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表題作honey

久保貴志
外科医
雪村史緒
高校生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

両親を失い天涯孤独の身となった十四歳の雪村史緒は、エリート外科医で二十七歳の久保貴志に引き取られる。
同居生活三年目のある夏の日、貴志との些細な諍いが原因で、史緒は階段から転倒―目を覚ますと、貴志に関する記憶を一切失い、別人格になっていた。
負けん気が強く生意気だった史緒とは違い、無邪気で素直になったシオは、貴志に幼い恋心を抱く。
ひたむきにセックスを求めるシオを相手にしない貴志だったが、シオを通して史緒の本質に気づき、惹かれ始める…。
切なくもすれ違う二人のピュア・ロマンス。

作品情報

作品名
honey
著者
雪代鞠絵 
イラスト
門地かおり 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784778102968
3.5

(18)

(4)

萌々

(3)

(10)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
62
評価数
18
平均
3.5 / 5
神率
22.2%

レビュー投稿数8

今から買うのならば文庫版が良いかと

うちにあるのは旧版だったので、ノベルズで挿絵は門地かおりさんです。
ちなみに新版は文庫で挿絵はテクノサマタさん。
この旧版は2006年発行なのですが、高校生の受けは携帯を持ってません(苦笑
多分雑誌掲載はもっと前なのかもしれませんね。

**********************
受けは天涯孤独の史緒、16歳。
父親の不倫相手の息子である攻めに二年前に引き取られ、家事一切を仕切る高校生。

攻めの貴志は外科医で27歳のゲイ。
母親の不始末で知り合った史緒の現在の保護者で、面倒事の嫌いな性格。
**********************

読み始めるまで、貴志はもっと最初から史緒を溺愛系かと思っていたのですが、史緒が階段から落下し記憶喪失になるまではさほど彼のことは眼中に無かったんですね。
家族崩壊の原因となった貴志の母親を恨み、ゲイである自分も毛嫌いしていると思い込んでいて、付かず離れずというかほとんど付かずですね。
史緒が毎日どんな生活をしているかもまったく知りませんでしたし、興味もなかったという。
そんな貴志ですので、記憶喪失の史緒の世話を面倒事と当初感じたのも仕方ないのかなー。
その面倒という気持ちが変化していくのはちょっと性急というか、シモやら風呂やらの世話で史緒の体を見たせいなのでは?なんて思ってしまいました。
反対に史緒は初対面の時から貴志に惹かれ、二年間その気持ちを隠すためにわざとキイキイ貴志へ当たり散らして生活していたものの、記憶を手放したと同時にその鎧も脱ぎ捨ててしまいました。
そんな感情に素直になった史緒は可愛かったです。
自分を忘れないでいて欲しいと望むのが、すごく切なかったなあ。

史緒が記憶を無くした間は、貴志の三人称で記憶を無くす前と取り戻した後は史緒の一人称となっています。
本編はなんと100ページちょっとなので、記憶が戻った後の駆け足なこと…
ただその後の書き下ろしで、本編最後にわたしが感じた、史緒が素直に貴志へ向き合ったという感触はどうやら間違っていたようでして(苦笑
書き下ろしの方でもずっっっと史緒は貴志への態度を変えることはなく、ムキになっておりました。
なんだか本編の最初に巻き戻されてしまったかのようでした。
ただ、史緒のツンツンした生意気な態度の裏にある思いや混乱が一人称のせいでかなり表現されているので、じわじわときます。

貴志の先輩が良い味を出していて、二人の仲をググッと近づけるきっかけになります。
雪代さんが攻めの友人を当て馬でなく、結果的に協力者とするのはいつものパターンで、そしてけっこうこの友人キャラが毎回スピンオフを希望したくなるのですが、現実になったことないような…
雪代さんは今はほとんど新刊を出されない(文庫化ばかり)ので、今回も期待薄かなあ。
胸がぎゅっとなるシーンもあり評価は萌×2とかなり迷いましたが、貴志が史緒を好きになった感情の変化が良くわからなかったのが最後まで気になった(あんなに面倒臭がっていたのが別人のように…)ので萌×1にさせて頂きました。

1

特に後半が好き

前編に当たる表題作「honey」と後編「雨が優しく終わる場所」で構成された作品です。

記憶喪失と友人のちょっとしたイタズラにより、いつもは強気な史緒の隠された本質を知ることになる貴志。無邪気で可愛い史緒に貴志はどんどん惹かれて行って――というお話で、ここまでは予想できる展開。

この作品はここからの展開が面白くて、とても切なく、萌えました。史緒は年齢的にも思考回路も間違いなく子供で、対する貴志は、ああ大人だなぁとしみじみ感じました。

ショタは好みではないのですが、史緒は本当に健気で可愛いと思いました。

1

甘くて切ない

萌えよりは切ない・・・忘れないでほしいと願ってしまうお話です。

ケーキにハチミツをかけるともっと美味しくなる。

終わりから始まりまで
シオと史緒同じ人物だけど同じじゃない甘くて切ないお話でした。
史緒にとっては幸せな日々のはじまり。
シオにとってた最初で最後の恋。
シオがいたから本当の史緒の気持ちに気づけた。


honey
史緒と貴志の複雑な関係と史緒が可愛くない態度でツンツンしている理由が語れます。
大すきなはずの貴志は同じ先輩医師の大野と付き合っている・・・それに子供だから自分は相手にされない・・。憎まれ口をたたきながらもさみしさや悲しみを表に現そうとしない。
そして貴志とケンカをし階段から落ちてしまい健忘症になってしまう。
意識を取り戻した史緒はまったく自分が誰なのかもわからない状態でパニックを起こす。
今まで家事全般を史緒に頼り切っていた貴志は改めて史緒のありがたさを思い知る。
大野の嘘でシオは貴志と恋人だと教えてもらう。
史緒とは違うシオ。甘ったれで貴志が大好きで大すき大すきとひたすらくっついてまわるシオ。
そして幼さのこるシオは甘いのが大好き、豚肉とほーれんそうはアレルギー。
ケーキにはちみつをかけて与えるととっても喜ぶシオ
貴志の知らない史緒が次次とでてくる。

セックスをせがまれ健忘症で以前の史緒に戻ってしまったらシオの願いとはいえ史緒が目覚めた時その事実を知ってしまったら・・・となんとかかわす貴志。
健忘症は記憶がない時期の記憶がもどると一切覚えていないことが多い。その事実をシオが知り前の自分が戻る前に「恋人としてセックスをして覚えていてくれる?」と訴えられシオの願いを受け入れる。
貴志にとっては数あるうちのひとつのHでもシオにとってはかけがえのない初めてのH。
うぅぅ切ないです。
恋人として過ごしたたった数日のことなのに愛しさにあふれる。
そして机で見つけた史緒のメモの見てすべてを知る貴志。
「貴志さんの恋人 大野さん 子供は相手にしない」
もとに戻った史緒はやっぱり数日だったけど甘い生活をしたことを一切覚えておらず。
またもとのツンツンと素直になれない意地っ張りな史緒に。そして夏は過ぎてゆく

雨がやさしく終わる場所
あの夏から数カ月がたち貴志が以前より自分にたいして興味を持ちいろいろかかわろうとしてくることにどうもなれない史緒。
ほっといてほしいだけど嬉しい。子供扱いされたくない。完璧にこなさなければ。
ついつい憎まれ口を叩いては自己嫌悪な日々。
もともとドジっこな史緒は夜七味を買いにコンビニへ行く途中で交通事故にあい手足が使えない状況になります。
貴志と住むにあたり「絶対に貴志には迷惑をかけない」と心に誓った史緒は青くなります。
なにかと世話をしてくれようとする貴志をいつもの調子で拒否するけどそうもいかなくて食事やトイレやお風呂まで一人じゃなにもできなくてどんどん追い込まれていく史緒
でもそのたびに優しく優しく諭す貴志。
ケーキをかってきてたりするけど「ケーキなんか食べないよ!!」と大人ぶって嫌いなふりをして
貴志が切なく笑うのをみて心がギュとなる。
あの夏の数日を覚えていない史緒とあの夏からたとえ忘れたとしても史緒を愛することを決めた貴志の想いがまた切ない。

ラストの史緒の見覚えのない自分が書いたメモを真剣にみては「これ覚えてないけど捨てないで大切にしないと」って・・・・
やシオと史緒は最後で二人がひとつになったなぁと想いました。
どうしてもシオにあいたくなってしまぅぅぅ。
史緒がシオに気づくことはもうないんだなぁと思うと切ないな。

3

ギャップ萌えのぎゅっと詰め

不器用な天才肌の理系攻め×いじらしいツンデレ受け、おまけに年の差と
ギャップ萌えを凝縮したような一冊でした。

記憶喪失になった受けさんのいじらしさが何とも言えず萌えました。
攻めさんはもう少し夜伽にお付き合いしても良かったのではないかなあ。

個人的には、後半のチャプターがなくてもよかったと思いました。
記憶がなかったころの記憶はほぼ消え去ってしまったのだなあと寂しく感じたのと、
誤字脱字が本編より気になってしまって。
(私は記憶喪失時の受けさんのキャラが気にいったのかも知れません。)

瑣末な感想まで描いてしまいましたが、全体的には飽きずに読めました。
「記憶喪失」という重くなりそうなテーマもそこまでヘビーではなく読みやすかったです。
最後に天野さん、脇だけどいいキャラでした……好きです。

0

あまいあまい

おもらし・嘔吐あり。
ちっちゃくって細っこくてキーキー言ってる史緒が、小動物のようでかわいい~。と思ったら、それは大好きな同居人に自分の恋心を知られないようにするための強がりで。よけいに可愛いじゃないか。
タイトルの「honey」は作中にも実際出てきますが、さすがにああいう使用(エロではないよ)をすると思いませんでした。自分は甘党ですが、読んでいて背中が痒くなるほど甘そうでした(汗)なんか、一昔前の、ガリ甘ジャムを挟んだだけのバターケーキを思い出した・・。
2作目は、主人公が事故で四肢が不自由になってしまうお話。あれこれお世話してもらわないと生活できない、その境遇がもう萌え。そしてお約束のおもらし。グッジョブです。

最後、車内でのやりとりはよかったです。高速道路のオレンジ色の外灯が続く様を夕焼けに例えていますが、この一文は素敵でした。後続車が追い越しをかけると、車内がふっと明るくなる様とか、言葉では表せない情景がひしししと伝わってきて心が潤されました。

1

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