イラストあり
いや〜〜これ、犬好きなら笑っちゃうし堪らない内容ですね…!可愛すぎます。
海野先生は大の犬好きに違いない…なんか嬉しい…
片想いのいじらしさ、尻尾と耳で表現される犬しぐさにめちゃくちゃグッとくる&きゅんきゅんする作品です。
甘噛みとか尻尾ぶんぶん、自分の尻尾を追いかけてグルグル走り、などなど。
犬飼い犬好きな自分はムフフ‥となっちゃいました。
ハッピーなケミ耳ラブコメ❤︎
以下、あらすじ含む感想・レビューです↓↓
同僚の重倉にひっそりと片想いする直紀。重倉に話しかけられるたびに、自分の恋心を知られまいと目も合わせられず、ビクビクした態度をとってしまうため、周囲からは「重倉を怖がっている」と思われています。
そんなある日、直紀が通りかかった荒れ果てた神社の狛犬の後ろから出てきた白くて可愛い柴犬「ちまき」。彼は神の使い?なのですが、自分が元の世界に戻るために協力する代わりに、なんでも願いを叶えてやる、と言うのです。
思わず、普段無表情な重倉が何を考えているか知りたい!と願う直紀。その願いは重倉に犬の耳と尻尾が付くという思いも寄らない方法で叶えられー!?
というストーリー。
実は受けも後半犬化する描写があるのですが、受けより先に耳と尻尾が付いてしまうのは攻めなのですよ。攻め受け両方のケモミミが味わえるって、最高か!!
読者からすると、ああこれは重倉も直紀のことを好いているのだな、大好きな「両片想い」ってやつじゃないか…とニヤニヤものなのですが。
直紀から唐揚げ店に一緒に行こうと誘われ尻尾を振っている重倉を見て、「そんなに唐揚げが好きなんだあ」と思っている直紀のとんちんかんなポヤポヤ具合が可愛い!笑
…なんですが、そこはやはり海野先生。「可愛い」だけのストーリーじゃないんですよね。
人の気持ちは、目に見えない。
それと同じように、自分が何を考え、相手のことをどう思っているかも、口に出すまで相手には伝わらない。
大切な人への大切な気持ちは、言葉で、表情で、仕草で伝えよう。
読後、そんな思いを抱きじーんとする作品でした。
海野先生の現代物を読むたびに、会社での仕事の描写が細かいな〜と感心してしまいます。毎回緻密に取材されてるのでしょうか?
ここがリアルだからこそ、今作のようなファンタジー設定が活きると思うんですよね。
あらすじを読む限りちまきはマスコットキャラかな?と思っていたのですが、途中で人間化することに。この人間verのちまきの見た目が超ドストライクで(yoco先生の挿絵が素晴らしいのなんの)このまま三角関係になるのか?とワクワクしてたんですが、あくまでも彼は受けの恋を後押しするだけでした笑
最後の行為シーンで尻尾を触る箇所があり、そこがなんともエッチで、尻尾が生える醍醐味だよなとほくほくしてしまいました。
好きな人に犬耳しっぽがくっつき、気持ちが読めるようになっちゃった!?ってとこまでは楽しく読めたが、ヒトがイヌ化していく展開はシュールというか何というか……。キャラが心配になるばかりで萌えるどころじゃなかった。
真柴は天然なのかあほのこなのか、思考がよく分からない。そこでポジティブになる?そこで卑屈になる?と自分の感覚とは真逆をいくキャラで、最後まで遠いとこから見ていた感じ。
重倉は犬耳での感情表現と表情とのギャップは可愛かった。が、視点主の真柴は笑顔に一目惚れから始まり、外見のことばかり言い、犬耳しっぽにきゅんきゅんしてるので、重倉本人の魅力は分からず。顔ファンから入って、もうなんでもよく見えてしまう状態なのかな、と思いながら読んだ。
最初に違和感を覚えたのは、重倉が犬のように匂いを嗅ぎまくるシーン。真柴は重倉が行動まで犬化してきたことに気付きながらも、ドキドキするばかり。自分が願ったことで、相手が人間としてはおかしなことをし始めたのに、不安にならないものなのか。
その後、獣化していくシーンはなんともシュール。重倉はまだしも、真柴は自分の意思で腹部を見せる服従のポーズを取る。人の姿で真剣に。これどんな気持ちで読んだらいいんだろう。まあとにかく重倉への心配が増すばかりだった。
なんだかんだあったが、結局二人とも最初から好きだったというオチで、作中に惹かれていくエピソードがなくても両想いだったわけで、納得できても萌えはない、という読後感。
ちまきはわりと好きだったが、振り回される真柴は常に財布の中身を気にしていて気の毒だった。
強面で表情が変わらない片思い相手の感情が犬耳しっぽで見えるようになる、なんて設定だけで萌える。だがキャラの起こす行動・セリフに萌えられる点がなく、獣化していく重倉へのヒヤヒヤが勝ち、残念ながらあまり楽しめなかった。
ひょんなことから神様の眷属に願いをかなえてもらったサラリーマンの初めて恋が叶う話。
デジタル制御装置の開発会社に勤める真柴直紀(受け)は入社5年目の中堅になりつつあるサラリーマン。
新人のころから同期で営業の重倉宗則(攻め)のことが好きでした。
が、好きだという気持ちが全面に出てしまうのを怖れ重倉の顔を直視できず、いつも目を逸らし怯えた態度を取ってしまいます。
そんな時、近所の崩れかけた神社に定期的にお参りにいっていた直紀は何故か一体しかない狛犬に「重倉と仲良くなれますように。重倉の感情がわかりますように」とお願いしてみるのです。
「かなえてしんぜよう」それに呼応する声が・・・
間違って神の世界から落っこちてきてしまった神様の眷属・ちまきでした。
ちまきは神の世界への帰る門を探す手伝いを直紀にさせるかわりに、重倉の感情を読みやすくする術をかけたのでした。
その術とは、次の日会社にいってびっくり、重倉に犬耳尻尾が生えていたのでした。
直紀にしか見えない重倉の耳尻尾によりいつも無表情の重倉の喜怒哀楽がわかるようになり、勇気をだして重倉に声をかけることができるようになり大喜び。
会社が休みの日には近所の神社を順番に巡り、神の世界への門を探す傍ら、順調に親しくなっていったのでしたが・・・
犬耳尻尾が生えている弊害か、時々本当の犬のような反応をするようになるのです。その間の記憶はないようで、直紀は犬化していくのではないかという心配し、
重倉の感情を盗み見する罪悪感でいっぱいになってしまうのです。
自分でご飯を食べることはせず、お供えられたら味を楽しめるというちまきの不思議な力にはびっくりしました。お供えした後直紀が食べるので実質食費は無料なのですが、留守番している間にテレビで見るカフェに行っては食事をしたがるので、結局食費が嵩んでしまう。神に人間の常識は通じないので、一日に何度もカフェに入り散財させられる直紀がちょっと気の毒でした。
そして、周りは気にしないので、カフェに入るため銀髪に琥珀色の目の美貌な男に変化し直紀にお供えしてもらうという状況はシュールで笑えます。
ちまきは終始唯我独尊といった感じでしたが、盛大な両片想いな状態に犬耳尻尾で背中を押してくれたといういう意味では、結果的にと二人のキューピッド役をみごと果たしてくれました。
直紀は肉体的にも精神的にもお財布的にも随分振り回されましたが、初めて恋が実った直紀にとって些末な問題でしょう。きっとこれからは一段と信心深くなるのではないでしょうか。
何年か経ったらふらっと様子をみにやってくるかもしれませんね。
二人が急に仲良くなったのをみた周りの同僚の反応とかもうちょっと先まで読みたいなと思いましたが、皆いい人ばかりの職場なので暖かく見守ってくれるのではないでしょうか。
攻めは寡黙で強面なのに、犬の耳と尻尾がついたおかげで感情がダダ漏れ……というところが楽しめました。
顔はあくまで無表情を保ってるのに、唐揚げ前にして尻尾ぶんぶんとか、後輩に悪口言われて耳と尻尾がぺしょり……となったりとか、かわいい。
願いを叶えてくれたのは、神様の眷属である狛犬のちあき。
ちあきって、さすが神様のお使いというか、良くも悪くも人間とは違うんですよね。
高飛車なくせにスイーツに夢中で、受けの真柴はちあきに振り回されるんだけど、斜め上をいくちあきの行動はなんか憎めない。
真柴は内気でやたら重倉の前でビクついてる姿が、昭和の乙女か!!って感じだったけど、仕事に真摯だしいい子。
最初こそ、片思いしてる重倉の気持ちを、尻尾と耳で目の当たりに出来て喜んでいたんだけど、そのうちに本人に内緒で心のうちを盗み見ていることに後ろめたさを感じ始めるんですよね。
ここがいい子だなぁと思いました。
そして耳と尻尾を消してもらってからの展開がちょい切なくて、どうなっちゃうの?と思ってただけに、ちあきがまたやらかしてくれて……!
ナイスだ、ちあき!
ちあきがいなかったら永遠にこの二人はくっつかなかったわ、絶対に!というわけで、これからちょくちょく二人で参拝してやってください。