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表題作軍人さんと金平糖

羽田正嗣
24歳,軍人
17歳,妓楼で働く下働き

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

こんな甘えたな軍人さんなんて、見たことないですよ
遊郭で生まれ育った清は下働きの身にもかかわらず客の軍人・正嗣の妻として身請けされるが…。

「彼を俺の、内縁の妻にするつもりです――」遊郭で生まれ育ち下働きとして働く清は、上官の伴でやってきた客の軍人・正嗣の酌をすることに。艶やかな花魁に一切興味を持たず、寡黙で、終始優しかった正嗣を清はいつしか待ちわびるように。これが遊女たちの言っていた恋…? そこへ再び正嗣が見世に現れ、楼主と緊迫した小競り合いを演じた末、清を身請けしてしまう。初めて外の世界へ出た清は言葉少なな夫との生活に馴染もうと頑張るが…。

作品情報

作品名
軍人さんと金平糖
著者
海野幸 
イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576230078
4.1

(70)

(29)

萌々

(26)

(12)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
17
得点
287
評価数
70
平均
4.1 / 5
神率
41.4%

レビュー投稿数17

小さな幸運を探してやっと生きていた主人公が本当の幸せを掴むまで

コミカライズを読む前にこちらを読んでおきたいと、手に取りました。明治、大正あたりの和服と洋服が混在する時代、そして軍服とても好みなんですよね。
明治時代の遊郭で産まれずっと下働きとして生きてきた清。遊郭の客として来た軍人の正嗣とたまたま出会い、なんと、知り合った3日後には身請けしたい!と、花街から出たこともなかった清は突然大きな呉服店の次男で軍人の正嗣の家に連れて来られるんです。そしてどうやら呉服店の跡継ぎ問題でこの家は揉めているようで…

読み始めはとんとん拍子で事が運ぶんですが、何でも自分の直感で動いて言葉の足らない正嗣と、自己肯定感の低い清がなかなか正嗣の事を信じきれないでいる中でちょっとした事件や清を不安にさせるような出来事があったりするんです。
二人で過ごす時はとても甘々で、街に出かけたりした時の遊郭しか知らなかった清の反応が可愛いくて、あちこち目移りして見ている清に対してやきもちを妬く正嗣がとても微笑ましいんです。今までは1粒見つけては喜んでいた金平糖を清が喜ぶからと、たくさん買って毎日1粒ずつ渡してくれるとか、本当に幸せいっぱいのお姫様にしか見えないんですよ。正嗣の行動はとにかく優しいし、清を一番に思って必死になってくれてるんです。
でも、急に遊郭から強引に連れ出した自分を本心ではどう思っているのか?清に訊ねる事が出来ない正嗣。そして、自分を本当に一生傍に置いてくれるのか?不安が強くてなかなか正嗣に不安を打ち明けられない清。お互いにとても好き合っているからこそ、ちゃんと口に出して心の内を言えないでいる二人のモダモダが焦れったくもあり見ていて楽しかったです。
クライマックスシーンで、ようやく、気持ちを伝え合うことの重要性に清が気づくのですが、その気づきの場面で清が心も体も成長したんだ!という自覚を持つことが出来て、それが怖くても、正嗣の心をきちんと知りたいと一歩踏み出す自信なるのが、とても読んでいて晴れやかな気持ちになりました。お互いにどの時点で好きになったのか?は読むとムフフ…と思ってしまいますよ。
最初は仕事と言えば妓楼の仕事しか思いつかなかった清が新しい仕事をやりたい、やってみたいと、外の世界に目を向けられる様になったのが嬉しくて。読んでいてこれからの清の生き方を想像してワクワクしました。
読み始めるとあっという間に読み終えてしまった楽しい一冊でした。これ、八千代ハル先生の漫画で読めるなんて、漫画も楽しみに読んでみようと思いました。

0

No Title

舞台は明治時代、遊郭で生まれ育った清を正嗣が引き取るのですが……。清が健気な子でほんっっとに可愛い。そしてがんばりやさんだ正嗣がまたかっこいいんですよ……口数が多いわけじゃないけど垣間見える独占欲……痺れる……!八千代ハル先生の挿絵がまた美しい。 コミカライズも読みたいな。正嗣がくれる1粒1粒の金平糖を大事にする清の描写が切なくもあり、ときめきもあり…すてきなお話でした。

1

イラストもふんわり優しげです

以前からなんとなく気になっていたタイトルと表紙絵。
コミックスじゃないと知り殆どBL小説は読まないわたしはなかなか手が出せませんでした。
読み出したら一気に読んでしまいましたけど!

金平糖って子供の頃を思い出します。
で、たいして美味しくもないのだけれど明治時代底辺の生活者にとってはきらきら夢のような高級菓子だったのだろうな。

BL小説ってエロい、コミックスより濡れ場が多いと決めつけていました、ごめんなさい。
この小説は拍子抜けするくらい?濡れ場が少なかったです。
でも!BLらしい萌えどころは数多くあって楽しく読みました。
背景設定が明治初期の妓楼、凛々しい禁欲的な軍服姿、そして自分の人生を切り拓く意地を見せる美少年なんですから、それだけで魅了されます。
ストーリーも丁寧に作られているので必然的に扇情的なだけの濡れ場はないのだと言えます。

軍人正嗣が一貫して下働きの少年清に思いやりの気持ちで接して決して揺るがない恋心が伝わってくるのがたまりません。
終始周りの者にも清を自分の妻だと言い切る頑固さというか一途なところがキューンです!

最後に妓楼の楼主だけが最後までやなヤツでした。
とはいえ爽やかな読後感で海野先生の他の作品も是非読んでみたいです。

2

最高に萌えた海野先生の時代もの

アワード投票締め切りギリギリに読み終えることが出来て良かった…!

海野先生のお仕事もの、現代ものが大好きなんですが、時代もの自体がそこまで好きではなく、手に取っていなかったこちらの作品。

今回ノミネートされていたことで「やっぱり読まなきゃ!」と決心することができ、読んで大正解でした◎
身悶えするほど萌えた…!

まず、八千代ハル先生のイラストの美しさたるや。

二人の唇が触れ合いそうで触れ合っていない、キスする直前の一瞬を切り取ったかのようなイラスト。
そこにこぼれる色とりどりの金平糖がまた綺麗で可愛くて…

いつまでもうっとり見ていられる表紙に、感謝しかありません✨

そしてそして、内容の方もですね、萌えが詰まっておりました…
明治もの、いいわ。。とうっとり。

軍人、というより「軍人さん」と”さん”を付けて呼びたくなってしまう、言葉少なだけれど優しさに溢れた軍人さん攻め、正嗣 × 遊郭で無給で下働きする不憫受け、清(きよ)。

もう、特にきゅーん!としたシーンがありまして。
身請けされ、街に一緒に服を買いに出かけて雨に降られる場面。
外套にそっと清を包み込んでくれた正嗣の表情は飄々としているのに、心臓が早鐘を打っているのですよ…!実は耳も真っ赤で熱くなっている、というね。

清のことを想う気持ちが隠せずドキドキしている正嗣の様子に、こっちも一緒にドキドキきゅーん…でしたよ。。(⸝⸝⸝°◽︎°⸝⸝⸝)

お互い一目惚れで、正嗣もしっかり言葉にして伝えてくれてはいるものの、色々な誤解から「自分は後継問題の駒として手許に置かれているだけなのでは」と気落ちしてしまう清。
それでも、伴侶ではなく奉公人としてでもいいからどうしても正嗣のそばにいたい!と当主に訴える健気な姿に涙、涙…

これからも毎日金平糖一粒、いや何千粒にも値する愛の言葉をもらい、心穏やかに甘い甘い生活を続けていってほしい、きっとそうなるよね…と、読後しばらく甘い甘い気分に浸ってうっとりしました・:*+.


2

可愛いけど

金平糖のシーンは大好きでした。

ただ、不憫受けなんだけど、少し中途半端な感じがしてしまいました。
個人的に最初の方で、もう少しいじめられた方が後の痛快度アップがあったかなと。
攻め様も同じくスパダリ一歩手前な感じで。
受け様、攻め様どちらかが振り切ってる方が、もっと物語にメリハリが出たような?

せっかくなので軍人の描写も、もっと欲しかった。
攻め様パートのお話をおまけ程度で良いのであればもっと楽しめたかなと。
せめてイケメンな当て馬が出るとか、もう少し波乱が〜とも思ったのですが、このお話はゆったりした明治浪漫な雰囲気を甘く楽しむ物だったんですかね?
と言うことで少し厳しめな採点です。
お話自体は好きなので、萌2でも良かったかも。

2

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