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東京センチネルバース -摩天楼の山狗-

tokyo sentinelverse

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表題作東京センチネルバース -摩天楼の山狗-

斑目佗助、山狗の姿を持ち五感が超発達したセンチネル
小泉真幌、センチネルの能力をコントロールできるガイド

あらすじ

今すぐ抱いて、契約(マーキング)する――。

センチネルの傷を癒やせるのは、ガイドとの交わりだけ…。
平凡に暮らす真幌は、ある日強盗に襲われてしまう。
そんな真幌の前に突然銀色の山狗が現れ、
その山狗は小さい頃大好きだった幼馴染の佗助に姿を変えた。
助けられたのも束の間、センチネルだという彼に強引に身体を弄ばれ、真幌は気を失ってしまう。
そして、見知らぬ場所で目覚めると、訳もわからぬままガイドの研修を受けるよう言われ…!?

作品情報

作品名
東京センチネルバース -摩天楼の山狗-
著者
鴇六連 
イラスト
羽純ハナ 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784866575308
4.4

(67)

(45)

萌々

(12)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
290
評価数
67
平均
4.4 / 5
神率
67.2%

レビュー投稿数9

東京センチネルバース ①山狗編

あとがきを読むと、著者脳内に、シリーズで続編を出す構想あり

始まりの巻は、山狗編 
異質な容貌から、幼い頃から虐めを受けていた侘助。
二才年上の真幌は侘助が話さなくても気持ちを理解できる親友

真幌の中学進学、侘助は全寮制の学校へ転校、
それ以後会えなかった二人が、真幌が事件遭遇の日に再会。
侘助は、銀毛の山犬が伴獣

ツガイ契約が成就すると、薬指に唐草模様が現れる。
山狗編では、真幌の薬指に発現

侘助は、狼じゃなくて山狗。 犬神という意味みたい。
蛇編の主人公、白滋が真幌の世話役として登場


0

6月に続編が発売されるので

鴇六連先生の作品は初読みだと思っていたんですが、「黒鳳凰の愛する小鳥」と「白金鳳凰の愛しい勇鳥」を読んでいました。どちらの作品も凄く良かったと思い出しました。汗

こちらの作品は6月に続巻が発売されると知り電子書籍で読みましたが、センチネルバース自体が初めてだったので、合わなかったらどうしようと始めは思っていました。

そして初めて出て来る単語に案の定四苦八苦するし、途中までの真幌の勘違いに苛々してこの受け嫌いになりそうとまで思ってしまいました。

ところがです。佗助と同格の白慈が関わって来てからグッと面白くなるではありませんか!この白慈というキャラが大好きになっていました。www

この白慈のお陰で真幌の誤解が解けて、侘助を真幌が救ってからの契約までの流れに感動しました。異能者と伴獣の関係も凄く面白く、真幌と侘助の伴獣が仲睦まじくて可愛かったです。

もうね、私の拙い知識では「東京センチネルバース」の面白さは伝えきれませんので、まだ未読の方は是非読んでみて下さい!

6月の続巻はタイトルから白慈が主役ではないかと思って今から凄く楽しみです。
今作で真幌と侘助が話していた謎の光や音が次作で明らかになるのか凄く気になっています。

2

シリーズ化してほしい

センチネル・バース。最初に設定説明があるのでわかりやすいです。SFっぽくもオカルトっぽくもあるのが興味深く面白い。目覚めた能力者達が勝手に集められ国のため正義のために尽くす。秘密情報局の秘密基地みたいでワクワクします。

戦闘能力が高いのはセンチネルで、戦ってきたセンチネルを癒してあげて力をコントロールするのがガイド。センチネルは強いけどつがいになったガイドがいなくなれば生きていけません。まあざっくり言うと。つがいを作らず、フリーで働くセンチネルやガイドもいます。

真幌は美容師の夢を叶えるために一生懸命だったのにいきなり連れてこられて、ガイドの仕事の研修を受けて研修の最後にセックスを見せられて、「これが1番回復させられるのよ」みたいに言われて気の毒でした。でも見た目がおしゃれで華奢で元々そっちの気があったんだろうなとも思いました。侘助の事も元々大好きだったし。

運命の2人は相思相愛で良かったけど、イラストで2回も出てきてキャラの立っていた白慈。シリーズ2作目の主役はきっと彼だと思うけど、攻め受けどちらで登場するのか。多分受けだな。イラスト可愛かったもの。美馬局長とか一色とかも美形っぽかったし、大人グループもどういうカップリングなのか気になります。全員イラスト見たい。変わった苗字のキャラがたくさん登場するのは少年ジャンプの漫画みたいです。キャラが多いので最初に登場人物紹介がほしかった話でした。

2

めっちゃ面白い!

面白い!
めっちゃ面白いです!
センチネルバースお話は読むのは二作目ですが、非常に設定が難しく設定だけでかなりの行数を割くのでちょっと読みずらいなと思っていたのですが、今作はセンチネルの特殊な設定を説明する部分を物語の進行にうまく紛れ込ませ、設定だけでなく魅力的なキャラ、謎を散りばめた進行して、それがうまくマッチして素直にとても楽しめました!めっちゃ面白かったです!



センチネルという五感と能力が著しく発達した存在と彼らを守るというガイドという存在。その特殊な能力を利用するために作り上げられた謎の組織PBC、異能者が持つ獣の姿を持つ伴獣という存在。そこに放り込まれた美容師真幌と7年前不思議な一言を残し消えた年下の幼馴染侘助の再会を描いています。

侘助って何故こんな名前?と驚きますがこの侘助くんのキャラクターがもう抜群に良い!幼馴染だった真幌くんを一途に求め周りになんと思われようと平気でしかもものすごく強い。私はこんな攻めの事を受けorナッシング攻めと勝手に呼んでいるのですが(意味:世界が受けの為だけに存在し、受けの為なら何なら自分さえもいらないような攻め、因みに攻めorナッシング受けもいる)まさにこのタイプの子!
しかも幼馴染の再会物で、年下攻めです。
好きな物の宝石箱や~な上にお話も面白い!読めてよかった!続きください!

(以下がっつりネタバレします)



主人公の真幌は幼い頃から仲が良かったのに中学のある時「必ず迎えに来る」と不思議な一言を残したまま会えないでいる幼馴染侘助の髪を綺麗に切ってあげたくて美容師を目指し、今度スタイリストとしてデビューできることになった21歳。
PBCという不思議な組織のうわさ話をしていたある日家に強盗に入られてしまう。
助けて侘助!
ともう何年もあっていない幼馴染の事を思い出した瞬間、目の前に銀色の狼のような生き物が飛び出し、強盗から真幌を守ってくれる。
あまりのことに呆然としているとその狼から人間が分離し、幼い頃から見知った髪の毛と瞳を持った男が現れる。
「真幌」と自分を呼ぶその男が長い間会えなかった侘助とわかり喜ぶのもつかの間、「真幌今すぐ契約して」と侘助が真幌の体を触り始め…
突然突き付けられた激しい欲情に混乱し拒絶し気絶する真幌が次に目を覚ましたのは知らない部屋だった。
そこは侘助のようなセンチネルという五感と能力が異常に発達した能力者と、そのセンチネルを唯一守り導くことが出来るガイドという存在を有し、隠し、使役している組織PBCという組織の持つタワーという建物の中で、真幌はガイドだと言われる。
突然のことに混乱し、自分の意思にかかわらず強制されることにも、誘拐されるように連れてこられたことにも強い拒絶を示す真幌に、組織の説明とガイドとして生きていくことの研修がされる。
この研修の部分でセンチネルとガイドの能力、その特異性、関係性(そしてPBCという組織についても若干が)うまいこと説明されていくので、真幌と同時にセンチネルバースという特殊設定も混乱なく受け入れ理解できるようになっています。まずそこがうまい。
研修で学び真幌は自分がガイドだと受け入れ、ガイドが持つセンチネルのノイズを取り除くケアを学んでいく。
センチネルは高い能力を持ちながらも、その反動で体内に澱が溜まりそれをガイドによってケアされないといつしかゾーン落ち、伴獣の獣性に飲み込まれてしまうという。
侘助は必死に真幌と契約する契約すると訴えるが…
契約とは何かケアすることとは何か、ケアしないとどうなってしまうのか分かっていき、そのせいで二人がすれ違ったりするのだが、そこに大きな事件が起き侘助たち最高級センチネルがゾーン落ちといういわゆるバースト状態に陥ってしまう。
深くケアしないといけないぎりぎりの時、真幌は侘助と契約することを決意するんですがこの時の侘助のセリフがいいのです。
「ノイズはどうでもいい、ケアもいらない。真幌俺だけのものになって」
ノイズが溜まりに溜まって人間である自分を保てるかの瀬戸際なのに、真幌と結ばれたいけどケアなんかしなくていいという侘助が凄く切ない!
深くゾーン落ちしたセンチネルをケアすることでガイドも巻き込まれることがあるからもあるでしょう
でもそれよりも自分が生きていくことよりも、真幌に受け入れられたい、ただそれだけ。
そこには同時に無自覚の自己放棄が透けてみえ、長いことノイズを抱えて一人で生きてきた侘助の孤独が透けて見え、その刹那的な望みに震えました。

センチネルとガイド。この特異性と関係性こそがこの物語の肝です。前述しましたが真幌の研修でともに説明を受ける感じですのでオメガバースやDom sub読まれる方なら難なくクリアできると思います。

そして最高ランク9Aのセンチネル2人を含む高ランクセンチネルを一気にゾーン落ちさせた事件の裏には何か陰謀がありそう。
又他の最高ランクのセンチネルの持つ過去や彼らを束ねる局長などいろいろ含んでいそうなキャラクターがたくさんいます。
そして忘れてはいけない伴獣たち!
侘助の伴獣は狼ではなく山狗で真幌の伴獣はうさぎなんですけどめちゃ仲がいいのです。彼らの描写がいいアクセントになっています。めちゃかわいいのです。

鴇先生はドラゴンシリーズ踏破していますので、キャラクターと組織の関係など彷彿するものがあります。
が、作風も文章のリズムもガラリと変わられたんですか?と思うくらい読みやすいです。
きっと先生の中には他のキャラクターたちの物語もしっかりあって機会があれば出していただけるのではないかと思うのでぜひ多くの方にこの物語を読んでいただいて、続いてほしいと思います。

3

新たなシリーズの開幕か!?

今回は山狗の伴獣を持つセンチネルと
ガイドとして目覚めた美容師のお話です。 

受様が音信不通だった攻様と再会し
攻様と歩む未来を選ぶまで。

受様は春からスタイリストデビュー予定の美容師です。

受様が美容師となったのは今では音信不通となった
幼馴染の攻様の髪を切りたいと思ったからですが
その夢はある出来事で大きく変わる事となります。

それは3月下旬のある日、
営業後のカット練習を終えて退店した受様が
今朝から続く悪寒と頭痛に悩まされながら
自転車をこいで自宅に戻った夜に起こります。

受様がつけたテレビニュースでは
4件目となった連続強盗事件について流れます。

受様の部屋は1階でベランダ越しの塀は低く
誰でも乗り越えられそうで
受様は不安に駆られながらもベッドに入ります。

酷くなる頭痛に邪魔されてなかなか寝付けなかった受様は
パキという小さな音、カチャという不自然な音を拾い
"来る"というざわつきを感じてしまいます。

なぜそう思うのかもわからないまま
連続強盗犯だろう侵入者2人から逃れようとしますが

受様に気づいた強盗犯がサバイバルナイフを振りかざし
その瞬間、受様が助けを求めたのは攻様でした。

受様が心の中で攻様の名を叫ぶと轟音とともに
ガラス戸から躍り込んできたのは大きな銀の狼!?

狼は容赦なく男達に噛みついて仕留めると
狼から魂が分化し、1人の若い男の姿に変化したのです!!

その男は7年前に別れた攻様その人で
現実離れしすぎた光景の連続に受様は眩暈がします。

混乱する受様に攻様は「受様を迎えに来た」
「伴獣が視える受様はガイドに覚醒した」と
耳慣れない言葉を発してきて!?

13才でセンチネルとして覚醒した攻様と
ガイドの異能に目覚めた受様のセンチネルバースです♪

鴇先生の初ダリア文庫は初センチネルバースで
現代を舞台に異能を持つセンチネルやガイドが
人では対処しえない事件や事故に挑むバトルアクションで
発売をとても楽しみにしていました♡

センチネルバースはあまり読んだことが有りませんが
異能を持つ者であるセンチネルとガイドの特殊性
社会との関りが不自然でない物語世界で

主役2人を中心としながらも彼らを取り巻く環境や
登場人物達の特性と相関性の複雑さが
より物語世界に深みを与えていて

もうコレは新シリーズ開幕の序章でしかない!!
と思わせる楽しい1冊でした (^o^)/

センチネルやガイドと呼ばれる異能者、
センチネルやガイドと伴獣との関係、
彼らを守るために設立されたPCBという謎の組織、

PCB東京は警察庁の外部組織として様々な案件を請け負い
発達した五感で様々な事件に当たるセンチネルを
バディとして支えるのがガイドなのです。

突然音信不通になって7年、
再会した攻様は13才でセンチネルとして覚醒しており
受様が必ずガイドとして覚醒すると信じて
受様との再会を待っていたと言います。

受様の知る攻様のままではありますが
自分に起こった事がなかなか受け止められないのですが
自分の"今"を受け入れていく事で攻様との関係を変化させ
唯一無二の関係を築くいく流れにワクワク&ハラハラ、
とっても面白かったです。

2人を取り巻く脇キャラも魅力的過ぎるので
ぜひ彼らの活躍をもっと読ませて欲しいです ヾ(≧▽≦)ノ

4

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