電子限定描き下ろし漫画付き
『スクリーン』のスピンオフ作品です。
主人公たちより存在感があり、誰よりも漢をみせた実力派俳優・歩のストーリーです。
元作は既読の方がいいと思います。
『スクリーン』で、基とカズを守った歩。
全てのキャリアを捨て、ペットのアーニーと郊外で引きこもり生活を送っています。
マネージャーの鴨志田とは相変わらず続いているものの、
鴨志田に歩の気持ちは読めないまま。
Hの後はダッシュでシャワーに行かれ、アーニー以下の評価、下の名前すら覚えられていないーー
鴨志田よ……不憫すぎるわ^^;
〝不憫萌え〟好きの村上先生の期待を一手に担った鴨志田が、魔性の歩に振り回されます(笑)
本作は、鴨志田視点で展開していきます。
鴨志田が刺されるという衝撃的な幕開け!
鴨志田の命は?歩の本心は?
恋人同士なのに、片想いのような鴨志田。
歩の気持ちに自信がなくて、自己評価が低いです。
歩をこのまま終わらせたくない鴨志田は、誰よりも歩のことが好きだし、俳優としての歩を信じています。
そんな時、恩人・一ノ瀬が現れ、歩と基の2人舞台を演出します。
あっという間に表舞台に戻っていく歩。
どんなに頑張っても歩を復帰させる事が出来なかった鴨志田は、
喜びと同時にショックも受けるんですよね。
そして、熱烈なファンから別れるよう脅され、歩に対しての自分の存在価値に疑問を持っていきます。
歩が好き過ぎる鴨志田が切ないよ……
でも、ちゃんと歩の愛情は言動の端々から感じることができるんです。
意外と照れ屋な歩には、歩なりの愛情表現があるのよ!
それなのに鴨志田は歩のそばを離れる決心をした挙句、熱烈ファンに刺されてーーと、展開していきます。
危機に陥って、やっと気付いた想い。
恋人だからこ、そばにいられる、そばにいたい、そう言っていいんだよ!
実際、歩の中にはいつも鴨志田がいます。
分かりにくいけど、これが歩なんだよ!
恋人同士が片想いと違うのは、何でも1人でしなくていいところだと思います。
恋人同士なんだから、信じてそばにいて、そして少しわがまま言ってもいいんだと思うんです。
身を引くよりも強くいる事を選んだ鴨志田と、ツンデレの歩。
鴨志田はこれからも小悪魔な歩に振り回されるし、また同じ悩みを繰り返しそう。
でも、その度に戦ってほしい。
それで、ふたりで乗り越えてほしい。
コミカルHなのにとっても素敵で、心にグッと迫る作品でした。
やっぱり村上先生大好きだわ♡
それにしても、歩のデッドエンドにならなくて良かったよ。
編集さん、ありがとう〜
レンタの修正はグシャ塗りです。
作家買い。
村上作品の『スクリーン』のスピンオフ。前作未読でも理解できないことはないと思いますが、今作品の主要CPの状況を理解するためには前作を読まれていた方が良いかと思います。
今作品は『スクリーン』の受け・基の俳優仲間のあゆむのお話。
が、視点はあゆむではなく、あゆむの恋人、というかセフレ?あるいはマネージャー?の鴨志田さん視点で描かれています。
『スクリーン』で、基と野々宮くんを守るために自身のスキャンダル(=男の恋人がいること)を世間に流出させたあゆむ。それが原因となり、売れっ子俳優だったあゆむは現在仕事から干されている。
が、あゆむ自身は飄々としたもの。
意に介している様子はない。
彼の生活は、アーニー(彼が飼っているナポレオンフィッシュ)を中心に動いていて、アーニーがいてくれればそれで良い。
ように、見える。
そんなあゆむを、鴨志田さん視点で描いています。
これね。
あゆむ視点ではなく、鴨志田さん視点で描いた、というのが実に素晴らしい。
『スクリーン』では、あゆむの添え物的に描かれていた鴨志田さんですが、彼のあゆむに対する深い愛情ががっつり描かれていてめっちゃ萌えました。
仕事に干されている状況のあゆむを、マネージャーとして正面から、そして精神的な面を恋人として陰から日向から支えている。ひとえにあゆむを愛しているから。けれど、歩にとっての自分はー?
報われなくても良い、あゆむに愛してもらえなくても良い。
あゆむが、再び俳優として脚光を浴びることができるのなら。
鴨志田さんは、あゆむによって彼自身も「男の恋人がいる」=ゲイだ、というレッテルを張られてしまっています。そのことによって周囲から見られる目も変わった。けれど、鴨志田さんにとってそんなことは些末なことでしかない。
そんなわんこな鴨志田さんですが、あゆむはというと常にクール。
自分が歩の踏み台になるのは構わない。
けれど、自分の存在があゆむの枷になってしまうのなら―?
村上さんと言えばキレのあるギャグ、テンポよく進むコミカルな作品、を描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いですが、今作品はコミカルさは健在なまま、鴨志田さんの深い愛情もきちんと描き切っています。
そんな鴨志田さんの愛情は、あゆむに伝わるのか。
そこを軸に進んでいきますが。
うーん。
村上作品はおそらく全部読んでいると思いますが、今作品が一番好きかも。
コミカルと、愛情と。
そのバランスが絶妙です。
あゆむに振り回されつつ、けれど一途に想い続ける鴨志田さん。
飄々とした風を装いながらも、鴨志田さん一筋なあゆむ。
良い!
めっちゃ良い!
序盤は鴨志田さんの不憫さに萌え、けれど読み終わった後はあゆむの小悪魔的な可愛さにKOされている。非常に味わい深い作品でした。
作中、『スクリーン』の野々宮くん×基も登場しますが、まだまだ彼らのお話が読みたい。そんな風に思わせてくれる、非常に魅力的なストーリーであり、キャラでした。
「スクリーン」で主人公カップルをかばって、男性マネージャーとデキていると自らマスコミにスキャンダルを売った俳優、歩のお話。
「スクリーン」は受けと攻めがすでに付き合ってるところからから始まるお話で、両想いカップルのイチャイチャに目がない私は激しく萌えたんだけど、この作品も最初は二人の間に温度差があるものの、最後は容赦のない甘あま&イチャイチャを堪能できて、すっごく良かったです。
そもそも歩と、マネージャーの鴨志田とのなれそめは、歩が仕事で男を誘惑する役をすることになって、その役作りに協力するために肉体関係を持ったのがきっかけ。
思いっきりカラダから入った関係だから、エッチが終わればとっととシャワーを浴びに行ってしまう歩を見ると、鴨志田は本当に自分のことが好きなのかな?と心配になってしまう…。
この冒頭の鴨志田を見て、不憫ながらもちょっとほっとした。だって「スクリーン」では鴨志田は勢いと流れで歩を抱いたようにも見え、読者としては本当に歩を好きなのかな?と思わなくもなかったから。
でも、鴨志田はすっかり歩にメロメロで、スキャンダルのせいで仕事が減った歩の才能を、なんとかもう一度世間に認めさせたい一心で支え続けている。
どうしたら歩にとって一番いいのか悩み過ぎて、マネージャーを辞めることまで考えちゃったのは行き過ぎだけども、なんかこの真面目な攻めならわかる気がする。
そんな真面目で誠実な鴨志田を歩も必要としていて、段々と態度も甘くなっていき…後半にいくにつれてデレが炸裂! 最後の方はもう、歩の小悪魔な可愛らしさに、ニヤニヤしっぱなし…。
「スクリーン」の基&カズの相変わらずのラブラブぶりも拝め、非常に満足度の高い一冊でした。
電子版のおまけは鴨志田による裸エプロンの妄想。最後のページまで愛に溢れてます。
今まで書かれた方のレビューを読んで「ああ、みなさん『スクリーン』が大好きなのだなぁ……」と思いました。私も好きです。
その『スクリーン』で鮮やかな印象を残した及川歩くんが主人公のスピンオフ!
そりゃあ大好きなお話になりますよね。私もなりました。
村上キャンプさんのお話を読む度に、私はひれ伏しつつ言いたくなるのですよ。
「はい。仰る通り、人とはわからないものでございます~ぅ」
恋する相手って、勝手に解釈しちゃいがちなのかもしれない。
わかった気になりやすいものなのかもしれない。
好きになっちゃうからこそ、バイアスがかかっちゃうんだよね。
で「あれ?ちょっと思ってたのと違うくない?」って思ってから、相手の考えていることも、どんな人なのかも、実はわかってないってことに気づいたりする。
この『わからない』ことから生まれる苦しさ、切なさ、怖さ、驚き、そして喜びや満足感とか多幸感 etc.そういうのがお話の中にぎっしり詰まっているんですよ。
だから、読んだ感想が一言では言い表せないの。
ホント様々な感情が刺激されました。
「すごいなー」って思うのは、それが言葉で書かれている訳じゃないことなのね。
この『エロ可愛くて、面白おかしくて、キュンキュンしちゃうお話を読んでいく中で、そんな多彩で複雑な感情が私の中に勝手に巻き起こって来ちゃう』のね。
「これぞ物語を読む喜び!」なんだと思ったんですよ。
またしても思いました。
村上キャンプさんってすげぇなぁ。
作家買いです。村上先生の作品は読む前からもう想像を掻き立てられるというか、期待値が上がって仕方ないという状態で読んでしまうんですが、あゆむくん、はぁ、面白かったです…
正直なところ前作のスクリーンは自分としてはそこまでハマらなかったんです。なので今回そのスピンオフということで、あーあの子の話なのか程度にしか思わず、配信された直後には読まなかったんですが、そこはやっぱり村上先生でした!さすがです!
魔性でマイペースな受けに振り回される不憫攻めのお話なんですが、話の導入から鴨志田さん刺されてるんです。どんだけ不憫なんだって期待するじゃないですか。そしたらそれはもう不憫なんです(笑)歩があまりにも鴨志田さんにそっけなくて(笑)
話はすべて鴨志田さん目線で進んでいくので、読者も鴨志田さんと同様に歩が何をどう考えているのか歩の表情や行動などから読み取るしかできません。ペットのアーニーや恩師の一ノ瀬さんにはあんなにわかりやすくキラキラしてるのに…
でも1話目で歩たちが前作カプの基たちと飲むところで歩が「鴨志田さんの文句聞いてもらおうと思ったのに」って冗談を言うんですが、そのセリフを見て、あー、歩の中にもちゃんと鴨志田さんがいてちゃんと考えてるんだなって感じさせられます。というのも歩ってすごくわかりにくいんです。愛情表現とかってほんと人それぞれで、正解もないからこそ確認したり人と比べたくなったりもするけど、でも端々にちゃんと出してるんですよね。たま〜に歩の思考も入るんですが、歩には鴨志田さんをそんなに振り回している自覚がないんです。自覚がないから鴨志田さんのリアクションに対して沈黙したり、また照れて生返事したりしてなんか噛み合ってない(笑)だってわかりにくいもん、そりゃ伝わらないよ。1周目はこちらも鴨志田さんと同じ気持ちで読んでるから、見返してようやくわかったよ。でもわかって読んでみると歩ってやっぱ魔性なんですよね。
個人的にすごく好きな受けです。もっと二人の話が読みたい…なのでとりあえずデッドエンドにならなくてよかったです。