電子限定かきおろし漫画付
α嫌いな旭(Ω)がbarで友人と飲んでいる所で出会った男……
自分と番の約束をして自分を捨てた誠臣(α)がいる……
α嫌いになった原因。
誠臣と思っていた旭だが実は一卵性双生児の弟、煌臣(α)だった。
この作品は
運命の番と出会い本能で惹かれてしまった兄の誠臣。
運命になんて、振り回されたくないと思っている弟の煌臣。
その二人に愛されたΩの旭の話である。
運命の番に出くわしてしまい、番の約束をしてた旭の手を離し本能に抗えなかった誠臣と旭のエピソードに胸が苦しくなる。
誠臣と間違えられ寝た関係の煌臣との出会い。
勿論、煌臣は旭の事を誠臣から聞いていたので知っていた。一卵性双生児の自分に会わせたくない程凄く大事にしてたのに運命の番に走ってしまった兄に驚きと同時に旭の事が気になって(旭に寝るという迷惑をかけられた詫びに恋人のフリとして)付き合う事になる。
一卵性双生児といえど、性格は違う煌臣に戸惑いながら誠臣と重ねてしまいそうになる旭にまた、胸が苦しくなる。
でも、煌臣の誠臣とまた違う優しさに徐々に惹かれていく過程が丁寧に描かれていて良かった。
ただ、一卵性双生児とは残酷なモノで、自分の手を離した誠臣と運命の番、満留に道端で出会ってしまう煌臣と旭。
既に番になっているのに反応するΩ満留。
それに反応する煌臣……
この反応してる顔が誠臣と全く同じで旭の絶望感が痛い程伝わってくる。
ただ、煌臣は手を離さなかった。
唇を噛み、自分の手を噛んで血だらけになってでも本能に抗い、旭の手を離さなかった。
もう感動のシーンです!
このシーンで神評価です!!
運命の番に勝てない、トラウマになってる旭は手を離さなかった煌臣でさえ、完全には信用できない。
でも、それを解いたのは誠臣なんですよね。
いかに、運命の番との出会いが衝撃的であり、抗えなくなるのか……
自分の本能を押さえるのがどれだけ大変なのか。誠臣の台詞で、より煌臣の本能を押さえるシーンが際立ったと思います。
運命の番とは、そこに何の想いもなく惹かれてしまう……
運命の番がいても、それに翻弄されず自分の想いを貫く…
どちらも乗り越える試練は同じで、その後に幸せが待ってるのか待ってないのか、それを形作るのも、その人それぞれだと。
誠臣に捨てられたが旭は煌臣と二人にとって最愛のΩだったんだなー♡と読んでて凄く幸せな気分でした。
番になってから煌臣と旭。
旭は最初から可愛かったのですが、煌臣の愛でパワーアップしてるのが読んでるこちらも幸せでした。
有償特典の小冊子も凄く良かったです。
久しぶりに内容も読後感も最高の作品に出会えて嬉しかったです!
運命の番って明るくてハッピーなイメージが強かったけどこの作品を読んで、いいことだけじゃないんだなとおもいました。
あれだけ好き同士で番になる約束までしていたのに突然運命の番が現れて、しかも幼馴染みとか残酷すぎて悲しくなりました。
旭と煌臣と誠臣と満留がばったり会って煌臣が発情した時は最悪だと思ったし旭が二度も傷つくのかと思うと切なすぎました。
元彼の双子の弟と恋するのはどうかと思っていましたが、まだ誠臣と旭が付き合っている頃に煌臣が誠臣からノロケ話を聞いていて、本当に一途で健気なΩが居るのか半信半疑だった様子でしたが、実際旭に会って誠臣が言っていたことが本当だとわかったのが余計に運命の番なんて関係ない、過去に囚われている旭を変えてあげたい、自分が幸せにしてあげたいと思わせたのかと思うと読み終わってからはいいなとおもいました!
旭だけじゃなく誠臣と満留もずっとモヤモヤしながら過ごしていたみたいで、この作品に関しては運命の番が迷惑でしかないなと思ってしまいましたが、ハッピーエンドでほっとしました!笑 苦しんだ分みんな幸せになってほしいです。
運命の番をテーマにした作品はよく見ますが運命の番のせいで別れた方をテーマにした作品は私は見たことがなかったので新鮮でドキドキしながらページをめくりました。オメガバースの世界の裏側では運命でくっつくカップルの陰にはこういうことも割とあるんでしょうね…。
↓ネタバレ注意
攻めは最初クールドライな感じかと思ったのですが思っていた以上に早く受けへの気持ちを自覚し(受けには伝わっていませんでしたが)行動をしていたのが良かったです。受けも一途でいい子で読んでて幸せを切に願ってしまいました。旭が気持ち自覚してすぐの展開には「双子の設定がそこでも生きるか…!」と切なさと同時に驚きも得ました。ただあそこで誠臣と満留に会わなかったら旭は番になった後もいつか煌臣の前に運命の番が現れて番を解消されるんじゃないか、と一生不安を抱いていたと思うのでこの展開で良かったなぁと思います。誠臣と満留も本能に翻弄されただけで根は悪い人たちじゃないのでこれから改めて二人も幸せになって欲しいです。
誠臣と満留が二人でちゃんと幸せになるところや煌臣と旭のラブラブな後日談をもっと見たいのでスピンオフとか続編出ないかな〜と思うくらいにストーリーキャラクターともに素敵な話でした。
ホントにタイトルも表紙も素敵で、私にはまさにこれですって内容でした。
巷で言われる「運命の番」は確かにそれで幸せになれたら素敵です。が、それにたずさわる人達は?もしもその幸せのために犠牲になる形になった人がいたら?って思いながらもいろんなお話をよませてもらってました。
このお話ではまさに自分と番の約束するくらい仲良かったαに運命の番のΩが現れて目の前でその「運命」とやらの光景をみてしまった受け君(Ω)と偶然自分から去っていったαと間違えて一夜を過ごしてしまった攻め君(α)とのお話。
この攻め君、双子ってのはできすぎかと一瞬思いましたがだからこそのお話で、とっても素敵でした。
元カレ(振ったα)とその運命の番(受け君の親友だったΩ)との関わりは私的には少しもやっとしてますが攻め君がとてもすてきなのでそちらを重点的に、細かくは述べませんが是非読んでみて楽しんでいただけたらなぁとおもいます。
あと、運命の番を化学的に、でもくだきながらお話をしてくださる病院の先生もとてもすてきな方でした。
最後の巣作りまでとってもかわいいです。
オメガバースを読み慣れると疑問に思う事。
主人公達が「運命の番」なら問題なしですが、そうでない場合、もし運命の番に出会ってしまったらこのカっプルはどうなるんだろうか?という疑問の答えのような作品です。
恋人を運命の番である幼なじみのΩに奪われてしまった主人公。
その傷を癒してくれた恋人の弟に惹かれるものの、一卵性双生児の兄弟は運命の番も同じで…という切ない展開で、雑誌掲載時は続きが気になってたまりませんでした。
オメガバースは基本設定は同じでも、作品によって違いがあるのですが、この世界では「相性が非常に良い」というもので、抗難いパワーはあるものの100%ではないというのが救いでした。
それにしても、弟は主人公の兄との話を聞きながら、「俺だったらそんな思いさせないのに」と考えていたのかと考えると身悶えしてしまうくらい萌えが止まりません!
主人公も運命を恨んだけれど、運命の番(幼なじみ)を恨んだことはないという良い気質で、好感が持てる大好きなカップルです!
兄と幼なじみのカップルも、運命の番だと分かった後でも色々あったんだろうな…という描写が後半あって、いつもなら私はメインカップルよりスピンオフカップルの方を好むんですが、この作品は兄達の方はどうでもよいわぁと思ってしまうくらい二人が好きすぎてます。