電子限定描き下ろし漫画付き
「俺自身の魂がお前を愛してる」
決して難解な言葉でも、ドラマティック過ぎるような単語でもない
なのにこのシンプルな言葉の羅列が放つ威力や…如何にいわんや……!
実際は大門が小島を助け出すべく潜り込んだ中での大門のモノローグでの言葉なので、直接的に小島が大門から聞いた大門の小島への愛の言葉はもっと重く甘く、そして愛の呪文のような言葉です
「…~だから 俺のために死んでくれ」「ずっと「愛してるよ」揚平」
魂が呼応するような2人の関係
1,2巻を通し、それぞれが抱えさせられて来た重荷を知る事が出来ました
彼らの場合は「抱えた」のではなく「抱えさせられた」という事が根深く今も火種が燻り残ってしまっている事で今に繋がってしまっているんでしょうかね…
幼少期からの積み重なった違和感に強烈な出来事がそれぞれ引火して爆発を起こしたまま、その火が鎮火され切らずに休火山のような状態で大人になった2人
彼らの出会いはプレートのひずみなのか、それともそれぞれのパズルの最後のピースとなるのか。。。
偶然であり必然、歪であり安息の地
彼らの物語はまだ始まったばかり
後、2巻
じっくりゆっくり噛みしめながら読んでいきます
はらだ先生とか、と同じ空気を感じるイイモ先生の作品。
うーん、もう、コマ一つ一つ無駄がなくて、見せたい場面に全てが集約されていって、こういう漫画のバランス感覚みたいなものは、本当に才能なんだろうなあ、と読みながら感服!
頭で考えて作り上げられる世界を超えてると言うか。センスとしか言いようがない。
内容は痛いし、ガンガン揺さぶられて抉られるのに、読むのをやめられない中毒性がありますね。
ともあれ、大門の母が1番のサイコパスだよと思ったのは私だけ?
全てを息子のせいにして、お母さんは見捨てないよ、なんてよく言えたよ。
それと、介護に疲れ果てて罪悪感を抱いて、それなのにやっぱり、「行かないで、おばあちゃん」と絶望していた大門を見て、本気で泣いてしまいました。
人は多面性を持った生き物だけど、そういう矛盾や意外性を、上手に表現出来るイイモ先生、本当に素晴らしい。
3巻読むのが楽しみで仕方ないです!
2人の過去がしっかり描かれる2巻内容濃すぎでしょ!
もうどこをどう書いたらいいかわかんない、でもどんどんこのストーリーに夢中になってる。
大門も小島もなかなかハードな幼少期を過ごしてる。やっぱり、子供の頃の生育環境って多大に影響するよ。
大門のお母さんにはゾッとしたし嫌悪した。本人善意なんだもん。
小島の父、母に関してはよくありそうな虐待。名家故の教育という名の下の折檻。
あーゆーのや、森で仲良くしてた山男の焼身自殺が小島、確実にトラウマ化してる。凄くねじれて拗れた感じになっちゃってる。
なんか、2人で不器用ながらも色々ぶつかりまくって傷だらけになりながら前に進んでいく感じにグッときちゃう。
蠍の間に大門が助けに登場する流れ、心配したパトロンの親父、岩蔵、美久里先生がちゃんと小島を心配して大門に小島救出の願いを託すとことか、スリリングでワクワクした。
めちゃくちゃハードなシーンあるしどうなっちゃうのかわからない2人だけど確実に心の距離は近づいてる。続きが気になります。
一巻ではあまり理解出来なかったんですが、二巻から4巻まで一気に読んで、更に繰り返し読んでます。
一巻では大門と小島が異常なのかと思ってましたが、読み進めるうちに「ふつう」に生きている大門の母親とかの方が恐ろしいと感じました。
彼らはそれぞれに幼い時に痛ましい思いをしてますが、その後の人生はとても対照的だったことが分かりました。大門は母親と距離を置く事が出来て本当に良かったです。
一方で破天荒に見える小島にはそれなりに信奉者がいて、大事に思ってる友人もいるのだと安心しました。また、大門が移動した開発部の面々が今までいたところより人情味溢れるところだった点も救いに思えました。
2人のお互いに対する感情が変化した時に、幸せである筈の告白が何故か不穏な感じがするのが魅力なのです。
「怪物」大門は本当にアブないサイコパスなのか?
「変態」島田はどこまでイカれたマゾヒストなのか?
ドキドキして開いた第2巻。
……あれ??
随分とぬるい展開になってないか?
二人とも相当拗れたトラウマ持ち。
幼少期に経験した身勝手な大人の言動と死にまつわる記憶に囚われ続けている。
自分をさらけ出して人を愛し、人から愛されることを恐れている二人の恋愛(初恋!)は驚くほどピュアで一途で痛々しい。
大門は全方向から「優しい」「お人好し」と評されているけれど、後ろ暗い面も持ち合わせている。
対して小島は大門を「怪物」だと言うが、お祖母さんを殺して標本にしたいと思った理由を聞けば、彼が真っ直ぐで愛情深い人物だということがわかる。
人に一つのレッテルを貼ると、その上っ面しか見えなくなる。
だから会社の人たちは、大門が実は有能で容姿も悪くないということを見過ごしていたのだ。
そして人を好きになるということは、その人のことを色々知りたいと思うことだと言う。
猟奇的、偏執狂的なハードストーリーを覚悟していたので、ある意味普通な展開に拍子抜けしました。
が、読み進めていくうちに、この方向性でいいのではないか、と。
単なる色モノ的なお話に終わらず、複雑な人物造形と底の深い物語を得て、名作になる予感がします。