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表題作愛で痴れる夜の純情 禿編

綺蝶,娼妓
蜻蛉,娼妓

その他の収録作品

  • スペシャル編
  • 廓あそび
  • あとがき

あらすじ

売春が公認化されて十数年経ち、遊里としての姿を取り戻した吉原。蜻蛉と綺蝶は、男の遊廓である花降楼で双璧と謳われている傾城だ。だが気位が高く「お姫様」とさえ称される蜻蛉と、彼とは正反対に気さくな綺蝶は犬猿の仲とまで言われていた。しかし、そんなふたりも花降楼に来たばかりの頃は夜具部屋を隠れ家に毎日逢瀬を繰り返すほど仲が良かったのである。ふたりの関係はいったい…?花降楼を舞台とするシリーズのコミカライズ

作品情報

作品名
愛で痴れる夜の純情 禿編
作画
樹要 
原作
鈴木あみ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
白泉社
レーベル
花丸コミックス
シリーズ
君も知らない邪恋の果てに
発売日
ISBN
9784592204411
3.6

(33)

(13)

萌々

(4)

(11)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
12
得点
116
評価数
33
平均
3.6 / 5
神率
39.4%

レビュー投稿数12

遊女×遊女の禁断の恋

身請けさせてやるのが蜻蛉にはいいのかもしれない。
そのほうが幸せになれるのかもしれない。
でも、側に置いておきたい。
ほかにやりたくないという気持ちから、綺蝶はわざと蜻蛉を煽るような言葉をいい、乗りやすい蜻蛉も、その言葉からあっというまにお職に・・・という話。
なんかね、凄く切ないんですよ。
だってさ、普通の恋愛漫画と違って、遊廓って、性を売る場じゃないですか。客をとり始めたら、いやおうなしに他の相手と身体を重ねなければならないわけですよ。
好きな相手が他の男と・・・・というね無駄な悪い妄想も有りますしね。思っていてもどうしようもないという気持ちが痛いです。

二人は「早くお職になって、稼いで二人でココを出よう」という話をしています。早くその日が来る事を私は祈ってるよ。
このカップルイイ!!
そうそう、犬猿になってる理由は簡単です。
二人が体の関係を持ってしまったので、以降一切交流を持たないことを条件に蜻蛉は店に残ったんです。
だから、綺蝶もわざと冷たくして、煽る事を言ってみたりしているわけです。
素直になれない蜻蛉もツンケンしているわけです。
あうううううう・・・・・。

結局これはココで終わりなのかな。
次は、違うカップルに以降する?
気になって気になって・・・・。

そうそう、綺蝶が、蜻蛉がお客をとることを考えて凄く切なそうにしている顔もそうなんですが、蜻蛉が始めての客をとるときに、
なんで笑えないだろう。
あのときみたいに(綺蝶に笑いかけたときみたいに)というのがね。
凄く・・・・・あれでしたよ。
なんだよ。
えっと・・・・胸にしみる?

二度とアノ頃には戻れないといいながら涙を流すシーン。
あうううううう(;□;*)エレエレ
はい。
とにかく切ない話です。
その後の二人が見たいヨ私は。

少年から大人へ。
この二つの段階が上手く表現されてて素敵です。
一読の価値ありですよv

3

遊郭の切なさがたくさん!

 舞台は売春防止法が廃止され、一等赤線地区が復活し、昔ながらの遊郭や高級娼館が再建され、遊里としての姿を取り戻した吉原でのお話。
 今や犬猿の仲とまで言われ、花降楼で「双璧」と言われている、気位の高い蜻蛉と、気さくで面倒見のいい綺蝶。
 けれど、禿・新造であった頃の二人は、まるで子猫同士がじゃれ合うように、仲がよくて……

 ということで、今や御職争いをするまでにもなった二人の子供の頃の話です。
 幼い頃の二人は本当に仲が良くて、二人で支え合っているような感じだったのですが……
 ある日、綺蝶の水揚げが決まって、綺蝶が他の男に抱かれてしまうことを蜻蛉が知って暴れてしまったところから変わっていく。
 綺蝶は自分の仕事は「仕事」としてきちんと割り切れて、その中で如何に最善の方法でそこから抜け出すか、ということを考えられるから遊郭でもやっていける。
 でも、蜻蛉はそんなに簡単に割り切れなくて……
 そして、綺蝶はそんな蜻蛉の性格を知っているからこそ、自分の本心をもう、口にすることはできない。だから、本当にしたいこととは逆へ逆へとやってしまう……。
 でも、さすがの綺蝶も蜻蛉に「大嫌い」と言われて、キレてしまい、蜻蛉を抱いてしまう。
 遊郭では色子同士の恋愛はご法度で、おまけに蜻蛉とキズものにしてしまう行為は持っての外! 本来ならば、今居る所よりも更に下の見世に売られてしまってもおかしくない事態に、綺蝶は「蜻蛉に近づかないこと」を条件に、二人とも今の見世におかせてもらうことにする。

 もう、この辺りが切なくて、切なくてしょうがない。
 お互いの気持ちはちゃんと、お互いに向いてるのに、それを素直に表すのはご法度。
 それをしてしまうと、お互いの生命すら危うくなってしまう。
 おまけに仕事では本当に好きじゃない人と身体を重ねる行為をしなくちゃいけない。
 本当に好きな人とはできないのに、好きじゃない人とはしなくちゃいけない――この辺が、娼館が舞台となっている小説の醍醐味なのかな……と、思いますし、この本ももれなくそういう風に切ないです。

 早く出るためには、相手に対して、「いっぱいの男に抱かれろ」ということと同じなんですもんね。

 すっごく切なくて、切なくて、早く続きが読みたくなります。

2

漫画化万歳!!

コミカライズされた当時、私は元々花降楼シリーズ原作本数巻と、ドラマCDを聴いたりしていたので、作品(しかも一番大好きなカップルのエピソード)がコミカライズされた時は本当に嬉しかったです。
しかも、原作本の挿絵と同じく樹要先生の絵でコミカライズというのが更に嬉しくて。(私は当時、花降楼シリーズで初めて樹先生の絵を目にしてすっかり気に入ってしまいました。)
挿絵の時から、とりわけ綺蝶の格好よさと色気の虜だっただけに、実際に漫画の中で動く姿が見られてとても幸せでした。

今回は二人の出会いと、犬猿の仲と言われるまでになるエピソードが描かれています。
綺蝶の切ない表情が本当、たまりません。

私は男遊郭ものは今のところ花降楼シリーズしか読んだことがないのですが、当時の私には色々衝撃的で・・・大きな影響を受けた作品の一つです。

1

着付けデンジャラス…柳腰の男たち

復活した一等赤線地区の最も高つつく男の妓楼・花降楼には、
伝説の娼妓がおりました…綺蝶と蜻蛉!
その性格は片や猫、片や真珠…かくも正反対のこの二人は、
昔・親友、今・ライバルで、美の双璧と謳われているという…。
出逢ってから10年…波乱万丈のこの恋の「禿編」は始まりの物語!
売られてきた妓楼で、子猫のようにじゃれあう子供時代から、
ついに抱き合い…恋を封印する新造時代…
そして双璧と呼ばれるまでが描かれています。
恋が満ちて淵になるまでのお話ですから、それはそれは切ないのです。
そしてその切なさを、更に更に切なく彩るのが…男たちの奇妙な美しさ☆
江戸時代の花魁姿そのままに、女装しているのです!
ここでは娼妓はすべて男性! …しかも皆、人形のように美しい!
(↑まあ、リアルの現代でも…アジアやヨーロッパの歓楽街では、
  人形のような美女を見つけたら、それはまず男性…なんて言いますが。)
その性格は様々(実際、綺蝶はかなり男前な性格だけど!)なのに、
それでもどこか儚げで、妖しげで、夢二の描く女のような男たちです。
その原因はね…やっぱり着付けなんです、着物姿はここが肝心!
ハイウエストに結ぶ花魁の帯は、流れるようなS字ラインを嫌でも強調し、
本来なら…男の体に有るはずの無い、しなやかなくびれを作ってしまう…。
だから、ここの男は誰もが柳腰で、思わず手をまわしたくなる(←危険よ、これ!)
着物という衣裳も大問題! 体に沿うけれど、所々がなびく…
しなやかだけど構築的で…後ろに大きく抜いた襟空きも問題ですねぇ。
あれは非っ情に艶めかしい! 前で結んだ帯だって…
(見ようによっては)簡単にほどけそうにも見えます(笑)
ええ、つまるところスキだらけなんです、ハイウエストな帯結びって☆
これがあるから女の子に見えてしまう…という反対派も、
やっぱり遊郭はこれくらいでなきゃ…という賛成派も、
ついつい見惚れちゃうほどデンジャラス!
着付けデンジャラスな1冊でございます。
さて、肝心のエロですが…白状すると、女性同士に見えました...

3

どうしても手離せない。

一瞬、女の子かしら?とも思いたくなる雰囲気の2人。
まあ、それは遊廓が舞台だからなのですが。
それなら時代が違うのかと思ってみれば現代で。
それを念頭に置いて読もう。

というか、何も考えずに読んでて「ああ、そういえば男の子だった」みたいな感じだったりするんですが。
それぞれに事情を抱えて売られてきて。
特殊な客商売だし、当然、色子同士の色恋なんて御法度。
なのに、芽生えていく感情。

遊廓だから当然、客の相手をしなければならないわけで。
それは仕事だと割り切ってみたところで、自分がどうこうというよりも誰かがあの子に触れるというのが嫌だったり。
どうせいつかは他人の手で散らされるならと御法度を犯してみたり。
それでも手離せなくて。
もしかしたら、水揚げされた方が幸せになれるかもしれないのに、ただ繋ぎとめるためだけに蜻蛉の性格を利用して残るようにしむける綺蝶がとても切ない。
お互いに想い合ってるはずなのに、それさえも蜻蛉は気付けずに傷ついて。
擦れ違ってしまう2人が切ないです。

1

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