【電子限定書き下ろしSS付き】【イラスト入り】
「孤独な竜」。不憫受が好きな人向け。
出だしは、孤独な今の状況について。
●ベルトルト:竜族の王、金竜。ルートの父 ルートを産卵したのは父。
●マーガレット:目が見えない人間 ルートの母
●ルートヴィッヒ:19才
竜人族最後の王子。金色の小さな竜。
5才のとき、母が人間に殺され、悲しみすぎた父王は、母のところへ出かけて戻らない。
両親を失った後、ルートを育てたのは、優しいロボットたち4体。
母の為に父王が集めた本、特に「龍から姫を守る騎士」の物語が大好き。
人を攫う竜は、嫌われている。人間に虐められることを恐れている、ルート。
エリックを「騎士様」と勘違いして、歓待。
●エリック
何故か竜の山に入れる人間。龍を憎み、金持ちと貴族を嫌う盗賊。
生まれ故郷の火山の噴火は、竜の仕業で起きた災害だと竜へ復讐を誓う。
●ベルナー:継承したばかりの若い王。 エリックの友人。
●モスウイック:ずる賢い神官。
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悪者扱いされて憎まれる竜族。エリックは、竜族のルートも憎んでいる。
再会したエリックとピピから両親の最期の真実を聞いても、ルートは「贖いたい」。
抗わずにエリックに捉えられ、王の命で王城の牢に入獄する
ルートは、愚かと言っていいほど、自責自虐が強い死にたがり。
一方的に人間に責められ、乱暴を受ける場面が延々と続いてとても嫌。
勝手で腹黒い人間ばかりで、途中で読む事が嫌になったけど、・・なんとか読了。
不憫受は好きだけど、自責自虐嗜好が過ぎて 途中読み進むことが嫌になるほど。
本来、ルートが人間に言うべきことを
最後にやっと、ベルナー王がきちんと言葉に出している。
・・とても とても 疲れる、不憫受の物語だった。
270ページの二段というボリュームでしたが、一気に読みました。
とにかくルートヴィヒの心のまっすぐさ(幼さ)と境遇の不憫さに泣き、自分の存在が異質で憎まれていることを知りながらも、人のために頑張る姿がひたすら健気でそこでも涙が止まりませんでした。
ルートヴィヒが自傷したり傷つけられるシーンがありますので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
この作品を読んでいると、どうしても現実の世界のことを考えられずにはいられませんでした。どこまでが罪なのか、どこまで償えば赦されるのか。
作品自体はハッピーエンドですが、めでたしめでたしだけでない作品だと感じました。
葵居先生の作品の中で一二を争うほど好きな作品になりました。
もしかして葵居ゆゆ先生の作品の中では1番好きかもしれません。
今作は世界観といいキャラクターも魅力的で、更にyoco先生のイラストも凄く良かったです。10周年を迎えられた葵居ゆゆ先生の代表作になるのではないでしょうか?
とにかくルートヴィヒが健気で可愛くて、純粋で可哀想で読んでで胸が痛くなるんです。
そんなに1人で抱え込まないでって、君は悪くないでしょって言いたくなりました。
そしてエリックは過去に囚われてて気の毒な人としか思えなくて、もうルートヴィヒに冷たく当たらないでって腹が立つんです。
街で起きている竜が暴れている事件ですが、何となく背後で動いてる人物は直ぐに察せられるんです。その人物をどう炙り出して解決して行くのかが面白かったですね。
ガーネリア国王のベルナーがいい味だしてるんですよ。事件の解決と共に国民の竜への意識を同時に変えるって、なかなかの策士だと思いました。愉快なだけじゃなくて、1番底の知れない人物だと思いました。
頑なだったエリックがルートヴィヒの純粋さに触れて、憎しみから解き放たれて行く過程が凄く感動するんです。
それからのエリックのルートヴィヒへの対応の違いにキュンキュンしました。
純粋培養の王子さまであるルートヴィヒの性の知識に驚愕するエリックにクスッとしたり、機械人形のピピとのやり取りにホッコリしました。
惜しいのは、エリックとルートヴィヒの間にベビードラゴンが産まれるまで読みたかったですね。
今回は竜を憎む義賊と最後の竜族のお話です。
最後の竜族となった受様が攻様という幸いを得るまで。
ガーネリア国は太古よりこの地に住む竜族が
宝石を守っていることで成り立つ国です。
竜は宝石しか食べられないため
人間達は季節ごとに宝石をささげ、
何十年かに一度は伴侶を差し出してきましたが
大きな戦争のためにその習慣は廃れ
受様の父が住処とした洞窟を去ってからは
この国の竜族は受様だけとなります。
受様はいつか伴侶を得たら街で暮らし
竜は怖い存在ではないと知ってもらって
昔のように宝石を分けてもらえるようにしたい
と思っていますが
古の力の守るこの地には
旅人や迷い人ですら現れることはなく
伴侶を得るには自分から
街まで出ていかなければなりません。
しかしながら父の集めた本には
竜をよく描いたものはなく単なる嫌われ者で
人間は母のように優しいはずだと思っても
不安は消せません。
そんなある日、
物語の挿絵の騎士様のように凛とした佇まいで
鋭い眼差しの人間が現れるのです。
彼こそが今回の攻様になります♪
王の依頼で竜を探しに来たと言う攻様を
受様は最後の竜としてもてなそうとしますが・・・
竜への復讐を誓う青年と最後の竜となった受様の
ファンタジックな恋物語になります♪
受様は知らない事ですが
ガーネリア国では竜が出没しては
街を壊したり、焼いたりしていたのです。
攻様は貧しさから身売りをして故郷を離れますが
攻様の故郷は竜によって焼かれて以来15年たっても
ずっと誰も住めない不毛な地となっていました。
攻様は表向きは絵を売ったり、
寄付を頼んだりする仕事をしていますが
夜は貴族や金持ちから金を盗み、
貧しいものに配って憂さ晴らしをしています。
巷では攻様の行動は義賊と言われおり
そんな攻様に声をかけてきたのが
父王の死で即位したはかりの新王でした。
王は自身の即位前後から竜が出没し
最近では数日に1度街のどこかが襲われている事
竜を見たという者がいない事から
竜の犯行に懐疑的なのですが
父王の代から民衆の心を掴む神官長は
害をもたらす竜の排除に積極的で
攻様に連れられて王宮にあがった受様を
邪魔者として排除しようとするのです。
攻様の故郷を滅ぼした父竜の真実、
最後の竜として人間と仲良くなりたい受様の願い、
街を襲う竜の事件に裏に潜む黒幕の野望、
父竜の行いによって傷ついた人間に
償おうとする受様の真摯な姿に胸打たれ
そんな受様と関わる事で
すこしづつ変わっていく攻様のありように
きゅんきゅんさせられ、
攻様が受様の手を取るまでハラハラ&ワクワク、
たいへん楽しく読ませて頂きました。
竜が宝石を食べるという設定で
宝石の味が美しさでも表現されているのですが
それがまた物語世界をさらに煌めかせていて
とても良かったです (^-^)/
作家様買いです。
純粋で健気な竜のルートヴィヒ(ルート)と、
家族を竜に奪われて恨んでいるエリックのお話です。
ルートがひたすら健気で、序盤からほぼずっと泣きながら読んでいました。
健気で純粋で無知で、ほんとにひたすら心がきれいなんです。
だから自分をすぐ犠牲にしようとするんですよ。
その姿に涙が止まらなくて…。
帯の『僕のことは、エリックが殺してくださいね。』と言う言葉。
これを作中で読んだときは苦しくて苦しくて…。
エリックはエリックで可哀想な過去があって
でもルートはルートでずっと孤独の中で生きてきて
なんとも言えない気持ちになりました。
だからこそ最後のハッピーエンドは
それはそれでまた泣きました。
まだそこまで沢山は小説を読んでないのですが、
今まで読んできた小説の中で一番泣いたし
二人にとってほんとに良かったねって思えるお話でした。
二人の赤ちゃんが授かるお話も読みたいなぁと思いました。