増えました☺︎
モフモフ×輪廻転生の切なく甘いファンタジー、
270ページを駆け抜けた素敵な読書時間でした✨
前前世からのつながりを現世で辿るお話ですね。
もし梗介が村に引っ越して来なかったらと思うと、やはりなるようになるんだな、本当に良かったとしみじみします。
梗介の元へ子供の姿で絶対に山に入ってはならん!と何度も伝えに来る十六夜。
ずっと山に封印されていて。
今の生を生きてほしいとの十六夜の願いに泣けてきますね。
前前世では若殿と従者で来世では共にと誓って死に別れ、前世では土地神と村の子供として出会いお互いを守るために、十六夜は山に封印され捨は殺されて。
梗介が誰と付き合っても違う、本当に好きな人とまだ出会ってないんだというところや、十六夜や村や山を懐かしくて悲しく思ったり、また不思議な夢を見るようになったり。
梗介が十六夜と空、茜、若葉と再会し楽しく食事を囲み。少なくともちびっ子たちは山では幸せな記憶しかなくて。
封印の解き方を調べ命懸けで梗介は十六夜を解放しようとして…。
いざ無事に転生してみたらみんな同じ村の子供でびっくり!
でもせっかく再会できたのに佳月と梗介はお互い遠慮や引け目やらでギクシャクして。
あの頃のメンバーで森に行きあの頃の思い出を共有して、やっとみんな区切りがついて。
たまに悲しそうな顔をしてた十六夜。梗介はもう彼に求められなくても愛されてなくても、このまま友達でもいいからずっとそばにいるつもりで…。切ない!
からの、やっと二人で本音を打ち明け合い。
やっと同じ時代に生まれて、何も障害もなく、自由に愛し合えて。良かったねえ!
半分以上梗介が前前世や前世を辿ったり封印を解くために奔走したりで、蜜月はちょっぴりですが一気読みでした。二人とも、いや五人とも本当に良かったね!
雑誌掲載作の「月の光の降る森に」と書き下ろしの「輪廻のあとの恋物語」の二つで構成されています。
「月の光の降る森に」は、子ども達が可愛いしなんなら十六夜のデレも可愛いんです。そしてやっと好きになれる人と出会った梗介が、一生懸命に料理を作って運ぶ姿にホッコリします。
なので途中から十六夜の秘密を知って助けようとする所からシリアスになり、やっと封印が解けるかもと駆け付けた時に拙源和尚が現れてからの展開にゾッとするんです。
そしてそこからの展開を読んだ時に既視感を感じたのです。
そう…既に読んでいた作品でした…。小中大豆先生の作品が本棚にあって読んでいない訳ないんです。だからちるちるさんで評価ボタン押すかレビューしてたのに!
そんなに昔の作品でもないのに抜けてました。
こちらハッピーエンドで綺麗にまとまっていますが、ハッピーエンドのその先のお話「輪廻のあとの恋物語」があるのが秀逸なんです。
封印が解けて輪廻の輪に戻って生まれ変わった十六夜と子ども達が抱える心の問題とか、恋人同士になってからも何故にセックスまで二人がたどりつけないかが丁寧に書いてありました。
お互いに思い合っていても相手がいる事で不安になる様子に、ああ十六夜は人間になったんだなぁとしみじみするお話になっていました。
小中大豆先生の作品にはハズレがないです。これってとても凄い事です。
タイトル通り輪廻転生の果ての恋物語です。
父方の故郷に移住した作家の梗介が出会った妖たちとのふれあいや
田舎生活がほのぼのと描かれています。
前世で出会った恋人同士におきた悲劇による別れと再会し恋の成就のためにじれじれする展開は好きです。
そのうえ力をなくして消えてしまいそうな神様と青年という関係でなかなか近づきません。
神様の十六夜は、梗介に前世を思い出すことなく人として幸せに生きてほしいと見守る姿がとても切なかったです。
ケモミミの神様とチビッ子たちはとーっても可愛いくて、転生した今生での幸せを祈りたくなります。
表題作は私が思ったよりもさらっと読み終えてしまいまして。
お話が短い(全体の半分くらい)所為なのかも知れません。
また、小中さんの本ということで期待が大きかったのもあるかも。
面白いと思ったのは同時収録の『輪廻の後の物語』なんです。
『輪廻の恋』というタイトルですが『2人が生まれ変わって何度も巡り合う』のではないのですよ。
梗介の魂は2度生まれ変わっていますが、十六夜は一度だけ。
で、十六夜の生まれ変わりは梗介が27歳の時に起きているのですけれども、0歳児に生まれ変わるのではなく、過去が変わっているのです。
十六夜は十六夜としての記憶と村の住職の息子、佳月としての記憶も併せ持っている、つまり同じ時間に2つの人生を生きていた形になっているんです。
これが大層、目新しかった。
この同時収録作品は、小中さんお得意の『疑似家族もの』。
十六夜だけではなく、ふたつの人生の記憶を持つ空・茜・若葉という3人の子どもたちの戸惑いと、もう既に現実のものではなくなってしまった『十六夜と暮らした過去の記憶』への愛着がとても切なかった。
恋愛の萌えよりも、そちらに涙腺を刺激されました。
