• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作つがいは目隠し竜に堕ちる

ラヴィアダリス,光希をつがいと呼ぶ竜人の大魔術師
一之瀬光希,周りを不幸にすると言われる高校2年生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

不幸続きの人生のため〈疫病神〉と呼ばれ忌み嫌われていた高校生の光希は、ある朝電車に撥ねられ、気づくと緋と藍の瞳の美しい男に犯されていた。光希を「我がつがい」と愛しげに呼ぶ男はラゴルト王国の大魔術師にして竜人のラヴィアダリス。彼のつがいでありながら違う世界に生まれたことが光希の不幸の原因だった。竜人はつがいなしでは生きられない。冷たくしても罵ってもラヴィアダリスは嬉しげに纏わりついてきて、あまつさえ光希が恐れた双眸を抉り差し出すが――。

作品情報

作品名
つがいは目隠し竜に堕ちる
著者
宮緒葵 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784778129354
3.5

(47)

(13)

萌々

(15)

(9)

中立

(5)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
8
得点
157
評価数
47
平均
3.5 / 5
神率
27.7%

レビュー投稿数8

執着は序盤で通り越した


同著者の「泥舟」が好きな方はめちゃくちゃ好きだと思います。
もう執着通り越してヤンデレ。

現世から竜人の住む異世界へ召喚された受け。
「つがい」とありますが、バース性はありません。
なので発情期もありません。
”対になるもの”、”唯一の存在”という解釈で大丈夫です。
オメガバースに飽きた私には、ちょうど良かったです。

最初から受けがめっっちゃ攻めのこと嫌いで、攻めは受け至上主義。
現世でとても酷い扱いを受けてきて、初めてワガママを言えるようになった受け。
絶賛、反抗期です。
ただ、のちに反抗できるのはそれでも好きでいてくれる人がいるからなのだとちゃんと気づけます。

攻めといえば最強なのに女王様のようなワガママを嬉しそうに聞きながら、受け以外は興味一切なし!
罵られてもシカトされてもニコニコ。
視界に入るだけでも幸せを感じる…。
甘い!甘すぎる!けれどそれがいい!!

また、口を開けば狂ったように「我がつがい我がつがい」と連呼。
他の人の目に触れさせたくないと独占欲全開!!
何の躊躇いもなくアレを差し出すし、受けが望むのなら同胞の竜たちをも殺すと平気で言ってのけます。

この世界が嫌になって逃げ出すところも最高〜!

やっと受け入れられて触ることが許され、触れた時の「はわわわ〜!」となる攻めが毎日
可愛すぎて可愛いすぎて…。

最後はもう目も当てられないくらい甘々(笑)
受けの性格が180℃変わってしまうので、もしかしたら戸惑う方もいるかもしれません…。

とはいえ、さすが宮緒先生。
フルスロットルの気持ち悪い攻め、執着大爆発で他の作品の引けを取らない最高の一冊でした。

1

続編が出たら嬉しい

みずかねりょう さんの表紙が凄く綺麗。
電子版にないので、紙本の帯文をチェック、
「そなたに愛されたい ほんの少しでいい 竜人はつがい無しでは生きられない
----それでも愛は与えない」

前半の光希は、イケズの塊。
目隠し竜・・とは、イケズな光希の魔力暴走を止める為に攻の竜人が両目の瞳をくりぬくから。

あとがきに 
>この作品は、以前にブログに公開していたSSをきちんと仕上げたもの、
>当時のブログ版では攻めが受に虐げられまくって、救いようないくらい。でも攻めはそれでも幸せ。
・・とあって、削除済みの今頃読んで知ったので残念。
この作品は、光希が途中で自分が一番つらいわけではなかった事に気づいて、改心
そして相愛激甘のカップルになって、闇の無い結末に収まってます。

電子版のSS「ある王女の結末」は、グリム童話風の怖い結末。
横恋慕するから、意趣返しされて墓穴を掘った王女。

光希の修行が終わって、ひょっとしたら子供を産むような未来の話も出ていたので、
続編がもし出たら、わたしは絶対に読む。

2

超絶不運な男が異世界召喚される


天涯孤独な青年が異世界召喚され溺愛される話。


「やっと死ねる」
迫りくる列車に、常に不運に見舞われ生きる気力をなくしていた光希(受け)が安堵したその時、「やっと見つけた」と声がして、気が付いたときには豪奢なベッドの上で人間離れした美貌の男に組み敷かれていました。
黄金竜の子孫だという竜人ラヴィアダリス(攻め)は光希が自分のつがいであり、今までずっと不幸に見舞われてきたのは光希のいた世界が本来光希がいる世界ではなかったからだというのです。
いきなり異世界に召喚されたことや強姦されたこと、今までの不幸な理由が召喚が誕生と共にできなかったことが原因だったなどたくさんの情報に混乱した光希はラヴィアダリスを受け入れることができません。
どんなにつれなくしてもそばを離れようとしないラヴィアダリスにうんざりしていると、ラヴィアダリスの仲間の竜人たちとそのつがいが訪ねてきて、その価値観の違いに愕然とするのです。


光希は生まれてすぐ両親と事故にあい自分だけが生き残ります。
その後叔父一家、祖父母と光希を引き取った人は光希を残して死んでしまいます。
施設に入った後も毎日のように事故や事件に巻き込まれ疫病神として忌み嫌われていました。
自分が生きている意味を見出せず死にたいとおもうようになっていた光希は巻き込まれた事故を喜ぶのでした。
だから、死ぬ寸前ラヴィアダリスに助けられても全くうれしくなく、やっと楽になれると思ったのにと反感を覚えてしまうのです。

つがいと常に一緒にいたい愛したい、見つめられるだけ声をかけられるだけで幸せなラヴィアダリスについていけない光希でしたが、自分と同じ立場のつがいたちもラヴィアダリスと同じ考えで、相いれないと孤独に感じていたある日、光希の召喚が遅れた理由となった王子と対面する機会が訪れます。
王宮での謁見の間で見たのは、強力な力を持つ大魔術師たちの機嫌を取り光希の留飲を下げるため、原因となった王子を罵り如何に残酷に殺すかという話しかしない醜い王以下貴族たちでした。復讐など望んでいないのに要求され、王子に石を投げる貴族たちの胸糞悪い状況に光希はまたしても自分さえ生まれなければと自身の死を望むのでした。

ラヴィアダリスたち竜人は王国を他国から守護する代わりに異世界に生まれたつがいを召喚することを盟約としていました。
今回それが死に瀕した王子のために破られます。
その原因となった王子は蔑まれ、いずれラヴィアダリスと光希の気が済むように罰するために生かされてきました。
王子の受けている仕打ちはまさに以前の光希と同じであり、この世界にきてから初めて共感できる相手を見つけるのです。


常にウエルカムなラヴィアダリスに対し、光希がなかなか自分の状況を受け入れられず逃げようとするため二人はなかなかつがいとして縁を結べません。
光希は自分を憐れむばかりで自分の意見を言わないし、他の大魔術師たちやつがいたちはつがいがいない間のラヴィアダリスの嘆きの激しさを知っているためラヴィアダリスのことしか考えていない、王国は大魔術師たちのご機嫌取りのために自身の子供たちを犠牲にするのを躊躇しないし、と自分たちのことばかりなためなかなかかみ合いません。
自分と状況の似ている王子や王子第一の王子の騎士の奇譚ない意見によりやっとラヴィアダリスのことも思いやれるようになるのです。

初めは他のつがいたちに対しても敵意をあらわにし、ラヴィアダリスに育てられなくてよかったとのたまっていた光希が最終的にはラヴィアダリスに育てられていたらどんなだっただろうと言い出すのですからわからないものです。


光希がラヴィアダリスを受け入れ、前向きになったところで終わっていたのですが、大魔術師たちに依存し堕落してしまった王国のこれからが気になります。
衰退するであろう王国や狙われ続けるであろう光希とそれを守るラヴィアダリス以下大魔術師たちの攻防や二人の子供などもっと読んでみたいと思いました。

どちらかというと二人がいいならそれでいいけどハッピーエンドって言っていいのかという終わり方が多いお話を書かれる方ですが、今作はとても珍しい明るいちゃんとハッピーエンドだと思える話でした。
これからもきっと楽しく幸せに生きていくだろうと楽しみな終わり方は読了後も気持ちよかったです。

1

竜人はM

実に宮緒先生らしい攻めだと思って読みました。
それにしても大魔術師にして竜人のラヴィアダリスって情報量が多くて凄かったです。白の大魔術師とか白のとか呼び名があって光希でなくても混乱してしまうかもと思ってしまいました。www

光希はとても不幸で理不尽な目に遭って来た可哀想な子なんです。
でも番として召喚された事に納得していなかったとはいえ、終盤までラヴィアダリスの事をお前って呼んだりしてとにかく態度も悪いんです。だから読んでて全然共感出来なくて、最悪な印象しか有りませんでした。
こんな受けのどこが良いのだと何度思ったことか!
でもラヴィアダリスは光希にどんな態度を取られても、許して自分が悪いと謝り続けるのでM過ぎて変態が入ってると思うほどでした。

光希は自分の不幸ばかりで周りの声に耳を貸さないで考える事をしませんでした。
光希が変わり始めたのは、魔(力)なしであると蔑まれていた王子のフロリアンと出会ってからです。

フロリアンと自分を重ねて光希は自分が何をしたいのか?するべきなのか?を深く考えるようになります。

そしてフロリアンと一緒に拐われた事によって、ラヴィアダリスを大切に思っている自分に気がつくのでした。

竜人が一貫しているのは、番が1番大事であって番以外には全くと言っていいほど興味がないんです。番以外はどうなってもいいし関係ないって徹底しています。その辺りが宮緒作品だと思いました。

途中から急激に番だと態度が変わった光希に違和感を感じてしまったのと、辛い思いをして来たはずなのに周りを慮る事無く攻撃して噛み付きまくってた態度が嫌いだったので神にはなりませんでした。

0

私の思う『恋』とちょっと違う

いや、そもそも宮尾さんの書く『恋』はタイトルみたいな感じなんですけれどもね。
普段はそれが面白くてガンガン読み進められるのですけれども、今回のお話はいつもの『グイグイ感』が来なくてですね、1冊読むのに一週間以上かかってしまいました。

「何でなのかなー?」と読みながらずーっと考えていたんです。
あらすじとかが面白くない訳じゃないんですよ。宮尾さんのストーリーテラーぶりは相変わらずご健全で、今回の『こことは違う世界』も破綻なく楽しめたんですよね。

物語の中での事件が解決して、大団円エッチ(BL物語のラストの方にあるアレです)の処を読んでいる時に「ひょっとして……」って思ったのは「この話、恋人同士って言うより親と子の関係に近いんじゃないか?」ということ。
光希がずっとラヴィアダリスを拒み続けるのも、保護された被虐待児が自分をどれだけ愛してくれるのかを測る『試し行動』みたいだし、ラヴィアダリスの光希をとことん守ろうとする姿勢も、変態というよりは幼子を抱える母みたいに感じちゃうんですよ。
その辺が私にはどうもしっくりこない理由なんじゃなかろうかと。

溺愛甘やかし攻め×ツンツンデレがお好きな方にはど真ん中だと思います。

6

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP