Renta!限定版
「がっつきすぎだって」「……それはあんたもだろ…」
シリーズ3作目です。ACO=篤のカミングアウト。
神作認定した1巻や2巻に比べると、そこまでものすごく感動したシーンはなかったものの、やはりタイトルが示すとおり、カミングアウトの難しさやそれに悩む2人の姿がしっかりと描かれていて、素晴らしかったです。
海外、しかも作中のような、欧米でも特にLGBTに関しては寛容的なスウェーデンでも、同性愛者への風当たりは他の厳しい国々(特に同性愛宣伝禁止法のあるロシアなど)よりも "比較的" マシなだけで、そこに住んでいるからと言って自然と寛容になるわけじゃないです。
やっぱりたとえ現地で生まれ育った人でもLGBTに寛容かどうかは "人による" し、海外移住者、特にご年配の方々の中には(語学の壁のせいもあるでしょう)、日本を出国した時の価値観・倫理観でガッチガチに凍結保存されて、そのまま新しい情報や価値観を全く取り入れずに過ごされてる方もよく見かけます。
(なので日本系企業で日本国内よりさらに悪質な、まるで昭和のようなセクハラやパワハラが横行してたりします。もちろんちゃんとしてるとこもいっぱいありますよ。)
以上の観点から、私には篤ママの反応はごく普通の海外在住者のように見えましたので、すごくリアルでした。
こういったリアルな描写が作品としての深みを持たせてくれてる気がします。
逆に真生のしようとしてたこと=勝手に友人の性的指向(注:性的 "嗜好" ではありません)を第三者にバラす行為、それはアウティングという、通常は やってはいけないことです。
本人がオープンにしていきたいという意向があっても、です。
(「アウティング 企業 過去事例」でググってみてください。条例で禁止されているため、企業側が謝罪して解決金を支払いました)
でもあの真生の気持ちが読者としてはなんか嬉しかったし、さらに彼への好感度が上がりました。
そして、全体的にやっぱりオモロイ!w
(特に布団デコに対して吐き捨てるように放った恒介の一言が好き)
これだから著作を読むのホントやめられないです。
てか キレ顔遺伝子つよっつよで草。
最新刊が出たので、こちらも読み直し&ついでにレビュー。
付き合って3ヶ月目、今回は、篤のお母さんが登場。
「ACO」は「アツシ、カミング、アウト」の略らしい。
「彼女」の気配を察して、彼女に会いたいと言いだす篤のお母さん。
ゲイであることを隠している篤は、どうしても恒介のことを言い出せず……。
恒介が篤とは「友達」と自己紹介をする姿を見て、「友達」という言葉に盛大な違和感&動揺してしまう篤。
そしてコンビニバイトのみちこを「彼女」に仕立てて、お母さんと「友達」の恒介もなぜか一緒に、四人でデートすることになるんだけど……
嘘をついている後ろめたさが丁寧に描かれてていいなって思う。
そして本当のことを言えない自分に自己嫌悪する篤に対する恒介も、すごくいい。
いいカップルになったなーって思います。
ついにお母さんに打ち明けることにした二人の様子は、まさにこれぞ!な彼ららしいケンカップルぶりなんだけど、単なる喧嘩ではなく、お互いが相手のことを大切にしているからの言い合いで凄く好き。
「KGS 」は直ぐに分かったんですが「ACO」って何の略と思ってたんですが、「篤カミングアウト」だったんですね。
今回も最高に面白かったんですが、ちょっとだけモヤりました。恒介の場合は父親に決定的な場面を見られてゲイバレしてた訳です。
でもですね、篤の場合は母親は海外暮らしなんですよ。きっと日本に居るよりは周りにゲイカップルは普通にいる筈です。
一人親に余計な心配をさせたくない気持ちは理解出来ますが、あの選択はいただけないと思いました。今回ばかりはみちこは余計な事をしてしまったと思いました。後に話を聞いた真生が1番正しいと感じました。
結局は篤の母親は何となく気が付いてて、篤から言ってくれる事を待っててくれてた訳ですが、篤の考えを尊重しながらグッと我慢してた恒介がとても良い男だと思いました。
ACOは「篤カミングアウト」の略だったんですね。なんだか毎回してやられた感がするのはなぜたろうw
前2作は、ドタエロバタエロだったのが、晴れて恋人同士になり、なんだかしっとりじっくり。
篤の母親にカミングアウトする必要はないとごまかそうとがんばってみたり。
結局、カミングアウトすることになり、その時、恒介が篤へのやさしさで暴走すると、またケンカになっちゃうのが笑いましたが。
この2人はこうでなくっちゃ…と改めて思いました。
2人の家族、過去のエピソードが暗いものではないのが本シリーズらしくて好きです。
雨降って地固まるで(これもBLあるあるですね)その後のほっとした2人がお互いを思いやって、すごく好きだと実感するシーンは萌え〜でした。
そしてこの2人ですから、その後もちろんエロが盛り上がるわけで、ごちそうさまでございました。
しかし、出会いが出会いだったけど、ケンカしながらもらぶらぶになってきて、この先の2人をもっと見てみたくなりました。
大好きなシリーズの3冊目!
ケンカップルの比嘉恒介と建村篤が、付き合いだして3ヶ月のお話。
恒介の両親にも認められ、実家に遊びがてら手伝いにとの声がかかり2人は恒介の実家へ。
喧嘩しつつもラブラブな2人を堪能できます!
篤はまるで若旦那の様にテキパキと仕事をこなし、あれ?このまま二人共この旅館を継いじゃうんじゃない?!と思っちゃうくらい、みんなから認められる2人です。
そんな中、海外で働く篤の母親が帰国するとの知らせが来て、カミングアウトしてない篤は恒介を恋人として紹介せず。。。
同性カップルが付き合っていく上で、親へのカミングアウトは難しい事。
この作品ならではの乗り越え方で、良かったね〜と思える締めくくりでした。
色々あるし、喧嘩も多いけど、自分にない所を互いに補い合って付き合う2人が、本当に好きです。
絵柄的に、受の篤が可愛いわけではないし、恒介だってスパダリではないけれど、2人を見守りたくなるんです。
だから、大好きなシリーズです!!