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ヤクザと検事という王道!(えー、メジャーなCPですよね?笑)
事務次官に密かに思いを寄せる検事の神谷、ヤクザで高校の後輩である九隅、そしてちゃっかり検事の想いを知りつつもて遊ぶ?事務次官の木内。
この3人が絡みます。もちろん、事件が起こってその真実を見つけにかかる部分あり、それにまつわる別の組の罠あり、と物語自体も面白いんですが、久隅がイイ!
高校の時から神谷に劣情を抱いてたんですよね。だから離れていった。決意の蜘蛛の入れ墨もダメにしても悔い無し!って男前すぎる…
神谷の爽やかいい人木内に対する思いは、汚れを知らない憧れのようなもんだと九隅は見切ってたんですね。だから無理にでもあの3Pは必要な行為だったと。すげーな、九隅。
その後は不眠になるものの、どんな睡眠薬よりも九隅の匂いに癒やされ熟睡できるというのを見ないふり、自覚しないようにしてる神谷。そんな神谷にケリをつけようと部屋に行く九隅が寝室の香りに気付きます。ニクイ演出だわ。。萌えた。
最後には「お前のものにしろ!」と命令形で覚悟を決める神谷。実際のとこ、検事とヤクザがCPで居られるのかは謎ですが、この二人にはイチャイチャしてほしいなぁ。
「蛇恋の禊」「蛇淫の血」は読みましたが、この「蜘蛛の褥」が一番おもしろかったです!
(「赫蜥蜴の閨」は未読ですが、読んでみたいと思っています)
他の方も書いていらっしゃるように、「蜘蛛の褥」だけで楽しめますよ!!
あとがきで沙野さんも書いていらっしゃいますが、久隅よりも神谷の方が本質的に病んでいました。
ヤ○ザである久隅の方が社会的にも暗く黒いイメージなのに、読めば読むほど神谷への想いが真直ぐ力強くて、明るい感じはしないのに何故か眩しい・・・逆に、検事で真っ白なワイシャツが似合う神谷の内面が爛れているような感じを受けました。
ラストの方で久隅が、仲よく手を握り合いながらのセックスなんてゴメンだ、と言うんですが、この二人のセックスは本編最後までドロドロと暗くねっちこい。なのに、二人の間に甘さが漂うのが、この作品のすごいところだと思います。
新装版に収録されている書き下ろし「濡れた砂」は、「蛇淫の血」の熾津組に襲撃された時の久隅サイドの話です。そうか、あんな状況だったのにやった後だったのか久隅(笑)・・・って笑えない。本当に最後まで全然緩くならない。読み応えありました。
久隅が刺青焼くシーンや、神谷の事務官である木内を交えた3Pなどハードな描写も楽しめます!(私もこの3Pを愉しんだ人間ですv)
単なる甘々な展開ものに飽きた方に是非オススメしたい一冊です。
『蛇淫の血』のスピンオフというか世界観が同じなのですが、これ個別でも問題ないと思います。
わたしはエロス的にはこちらの方が衝撃的で好きです(笑
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受けは検事の礼志、29歳。
清廉潔白な人物と評判の美形ながら、心の奥底は荒涼としています。
攻めの久隅は、岐柳組の経済ヤクザ。
高校を中退する前は、弓道部での礼志の後輩。
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礼志は事務官で妻帯者の木下に惹かれているのですが、そんな時偶然久隅に再会します。
木下への想いを久隅に知られ、あれよあれよと関係を持たされてしまう…という流れ。
ヤクザや検事が出るBLは多々あれど、さすか沙野さんぬるまっちい部分がありません。
外見は久隅の方が闇街道を歩いているように見えますが、どう考えても礼志の道の方が暗いという辺りも。
執着傲慢俺様×クールビューティーツンデレというお好きな方も多そうな設定ですが、若干痛い部分もありますのでご注意を。
蛇の方がシリアス度とハードさは高いと思いますので、こちらから試しに読まれて良いかもしれません。
例えば、榎田さんの交渉人シリーズなどがお好きな方向けかな。
この作品で何が印象的かと言うと、久隅が礼志とのエチへ木下を引き入れたシーン!(そっち?刺青焼く方でなく?)
すご!エロス全開!
木下はなんというか本当に『凡人!』という人間なのですが、ノンケで普通の趣味嗜好の人がここまで欲情するのかと興奮した(笑)のもありますし、木下が堕ちたのが妙にリアル。
そんな本能ままの姿を久隅は礼志へと見せつけることで、綺麗だけの人間(木下)なんて存在しないと知らしめたと思いましたね。
とにかくわたしはこのドロドロしたシーンが好きです(苦笑
ラブラブ3Pはあまり萌えないのですが、意外にこういう変則的な3Pの方が楽しめる人間なんだなあと知りました。
そして相変わらず、この頃の奈良さんのイラストの神なことったら!
沙野作品全体に漂う、暗く淫靡な雰囲気にピッタリだと思います。
ヤクザBLにはときとして硬派でしっかりしたモノがあるんですが、これもその一例かと。
沙野先生は初読みな上に、ラピス文庫ですからして、大して期待はしてなかったんですよ。
――がっ!骨太なエロスですね、これは。
検事とヤクザっていうのもありそうでない組み合わせなんですが(刑事とヤクザはありがち)
検事の神谷が片思いしている木下
神谷の恋情に気付いている木下
そして神谷を凌辱した久隅
この微妙な三角関係と片思いという危うい関係をうまく料理してるなー、という感じ。
で、意外なところで3Pきます。
3P輪姦好きのワタクシとしても、「ええぇぇぇぇぇーーー!?こうくるかー!?」
……ななめ上の展開でした。
今までにないエロス。うーん、ウルトラCのエロスだな、あれは。
途中、ちょいちょいどうでもいいアイテムが出てくる(香水だの、マイナーめの酒だの)のが変にスカしててちと萎えたが、それ以外は描写もクールでいい。
序盤はありきたりなBL文だなと思ったが、途中から硬質かつ生々しい筆の運びに引き込まれる。
ストレートかつ細かくフェラチオ場面を書きつつ、顔射は匂わせるにとどめているところにバランスのよさを感じる。
なんてゆーか、エロ場面は手練れだなと思わせる文章なんですよ。
エロ場面を作るのが上手い。
どこまでが全体のバランスを崩さずに書けるかわかった上で限界まで書いてる感じ。
こういう勘どころがわかんないと、書きすぎて汚くなってしまったり、意味不明になったりするものなんですが、ちょっとダークでエロい、っていう実は難しいところをクリアなさってます、沙野先生。
自分の好みでいうともうちょいゴリゴリベタベタにエロシーン書いてるのスキなんで、あえて「萌え」にとどまらせましたが、文章の技術面からいえば★4つつけてもいい。
エロスとストーリーのまとめ方は括目してみるべし!
たまらんですね。
これ、ヤクザものBLの金字塔のひとつだと思う。(『蛇淫の血』と『蛇恋の禊』も含めて)
色々読みどころがあるんだけど、攻めが背中の刺青を熱した鉄の棒で焼くシーンが凄い。
焼けた肉のニオイが活字からでも嗅ぎ取れそうな、そんな凄まじい描写だった。
ただ強烈ってだけじゃなくて、そのシーンはストーリー上非常に大事な場面なのだ。
攻めが自分の想いの強さをはっきり自覚して。受けの涙を見て恍惚とした気分になって。そして、そのあと絶望して…。
この、一連の感情の振れ幅が完璧で神だった。
なにもかも好きなんだけど、ただ一点、木内を小物オチにしたのだけは残念だったな。「ごくごく普通でまっとうな人の魅力」というものを最後の最後まできっちり貫いて描いてほしかったな。それは、攻めの強烈さとは対極にあるものなんだけど。
「強烈vs強烈」の勝負なら圧倒的に強いだろう攻めは、「強烈vs普通でまっとう」の勝負だと弱くなる。だからこそそこに攻めが嫉妬する余地が生まれるんだよなって思いながら読んでてさ。攻めが嫉妬で胸を焦がしてる場面、ゾクゾクキュンキュンしてました。
とにかく攻めの嫉妬最高。いちいち萌え。
そこのあたりのパワーバランスが好きだったもんで、木内sageによって受けの心を木内から引き剥がし、攻めのほうへと向かわせたことに、ちょっとがっかりしたんだよね。
木内をサゲなくても、背中の刺青を焼くシーンで十分じゃないかー!
受けと木内がタッグ組んで、お互いを尊敬しあって仕事をするシーンに萌えてたもんで、どうしてもそこにこだわってしまう私です。
3Pのシーンそのものは好きなんだけど。