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表題作みのりの森

昌典
町役場に勤める青年
渋谷実
亡き慎太郎の友人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

町役場に勤める昌典は、ある日、東京にいた親友・慎太郎の訃報を聞かされる。悲しむ間もなく葬儀の手伝いをしていると、突然見知らぬ青年が会場に現れた。男は実と名乗り、慎太郎の東京での友人で、四十九日の間はこちらにとどまるつもりだという。実を自宅に泊めることにした昌典は、その夜、誘われるがまま彼と一夜を共にしてしまい…!? 親友の死の真相、実の目的、昌典の秘めた恋――。謎と嘘が折り重なり、導き出される想いとは。山深い田舎町を舞台に二人の青年の不器用な恋を描く、珠玉のミステリアスBL!

作品情報

作品名
みのりの森
著者
まりぱか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス リンクスコレクション
発売日
電子発売日
ISBN
9784344849365
3.8

(125)

(46)

萌々

(38)

(23)

中立

(14)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
19
得点
465
評価数
125
平均
3.8 / 5
神率
36.8%

レビュー投稿数19

ミステリー調でドラマティックな作品

最初の方伏線が張られていてちょっと意味がわかんないな?ってところがあるんですよ。
人間関係とか、人物像とか。

真ん中あたりで、ショッキングな事実が明かされてえーーー?!ってなったところで、「あとがき」がくるんですよ。
え?!終わったの?ってページ数確認しちゃったもんね。真ん中にあとがきあるのなんて初体験。
これは、あとがきじゃなくない?とちゅうがきだよ。

若くして亡くなった慎太郎のお葬式に東京からやって来た慎太郎の自称友人実くん。
泊まり先提供した昌典と寂しさ慰めるようにその晩から体の関係に。
慎太郎の遺品整理をしながら二人で故人を偲び、実くんは田舎の人たちと打ち解けていってここでの生活に馴染んでいくの。

実くん、なんか謎な行動してそうな描写がチラホラあるんよ。そこがモヤモヤさせられるんだけど、後々明かされていきます。

1人の死をキッカケに色々と考えさせられる。
結局慎太郎が名指しを選ばざるをえなかったのかは、本人のみぞ知るなので残されたものには知りえないんだけど、あんな手紙残して亡くなるなよ〜。
あの時連絡取れてたらとかたらればで、考えちゃうよ。

切なさも抱えながら生きていくしかないし、実と昌典は2人で幸せになって欲しい。

hontoで購入
白抜き修正

0

喪失から始まる物語

うーん、これは読む人によって受け取り方が全く変わる作品だと思いました。
繊細な人や、身内/友人に同じような人がいるとか。
私自身は…
自分ごととしては共感できず、ただ寂しさを感じました。
慎太郎という男性が亡くなり、その葬式で地元の親友だった昌典と、駆けつけた「友人」と名乗る渋谷実が出会う。
慎太郎は自殺で、その重みに潰されかける昌典に寄り添う実、という形でストーリーが展開していくわけだけど。
実が本当はどんな人間なのかは中々明かされず、そこがミステリアスな味を添えています。
まるで哀しみの昌典を慰めるためだけに存在するような実、慎太郎への隠し続けた恋心をどこかにそらせるためにやってきた実。しかし、夜中に山で何かを探している…
ミステリーというより犯罪が絡むような不穏な空気感すら。
しかし、実の本当の事情が明かされて、物語は一気に切なさを帯びて。

私ね。死にたい、と思ったこと一度もありません。
慎太郎がなんで死に傾いて、そのままそちら側に行ったのか。その理由や感覚が今ひとつピンときません。
でも、はっきりと描かず曖昧な所がいいんだと思う。
曖昧な部分にわからない人もわかりすぎる人にも感じさせる何かがあるんだと思う。
だからこそ、最初っから昌典と実が寝てしまう部分が逆に惜しいような気がするんですよね。
一度は堕ちた男と、喪失に苦しんだ男の再生。は良かったと思う。
絵柄も「男x男」の感じがよく出ていると思いました。
総合「萌」で。

1

深くて心に残る作品


自分は作品を読んで号泣しました。

ストーリーは、慎太郎の自殺をから繋がっていく人物たちが交わってそれぞれの心情が絡み合っていく物語です。

読み終わった後の感想は、『腑に落ちない』『やるせない』でした。物語の軸となる慎太郎という人物の自殺ですが、慎太郎はどこか他人と違う脆さを持っていて闇をかかえているという表現だけで結局なぜ自殺をしてしまったのかが分かる表現やセリフなどが無く、そこが1番腑に落ちないところでもありました。

慎太郎の死に、たくさんの人物が悲しさや悔しさ、懐かしさなど思うことは様々です。昌典や実の流す涙を見るとこちらも涙が出そうになります。しかし、そんな彼らも誰もかもどこか諦めてるというか『なぜ死んだのか』を知ろうとしてないんです。言うならば、『そっか、死んだのか』という感じです。まだこの世にいるような雰囲気です。

だからこそなのか、読んでる側の腑に落ちない感覚も段々と無くなっていくのだと思います。
でもやるせなさだけはずっと頭にこべり着いていて、
凄く頭にも心にも残る深い作品だなと思いました。

レビューを書いてる皆さんも言っている通り、死ネタ軸として発展していく物語なので抵抗がある方は少なくないと思います。でも、自分は読んで良かった。出会えて良かったと思う作品です。
もし、少しでも興味があるなと思ったのであればぜひ読んでください。

3

"大号泣"はしなかったけれども

まりぱか先生の作品を読んだのは確か2作品目だったと思います。
初めて読んだ「エンドランド」がとても良かったのでこちらにも期待して読みました。

帯にあるよいに"大号泣"まではいきませんでしたけど、少し寂しさの残るような、温かくなるような、よい余韻を残す作品だったと思います。

段々と物語の全貌が見えてくるようなお話運びは、ドラマみたいで、実が良い人物なのかそれとも悪い人物なのか始めはわからずにハラハラしたりしながら、どんどんお話に引き込まれていきました。

昌典の寂しさから身体の関係になるんですが、それは良いとして実が昌典の事を会う前から気に入ってた「会いたいなぁ」と思っていたという部分に若干の違和感を感じましたかね。
それとも見た目がめっちゃ好みだったのかな?

あと何故みのるだって偽ってたんだろう?
そこが2周読んでも分からなかった…読解力の問題でしょうか?

ラストいい感じで終わったので、その後の2人を見たいですがきっと幸せに暮らしてると想像して余韻に浸りたい作品でした。

1

じわじわ泣けて、ふんわり勇気をもらう

 「大号泣」
 帯を読んで想像していた以上に泣きました。
 大切な人を失ってしまった悲しさと、それでも続く日常。重くなりがちな主題ですが、最後に前を向いて生きていこうとふんわり思えるあたたかい物語になっています。
 登場人物はみんないい人で、優しい。失ってしまった人に想いを寄せながらも、日常生活を保っているので、物語全体がしんどくなりすぎません。
 登場人物が、それぞれの悲しみを、少しずつほかの人と共有していく様子が丁寧に描かれています。失った人と他の人とのつながりを、知れば知るほど、失ってしまったことが悔しくて、悲しくて、涙が止まりませんでした。同時に、その苦しみを他の人と共有していく中で生まれるつながりに支えられていく登場人物の姿に、勇気をもらう思いがしました。

1

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