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表題作ディレッタント 上

真崎鉄馬
大企業の御曹司で大学生
夏原りょう
鉄馬の恋人で大学生

あらすじ

<身分違いの三角関係>

別世界の人間。けれど出会ってしまった。

清掃員の神崎は、大学生の夏原と出会い恋に落ちた。
とっさに自分も学生だと嘘をついて親しくなるが、
夏原には絶対的な恋人がいたーー大企業の御曹司・真崎鉄馬だ。
冷酷な鉄馬に蹂躙される夏原を助けたいと願う神崎だが、
情事を覗いていたことがバレて夏原に軽蔑されてしまう。

夏原には嫌われたまま、神崎は鉄馬の紹介で
真崎家の別荘の住み込みバイトを始める。
そこへ、鉄馬が何も知らない夏原を連れてやってきて……。

その夏、全員の運命を変える事件が起こるーー。

貧乏ニセ学生vsサイコパス御曹司×恋人の大学生、
秘密と嘘にまみれたサスペンスBL!

作品情報

作品名
ディレッタント 上
著者
カシオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784396785307
4

(78)

(35)

萌々

(22)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
7
得点
310
評価数
78
平均
4 / 5
神率
44.9%

レビュー投稿数7

読む手が止まらない…

またまたすごい作品に出会ってしまった気がして、興奮おさまりません。
カシオ先生の別作品も拝読していますが、こちらも負けずダークでシリアスで…人間の嘘をつく心理によって及ぼされる影響を巧みに表現されていて……!!!素晴らしかったです。


貧乏人で学生と偽っている神崎と、学生の夏原、そして企業の御曹司で夏原の恋人、真崎鉄馬。最初は純粋に夏原のことを思っていた神崎が、次第に鉄馬と立場が逆転していく様子が続きが気になってページを捲る手が止まりませんでした。
夏原にとって、絶対的な存在の鉄馬という男……。かなり性に対して奔放で性格にも問題ありですが…。下巻が気になります!

愛はなさそう?な鉄馬から夏原への行為や首絞めなど、激しい描写もあるので注意が必要です。
いや〜面白かった!!

0

この先どうなるの?

上巻は、起承転結の「承」で次巻に続くになっちゃった。

主人公は、大学で清掃員のアルバイトしてる陰キャくん。
綺麗な男の子に大学生と間違われた事がきっかけで学生のふりしてその子と親しくなっていくんだけども…。
そんなん無理じゃね?いくらバイトとは言え仕事舐めてる?仕事サボって1時間以上講義聴いてるって。そんで、大学生でもない、お勉強も好きじゃないのに講義意味わかる?教科書わざわざ高いのに買っちゃったりして。

気になってた男の子、正確悪い俺様金持ち男と出来てて実は、主人公は全然蚊帳の外なのに夏休みのバイトと称して金持ち男んちの別荘で働き出すんだけど…。

もうお気に入りの彼に嫌われてるやん。
どっちもに嘘ついて監禁みたいになってるけどこの先バッドエンドなの?どうなるの?

出てくる子の誰にも共感できないお話です。
とは言え、この先は気になります。

シーモアで購入
白抜き修正

0

本当に可哀想なのは誰?

 やっぱりカシオ先生の作品はダークな雰囲気のものが好きだなぁ、と改めて感じました。大学を舞台に構築されていく、爛れた三角関係。あらすじではりょうを陵辱する鉄馬がサイコパス扱いされていますが、本質的にはりょうや神崎の方がサイコパスなのではないかという気がします。鉄馬はやんちゃではあるけれど、根は普通の人間っぽいような。気弱そうな仮面が剥がれたりょうはどこまで欲望に忠実になり、感情を晒け出せるのか。神崎はどこまで倫理観を捨てられるのか。下巻が楽しみですね。

1

2巻を読んでの(ネタバレしてもしなくても)

ネタバレしても良い人は最新レビュー順で並べ替えた時に私の前に元ネタへのリスペクトを記載している方のレビューを読んでみて欲しいです。

但し私は元ネタとの関連をそこまで気にせずに読める人ですのでこの作品を最後まで楽しみました。

私が楽しんだわりに萌評価である理由は
総受けである夏原りょうがルックス以外魅力的に感じられなかったからです。彼には彼なりの過去や現在の思いがあるらしいのですが、それが「それで?」という感じでした。

1

元作品にリスペクトはあったか

下巻で作品内容のレビューは書いたのですが、やはり別途モヤモヤして問題では?と感じた部分をこちらに書きます。この作品、また過去作の『心を殺す方法』が好きという人にとってはネガティブな意見になると思いますので、ご注意下さい。

本当はネガティブ側の意見も読んで欲しいという気持ちはありますが、自分が好きなものを否定された=自分まるごと否定されたと感じてしまう人もいるかと思うので(全くそんなことはないのですが)、無理して読むことはないと思います。

では本題ですが、下巻のレビューで、この作品の元ネタは『太陽がいっぱい』の映画化作、『リプリー』だというのは指摘しましたが、『太陽がいっぱい』の原作者、パトリシア・ハイスミスは同性愛者で、ハイスミスが生きた時代は同性愛者が今よりずっと肩身が狭い、禁忌とされる立場にあり(同性愛と分かると精神科に通院させられることもあった)、そんな中匿名で女性同士の恋愛小説を書いたり、公でも同性愛とははっきり書かず、男性同士の複雑な心情をサスペンスの中で書いてきた作家でした。

好きな人に成り代わり、好きな人の全てを手に入れたいという『太陽がいっぱい』の主人公の心理は、その時代背景や環境から書かれたものではないかと言われてます。今では間違った方向ですが、当時は同性愛の表現方法をそうするしかなかったという事情があったのかと思います。

で、何がモヤモヤするかというと、今のBLの主流はポルノ的(性器や結合部や体液をしっかり描く)セックスシーンを含むもので、そこは私もBLを読んでいる中で楽しんでいる部分なので、大きな口は叩けませんが、同性愛者の生き辛さを内包した作品を元ネタとし、ポルノ要素をぶち込んだ、火サス昼ドラエンタメBLとして消費して良かったのか?というのが、個人的には今作の最大のモヤモヤポイントです。

リメイク映画の『リプリー』は、個人的には今となっては良くないなと思うラストですが、同性愛が禁忌だったから、同性愛者は不幸な末路を迎えるというラストになってしまったのは時代設定的なこともあったと思うので、『リプリー』に関しては多少仕方ない部分はあるのかなと思いますが、現代でわざわざ『リプリー』の方を元ネタにしたのもモヤモヤしました。原作は決して晴れやかではないけど、救いのないラストではないですし。

これは『心を殺す方法』でも言えることですが、『心を〜』の元ネタと思われる『残酷な神が支配する』は、性暴力に遭った主人公の少年の心の回復の困難さを描きつつも、ひとつひとつ、失ったものの中でも取り戻せるものは取り戻していく話でした。しかしそれを元に、何の解決もせず、性暴力を容認する話にしてしまったのは、個人的には元ネタに対するリスペクトが著しく欠けてないかと思い、読後引っかかっていたのですが、今回この作品を読んで、やはりオンブルーでのカシオさんの諸作品は、人の褌のセンセーショナルな部分だけ切り取って、相撲を取る感じなのだなという思いに至りました。

『太陽がいっぱい』も『残酷な神が支配する』も、衝撃的な部分だけに目を向ければ、「罪を犯した同性愛者が孤独に追い込まれる話」「義父から酷い性虐待に遭い、実母もあてにならず、苦しんだ末に或る事件を起こす少年の話」になってしまい、恐らくその部分だけを切り取ったのだと思いますが、両作とも、話の本質はそこではないと私は思ってます。
もちろん読み方は人それぞれなので、両作を読んでも不幸なサスペンスやレイプ部分にしか興味が向かないという人もいるとは思います。ただ、元ネタがショッキングな性質だけしかないとか、発案がオリジナルなら、倫理観云々をあんまり言うのも野暮だなとは思うのですが、元ネタがあって、その元の作品の本質を無視し、衝撃的な部分だけを消費するのは問題では?というのが私個人の意見です。

まあ、オンブルー自体がレイプを扱った作品に関しては、問題意識が希薄ではという気はしているのと、編集部というのは結局は話題になることと売り上げしか気にしてないので、倫理観や意識は作家さんの裁量によるものだと思います。
そんなのBLはファンタジーなのだから、どうでもいいという人にとっては、このレビューはどうでもいいことだと思います。

でも、『ディレッタント』や『心を殺す方法』をただただ盲信的に支持することは、『太陽がいっぱい』や、『残酷な神が支配する』を読んで、ストレートに表現することは叶わずとも、同性愛を何とか表現し、時代や環境からの抹殺から逃れた話や、レイプによって魂を殺されても、どうにか辛くも回復に向かい、家族間での支配性に言及した話に感銘を受けて、救われたと感じた人を足蹴にする危険性もはらんでいるのではと思い、書いた次第です。

長々と失礼致しました。ここまで読んで下さりありがとうございます。

オンブルー2作に個人的に問題があると感じていて、それ以外の過去作には良いなと思う作品もあるので、当然ですが、作者さんや著作全般を否定するつもりで書いた訳ではないことをご理解下さい。


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