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恋するドールは人になる夢をみる

koi suru doll ha hito ni naru yume wo miru

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表題作恋するドールは人になる夢をみる

岸野隆平,庭師
瑠依,愛玩用アンドロイド(セクサロイド)

あらすじ

瑠依は最先端の技術を駆使して作られた愛玩用アンドロイド――いわゆるセクサロイドだ。現在のご主人は大富豪の竜前寺剛三。瑠依にとっては父親のような存在でもある、そんな剛三ももう九十二歳。自分の死期が近いことを覚った剛三は、心優しく甘えん坊な瑠依のために新しい主人を見つけて譲り渡そうとするが、瑠依は最後まで剛三のそばを離れたくないと言う。それに、屋敷には瑠依の大好きな庭師の岸野隆平もいた。幼い頃にこの屋敷に引き取られてきた隆平は、絵本も読めない瑠依に字を教えてくれた初めての『友だち』。今ではすっかり凛々しい青年になっていて…彼といると、感情などないはずなのに瑠依はなぜか人間のようにドキドキしてくるのだ。やがて、屋敷の使用人たちも次々に巣立っていき、寂しくなった屋敷で最後のクリスマスの日が迫る。剛三のためにプレゼントを用意しようと思い立った瑠依は、こっそり屋敷を抜け出し街へと出かけるのだが…。

作品情報

作品名
恋するドールは人になる夢をみる
著者
伊勢原ささら 
イラスト
hato 
媒体
小説
出版社
シーラボ
レーベル
ラルーナ文庫オリジナル
電子発売日
3.7

(8)

(3)

萌々

(2)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
29
評価数
8
平均
3.7 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数1

人の心が生まれたアンドロイド

近未来、SF要素を含む泣けるドール(セクサロイド)の物語。

竜前寺剛三:大富豪。竜前寺グループの会長。
引退後、ドールを引き取り、家族の代わりに3体を実の子のように愛して大事に扱う
瑠衣に毎晩絵本を読んで、一緒に沿い寝。

瑠衣:価格1億円以上の美貌のドール、製造後100年ほど。

隆平:マスターに保護された孤児。人格と才能を見込まれたが、庭師を希望。

マスターが、高齢で寝たきりになる。
実の息子は、金儲け第一。ドールを投資物件か、ゴミ扱いする人。
92才になり、「生きている間に、3体のドールの新しい引き取り手を探す」と、ドール達に伝える。
二体は、希望に沿う新しい主人に譲渡されていく。

造られて100年の瑠衣が知能が他の二体よりやや低く見えるのは、
プログラムにないはずの感情が芽生えて、葛藤するから。

瑠衣の中で、人間の感情と同等の情動が育っている。
マスターの死が近いことを知り、「お父さんの傍から離れたくない」と伝えたとき、瑠衣に「悲しい」という感情が湧いて 混乱する。
・・この場面、泣ける。

プログラムされていないのに、経験から学習して、感情を理解するアンドロイドの瑠衣。
クリスマスに、瑠衣が用意したマスターに贈り物は、若い頃のマスターの絵・・マスターの趣味は絵画だった。

マスターが天に召された後、マスターの予想通り、相続で一波乱ある。

心を理解するなら、不要になったら使い捨てにしていいものじゃないと思う。
瑠衣が、人に近い「幸せ」を掴めて良かった。

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