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帯に書いてある言葉「孤独な2人の、交わらない両片思い」。
まさにこの言葉がしっくりくるような2人のお話でした。
受けの巴は大きな会社水敷家の息子の1人。出来る兄の航と比べられ本家とは離れた場所で暮らしている。そのお世話係が南雲。
出会ったのは11年前で、その時からずっと一緒。出会った当初は距離感がつかめなかった間柄だったけれど、共に過ごすうちにお互いを知っていき……というお話です。
南雲も巴も、2人とも健気なんです。お互いのことを大事にしたくて、だからこそ手放したくて、でも離れたくない。
南雲のことを思って巴は1人身をひそめるシーンがあるのですが、その間4年。
どれだけの思いで、どれだけの気持ちで、相手のことを思って身を引いて、11年もの間一緒にいた時間を何度も思い出しては泣いてしまった夜もあったんだろうな。とうるっときました。
南雲は南雲で、いなくなった巴のためにきっと探そうとしたし手を尽くしただろうけれど、たとえ見つけても自分のためを思って身を引いた巴のことを躊躇してしまう自分もいて。でもそれすら自分のエゴのように感じて気持ちががんじがらめになっていたのかも…と思うと、お互いを思い合う気持ちが強すぎるゆえなのかなと重ねてきた時間の重みを感じました。
やわらかい絵柄に優しいお話が重なってとても素敵な作品です。
出会えてよかったと心から思った作品でした。
初めて読んだ三上志乃先生の作品です。
三上志乃先生のデビューコミックスになります。
巴の世話係 南雲 佳人と花屋のアルバイト 水敷 巴のお話。
大企業 水敷不動産の次男 巴は、優秀な長男と比べられ劣等感を持って生きていました。
ある日、父親は施設育ちの14歳になる南雲を巴の世話係として雇います。
それから11年間 南雲は20歳になった巴の世話係を続けていましたが…。
少女漫画のような可愛らしい絵柄の中にどこか力強さも感じられるタッチが、作品全体を優しさとせつなさで包み込んでいます。
三上志乃先生の丁寧な心理描写に加え、巴と南雲の距離感を上手に描かれており、ゆっくりと静かに沁みていく物語だと思いました。
また、過去の回想シーンを絡めながら2人の生い立ちをきちんと説明しているのも良かったです。
小さい頃から優秀な長男とは異なるタイプだった次男 巴。
優しい母親は、花図鑑の「クリスマスローズ」を指差し、「咲き方はひとつじゃなくたっていいのよ」と伝えます。
同じ花は咲かない「クリスマスローズ」…それは、巴の誕生花でもありました。
ところが、その母親は小学生の巴のお迎えに行く途中で亡くなってしまいます。
大企業の跡取りになる兄の教育で手一杯の父親は巴を「出来損ない」として扱い、住み込みで働ける世話係を探しました。
それが、施設で育った南雲だったのです。
南雲は赤ん坊の時に「南雲ひだまり園」の前に段ボールで置き去りにされていました。
「俺、いらなかったんだな」
誰にも必要とされないまま中学生になった南雲が出会ったのが、9歳の巴だったのです。
お互いを大切に想い、必要としているからこそ、すれ違ってしまう2人の心。
愛する人の未来を考えたときに巴の出した決断とは?
この先はネタバレなしで本編をご覧ください。
何度も読み返したい心が震えるラブストーリーに仕上がっています。
個人的には、巴の髪の長さは最初の頃の方が好きだった(汗)
このお話には、当て馬は登場しません。
脇キャラでは、巴の父親と兄 航が登場します。
父親と航は最初と最後では印象が異なり、誰もが複雑な思いを胸に生きていると感じました。
いつか、また「家族」になれる日が来るといいな。
描き下ろしは、本編のその後のお話です。
最後から3コマ目は必見ですよ!
神さま、本当にありがとう(泣)
ストーリー構成がしっかりしていて、伏線も回収されており、最後まで綺麗にまとまっていました。
巴と南雲の視線や感情の起伏など、それぞれの性格を十分に活かした表現力は素晴らしいです。
まだ粗削りな部分はありますが、デビューコミックスでこのクオリティはすごいと思いました。
これからも楽しみにしています。
本編の最後に描かれているスズランの花言葉は「幸福の再来」です。
叶わない想いの0パーセントの花束から、愛が溢れて抱えきれない程の花束に…。
――二人に永遠の幸せを。
全体的に静かな雰囲気って感じです。
母が亡くなってから家族とうまくいかない受け(小学生)と、その受けを世話する攻め
物語の始まりは大人になった2人が、お互い意識しながら何か一歩踏み出せるきっかけがない。
家族や攻めの将来を邪魔したくないから逃げる受け、数年後で再会してハピエンを迎える。家族とのわだかまりも解消出来そうな終わり方です
とても綺麗な表紙だが初めての作家さんで、どうしようかって迷ってましたが、
タイトルのつけ方も好きなのでとりあえず購入してみました。
エロ描写はほんの少し、割とあっさりです。
物語も、よくある設定ではあるが描写がきれいで、静かに胸にしみてくる感じがします。
読みやすくて、BL初心者も手を取りやすい作品です。
これはもう母性本能がくすぐられるいじらしく健気な2人がもうたまりません!
虐げられた運命に贖い幼い2人が支え合って生きる姿を見るにつけおばさんにはうるうるときてしまう‥
この二人を思い切り抱きしめてあげたい‥とか。
私的には表紙絵にはあまり惹かれませんが‥作中の絵柄はごちゃごちゃしていなくて綺麗で読みやすいです。
少女漫画っぽい絵で上手い!という程ではないのかもしれませんが、私は好みでした。
何しろ‥黒髪寡黙に目がないので‥南雲くんには♡(๑♡∀♡๑)やられました!カッコイイよ!
主従もの好き!スーツも好き!には萌要素有りです!
巴くんは小さい時はとってもかわいいんだけど大人になってからは少し地味になってしまって‥美人受け好きの私にとってはちょっと物足りなかったです。
ストーリーはとても良く出来ていていいお話です!雰囲気もよくどんどん引き込まれていくのだけど、なんせ後半の流れが早い早い‥
二人は両思いになってパピエンで良いのですが、お父さん、お兄ちゃんとても味のあるキャラなのですが展開が早すぎて気持ちの変化がイマイチ掴みきれず、結局あっさりしたお話で終わってしまったかも。
2人が離れていた年月は読み手の想像にお任せ的な‥。
後半がもう少し詳細に登場人物を描けていたら終始涙を誘うお話になったんじゃないかと思うと残念でなりません。(>_<)
でも、初コミックとは思えぬ作品!
今後も魅力的なお話を描かれるんじゃないかと楽しみです。
ライトなものから読んでみたいと思われている初心者さまにオススメ!です。
母の死後、父と兄とは一緒に暮らすことなく
世話係として雇われた南雲と共に
離れで暮らすことになった巴。
そんな南雲と巴の両片思いのお話です。
まだ幼い巴が自分の立場を理解していたり
それに気付かざるを得ない状況が
出来上がってしまう家というのは
想像するだけで居心地が悪いですね…
物語の中のこととはいえ、
仕事や家柄のことしか考えられない
お父さんは本当にダメ人間です。
ちなみにお兄ちゃんも
人間的にはわりとダメな奴です。
なので南雲が巴を大切に想って接してくれて、本当によかった~!と思いました。
南雲と巴は
お互いのことを尊重しあうが故に
すれ違ってしまったんですよね。
堪えきれず溢れた南雲の気持ちに応えてしまえば
彼を正しくない道へ進ませてしまうんだ、
将来の邪魔になってはいけない、と
巴はそう考えてしまったんですね…
その考えに至ったのはトラウマのせいなんだろうな~
そうだったらやっぱりお父さんが憎いな(笑)
南雲に贈った花束は
全部描かれてはいなかったけど
ちらりと見えたクリスマスローズと
その花言葉から巴の気持ちが伝わって切なくなりました。
ほぼ全体的に明るいお話ではなかったけれど
何年経ってもぶれない南雲の気持ちや
花にこめた思いを知ってか知らずか
巴のことを忘れないでいたことなど
最後のほうで話が繋がったのは読んでいてスッキリしました。
三上先生は人物の気持ちを目で表現するのが
上手な作家さんだな、と思いました。
デビュー作とのことでしたので
また次の作品も読んでみたいと思える作家さんでした。