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表題作ひと目会ったら恋に花

中馬一成、元ホストのラーメン屋、25
幸村匡樹、一流商社を左遷されたリーマン、31

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

一流商社に勤める幸村匡樹は、取引先とトラブルを起こして左遷されてしまう。
その上、火事で住む場所を失い、「桂花荘」という古ぼけた下宿屋へ引っ越すハメに。
住人はエロ漫画家に変人の大学助教授、アイドル顔の鳶職人と超個性派しかも超美形ばかり。
ご近所からは“イケメン荘”と呼ばれるほどだ。
中でも元ホストのラーメン屋、中馬一成は、歓迎会で酔った幸村に濃厚なキスをしてきて…。

作品情報

作品名
ひと目会ったら恋に花
著者
英田サキ 
イラスト
笹生コーイチ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
発売日
ISBN
9784592874546
3.2

(20)

(0)

萌々

(6)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
62
評価数
20
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数8

titleから予想つかない内容

こういう展開の小説だと、タイトルから予想が尽きませんでした。読んで、意外な展開に吃驚。

---紹介文は、これ。
一流商社に勤める幸村匡樹は、取引先とトラブルを起こして左遷される。
その上、火事で住む場所を失い、「桂花荘」という古ぼけた下宿屋へ引っ越すことに。そこは、ご近所からは“イケメン荘”と呼ばれるアパート。
住民の元ホストのラーメン屋、中馬一成は、歓迎会で酔った幸村に濃厚なキスをしてきて…。
---
幸村は、二歳の娘を目の前で交通事故で失った商社マン。地味目のイケメン。
中馬は、死にたがりのキャバ嬢の自殺を止められなかった元ホスト、美男子。

幸村はゲイ、一晩一緒に寝ただけの元妻の嘘を承知で出来婚をしたお人よし。
他人の子と承知で育てた娘を事故で失う。

下宿屋で出会って交際をいきなり申しんできた内馬は、実は、元妻がいれあげていたイケメン・ホスト。元妻が騙して幸村と結婚したことや、別れて慰謝料をふんだくられる経緯、娘の葬式にも出ていた。幸村は気づいて居ないが、内馬は幸村をよく知っている人。

幸村と内馬に共通するのは、「もしも・・していたら」と過去に悔やんで前に進めないこと。二人が交際を始める事から、人生のUターンが訪れる。
明るい方へ進む終わり方で、読後スッキリ。

良かった。
萌2.


1

下宿屋舞台のわいわい物語

英田さんだと思わなければ、割と典型的な下宿屋を舞台としたラブストーリーでした。

ラーメンやの一成と、セクハラされたのにとばされてしまったリーマンの幸村。昔ながらのまかないつき、風呂・談話室共同な下宿屋で出会います。
住人たちはイケメンの変人ばかりで、この辺が面白いですね。優しいけど厳しい大家さん(ママ的存在)、おサレ変人助教授、元気印の鳶職人、エロ漫画家といい感じのバラエティですが、全員がイケメンというところがポイントですね。

恋愛の方は、最初の方から好き好き言われるので安心のお話運びで、仕事の疲れをラーメンで癒やしてもらううちに、って感じでしょうか。

色々ないきさつで一成と助教授が関係があったことがわかりますが、これもちょっとしたスパイスでおいしいところかな?

助教授が鳶職人をかわいがっていて、ひょっとしたらこちらのスピンオフの下地をちゃんと用意してらっしゃったのでは、という感じもします。
が、今のところは単発の作品のようですね。

1

たくさんの魅力的キャラ

丸ごと一冊がひとつのストーリー。

もう10年いじょうも前の作品。
なんとなく今の作者さんのストーリー運びとちょっぴり違う感じがして
新鮮な気分で読みましたw

攻めの一成くんは年下なんだけれど、
色々と深い人生(?)歩んでるからとってもシッカリしている。
受けの幸村さんも、いろいろ深い人生を歩んでいるのですが
一成くんに比べると・・・ちょっとフワフワした感が。
あくまでも私の印象ですがw
年下一成くんに振り回されてドキドキしている幸村さんがかわいかったです。

他に出ているキャラも、とっても魅力的でした!!

2

またふと読みたくなる1冊だと思いました

途中からちょっと急いだ感じがしましたが、
やっぱり英田サキさんのこういうホームドラマみたいなお話は面白いです。
一気に読みました。

会社で左遷されるわ、住んでた部屋は火事で住めなくなるわで、急場のしのぎで「桂花荘」に住む事となった幸村。
少しずつ大きな仕事も任されるようになりと着実にキャリアを上げていたのに、左遷先はレストランの店長で、現場で一からやり直し。
この幸村、読んでるうちに色々解ってくるんですが、あんまりそれを想像させない、ただちょっと暗めな、でもコツコツ頑張ってきた人なんだなーという感じなので、私はそれが好きでした。まぁ、やっぱりお約束でイケメンみたいではあるのですが。
イケメンでもいいんですけど、私的にはイケメンじゃなくても別にいいんじゃないかなーと…というかむしろイケメンじゃなくていいと思うので…まぁいいんですけど。

桂花荘に住む面々はイケメンばかり。ちょっと変わった人達だけど、人の痛みが解る人達なので、他人ではあるけれど、付き合いはまだ短いけれど、家族のような暖かさがある下宿。こういうのって今の時代では奇跡に近いんだろうなー。でもだからこその憧れもあって、その憧れがいい感じに出ています。

そして幸村とくっつく一成。
こりゃまたイケメン。寡黙でちょっと影ありではありますが、包容力があって暖かくてと、まさに自分だけを見つめてくれる理想のタイプ。読んでるこっちも惚れちゃいます。

このお話が落ち着く所が、過去に色々あったにせよ、それを後ろ向きに生きていく理由にするのではなく、ちゃんと過去を見つめて、そしてあなたは幸せになっていいんだよという所でなので、私は素敵な話だなと思いました。
そういう所に落ち着く話って勿論他にもあるし、別に新鮮でもないんですけど、でもなんかずーっと幸村を書いてるので、あまりその事を感じさせず、最後にそこをスッと書いてる感じがして、私は単純にそれが「いいな」と思いました。なんか押し付けがましくなくて、主張がない感じがして。

ただそこに持っていくまでが…
箇所箇所ちょっと無理矢理感な話展開を感じて、そこが残念でした。
奥さんが乗り込んでくる所はちょっと急ぎ過ぎ、関係性もちょっと。
私としてはもう少し丁寧に読みたかったです。
でも逆に色々書いてたらオチ?が押し付けがましくなるのかなー、これ位の軽さだからいいのかなーとも思いもしますが…。

まぁ、難しい事は抜きにして(これだけ書いておいてですが)、
やっぱり英田サキさんのは読みやすくて楽しかったです!
登場人物達も皆好きでした。
ちょっとBL読みたいなーって時にお風呂にでも入りながら読みたくなる1冊だと思いました。

2

主人公の過去が辛い

下宿が舞台の作品が好きで手に取りました。下宿ものの例に漏れず、にぎやかでおかしな下宿人たちと、一人それになじめない繊細な主人公、という構図はとても楽しかったです。

そこで知り合った中馬は主人公幸村より5歳年下。けれどいきなり好きだから付き合ってと告白してきます。
かなりいきなりな展開なので、一体どこを好きになったのかと驚きますが、その唐突さを除けば他は丁寧な展開でした。
なかなか男前な中馬は、過去のトラウマから恋愛に臆病になっている幸村を丁寧に手ほどきしていく、その様子がとてもよかったです。

幸村はかなり重い過去を負っていて、下宿に入ることになったいきさつもかなりヘビー。読んでいると気の毒で何だか辛い…。けれど、結果的には幸せになりたい、幸せになろうというテーマが作品そのものの根底にあってよかった。
けど下宿ものかと思っていたら仕事場のお話も多くて、ガッツリ下宿がメインではないなあと思ったのがちょっと残念でした。
下宿人の人々がかなり個性的なのに、その個性に見合ったほどの出番がないんです。序盤に一人一人の丁寧な紹介があるのに、何だかもったいない。

恋愛ものとしても前半はほとんど幸村の過去や職場のお話だったので、いつ恋愛メインになるんだろうとちょっと待たなければいけない感じでした。
下宿のお話・個性的な住人・中馬との恋・過去の結婚話での傷・職場でのトラブル・・・ちょっとこの一冊に詰め込み過ぎな気もしたのが惜しいです。
でも中馬の職業がラーメン屋ということもあり、下宿といい、庶民的なあれこれがぎゅっと詰まった作品で雰囲気はとてもよかったです。

3

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