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表題作王室護衛官に欠かせない接待

イーライ・ラファエル・バンビレッド
ラトミア公国使節団一員で伯爵
トリスタン・グラナート
25歳,スペンサー王国の王室護衛官

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

剣は苦手だし、戦争中は後方支援部隊にいて、何の功績も上げてない。なのに栄誉ある王室護衛官に抜擢され、貴族の末席に加わってしまった――。不安に揺れるトリスタンはある日、同盟国からの使節の接待係を命じられることに!! 国賓として訪れたのは、戦線の英雄にして、大公の懐刀と名高い伯爵イーライ。身分も華やかさも併せ持つ不遜な男に、反発と劣等感を刺激される日々が始まって!?

作品情報

作品名
王室護衛官に欠かせない接待
著者
水壬楓子 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
王室護衛官を拝命しました
発売日
電子発売日
ISBN
9784199010439
4.1

(33)

(12)

萌々

(14)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
135
評価数
33
平均
4.1 / 5
神率
36.4%

レビュー投稿数10

受けは合わなかったけど、お話は面白かった

KindleUnlimitedにて読了。
みずかね先生の表紙絵が格好良くてずっと気になっていました。

シリーズ未読です。
本作だけでも理解はできたのですが、序盤の説明などが長く感じてしまったのと登場人物が多くてやや億劫で…。
また、主人公の受けが「王室護衛官に選ばれた理由が分からない、自分は大した実績もない」ということで劣等感を抱いていたり自信がない描写が繰り返し出てきて、そちらも馴染めず…。
読み進めると、実は事務面で有能できちんと認められているのが分かるのですが、だいぶ不器用なタイプで…結局ずっとその姿勢は変わらないので、残念ですがあまり受けを好きになれませんでした。
受けの過去は辛いけれど、このヒリヒリが堪らない…という個人的嗜好に合致する面もあり、そのことも含めて救済されていくのは良かったです。

攻めは少し謎めいて格好良くてモテ男で…と様々な条件が揃っていて良いんだけど、結局どこで受けに惚れたのかもう少しはっきり書いてあると良かったなぁという気がします。突然「愛してる」と言われても…と思ってしまう。。

ただ、色々書きましたが、そうした違和感や馴染めない部分がありつつ、後半にグイグイとお話が面白くなっていきました。両国の立場での陰謀や策略、裏が読めない展開は面白かったです。

0

王宮に影を落とす陰謀と、華やかな伯爵との恋物語にときめく

初めて読む、水壬楓子先生の作品でした。

キャラ文庫さんのフェアで目に止まり、読んでみたこちら。すごく面白かった〜!
300P超えの長めのお話ですが、夜を徹して読んでしまいました。

独立直後の王国・スペンサーの王宮が舞台となる今作。
隣国のハイスペック伯爵・イーライ× 剣の腕はなくとも努力家な王室護衛官・トリスタンの反発心から始まる恋のお話です。

そこに絡んでくるキャラ達の思惑と陰謀、明かされる真実ー
そんなミステリー要素が楽しくて一気読みです。

戦争中は独立部隊にいて、剣の腕も立たず何の功績も上げていない(と思っている)のに、栄誉ある王室護衛官に抜擢され、日々奮闘しているトリスタン(受)。

そんなトリスタンはある日、同盟国からの使節の接待係を命じられます。
そしてそこで出会ったのは前日、溺れかけた猫を助けようとして無様な姿をさらしてしまい命を助けてくれた相手・ハイスペックで不遜な伯爵・イーライ(攻)。

どうにも反発心と劣等感を抑えきれないトリスタンですが、使節団が訪れてから、王宮内でなにやら怪しい動きが見られるようになりー

と続きます。

二人の恋も気になるところ・萌えポイントではあるのですが、「どうして私が護衛官に…?」とどこか引け目と劣等感を感じていたトリスタンが、周囲にちゃんと認められていたことを自覚しじーんとする描写に、自分自身も心打たれてグッときてしまいました。

戦争中、目立った戦果を上げられなかったと思っているトリスタンですが、実は…と作中で明かされた事実にとても胸が痛んだ分(これ、個人的にけっこうショッキングだった…泣)、正当に評価されていたことへの安心感が大きかったです。

ラブ面も山あり谷ありで、胸がきゅーーっとしてたまらなかった…!

劣等感と反発心を抱いていた相手にいつの間にか惹かれていき、一晩の関係と切なく割り切ろうとしたけれど、きっと忘れられないだろうという予感がして…切なさ全開からの、そうきたか!の再会の喜び。

陰謀などのミステリーチックな部分と、年上で華やかでどこか謎めいた伯爵との恋模様、どちらも最高に楽しめる素敵な一冊でした✨

1

イーライがついてれば間違いない

トリスタン!王室護衛官に任命されたのにいつまでも自信がなくて、独立戦争で最前線で命をかけて戦ったわけではないからと引け目に感じ続けて。
しかもそんな過去があったなんてーーー!

とにかくトリスタンが辛そうで、メンバーに相応しくないと思い込んでて。

陰謀と策略は読み応えがありましたねえ。
いったい何のために来たのか?グルグルして。

そしてイーライ!いい男ですねえ。
王室護衛官のメンバーも鉄の絆ですね!しかも美男揃いで。

百戦錬磨のイーライをただの恋する男にしちゃって。イーライ、やってくれたね!

泣けて泣けて、でもトリスタンがやっと自分で手に入れた立場と恋人を得て幸せになれて良かったです。

イラストがみずかねりょうさんで、特に表紙の美しいこと!ただ他のイラストはあっさり目じゃないですか?

2

ますます面白かったです╰(*´︶`*)╯

前作「王室護衛官を拝命しました」がとても好みなお話だったので、続編もウキウキで読ませて頂きました。

前作の承認式から2ヶ月後。
スペンサー王国に隣国ラトミア公国より親善と称して使節団一行が訪れる。

受け様は、もちろん王国護衛官のトリスタン。
独立戦争時では後方支援で軍を支えてきたのだけど、とりたてた功績をあげたわけでもなく。
王国護衛隊の一員にあるのが分不相応だと思っている真面目で不器用な人。

攻め様は、ラトミア公国の使節の1人、イーライ。
華やかで大人の魅力のあるデキる男。


今回も、陰謀やら秘密裏に画策されていた事柄やらがいっぱいで、BLとしてだけでなく騎士団ものファンタジーとしてもめっちゃ面白かったです(≧▽≦)

読むのに夢中で、陰謀や首謀者やらを考える余裕もなかったです(^_^;)
だって、どうなるのか気になって仕方なかったんですもの。
怒涛の勢いでラストまで読み進め、なるほどなぁ、でした。

もちろん、2人のBL模様も楽しかったです。
私は攻め様の焦燥や葛藤といった姿を見るのが大好物なので、不器用で一生懸命なトリスタンに対するイーライの想いに萌えが募りました(人*´∀`)。*゚+
特に、トリスタンに誘われた時のイーライの対応がめっちゃ萌え。
ほくそ笑んでおりました。

なにげに前作のディオン&ファンレイの姿も見れて嬉しかったです。


イラストはみずかねりょう先生。
前作と違うのも2度美味しい感じです。
中世の騎士様の衣装が繊細で美しい。
眼福でこざいます(♡ω♡ ) ~♪

3

中世ヨーロッパ風

水壬先生のお話、やっぱり面白い。そしてエロい(笑)赤いマントのスカーレット=王室護衛官の設定が面白かったし、中世ヨーロッパ風の架空の小国のお話だけど魔法設定はないのでファンタジーとは言わないのかな?

しかしみずかね先生の挿絵なので夢のように美しいビジュアルの護衛官ばかりで眼福です。髭面の荒々しいタイプとかいません。王室の側付きなら身だしなみも大事ですしね。イラストや巻頭カラーに攻め受けカップル以外の護衛官も多く描かれていたのでまた別カップルのスピンオフがありそう。アラサーの大人グループのフェイスかブルーノのお話が読みたい。2ショットの絵があったからまさか2人はカップルなのか。

受けのトリスタンの過去は萌えました。悪い上官に体を差し出し弄ばれていて再会してまた犯されそうになる。最近のBL小説はこういうゲスい設定が少ないので、さすが水壬先生といった所です。もちろん攻めのイーライがヒーローのように助け出すのはお約束。

ストーリーもラストであっと驚く展開があり、楽しめた良作でした。

4

王室護衛官シリーズ第2弾

王室護衛官シリーズ第2弾、今回は隣国の伯爵イーライと王室護衛官トリスタンのお話。
騎士としてより事務方として王室護衛官に取り立てられたトリスタンは自己評価が低いけど、いつも一生懸命なのが好ましい。そんなトリスタンとイーライの出会いは最悪、その後も事ある毎にトリスタンのコンプレックスを刺激されそんなトリスタンに対して百戦錬磨なイーライは劣等感を刺激され翻弄され、最初は気の毒だった。恋愛に臆病な理由も後に解りますが、これも彼の劣等感ゆえ。彼なりの精一杯だけど、やるせなかった。イーライも正論で追い詰めるけど、彼を守りたかったんじゃないかな。
国同士の駆け引きも緊迫感を増してきて、そんな中でイーライへの気持ちに気づいて自ら蓋をしようとするトリスタンに涙。2人の初めての契りは切なかった。
話は佳境へ、展開にびっくりだけどトリスタンの決断に拍手。王室護衛官の絆にも感動。
最後まで本音の見えなかったイーライだけど、想像以上の溺愛にニヤニヤしてしまった。山あり谷ありな2人のお話、すごく面白かったです✧*。

4

違和感?

電子書籍で購入。
前知識なしに、作家買いで手に取りました。
当然、続編と知らずに読み始めました。

途中で、どうも話がすんなりと入ってこないなぁと思い、改めて情報を確認すると続編である事が判明。
前作は読んでいたはずだったのですが、キレイさっぱり忘れていて思い出せず。
この後、読み返してみたいと思います。

本作ですが、なんだか凄く読みにくかったです。
なんでかな。
物語がすっと、流れないのです。
細切れの情報を寄せ集めてる感があって(それが伏線ってことになるのでしょうが)、うまく脳内処理出来ませんでした。
前作を読んでから読み進めたら違ったのかな。

それぞれの登場人物の心情も、読み解けなかったです。
登場人物が多すぎて。

なんとなく、不完全燃焼ですっきりせずに終了。
いや、物語的にはキチンと終結してます。
ただ、あらあら、それでいいの?感が半端なかったです。
多分、攻めにとってはすごい決断だと思うのです。
そこまでの決断をするほど、攻めと受けが深い関係性を築いていたようにも見えなかったので違和感がありました。
当然、読者の私たちと同じように受けも疑問に思って、作中で攻めに問いかけています。それに対する攻めの回答をもってしても、やはり違和感は拭えず。

ということで、「萌」評価とさせて頂きました。

1

続編

みずかね先生なのでマストバイ。挿絵している先生が違いますが「王室護衛官を拝命しました」の続編でした。カプが違うので、単独読み可だと思います。攻め受けともめちゃくちゃ好き!とまではいかなかったので萌にしました。ファンタジー要素はなく、剣で戦う時代の中世ヨーロッパって感じのお話、本編300Pほど+あとがき。

2年ほど前にカルディア帝国から独立を果たしたスペンサー王国。そこで王室護衛官の一員として働いてるトリスタンは、後方支援で功績があったとして取り立てられたため、王室護衛官としてふさわしいのか今一つ自分で自信がない状態。与えられた役目を果たすべく、隣国ラトミア公国からの客人を迎えたのですが・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ブルーノ・カーマイン:金髪ロン毛♡♡♡キレ者♡王の側役。
サイラス・ピオニー:25歳、最年少。童顔。護衛官。受け幼馴染。
フェイス・セビリアン:護衛官。色々知識あり、穏やかな模様。スペンサー王国出身ではない。
等の護衛官に加えて、隣国のカレル公子、フロリーナ公女(カレルの妹)等々。
やっぱりブルーノ様好き!次こそブルーノ様で!あーフェイスもいいんだよなー訳ありそうで。

++攻め受けについて

攻めさんは王道、権力ある行動派お貴族様&武人としての才能あり&腹黒風味あり。個人的には正統派攻め!って感じです。ただそんなに力抜けている感じがないので、ちょっと面白みに欠けたかなと感じました。イケメンさんには違いなし。

受けさんは、武人タイプではないので「自分が王室護衛官なんかでいいんでしょうか」と悩んだりする方。きりっと凛々しいという印象はなく、ぐずぐず泣くという印象でもないです。細やかに気配りのできる総務部勤務向けという感じの方。攻め受けはカッコいい&美人さんなんで、ビジュアル的には嬉しいのですが、なんだか受けさんの気持ちの盛り上がりに、シンクロ出来なかったでした。

設定と攻めのキャラは好きな方だったんですけど、二人の恋心の盛り上がりに上手く合わせられなかった一冊でした。うーん。ビジュアルはめちゃんこ好きなんだけどなあ。

3

受け、不器用すぎー! 攻めは格好良すぎーー!!

永世中立国・スペンサー王国を舞台に、王室護衛官達の恋に仕事にと言った活躍を描いたシリーズの新作になります。
今作だけでも読めるように書かれてるので、興味をそそられた方はぜひどうぞ。
ちなみに、シリーズ未読で他の護衛官達も気になった方には、ぜひ「スカーレット・ナイン」をオススメしたいですね。
こっちは400年後の現代が舞台でアダルト組になりますが、強気美人受けの軍服姿が垂涎ものだったりします。
個人的にさあ、仕事も出来て割りきった身体だけの関係なんかも楽しんでる強気受けが、実は脆い部分を抱えてるってのに異様に滾っちゃうんですよね。
こっちの二人の続編も読みたくて仕方ない。

で、内容です。
独立戦争の終焉から二年ー。
悲願の独立を果たし復興が進んだスペンサー王国で、栄養ある王室護衛官に任命されて国の為に粉骨砕身しているトリスタン。
そんなある日、同盟国であるラトミア公国から使節団がやってくる事になってー・・・と言うものです。

まずこちら、トリスタンが地味ながら真面目で芯の強いスカーレット(護衛官)の一員。
対してイーライが、美貌と実力を兼ね備えた同盟国の華やかな伯爵でしょうか。

ひょんなアクシデントから、たまたま出会ったイーライに救われたトリスタン。
それが王宮で、使節団の一員としてやってきたイーライと再会して・・・と言う流れ。

えーと、水壬先生と言うと、秀逸なオチでアッと驚かせてくれるイメージが強いんですけど。
今回もかなり予想外のオチで、興奮させてくれると言うかワクワクさせてくれるんですよね。

や、タイトルからほのぼのコミカルなお話をイメージしそうなものですが、実はこれ、国に忠誠を誓う男達が、それぞれの思惑なんかを秘めて互いに化かし合いをやってるみたいなお話なんですよ。

同盟国として友好を深めにやって来たラトミアの使節団。
それと同時に、一人の護衛官の身に起きる不審な出来事。
彼等が訪れた真の目的とは?
また、次々起こる事件の犯人とは?
てな感じで。

私は元々、こういう陰謀ものなんかが大好きなんですよね。
また、国の為に尽くす男達みたいのにも異様に滾っちゃって。
繰り返しますが、オチが驚きのものなんですよ。
いかにも怪しい行動で撹乱させてくれるイーライといい、騙されているふりをして情報を引き出そうとする護衛官達といい。
彼等の駆け引きが読んでて痛快と言うんですかね。
まぁそんなワケで、ストーリーとしてもとても面白いのです。
面白いのですが、この作品の素晴らしいのは、そんな中でのラブも同時進行でしっかり語られる事だと思うんですよね。

や、今回の主人公・トリスタンですが、独立戦争での功績により栄誉ある護衛官へと任命された人物なんですよ。
ただ本人は、後方支援舞台に居て実戦には出ていない事。
そして剣が不得手な事なんかを負い目に感じていて、自分がスカーレットに相応しいとは思えずに葛藤していて。

また、接待係として頻繁に関わる事になったイーライ。
彼がですね、自分に自信があってその立場に相応しい実力もありと、もろにトリスタンの劣等感を刺激する男なんですよ。
その上、歯に衣きせぬ率直な言葉で、トリスタンの反発心まで刺激する。

これ、最初こそ、この二人がどうすれば恋に落ちるのか全く想像つかなかったんですよね。
ついでに、何故そこまで、トリスタンが自己否定するのかも分からなかった。
それが、お話が徐々に進むに連れ明かされるトリスタンの驚きの過去。
そして、厳しい言葉を告げるイーライの本当の優しさ。

いやもう、トリスタン、不器用すぎるよー!
そしてイーライ、格好良すぎるよ!!

これな、まさに国の為に尽くすと言いますか、自分の身体さえ取引材料にしてと、トリスタンがとにかく痛々しいのです。
そして、その事が深い心の傷となってる事も、また痛々しい。
だからこそ、イーライの深い包容力にグッと来ちゃうのです。
ああ、水壬先生の書く攻め、マジで格好良すぎーーー!!

ちなみに、他の護衛官であるフェイスも格好良すぎでした。
スカーレット、格好いい男がゴロゴロいるわと。
や、知ってたんならその時に助けてやって欲しかったとも思うんですけど。
まぁ、戦時中だからね。いかにフェイスと言えど、そこまで無理だったんでしょう。

と、そんな感じで、ストーリーといいラブといい、素晴らしい作品でした。
個人的にはシリーズ中で今作が一番好きです。

12

二転三転するストーリーに引き込まれました

水壬作品の「王室護衛官」シリーズの3作目。
1作目は『王室護衛官を拝命しました』。
2作目は『スカーレット・ナイン』。2作目の『スカーレット・ナイン』は続編というより完全なスピンオフでしたが、今作品は1作目の『王室護衛官を拝命しました』の続編にあたる内容です。

とはいえ、前作未読でもおそらく問題なく読めるかと。前作のディオン×ファンレイをはじめとした王室護衛官の面々は登場していますが、序盤に登場人物や世界観のさっくりとした説明が書かれていますので。

が、その説明がちょっと長いっていうのかな。だらだら続く感じがしてちょっぴり読みづらいのですが、うん。いったんこの作品の世界観が理解できると一気に引き込まれてしまう。

で、今巻の主人公は王室護衛官の一人・トリスタン。
彼が実家に休暇のために戻るシーンから、物語はスタートします。

実家に戻る最中に、村に住む男の子に助けを求められてしまう。川に猫が、しかもトリスタンの実家で買っている愛猫が落ちたのだという。それも「猫泥棒」に川に落とされたのだと。

慌てて猫の救出に向かうトリスタンだったがあいにく数日前から続く雨により川は氾濫していた。そんな中猫の救助に向かうトリスタンに一人の男が手助けを申し出でる。その男によって猫も、自身も救われたトリスタンだったが、その男は同盟国でもある隣国のラトミア国から親善目的で訪れた伯爵・イーライで―?

トリスタンは王室護衛官の一人で、有能な人物ではあるのですが、自身は王室護衛官にふさわしくないと思っている。剣もふるえず、良家の子息でもない自分がなぜ王室護衛官のメンバーに選ばれたのかわからない。

国を守る。
その使命だけを胸に奮闘していますが、彼が王室護衛官のメンバーとしてふさわしくないと思う理由が、他にもあるようで…。

んー。
とにかく、めちゃめちゃ、面白い…!
トリスタンは無事ラトミア国に対する接待を遂行できるのか?という部分が軸なのですが、そこから二転三転していくストーリーが素晴らしい。軍服とか、王室護衛官の素敵すぎる面々とか、そこにイーサン×トリスタンの恋の成就、というBL展開が盛り込まれてるんだよね?とか思いつつ読み進めましたが、いやはや、そういう展開とは…!トリスタンの過去がとにかくカッコいい。彼の男気に惚れ惚れしましたが、そこがピークじゃないんですよ。

あ、あれがここに繋がるの?という伏線の回収、ストーリー展開は、さながら点が線になっていく感じ。少しずつ見えてくる事実に圧倒されっぱなしの1冊でした。

1作目は『王室護衛官を拝命しました』の絵師さんはサマミヤさん。
2作目は『スカーレット・ナイン』では亜樹良さん。
そして今巻はみずかねさん。
レーターさんが違うと作品のイメージも少しずつ変わって、それがまた味があって良い。みずかねさんの描かれるイケメンさんたちが眼福過ぎて、軍服がカッコよすぎて、もうずっと悶絶しっぱなしでした。

正直、このシリーズのスピンオフが出るとしたら次はブルーノかな?と勝手に思っていましたが、もう誰メインのスピンオフでもいい。みんなカッコいい。全員分のストーリーが読みたい。王室護衛官は9人いるので、まだまだスピンオフが出来そう。

ということで、水壬先生、スピンオフを正座してお待ちしております。

11

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