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美徳と悪徳を知る紳士のためのガイドブック

bitoku to akutoku to shiru shinshi no tame no guide book

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表題作美徳と悪徳を知る紳士のためのガイドブック

パーシー(モンティの親友)
モンティ(伯爵の息子)

あらすじ

”このクィア/ヒストリカル小説を読めば、あなたの人生に何が欠けていたかに気づくだろう”
―――――〈ティーン・ヴォーグ〉誌

NY公共図書館ベストブック選出!
米公共ラジオ局ベストブック選出!
NYタイムズ・ベストセラー!

伯爵の長男で紳士の振る舞いをすべき身でありながら、酒や煙草、美男美女との戯れに明け暮れる放蕩息子モンティ。
実は親友のパーシーを密かに想っているが、爵位を継ぐ前に一年間、その親友と共に欧州を巡る周遊旅行に出ることになった。
父親の監視の目を逃れ、ますます派手に遊ぶ彼は、ベルサイユ宮殿で開かれたパーティでちょっとした諍いから小物入れを盗む。
この出来事が思わぬ大事件に発展し、追われるはめになるが……LGBTQ+、ロマンス、冒険、様々な要素の入った楽しい作品!
原題:The Gentleman’s Guide to Vice and Virtue

作品情報

作品名
美徳と悪徳を知る紳士のためのガイドブック
著者
マッケンジー・リー  桐谷知未 
イラスト
sekuda 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション【非BL】
発売日
電子発売日
ISBN
9784576220413
5

(2)

(2)

萌々

(0)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
10
評価数
2
平均
5 / 5
神率
100%

レビュー投稿数1

ヒストリカルBL冒険小説

18世紀のイギリスのボンボンが親友とヨーロッパ周遊旅行に出かけるという一風変わったお話。作者は児童文学を書かれている方だそうで、最初の手書き風の地図はまさに児童文学のような楽しい冒険の始まりを予感させるものです。

主人公モンティの語り口はユーモアに溢れ、300年前とはいえ若者の本質は変わらないな、と微笑ましかったのですが、伯爵家で名門イートン校出身の恵まれた存在と思いきや、深刻で多いに同情してしまう境遇で育ったモンティ。そんな彼が辛い境遇に耐えられたのは最愛の幼馴染みで親友のパーシーがいつも側にいてくれたから。

モンティのパーシーへの気持ちは友達以上なのですが、果たしてパーシーの方の気持ちはいかに?旅と物語は進んで行くにつれどんどんとんでもない方向へ。最後は帯の書評にもあったインディ・ジョーンズのような大冒険に。例えるならBLエンドのワクワクRPGとでも言うべきか。腐女子にとってワクワクしかありません。夏の読書にピッタリ。

2人の間には男同士という以外にも、身分の差、人種の違い、病気、など試練が山積みすぎるのですが、最後は明るい未来を想像できる後味の良さなので分厚いですがぜひ最後まで読んで頂きたいです。受け攻めはっきりはしませんがBLのときめきやキュンはしっかりと詰まってます。

続編が2冊出て完結してるみたい(和訳はまだされていない)ですが、今作の2人が中心の話ではないらしい。でも幸せそうな2人がチラッとでも出てくるなら読んでみたいなあ。

同性愛差別・毒親の虐待・人種差別・病気への偏見・女性の不平等など、現代社会にも共通する問題提議を18世紀の冒険に盛り込んで上手くまとまっているのがすごいなと思いました。腐女子の夢・パブリックスクールのイートン校が1700年代からあった事にもビックリしました(創立は1440年だそうです)。

この作品も映像化が決まってるらしい。海を超えてくる作品ってクオリティや完成度の高さを感じます。

6

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