SS付き電子限定版
花降る王子の婚礼シリーズ第2巻。
グシオン王と幸せな婚姻生活を送っているリディル。背中の傷が治るにつれて日々弱まっていく魔力に不安と焦りを感じ、なんとか魔法円を繋ぎ直してグシオン王に安定した魔力を供給出来るようにしたい。
大魔法使いロシェレディアのいるアイデース帝国に便りを出すが返信がなく、優しい王はそのままのリディルを愛すると言ってくれるだけに、余計に自分の無力さに打ちひしがれる。
そんな中突然、帝国ガルイエトが攻め込んできてグシオン王は重症を負い、自身は落馬し記憶を失ってしまう。
八方塞がりの状況に国を思う大臣、メシャムから自分がイル・ジャーナに輿入れした経緯と、この戦いは大魔法使いになったという噂のあるリディルを奪うために仕掛けられたということを言われてしまいます。
幸せから一気に過酷な状況に落とされたグシオンとリディルを思うとつらい。
少し読んでは休みなかなかページが進みませんでしたが、魔力を取り戻すためにリディルが1人ロシェレディアの元に向かうあたりからは気持ちを落ちつけて読むことが出来ました。
泣き虫だけど勇気があり、身を犠牲にするのを厭わないリディル。今作は彼がロシェ兄さまに会えて大魔法使いになれるのかどうかというお話です。
離れ離れになってもお互いを思い合っているエピソードもあり、やはりグシオンとリディルは真実の愛で結ばれているのだなぁと思いました。
前巻を凌ぐストーリー展開、見事でした。
国の垣根を越えたスケール感、魔法が生み出す神秘的世界、失われた中で"失われて"いない夫婦の絆、兄弟愛……よくぞここまで濃厚な設定を爆盛りにできたものです。
一つ一つの場面展開が目まぐるしく変化していくにも関わらず、詰め込み感を感じない上にストーリーの流れに無理がない。そのせいか飽きがこず、すんなり話が頭に入ってくる心地よさを心ゆくまで堪能しました。
奇襲をかけてきた敵国とのバトルシーンは臨場感・緊迫感に溢れ、またアイデースに嫁いだ兄に会いに行くシーンからは逼迫した切実な状況が伝わってきたりと、終始目が離せませんでした。この混乱に陥ったリディルたちの未来がどんな着地点に落ち着くのか、途中経過からは予想ができないほどの圧倒的ストーリーです。読みながら興奮で鼻息荒くしちゃいました。
記憶喪失という不穏な状況をひっくり返す回復劇にはシビれました。めちゃくちゃ気分が昂りました!
もう、そこからの怒涛の物語展開といったら声にならないくらい最高で最高です。
nice!good!great!amazing!excellent!のコンボ祭り。終盤はワクワクが止まりませんでした。前半部の鬱々とした気分が一気に晴れやかになる素敵ロードへまっしぐら〜…楽しくて嬉しくて仕方ない(≧∀≦)
このシリーズに酔いしれたもう一つの理由。それは、リディルの兄夫婦の存在です。
いやいやいやいやいや……こちらもリディルたちに負けず劣らずのおしどり夫婦。素晴らしいものを見せて頂きました。
前巻では謎めいていたリディルの兄・ロシェレディアと嫁ぎ先の大国・アイデース帝国でしたが、そのベールが見事に解放され、私の想像を遥かに超えたアイデース国夫妻の深い愛と絆に大・感・動。
えーー…この夫婦を脇キャラに据えていて良いんですか?のレベルです。ロシェレディアとアイデース皇帝・イスハンのストーリーをメインでじっくり読んでみたいのですが、あり得る話でしょうか。グシオンとリディルたちとは違う濃密な関係で繋がっている彼らの物語もいつか読める日が来たら嬉しいです♪
さてさて。2巻でこれだと3巻も期待大です。
3巻の発売を知り、1巻から一気読みしている花降る王子シリーズビギナーの私ですが、どハマりしちゃってるのは言うまでもなくです。
3巻はどんなストーリーが待ち受けてるのか読むのが今から楽しみです♪。
「花降る王子の婚礼」の続き。
神レビューばかりですね…すみません。
※ネタバレ注意※
前巻は読みやすいものの設定など好みではなく萌評価。長いお話になって、登場人物の掘り下げが深くなることを期待しました。早々に記憶喪失ネタか〜〜手垢がつきまくってるんだよな〜とやや落胆したものの、結果前巻より好き!スケールの大きい話が好きなので、特にロシェ兄登場以降の壮大さが良かった。リディルが身体を失いそうになる描写は"花降る"設定の勝利です。読みながら情景が思い浮かぶタイプの読者はそれぞれに花を舞わせたことでしょう。期待した登場人物への愛着はあまり深まらなかったものの、今回もするするっと詰まることなく飽きることなく読めました。
グシオンがリディルの拷問についての無垢っぷりというか無知っぷりに苛立ってたとこ言及されてたの好きです。リディルはこの世の汚い部分をもっと知るといいけど、そうはならないだろう。
待望のシリーズ続編。
王道と思われる王妃略奪シーンや記憶喪失ネタを尾上先生が書くとこうなるのか!という面白さがあった。
リディル王妃の魅力とグシオン王の包容力に今回も悶えました。
毎回思うのだけど、尾上与一作品はカップリングが絶妙すぎて他の誰かでは考えられない唯一無二の存在なことがとても理想的。
読むたびに幸せを分けて頂いている感じがするのだけど、この王と王妃は特に心が温かく満たされます。
切なくて、愛おしいお話。
どのカップルも末永くお幸せに。
まだまだシリーズとして続いて欲しいですね。
前の話が緊張感と興奮目いっぱいだったので、今回はどうなるのかと思っていたら、さすが!尾上先生!息つく余裕すらありません!
帯の通り、記憶喪失に陥っても、グシオン王への思いがどこかにあって。何とかしようと必死になる姿が切ない。
そしてグシオン王はじめ、出てくるキャラ(フクロウ含む)みんな命がけ過ぎて!普通死ぬでしょーーー!
グシオンの、まず王として生きるが、何よりもリディルの身の降り方を一番に考えるのが・・・ね(号泣)愛よね・・・
で、今回、ロシュ兄さまとステラ兄さまがね、とても良い。スピンオフ読みたい!特に、小冊子読んだら、ロシュ兄さまとイスハン帝の話がみんな読みたいはず!お願いします。
そして緊張の中で、思わず吹いてしまった、デルケム叔父上・・・